【小学生向けに解説】どうして動物は冬眠するの?冬のくらしのひみつを楽しく学ぼう!

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おもしろ雑学

冬になると、森や山、野原、池や川の近くにすむいろいろな動物たちが「冬眠(とうみん)」という特別なすごしかたをします。でも、どうして動物たちは寒くなると長い間ねむるような生活をするのでしょうか?そして、どこでどんなふうに冬をすごしているのでしょう?

この記事では、動物が冬眠する理由や体のしくみ、冬眠する動物たちのくらし、冬眠中のからだの変化、冬眠前の準備や、冬眠と似ている行動のちがい、さらに進化の観点や地球の環境との関係まで、小学生にもとことんわかるように、楽しくてんこ盛りで解説します。自然のふしぎと、命の強さや知恵をいっしょに発見していきましょう!

冬眠ってなに?どうしてするの?

冬眠とは長いあいだじっとしてエネルギーをへらすこと

冬眠とは、動物が冬のあいだ、あまり動かずにエネルギーをできるだけ使わないようにする行動のことです。見た目はぐっすりねているように見えるけど、完全にねているわけではなく、じっとして体力をうばわれないようにしています。動物たちは、気温がとても低くなる冬をのりこえるために、この冬眠という工夫を使って生きています。実際には、体の中の働きを最小限にして、命を守るためにじっとしているのです。

寒くて食べものがない時期をのりこえるため

冬になると、草や木はしげらず、虫もかくれてしまうため、動物の食べものがぐっと少なくなります。そんなときに元気に動いていると、たくさんエネルギーを使ってしまい、生きのこるのがむずかしくなります。そこで、体の活動をおさえて、エネルギーを大切に使いながら、寒い冬をこすのが冬眠です。動物たちは進化の中で、こうした方法を見つけ出してきました。

寒さから身を守るすごいしくみ

とくに体が小さい動物は、まわりの気温にとても影響を受けやすく、体温が下がるとすぐに体調をくずしてしまいます。そこで、木のあなや土の中など、あたたかい場所にかくれてじっとしていることで、体を守っているのです。また、気温の変化に合わせて体の中も変化し、寒い冬をこえられるような工夫がされているのです。

どうやって冬眠できるの?

動物たちの体は、冬眠に入る前になると「冬眠モード」になります。心ぞうや呼吸のスピードが下がり、体温も下がります。人間が体温を下げると病気になりますが、冬眠する動物は特別なホルモンやたんぱく質のおかげで、体がこわれずに冬をこせるのです。

どんな動物が冬眠するの?

よく知られている冬眠する動物たち

冬眠と聞いて思い出すのは「くま」かもしれませんね。でも、冬眠するのはくまだけではありません。リス、コウモリ、ヤマネ、ハリネズミ、カエル、カメ、ヘビ、イモリやヤモリ、さらには一部の魚も冬眠に近い状態で冬をすごします。それぞれの動物によって冬眠のしかたはさまざまで、寝る場所や期間、体の変化などにちがいがあります。

同じ動物でも地域によってちがう

同じ種類の動物でも、すんでいる場所がちがうと冬眠するかどうかもちがってきます。たとえば、北の寒い地方にいるリスは冬眠しますが、南のあたたかい地方にいるリスは一年中活動していることもあります。これは、その土地の気候やえさのあり方によって、冬をどうやってすごすかが変わるためです。世界中の自然の中で、動物たちは自分に合った冬のすごしかたを選んでいるのですね。

冬眠の長さや深さはさまざま

ヤマネという小さな動物は、半年以上も冬眠することがあります。くまは冬眠中もときどき目をさまし、体の位置を変えることがあります。コウモリやヘビなどは、気温があがると目をさましてエサを食べることもあります。冬眠の深さや長さは、種類や気温、えさの状況によっても変わるのです。ときには、気温が高い年は冬眠しないこともあります。

冬眠しない動物の工夫

冬眠をしない動物は、どうやって冬をすごすのでしょう?たとえば、シカやウサギなどは、冬でも外で活動し、木の皮や草、残った実などを食べてすごします。鳥の中には、遠くのあたたかい場所まで移動する「渡り」をする種類もいます。

冬眠中の体はどうなっているの?

心ぞうの動きがとてもゆっくりに

冬眠しているときの心ぞうの動きは、とてもゆっくりになります。ふつうは1分間に100回くらいだった心ぞうの鼓動が、10回以下になることもあります。こうして体のエネルギーの消費をおさえているのです。心ぞうの動きだけでなく、呼吸もゆっくりになり、体の中はとても静かな状態になります。

体温も下がるけど大丈夫!

人間なら体温が下がると体調をくずしますが、冬眠する動物たちは体温がさがっても大丈夫な体になっています。たとえば、カメやカエルは体温が5℃以下になることもあり、まるで氷のようになることもあります。それでも、春になるとまた元気に動きだすのです。クマの場合は、体温が少し下がるだけで、完全にはさがらない「浅い冬眠」をします。

ごはんを食べずにすごすすごい工夫

冬眠中はごはんを食べません。だからこそ、冬眠前にたくさん食べて、体にしぼうをたくわえておくのです。そのしぼうをすこしずつ使って、何か月もごはんを食べずにすごすことができるのです。また、冬眠の前に食べたものが特別なエネルギーにかわるように体の中で調整されることもあります。冬眠が終わったあと、体が細くなっている動物も多いです。

からだの中の水分や血も工夫されている

一部のカエルや昆虫などは、冬眠中に体の中の水分が凍らないように、「糖(とう)」や「アルコール」に似た物質を作って、凍らずに冬をこすことができます。自然界のすごいサバイバルテクニックですね。

冬眠の前にする準備やすみか作り

あたたかくて安全な場所をさがす

動物たちは、寒さや外敵から身を守るために、冬眠する場所をていねいにさがします。たとえば、木のうろ、地面の下、岩のすきま、落ち葉の中など、あたたかくて静かで、外から見つかりにくい場所がえらばれます。場所によっては、仲間といっしょに冬眠することもあります。

冬にそなえてたくさん食べる

くまやリスなどは、秋になるととてもたくさん食べてふとります。これは、冬のあいだに食べものを食べなくてもすごせるように、体にたくさんエネルギーをたくわえておくためです。ときには、自分で食べものをかくしておき、冬の間に目をさまして食べることもあります。リスは木の実を土にうめておく習性があります。

体の中で冬眠の準備をする動物も

中には、冬眠前になると体の中の成分(たとえば血の中のたんぱく質や水分の量)を変えて、寒さにたえられるように変化する動物もいます。こうした「冬眠モード」になるしくみも、生きのこるための知恵です。体が寒さやえさの少なさにそなえて準備をしていくのは、本当にかしこいですね。

集団で冬眠する動物もいる!

コウモリや一部のヘビ、カエルなどは、たくさんの仲間といっしょに集まって冬眠することがあります。体を寄せ合うことで、寒さから身を守り、敵からも見つかりにくくしています。

冬眠と似ている行動や動物の冬のすごしかた

冬ごもりとのちがいは?

「冬ごもり」は、完全にねむっているわけではありません。体はおきていても、寒い冬は外に出ず、あたたかい場所で静かにすごすことをいいます。たとえば、くまは「冬眠」と「冬ごもり」の中間のような行動をしています。ときどき目をさまして外のようすを見たり、赤ちゃんをうんで子育てをしたりすることもあります。

鳥たちは冬になると「渡り」をする

ツバメやハクチョウなどの鳥は、寒い季節になるとあたたかい場所へ引っこします。これを「渡り」といいます。これは冬眠とはちがうけれど、やっぱり冬をすごすためのたいせつな行動です。渡り鳥は長い距離をとんで、よりすごしやすい場所をさがしてうつるのです。

変温動物と恒温動物のちがいもポイント!

カエルやカメなどの「変温動物」は、気温に合わせて体温が変わるので、冬になると冬眠してじっとしていることで体温の低下を防いでいます。いっぽう、くまやリスなどの「恒温動物」は、自分の体温を一定に保とうとしますが、えさが少ないので冬眠するのです。

人間のくらしも少し似ている?

人間は冬眠はしませんが、冬はあたたかくしてすごしたり、かぜをひかないようにしたりと、気をつけてくらしています。動物と同じように、冬のくらしかたを工夫しているのです。たとえば、こたつに入ったり、あったかい食べものを食べたり、ゆたんぽを使ったりと、体をあたためる工夫がいっぱいあります。北国の人は、冬にあまり外に出ない「冬ごもり」に近い生活をすることもあります。

地球温暖化と冬眠の未来

最近は地球の気温が高くなり、冬眠する動物の行動にも変化が出てきています。たとえば、冬眠の期間が短くなったり、冬眠しない年があったり。これからの地球環境の変化が、動物たちの冬眠にどんな影響をあたえるのか、今も研究が続いています。

冬眠のひみつまとめ表

ポイント説明
冬眠とは?寒さや食べもの不足から身を守るために、体の動きをおさえてすごす行動
どんな動物?くま、リス、コウモリ、カメ、カエル、ヘビ、ヤマネ、ハリネズミなどが冬眠する
体の変化心ぞうの動きがゆっくり、体温が下がる、ごはんを食べない、特別な物質で体を守る
準備と場所食べてエネルギーをため、木のあなや土の中、岩のすきま、集団ですごすことも
似た行動は?冬ごもり、鳥の渡り、人間の工夫、変温・恒温動物のちがい、地球温暖化との関係

動物たちの冬眠は、自然の中で生きのこるためのすばらしいしくみです。小さな体でたくましく冬をのりこえるために、たくさんの知恵や工夫がつまっています。冬になったら、森の中の動物たちは今ごろどうしてるかな?と想像してみるのも楽しいですね。雪の中でひっそりと眠っている動物たちのことを思い浮かべると、自然のふしぎがもっと好きになるかもしれません。地球や自然と生きものたちのつながりを考えて、やさしい気持ちで動物たちを見守っていきましょう!

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