毎日、みなさんはいろんな音を聞きながら過ごしています。友だちと話す声、ピアノやリコーダーの音、雨のふる音や鳥のさえずり、電車や車の音、テレビやゲームの音…。でも「音」ってなんだろう?どうして私たちの耳には音が聞こえるのでしょう?
今回は、音のふしぎな正体や、耳が音をキャッチする仕組みをたっぷり、わかりやすく説明します。普段の生活や理科の自由研究、家族や友だちとの話題にも使える「音と耳」のひみつをじっくり探検しましょう!
音はどうやって生まれるの?~音の正体をくわしく解説~
物がふるえて音ができる
- 音のもとになるのは、すべて「ふるえ(振動)」です。
- たとえば太鼓をたたくと、太鼓の皮がブルブルふるえます。
- ギターやピアノの弦、リコーダーの中の空気もふるえています。
- 人の声も、のど(声帯)が小さくふるえて空気を動かしているのです。
音の「波」が空気を進むしくみ
- ふるえによってできた音は「音波(おんぱ)」という波の形になり、空気を通って広がります。
- この波が「空気分子」を押したり引いたりして、耳までどんどん進んでいきます。
- 音は波のように伝わるので、「音の波」ともいわれます。
水や地面、壁も音を伝える!
- 音は空気だけでなく、水や地面、木や鉄などの固いものも伝わります。
- プールで耳を水につけて声を聞くと、普段と違う音になるのは水が音を運んでいるから。
- 電車の線路に耳を当てると遠くの音が聞こえる、壁越しの声がもれる…これも音の伝わり方のひみつです。
いろいろな音のスピード
- 音は空気中を1秒間に約340メートル、さらに水中では約1500メートル、鉄の中だと約5000メートルも進みます。
- だから雷の「ピカッ」と「ゴロゴロ」の時間差は、光より音が遅いからなんですね。
耳のしくみを探検しよう!~音が聞こえるまでの流れ~
耳は3つのパーツでできている
- 耳は「外耳(がいじ)」「中耳(ちゅうじ)」「内耳(ないじ)」の3つに分かれています。
- 外耳:みんなが見える耳たぶと耳のあな。ここから音が入ります。
- 中耳:鼓膜(こまく)と3つの耳小骨(じしょうこつ:ツチ骨・キヌタ骨・アブミ骨)があり、音のふるえを大きく伝えます。
- 内耳:かたつむりの形をした「うずまき管(かん)」があり、ふるえを電気信号に変えて脳に送ります。
音が聞こえるしくみを順番に解説!
- 音の波が耳たぶ→耳のあなを通って鼓膜に当たる。
- 鼓膜がふるえ、その動きが耳小骨を伝わって内耳へ。
- 内耳のうずまき管がふるえを「電気信号」に変身!
- 電気信号が神経を通って脳へ。
- 脳が「これは友だちの声」「車の音」「ピアノだ!」と聞き分けます。
両耳で音の方向がわかる!
- 私たちは右耳・左耳、2つの耳があるから、音のする方向や遠さがわかります。
- たとえば、右から車が来ると右耳が先に音をキャッチ。脳が「右から来ている!」と教えてくれます。
- コウモリやイルカも同じ仕組みで、音の方向や獲物の場所をキャッチします。
耳の形にも意味がある!
- 人間の耳は、前や横からの音を集めやすい形。
- ウサギやイヌ、ネコの大きな耳は、音をキャッチして耳を動かすことで、いろんな方向から小さな音も聞き分けます。
いろんな音のふしぎをもっと調べよう!
高い音と低い音のひみつ
- ふるえが速いほど「高い音(高音)」、遅いほど「低い音(低音)」になります。
- ピアノの一番右の鍵盤は高い音、左は低い音。
- 男の人の声は低いことが多く、女の人や子どもの声は高いことが多いです。
大きな音と小さな音はどう違う?
- ふるえが大きいほど「大きな音」、小さいほど「小さな音」になります。
- 遠くで話す人の声は小さく、近くで大声を出すと大きな音になります。
- スピーカーやテレビの音量を上げると音の波が強くなるため、大きく聞こえます。
音の不思議な現象
- 「こだま(やまびこ)」は、音の波が山や壁に反射して戻ってくる現象です。
- 「ドップラー効果」は、救急車が近づくとき音が高く、遠ざかると低く聞こえること。
- 音の速さや伝わり方には、たくさんの面白い発見があります。
音が聞こえにくくなることもある?
- 大きな音を長時間聞くと、耳が「疲れて」一時的に聞こえにくくなることも。
- イヤホンやライブハウス、工事現場など、音が大きい場所では耳を守ることが大切です。
- 年をとると、だんだん聞こえない音も出てきますが、普段のケアで守ることができます。
音と耳のいろんなひみつ~動物・道具・暮らしで考えよう~
動物の耳と人の耳のちがいを比べてみよう
- 犬や猫は人間よりも高い音が聞こえます。
- クジラやイルカは水の中で超音波を使って仲間と会話します。
- フクロウやコウモリは夜の森の中でも小さな音で獲物を見つけます。
- ウサギは大きな耳を動かして遠くの音をキャッチ。
スピーカーや電話の音のしくみ
- スピーカーは中の「膜(まく)」がふるえて空気を動かし、音を広げています。
- マイクロホンは空気のふるえを電気信号に変える道具です。
- テレビやスマホ、パソコンのスピーカーも同じしくみです。
音と安全・生活の工夫
- 車のクラクションや踏切の音、学校のチャイム、緊急地震速報など、音は私たちの安全を守るサインにもなります。
- 音楽や歌、自然の音は気分をリラックスさせたり、集中力を高めたりする力もあります。
- 耳が不自由な人のために、光や振動で知らせる道具も使われています。
耳を大切にするためのポイント
- イヤホンやヘッドホンは音量を下げて長時間使わない
- 大きな音の場所では耳せんや防音グッズを使う
- 耳そうじはやさしく、耳の奥まで突っ込まない
- プールの後やお風呂上がりは水をしっかりふき取る
音と耳のまとめ・よくある質問コーナー
質問 | 答え |
---|---|
音はどうして聞こえるの? | 物がふるえ、空気や水、地面を通して音の波が耳に伝わるから |
耳はどんなしくみ? | 外耳・中耳・内耳の3つでできていて、ふるえを電気信号に変えて脳に伝える |
動物はどんな音が聞こえるの? | 犬や猫は人間より高い音、コウモリやイルカは超音波で会話できる |
音が早く伝わるのはどんなとき? | 水や鉄など空気より固いものの中は、音がもっと早く進みます |
こだまや反射音はどうして起こるの? | 音の波が壁や山などにぶつかって跳ね返るから |
大きな音は耳に悪い? | はい。イヤホンやライブ、花火大会などでは音量や耳を守る工夫が大切です |
どうすれば耳を守れる? | 音量を下げる、大きな音の場所では耳せん、耳そうじをやさしく、水分も気をつける |
音が聞こえにくくなるのはどんなとき? | 大きな音・年齢・病気・水や耳あか・けがなど色々な理由で一時的に聞こえづらくなることも |
イヤホンでどのくらいの音なら大丈夫? | 会話が聞こえるくらいの音が目安。1時間ごとに休憩しよう |
【まとめ】
音は、物がふるえて「波」となり、空気や水、地面、さまざまなものを通して耳に届きます。耳は外耳・中耳・内耳という3つの大切なパーツが連携して、音のふるえをキャッチし、脳に伝えています。動物の耳や音の伝わり方にもさまざまな工夫や進化があり、音の世界はとても広く奥深いです。
みなさんも日常のいろいろな「音」に耳をすませて、身の回りのふしぎや新しい発見を楽しんでください。そして、耳を大切にして、いろんな音や音楽を楽しみながら生活しましょう!