植物は、私たちの生活のあちこちにある大切な生き物です。家のベランダや公園、学校の花だん、山や森など、どこでも見つけることができます。でも、どうして植物に水をあげると葉っぱが元気にピンとなったり、花がきれいに咲いたりするのでしょう?
今回は、「なぜ植物に水をあげると元気になるのか」を、わかりやすく、たっぷりと説明します!さらに、水のあげ方や植物の観察ポイント、植物が元気になるための工夫まで紹介するので、植物を育ててみたい人にもぴったりです。
植物に水が必要な理由をもっと深く知ろう
植物の体のほとんどは水!その役割とは?
植物の体の80%から90%は水でできています。水は「細胞(さいぼう)」という小さな部屋に入っていて、しおれたり倒れたりしないように、体をしっかり支える力になります。もし水がなくなると、植物の葉っぱや茎はグニャっとしおれてしまい、元気がなくなってしまいます。
水は植物の「栄養と命の運び屋」
植物は土から根っこで水と栄養を吸い上げています。水は、土の中の肥料や栄養を葉っぱや花、実など、植物全体に運ぶ大切な役割をしています。水がちゃんとあることで、栄養もスムーズに行きわたり、植物が大きく元気に育つことができます。
葉っぱからも水が出ていく「蒸散(じょうさん)」
植物は、葉っぱの裏側にある「気孔(きこう)」というとても小さな穴から、水を水蒸気として外に出しています。これを「蒸散」といいます。蒸散は、植物が暑い日でも体温を下げるためや、根から新しい水を吸い上げるためにとても大切な働きです。
水が切れるとどうなる?
水がなくなると、植物はしおれて成長が止まったり、葉っぱが黄色くなったりしてしまいます。特に夏の暑い日は水分がどんどん失われるので、水やりはとても重要です。
水は植物の成長にどんなふうに役立つ?
光合成には水が必ず必要
植物は太陽の光を浴びて「光合成(こうごうせい)」をします。この光合成では、水と空気中の二酸化炭素を使って、植物自身の栄養(デンプンなど)と、私たち人間や動物が必要な酸素を作ります。水がなければ、光合成もうまくできず、元気に成長できません。
新しい葉や花、実ができるための材料になる
植物は成長するとき、新しい葉っぱや花、実をどんどん作ります。これには水が欠かせません。水がたくさんあると、芽がよく出たり、花がたくさん咲いたり、実が大きくなったりします。
植物の体温を調整するためにも水が重要
蒸散によって水が葉っぱから出ていくことで、暑い日でも葉っぱや茎が熱くなりすぎず、健康を守っています。これが、植物が暑さに負けずに元気を保つひみつのひとつです。
水は病気予防や害虫対策にも役立つ
植物がしっかり水を吸えていると、葉っぱの表面にうるおいがあり、病気になりにくかったり、虫に食べられにくくなったりします。水は見た目だけでなく、健康のためにも大事なのです。
植物の水やり・育て方のコツをくわしく解説!
根っこまでしっかり水を届ける方法
水やりは、土の表面だけでなく、根っこまで水がしみこむようにたっぷりあげましょう。特に植木鉢やプランターでは、水が下まで届かないことがあるので注意が必要です。
朝や夕方に水をあげる理由
水やりは朝か夕方に行うのがベストです。昼間は気温が高く、水がすぐに蒸発してしまうので、朝や夕方ならしっかり根に届きます。特に夏は朝の水やりが大切です。
土の乾き方をチェックするポイント
土が乾いているかどうかは、手で触ったり、土の色や固さを見てチェックしましょう。乾いていたらたっぷり、しめっていたら少し待つ、というバランスが大事です。
水のあげすぎ・あげなさすぎに注意
植物によっては水のあげすぎが苦手な種類もあります。根っこが空気を吸えなくなり、「根腐れ(ねぐされ)」という病気になることも。逆に水が足りなすぎても元気がなくなります。植物の種類に合わせて、水やりの量やタイミングを工夫しましょう。
植物の様子や育ち方のちがいを観察しよう
水が足りないとどうなる?
葉っぱがしおれたり、黄色くなったり、成長が止まってしまいます。花や実も落ちてしまうことがあります。
水が多すぎるとどうなる?
根っこが苦しくなって、茎や葉がふにゃふにゃしたり、黒ずんでくることもあります。土がずっとジメジメしていたら、あげすぎのサインかも!
乾燥や湿気に強い植物もある!
サボテンや多肉植物は、もともと乾燥した場所に生えているので、水やりは少なめが好きです。アジサイやスイレンなど水辺の植物は、たっぷり水が好き。育てる植物によって水やりを変えてみましょう。
観察ノートをつけてみよう
毎日水やりのあとに、植物の様子や成長の変化を観察してノートに書くと、もっと成長や水の大切さが実感できます。
植物の水やり・成長の関係まるわかり表
植物の様子 | 水が必要なサイン | 水やりのポイント | こんな時はどうする? |
---|---|---|---|
葉っぱがしおれる | 水が足りない、すぐ水やり! | 根元にたっぷり水をしみこませる | 気温が高い日は朝や夕方に水やり |
土がカラカラ | 手でさわって土が乾いている | 朝や夕方にたっぷり水やり | 土の中まで水が届くように |
葉や茎がふにゃふにゃ | 水が多すぎて根が苦しいことも | あげすぎ注意!土の様子をよく観察する | 鉢底から水が出るまでしっかり排水 |
葉や花が元気いっぱい | 水・光・栄養がバランスよく足りている | 継続して様子を観察し水やりや肥料も調整する | ときどき葉の裏もチェックしよう |
土にカビやコケが生える | 湿気が多すぎてジメジメしている | 風通しをよくし水やり回数を減らしてみる | 日当たりも工夫してみよう |
【まとめ】
植物は、水がなければ生きられません。水は、体を支えるだけでなく、栄養を運び、光合成でエネルギーを作り、暑さから守り、元気な花や葉っぱ、実を育てるためにとても大事なものです。ただし、水をあげすぎても、あげなさすぎても植物は困ってしまいます。
植物の種類や育てる場所によって水のあげ方も違うので、よく観察して、その植物が何をほしがっているのかを考えながら水やりをしましょう。毎日お世話をしていると、少しの変化にも気づけるようになります。植物の成長や命のすごさ、水の大切さをたくさん感じて、観察やお世話を楽しんでみてください!