風はわたしたちのまわりでいつもふいている自然の力のひとつ。でも、「どうして風がふくの?」「空気って見えないけど、どうやって動いてるの?」と思ったことはありませんか?風は、わたしたちが毎日感じることのできる自然現象の中でも、とても身近でありながら不思議がいっぱいです。
この記事では、風がふくしくみや、身近なところで見られる風のはたらき、台風や季節風との関係まで、やさしく楽しくくわしく説明します!身近な例をまじえながら、自然のすごさをいっしょに学んでいきましょう。自由研究にも役立つ内容なので、最後まで読んで風のひみつを発見してみてくださいね。
空気ってなに?見えないけれどとても大事なもの
空気は何でできているの?
空気は、酸素(さんそ)や二酸化炭素(にさんかたんそ)、窒素(ちっそ)など、たくさんの気体(きたい)がまざったものです。目には見えませんが、空気はわたしたちの体のまわりにも、空にも、地面の上にも、どこにでもあります。魚が水の中で生きているように、わたしたち人間も空気の中で生きているのです。
空気は透明なので、ふだんはその存在を感じにくいですが、息をはいたときの風や、風船のふくらみなどで、空気の存在を確かめることができます。
空気は重さがあるの?
実は空気にも重さがあります。これを「気圧(きあつ)」といいます。空気がたくさんあるところは、気圧が高くなり、少ないところは気圧が低くなります。この気圧のちがいが、風を生み出すもとになるのです。高い山の上では空気がすくなくて、気圧が低くなるので、息がしにくくなることもあります。
たとえば、ペットボトルをつぶす実験をしてみると、空気の力(気圧)でボトルがへこんだりします。このように空気には見えないけど力があるのです。
空気はあたたまるとどうなる?
空気はあたたまるとふくらんで軽くなり、上の方へと上がっていきます。さむくなると重くなって、下にさがってきます。この上がったり下がったりする動きが、風のもとになるんですよ。この動きは「対流(たいりゅう)」と呼ばれ、おふろの湯気ややかんの蒸気にもにています。
空気が動くことで、空の雲が流れたり、鳥が空を飛ぶときに空気を利用したりと、わたしたちの身の回りにいろいろな影響を与えています。
どうして風がふくの?風ができるしくみを知ろう
気圧のちがいが風を生む!
高い気圧のところから、低い気圧のところへ空気が流れていくことで風が生まれます。このときの空気の流れが風になるのです。空気は目に見えないけれど、たくさんの空気の分子がいっしょに動くことで、わたしたちは風として感じることができます。
たとえば、風船の口を開けると中の空気が外へ出て風になりますね。これも気圧のちがいによる空気の動きです。
地球の動きも関係している?
地球はじぶんでぐるぐる回っているので、風のふく向きもまっすぐではなく、ちょっと曲がってふくことがあります。これを「コリオリの力」といいます。たとえば、北半球では風が右に曲がり、南半球では左に曲がるという特徴があります。
これは地球の自転(じてん)が原因で、台風の回る向きが場所によってちがうのもこの力が関係しています。
太陽の光が風を生む力に!
昼間は太陽の光が地面をあたためます。地面があたたまると、その上の空気もあたたかくなり、上へ上がります。すると、まわりの空気がその場所に流れこんできて、風が生まれます。つまり、風は太陽のエネルギーによって生まれているとも言えるのです。
このように、太陽は風のもととなる空気の動きの「エンジン」のようなはたらきをしています。
身近な場所で風を感じてみよう!
海と陸でちがう風「海風」と「陸風」
昼間、海よりも陸の方がはやくあたたまるので、陸の上の空気が上へ上がります。すると海から空気が流れてきて「海風」がふきます。夜になるとこんどは陸がさめやすいので、今度は陸から海へ「陸風」がふくようになります。このような風は、海の近くの町でよく見られます。
夏に海へ遊びに行ったときに、昼と夜で風の向きが変わることを感じたことはありませんか?それが海風と陸風のしくみなんです。
たてものの間をふく風
まちの中を歩いていて、たてものの間を強い風がふいてくることがありますね。これはビル風とよばれ、たてものの形や間のすき間によって、風がはやくなったり、向きが変わったりして生まれます。高いビルのある場所では、風がまるでトンネルを通るように強くなることがあるんです。
風はまっすぐではなく、まわりのものにぶつかって方向が変わるので、まちなかではいろんな場所に思わぬ風がふいていることがあります。
山や川のそばでの風のちがい
山では、昼と夜で気温が大きくかわるので、山風や谷風(たにかぜ)といった風がうまれます。昼は山の上があたたまり、空気が上がっていき、谷から山へ風が流れます。夜はこんどは山の空気がさめて下にさがり、山から谷へ風が流れます。これも自然のしくみがつくりだす風です。
このような風は農業にも関係していて、作物の生育に良い影響をあたえることがあります。
台風や季節の風と空気のつながり
台風の風はなぜ強いの?
台風は海の上であたたかい空気と水分がたくさんあつまってできる、巨大な低気圧です。その中心にむかって空気がぐるぐると強く回りこむことで、風がものすごく強くなります。台風が近づくと、木がゆれたり、雨がふったりして、とてもあぶないので気をつけましょう。
台風は日本の夏や秋によく来ますが、事前に天気予報で注意して行動することが大切です。
季節風ってなに?
冬は大陸から海へ、夏は海から大陸へと、季節によって風のふく向きがかわります。これを「季節風(きせつふう)」といって、日本の気候にも大きく関係しています。たとえば、冬にふく北風は寒く、夏にふく南風はあたたかくなります。
この風のおかげで、日本にははっきりとした四季があり、季節ごとの自然の変化を楽しむことができるのです。
風と天気のつながりを知ろう
風が強い日は天気がかわりやすいこともあります。風の向きや強さをしらべると、これからの天気がよそうしやすくなるのです。テレビの天気予報や風速計を使って、風の情報を知ることもできます。
気象台では風向や風速をはかっていて、気象情報としてわたしたちに知らせてくれます。
風の力を利用しているものを見てみよう!
風車(ふうしゃ)と風力発電(ふうりょくはつでん)
風の力を使って、プロペラを回して電気を作るのが風力発電です。風車がぐるぐるまわると、その動きを使って発電機が電気をつくります。自然にやさしいエネルギーです。世界では、たくさんの風力発電所がつくられていて、未来のエネルギーとして期待されています。
日本でも北海道や東北地方を中心に風力発電がさかんで、クリーンエネルギーのひとつとして注目されています。
こいのぼりや風ていが動くしくみ
空気の流れ(風)があると、こいのぼりや風てい(かざぐるま)が動きます。風の向きや強さを目で見て感じられる工夫です。こどもの日に見かけるこいのぼりも、風があるからこそ元気に泳ぐのですね。
風ていは風速の強さを調べたり、風がどこからふいているかを知るためにも使われています。
凧(たこ)あげも風の力
風があるときに凧をあげると、空高くのぼっていきます。風があるからこそ、凧は空をとべるのですね。風の強さや向きをよく考えて凧をあげると、もっと高く飛ばすことができます。
昔から世界中で凧あげは楽しまれていて、風の力で空をとぶしくみを体で感じられる遊びです。
まとめ:風がふく理由をしろう!
比較ポイント | 説明 |
---|---|
空気の性質 | あたたまると軽くなって上にのぼり、冷えると重くなって下におりる |
気圧のちがい | 高い気圧から低い気圧へ空気が流れることで風がうまれる |
地球の動き | 地球が回っていることで風の向きが少し曲がる(コリオリの力) |
太陽の力 | 太陽が地面をあたため、空気がうごき出して風が生まれる |
地形の影響 | 海・山・たてものなどのちがいによって風のふき方がかわる |
風は、空気のうごきによって生まれ、太陽の光や地球の動き、まわりの自然や建物の形など、いろいろなものの影響を受けて生まれています。ふだん何気なく感じている風も、しくみを知るととてもふしぎで、おもしろいですよね!
これから外で風を感じたとき、「いま風はどうしてふいてるのかな?」と考えてみると、自然がもっと好きになるかもしれません。科学の目で見てみると、世界がどんどん広がっていきますよ!ぜひ風の観察や実験にもチャレンジして、自然のふしぎをもっと発見してみましょう。