【小学生向けに解説】どうして魚は川と海で生きられる種類が違うの?

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おもしろ雑学

「川にいる魚と海にいる魚、どうしてすみかが違うの?」と不思議に思ったことはありませんか?同じ“魚”でも、川だけで生きる魚、海だけで生きる魚、両方を行き来する魚もいます。今回は、小学生にもわかりやすく、川と海の水のちがいや魚の体の工夫、進化、世界中の川・海の魚の不思議、さらに魚たちのくらしを観察するコツや自由研究に使える豆知識まで、徹底的にくわしく解説します!


川と海の魚、そのすみかとくらしの大きなちがい

川の魚の特徴と種類

川にすむ魚は「淡水魚(たんすいぎょ)」と呼ばれます。コイ、フナ、アユ、ナマズ、ヤマメ、ウグイ、オイカワ、ドジョウなど、みんな川や池、湖などの真水にすんでいます。川の魚は、おだやかな流れ、岩のかげ、水草の中、石の下など、いろんな場所でくらしています。季節や天気、水の流れによってすみかを変えたり、隠れたり、エサを探したりして生きています。

海の魚の特徴と種類

海にすむ魚は「海水魚(かいすいぎょ)」と呼ばれます。タイ、マグロ、サンマ、アジ、サバ、イワシ、カレイ、カジキ、カワハギなどたくさんの種類がいます。サンゴ礁に住むカラフルな魚や、深海に住むふしぎな魚、ウツボ、サメ、エイ、タコやイカ、クラゲ、ヒトデなども海の生き物です。海の魚は、浅い海、深い海、岩場や砂地など、すむ場所もいろいろ違います。

川と海のあいだに住む魚や生き物

海と川が混ざり合う「汽水域(きすいいき)」には、ボラ、スズキ、ハゼ、エビ、カニなどの魚や生き物が住んでいます。汽水域は塩分が川より多く海より少ないので、ふつうの魚では生きられない特別な場所。汽水域の魚は、塩分の変化に強い特別な体を持っています。

両方を行き来する魚の不思議

サケやウナギ、アユのように、川と海を何度も行き来する魚もいます。生まれる場所、成長する場所、卵を産む場所が違うため、旅をする魚(回遊魚)と呼ばれています。長い旅のあいだに、体の仕組みが少しずつ変化して、川や海どちらでも生きられる体になるのです。

世界の川・海の魚たち

アマゾン川にはピラニアやドラド、ナイル川にはナイルパーチ、アフリカのマラウイ湖にはシクリッド、オーストラリアのグレートバリアリーフにはクマノミや巨大なウミガメ、サメ、マンタなど、世界中でさまざまな魚がすんでいます。地球には約3万種もの魚がいるといわれています。


川と海の水のちがいって? 科学的に見てみよう

川の水は「真水」

川の水は「真水(まみず)」で、塩分がほとんどふくまれていません。お風呂や水道水もこの真水です。川の水は山や森からしみ出した水や、雨、雪どけ水が集まって流れています。

海の水は「しょっぱい水」

海の水は「海水(かいすい)」で、たくさんの塩(えんぶん)がふくまれています。海の塩分濃度は約3%もあり、なめるとしょっぱい味がします。これは大昔から川が土や岩の中の塩やミネラルを少しずつ運び、海に集まったからです。

塩分がすみわけのカギ

魚が生きるためには体の中の塩分バランスを守ることが大切です。川の魚は塩分の少ない水に、海の魚は塩分の多い水に合わせて、それぞれ特別な体のしくみを持っています。

汽水域の水のひみつ

汽水域(川と海が混ざる場所)は、塩分が日によって大きく変わります。そこに住む魚は、どちらの水にも体を順応させることができるスゴイ生き物なのです。


魚の体のしくみと生きるためのすごい工夫

塩分バランスを守る「体のしくみ」

魚は、エラや腎臓(じんぞう)、皮ふなどを使って体の水分や塩分(ミネラル)を調節します。バランスがくずれると、体の調子が悪くなり生きていけません。

川の魚の工夫

川の魚は、塩分のない水の中でくらしているので、体の中に水がどんどん入ってきます。そのため、たくさんおしっこをして体の水を出し、体の塩分がへらないようにがんばっています。

海の魚の工夫

海の魚は、まわりの水に塩分がたくさんあるので、体の水分が出ていかないように、海水をたくさん飲み、体の中に入った塩分はエラやおしっこで外に出します。

汽水域や両方行き来する魚のすごさ

ボラやスズキ、ウナギやサケは、塩分の多い海・少ない川、どちらでも生きられるように、ホルモンの力などで体のしくみを変えることができます。川や海の両方に対応できる魚は、ほんとうに特別なのです。

進化の歴史と魚のすみ分け

魚たちは何千万年もの進化の歴史の中で、それぞれの水に合わせて、すみかや体の仕組みを変えてきました。川だけ、海だけ、または両方…その生き方はとても多様です。


川と海を旅する魚の大冒険!

サケの一生:川から海、また川へ

サケは川で生まれ、海で大きくなって、また生まれた川へもどってきます。海と川の水の塩分のちがいに合わせて体の細胞やホルモンが変化し、両方の水に順応できます。サケの旅は何千キロも続くこともあります。

ウナギのなぞの旅

ウナギは海で生まれて何千キロも旅をし、川や湖で何年も成長し、また海に帰って産卵します。ウナギも川と海の両方で体を変化させる能力があります。

アユやシシャモ、他の回遊魚

アユやシシャモ、サヨリなど、川と海を行き来する魚は他にもいます。これらの魚は生まれる場所、成長する場所、産卵する場所を変えることで生きのびています。

体を変化させる不思議な能力

川と海の間を旅する魚は、細胞やホルモンの働きで、塩分の多い水・少ない水、どちらにも体を適応させることができます。このしくみはまだ科学でも研究が進んでいます。


川と海の魚・すみ分け表

住む場所魚の種類水の特徴体の工夫・特徴
コイ、アユ、ナマズ、ヤマメ、ウグイ、ドジョウ塩分ゼロ余分な水をおしっこで出し、体内の塩分を守る
タイ、サバ、アジ、イワシ、マグロ、カレイ塩分たっぷり塩分をえらやおしっこで外に出し、水分を体に残す
汽水域ボラ、スズキ、ハゼ、カニ、エビ塩分が変化する塩分の変化にも順応できる特別な体
両方サケ、ウナギ、アユ、シシャモ、サヨリ場所による川と海の行き来ごとに体の仕組みを変える。塩分バランスをコントロール

魚と水環境の不思議な関係を観察してみよう

日本と世界の魚を見に行こう

日本各地の川、湖、海、干潟、水族館に行けば、淡水魚も海水魚も汽水域の生き物も観察できます。海外の水族館や自然番組で世界中の魚の姿を調べてみるのもおすすめです。

魚のくらしを観察・自由研究に

川や池、海で魚のすみかや動きを観察したり、スケッチしたり、塩分のちがいによる体の変化を調べたりしてみましょう。魚のくらしやすみ分けについて調べてまとめると、自由研究にピッタリです。

塩分や水質の実験にチャレンジ!

川の水と海の水の塩分濃度をくらべてみる、淡水魚と海水魚の特徴を本や図鑑で調べる、ボラやウナギの体の変化を調べてみるなど、さまざまな角度から魚の不思議を探求できます。

知れば知るほど魚の世界は奥が深い!

自然観察や科学実験を通して、魚のすごさや自然界の工夫を発見しましょう。魚たちの進化や適応力を知ることで、地球の生き物や自然の大切さがもっと身近に感じられるはずです。


【まとめ】

魚が川や海で生きられるのは、それぞれの水の性質や塩分に合わせて体のしくみを進化させ、すごい工夫でバランスを保っているからです。川・海・汽水域・両方を行き来する魚たちのふしぎな暮らしや体の仕組みを知ると、生命のすごさや自然界の多様性が見えてきます。身近な水辺や水族館で実際に観察したり、自由研究にチャレンジしたりして、たくさんの発見をしてみましょう。調べれば調べるほど、魚と自然のことがもっともっと好きになるはずです!

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