カメは、世界中で「長生きの生き物」としてとても有名です。動物園で飼われているゾウガメのなかには、なんと150年以上も生きた記録があり、日本の池や川で見られるイシガメでも50年以上生きることがめずらしくありません。大きさや種類によっても寿命はちがいますが、カメはとにかく“とても長生きする生き物”なのです。
どうしてカメはそんなに長生きできるのでしょう?今回は、カメの長寿の理由や他の生き物との比較、寿命を決めるいろいろなひみつや、もっと元気に長生きできる暮らし方まで、小学生でもよくわかるようにたっぷり解説します!
カメが長生きできる理由をさらに深掘りしよう
カメはのんびりゆっくり動くから体が傷みにくい
カメは、ウサギやネズミのように速く動くことはほとんどありません。水の中でも陸の上でも「のろのろ」と動き、無駄なエネルギーをあまり使わず、体の細胞や筋肉がゆっくりしか消耗しません。このゆっくり生活が、細胞が壊れにくく長持ちする最大の理由です。
とても丈夫な甲羅が体をしっかり守ってくれる
カメの甲羅(こうら)は、敵に襲われても中に入って守れる強力な「よろい」です。この甲羅は骨の一部が発達したもので、骨と皮ふが合体してできています。ケガや病気、天候の急な変化、外敵などいろいろな危険から体を守ってくれるので、ケガや病気で死ぬリスクがとても少ないのです。
体のしくみが特別!カメは細胞の老化がとてもゆっくり
カメは体の中の細胞が傷ついたり古くなったりするスピードが他の動物よりもはるかにゆっくりです。これはカメの遺伝子や体の働き(代謝)が、もともとゆっくりなようにできているため。だから年をとっても、体がなかなかボロボロになりません。まさに「のんびり長生きの名人」と言えるでしょう。
カメは冬になると冬眠で体力を温存
カメは冬になると「冬眠」という、体をほとんど動かさずにじっと眠るような期間に入ります。この冬眠によってエネルギーをとても節約でき、体の細胞が消耗するのを防げます。長い人生(カメ生?)を過ごすための大切な習慣です。
ストレスが少ない平和な暮らし
カメは、静かで平和な場所を好みます。あまり争わず、外敵や危険が少ない場所でのんびり暮らすことでストレスがたまりません。ストレスが少ないことも、健康で長生きするための大事なポイントです。
いろいろな動物と比べてわかる!寿命のふしぎと違い
たくさんの動物の寿命をくらべてみよう
- ゾウガメ…100年以上(世界一長生きの記録は180年以上!)
- イシガメ…50年以上
- コイ…50年以上(中には200年以上生きた記録も)
- イヌやネコ…10〜20年くらい
- ウサギ…5〜10年
- ネズミ…2〜3年
- 人間…80〜100年くらい(世界記録は120歳超え)
大きい動物ほど長生きしやすい?
ゾウやクジラなど体の大きい動物は一般的に寿命が長いですが、カメのように体がそれほど大きくなくても特別に長生きできる生き物もいます。カメやコイはその代表です。
動きの速さと寿命の関係
小さな体で速く動く動物(ネズミやウサギなど)は、たくさん食べてたくさん動き、体が早く消耗します。逆に、カメやコイのように動きがゆっくりな動物はエネルギーの消費も少なく、細胞のダメージが少ないので長生きできるのです。
天敵やケガが少ないと長生きしやすい
カメは甲羅で守られているので、外敵にやられにくいです。ネズミなどは天敵が多く、外に出るだけで危険も多いので寿命も短くなりがちです。
どうして人間も長生きできる?
人間は医学の発展や病気を予防する技術が進歩して、昔よりもずっと長生きできるようになりました。食べ物の栄養や運動、住む場所の清潔さも大きなポイントです。
カメの健康・長生きの秘密をさらに解剖!
いろんな食べ物で健康を保つ
カメは雑食性の種類が多く、野菜や果物、小さな虫、水草、小魚などいろいろなものを食べます。栄養バランスがよい食事をとることで、病気になりにくく元気に過ごせます。腹八分目(おなかいっぱいまで食べない)を守るのも大事です。
住む場所の工夫とストレスフリー生活
カメは静かな場所や日なたぼっこできる場所を好みます。水温や湿度、紫外線(日光)も体の調子に大切です。ストレスの少ない環境では病気になりにくいです。
日光浴と甲羅の役割
カメは日光浴をして体をあたため、ビタミンDをつくります。ビタミンDは骨や甲羅、体の健康にとても必要な栄養素です。甲羅は、日光を浴びることで殺菌(ばい菌をやっつける)効果も発揮します。
冬眠・休眠で体力を温存
冬の寒い時期には冬眠して、動きをほとんど止めて体力を温存します。この冬眠中は呼吸や心臓の動きもゆっくりになり、体が傷みにくくなります。自然界では生き残るための大切な知恵です。
ケガや病気に強い体
カメは甲羅や皮ふがとても丈夫なため、ケガや病気が少ないです。多少の傷があってもゆっくりと自然に治す力も持っています。
生き物の寿命を決めるいろいろな要素を深掘り!
細胞の老化のスピードが超スロー
寿命は細胞がどれくらい早く古くなっていくかで決まります。カメは細胞の老化がとても遅い“長寿体質”です。
遺伝(うまれつきの力)と環境
生まれたときから丈夫な遺伝子を持っているカメは、いい環境で育つことでさらに長生きできます。逆に、悪い環境ではどんなに丈夫でも寿命が短くなります。
病気・ケガをしない暮らしの工夫
甲羅やのんびりした性格は、ケガや病気を防ぐポイント。天敵や危険が少ないことも寿命を延ばすカギです。
人間もまねできる長生きのヒント
バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、ストレスをためないこと、病気にならない生活習慣は、人間にもカメにも共通の長寿のコツです。
カメと生き物の寿命まとめ
動物 | 平均寿命 | 長生きのポイント |
---|---|---|
ゾウガメ | 100年以上 | のんびり動く、丈夫な甲羅、細胞老化が遅い、冬眠、天敵が少ない |
イシガメ | 50年以上 | 体が丈夫、甲羅で守られる、静かな環境、水と陸どちらでも暮らせる |
コイ | 50年以上 | ゆっくり成長、水中生活、安全な環境、長生き遺伝子 |
イヌ・ネコ | 10〜20年 | 健康管理が大切、生活環境や遺伝によって寿命の差、定期的な運動やケアが重要 |
ウサギ | 5〜10年 | 体が小さい、天敵が多い、ストレスに弱い |
ネズミ | 2〜3年 | 動きが速い、体が小さい、外敵が多く危険が多い |
人間 | 80〜100年 | 医学の進歩、健康管理、バランス食、ストレス対策、生活環境の整備で寿命がのびている |
【まとめ】
カメが長生きできるのは、いろいろなすごい理由が組み合わさっているからです。体のしくみ、のんびりした生活、丈夫な甲羅、冬眠や日光浴、ストレスの少ない暮らし、バランスの良い食事など、たくさんの長寿のヒントが隠れています。ほかの動物たちとも比べてみると、寿命のちがいや生き方の多様性に気づくはずです。人間にも通じる健康のコツや暮らし方のヒントもたくさんあります。
みなさんも図鑑や本で調べたり、実際にカメや動物を観察したりして「どうして長生きできるのか?」というふしぎをもっと探求してみてください。命のすごさや自然のしくみを知ることは、きっと新しい発見やワクワクに出会える大きな一歩になるでしょう!