【小学生向けに解説】なぜ宇宙には空気がないの?宇宙と地球のちがい・宇宙服のひみつまでやさしく徹底解説

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おもしろ雑学

「どうして宇宙には空気がないの?」――夜空を見上げると、地球とはまったくちがう世界が広がっています。この記事では、宇宙に空気がない理由地球に空気がある理由宇宙で生活するための工夫(宇宙服・宇宙船)星空観察や自由研究のヒントまで、小学生にもわかることばでたっぷり解説します。読み終わる頃には、地球がどれほど特別な星か、きっと実感できます。


  1. 宇宙に空気がない理由をやさしく解説
    1. 空気ってなに?(まずは基礎)
    2. 宇宙はどうして“空気がない”の?
    3. 真空(しんくう)ってどんな世界?
    4. もう一歩:空気がなくても光は届く
  2. 地球に空気があるのはなぜ?—大気(たいき)と重力のすごい力
    1. 大気(たいき):地球をおおう空気の毛布
    2. 大気は“層(そう)”になっている
    3. 重力(じゅうりょく):空気を引きとめる“見えない手”
    4. 大気は命を守るシールド
  3. 宇宙と地球をくらべよう—音・温度・光・色の大ちがい
    1. 音:宇宙は“しーん”…無音の世界
    2. 温度:超さむい&超あついが同居
    3. 光:星がくっきり見える理由
    4. 空気がある/ないと、何がこんなに違うの?
  4. 惑星でくらべる「空気のある・なし」—地球はどこが特別?
    1. いろいろな天体の大気
    2. 地球が“いのちの星”と呼ばれる理由
  5. 宇宙で生きる工夫—宇宙服・宇宙船・ISSのひみつ
    1. 宇宙服(スペーススーツ)は“動く小さな部屋”
    2. 宇宙船・国際宇宙ステーション(ISS)の中
    3. 宇宙でのくらしの工夫
  6. 観察・実験・自由研究アイデア—安全にたのしく深めよう
    1. おうちでできる“身近な真空”観察(安全第一)
    2. 星空観察のコツ(はじめてでもOK)
    3. 調べ学習テーマ例(自由研究にぴったり)
    4. まとめ方のヒント(発表で差がつく!)
  7. 差がひと目でわかる!地球・宇宙・月/火星の比較表
  8. よくある質問(Q&A)
  9. 用語じてん(むずかしい言葉をやさしく)
  10. 学びを深める「チェックリスト」
  11. さいごに(まとめ)

宇宙に空気がない理由をやさしく解説

空気ってなに?(まずは基礎)

  • 空気は目に見えない「気体(きたい)」のまざり合い。とくに窒素(ちっそ)酸素(さんそ)二酸化炭素水蒸気アルゴンなどがふくまれます。
  • 私たちは空気の酸素で息をし、音は空気をふるわせてに伝わります。火が燃えるのも酸素があるからです。
  • 空気には重さがあり、地面に**気圧(きあつ)**という力をかけています(ふだんは感じにくいけれど、じつはとても大きい力)。

宇宙はどうして“空気がない”の?

  • 地球をいっぽ出ると、まわりは**真空(しんくう)**に近い空間。気体の“つぶ”(分子)がほとんどありません。
  • 空気の分子が集まっていられるには、引きとめる力(重力)と十分な量が必要。広大な宇宙空間ではその条件がととのいにくく、気体はばらばらに広がってしまいます。
  • 宇宙はとてつもなく広く、分子どうしがぶつかることもめったに起こらないほど“すきすき”です。

真空(しんくう)ってどんな世界?

  • 空気がない=音が伝わらない(映画のような「ドカーン!」は本当は聞こえない)。
  • 水は気圧が低いほど低い温度で沸とうするので、真空に近いとすぐ蒸発しやすくなります。
  • 空気がないため対流や伝導での熱のやり取りがほぼ起こらず、**放射(ほうしゃ)**でしか熱が出入りしません。日なたはカンカン照り、影はキンキンに冷える――そんな極端な環境です。
  • ちり・におい・微生物もごくわずか。地球では体験しにくい“からっぽ”の世界です。

もう一歩:空気がなくても光は届く

  • は空気など“もの”の振動なので宇宙では伝わりませんが、光や電波は空気がなくてもまっすぐ進むことができます。だから、宇宙では星の光がくっきり見えます。

地球に空気があるのはなぜ?—大気(たいき)と重力のすごい力

大気(たいき):地球をおおう空気の毛布

  • 地球は大気という空気のうすい**膜(まく)**におおわれています。高さはおよそ100km以上(もっと上まで影響が続くと考える学者も)。
  • 大気があるから呼吸でき、天気が生まれ、がめぐり、生き物がくらせます。

大気は“層(そう)”になっている

  • 対流圏:雲や雨・風が起こる、私たちが住む空気の層。
  • 成層圏:オゾン層があり、強い紫外線を弱めてくれる。
  • 中間圏/熱圏/外気圏:高くなるほど空気がうすく、温度や現象のようすが大きく変わります(オーロラなども関連)。

重力(じゅうりょく):空気を引きとめる“見えない手”

  • 地球の重力が空気をギュッと引きとめます。もし重力が弱かったら、空気は宇宙へ逃げるでしょう。
  • 月や火星は重力が弱い→空気を保ちにくいので、いまはほとんど無い/とても薄い大気しかありません。

大気は命を守るシールド

  • 紫外線をへらし、**流れ星(小さな隕石)**をすりへらして燃やし、地表を守ります。
  • 気温の極端な変化をやわらげ、**水(海・雲・雨)**の循環を支えます。
  • 音やにおい、雲や雨、虹や夕焼け……私たちの五感が楽しむ多くの現象は、大気があってこそ。

宇宙と地球をくらべよう—音・温度・光・色の大ちがい

音:宇宙は“しーん”…無音の世界

  • 地球:空気が振動を運ぶから声や音楽が聞こえる。
  • 宇宙:空気がないので音は伝わらない。通信は**光(電波)**で行います。
  • 衛星や探査機の「宇宙の音」は、実際には電波などの信号を人が音に変換したものです。

温度:超さむい&超あついが同居

  • 宇宙:太陽光が当たらない所は極寒(−200℃以下も)、当たる所は高温(+100℃以上)になることも。
  • 地球:大気と海が熱をならすので、くらしやすい気温に保たれる。
  • 宇宙船や人工衛星は、断熱材放熱板で温度をコントロールします。

光:星がくっきり見える理由

  • 宇宙:空気がないから光がまっすぐ届き、星はキラキラくっきり
  • 地球:大気のゆらぎで星はまたたき、昼は空が青い(大気が青い光を散らすため)。
  • 夕焼けが赤いのは、太陽の光が長い道のりを通るとき青い光がより散り赤い光が届きやすくなるため。

空気がある/ないと、何がこんなに違うの?

  • 呼吸:地球はOK、宇宙はNG(機械で空気を用意する必要)。
  • :地球は燃える、宇宙は空気がないと燃え広がらない。
  • 雲と雨:地球は水がめぐって天気ができる。宇宙は雲も雨も基本なし。

惑星でくらべる「空気のある・なし」—地球はどこが特別?

いろいろな天体の大気

  • 金星:とても厚い二酸化炭素の大気。地表は超高温、雲は強い酸のしぶき。
  • 火星:空気はとても薄い(二酸化炭素が主)。砂ぼこりの嵐が起こることも。
  • 木星・土星:巨大ガス惑星。水素やヘリウムが主成分。分厚い大気で“地面”は見えない。
  • タイタン(※土星の衛星):窒素が主成分の濃い大気。メタンの湖があると言われる不思議な世界。
  • 月(水の少ない衛星):ほぼ真空。空が黒く、影はとてもくっきり。

地球が“いのちの星”と呼ばれる理由

  • ちょうどよい重力で空気を引きとめ、水が液体でいられる温度帯。
  • 適度な大気磁場が太陽のこわい放射線から守ってくれる。

宇宙で生きる工夫—宇宙服・宇宙船・ISSのひみつ

宇宙服(スペーススーツ)は“動く小さな部屋”

  • 空気(酸素)を入れて気圧(きあつ)をつくり、真空や温度差紫外線から体を守る。
  • 多層構造(外側の丈夫な布断熱微小隕石(ごく小さい石)対策)。
  • 内側には冷却水が流れる下着や通信装置ヘルメットのバイザー(太陽光カット)など。
  • 手袋やブーツも特別設計。工具がつかみやすいのに気圧を保つ不思議な仕組みです。

宇宙船・国際宇宙ステーション(ISS)の中

  • 地球に近い空気の組成気圧に調整。二酸化炭素(CO2)除去装置で空気をきれいに。
  • 電気分解で水から酸素を作り、水分は回収・再生して再利用。換気ファンで空気を循環させます。
  • 食べ物は飛び散らないよう工夫されたパック。調味料もこぼれにくい形に。

宇宙でのくらしの工夫

  • 睡眠:上下の感覚がないため、寝袋を壁に固定して寝ます。
  • トイレ:空気の流れで吸い取る仕組み。水はとても貴重なのでリサイクルが基本。
  • 運動:筋肉や骨が弱くならないよう、毎日トレーニング
  • 訓練:水中での作業練習、宇宙服でのシミュレーション、長期滞在のための体力づくり

観察・実験・自由研究アイデア—安全にたのしく深めよう

おうちでできる“身近な真空”観察(安全第一)

  • 真空パック食品を観察:袋がピタッと貼りつく→空気が少ないと物にがかかる実感。
  • ペットボトルのへこみ実験:あたためた空気が冷えて体積がへると、ボトルがへこむ(※やけど・破損に注意/保護者と)。
  • 熱と放射を感じる手のひら実験:黒い紙と白い紙を日なたに置き、あたたまり方のちがいを観察(色と熱の吸収)。

星空観察のコツ(はじめてでもOK)

  • 街あかりの少ない場所で星座早見盤を使う。双眼鏡があれば月のクレーター星団もくっきり。
  • 空が青い理由星がまたたく理由をノートに図でまとめよう。観察した時刻・方角・気温もセットで記録!

調べ学習テーマ例(自由研究にぴったり)

  • 「月と地球のちがいを図にする」
  • 「火星の大気と水のなぞを調べる」
  • 「宇宙服のしくみを分解図で表す」
  • 「ISSの空気・水のリサイクルを追う」
  • 「夕焼け・朝焼けの色のひみつ」

まとめ方のヒント(発表で差がつく!)

  • 表・グラフ・図を入れて、ひと目でわかる紙面に。
  • 難しい言葉にはふりがな用語じてんをつける。
  • 実験は安全第一手順写真失敗メモも書くと内容が深まる。

差がひと目でわかる!地球・宇宙・月/火星の比較表

比べるポイント地球(ちきゅう)宇宙空間(うちゅう)月・火星などの星
空気(大気)ある(厚い大気)ない(ほぼ真空)ほとんどない/とても薄い
伝わる伝わらないほぼ伝わらない
温度0〜40℃前後で安定−200〜+100℃以上も(場所で極端)極端・昼夜差が大きい
光の見え方空は青い/星はまたたく星がくっきり/空は黒い空は黒い/地表の色がはっきり
気圧1気圧前後ほぼ0とても低い
たくさん(海・雲・雨)ほぼ無い氷・地下にわずか(場所による)
生き物たくさんいるいないいない(今のところ確認なし)
重力強い(空気を引きとめる)ほぼ感じない弱い(空気を保ちにくい)
守り(紫外線・隕石)大気が守るなし(むき出し)ほぼなし
人のくらしふつうに生活できる宇宙服・宇宙船が必要基地・宇宙服が必要
火のふるまい普通に燃える空気がないと燃えにくい燃えにくい
天気あり(雲・雨・風)なしほぼなし(火星は砂嵐あり)

よくある質問(Q&A)

Q1. 宇宙に“まったく”空気はないの?
A. 完全にゼロではありませんが、とてもとても少ないので、息はできないし、音も伝わりません

Q2. 宇宙で爆発しても音がしないの?
A. はい。音は空気の振動なので、真空では聞こえません。宇宙船内では空気があるので音がします。

Q3. どうして空が青いの?
A. 太陽の光のうち青い光が大気で散らされやすいから。宇宙には大気がないので空は黒く見えます。

Q4. 月でジャンプが高くなるのはなぜ?
A. 月の重力が弱いから。体が軽く感じて高く跳べるのです。

Q5. ISSの空気はどこから来るの?
A. 地球から運ぶ+船内で**再生(リサイクル)**して使います。二酸化炭素は機械で取りのぞきます。

Q6. 宇宙ではどうやって熱が伝わるの?
A. 空気がないので伝導・対流はほぼ起きません。主に**放射(ほうしゃ)**で熱が出入りします。

Q7. 宇宙で水はどうなる?
A. 気圧が低いとすぐ沸とうしやすく、氷→水→水蒸気の変化も地球とちがうスピードで起こります。

Q8. もし地球の大気がなくなったら?
A. 呼吸ができず、水はすぐ蒸発、気温は極端に。生き物は生きられません。大気は命の守り手です。

Q9. 宇宙飛行士はなぜ運動するの?
A. 無重力だと筋肉・骨が弱くなるから。毎日運動して体を守ります。

Q10. 宇宙で紙飛行機は飛ぶ?
A. 空気がない場所では揚力が生まれないので飛びません。宇宙船の中(空気あり)なら飛びます。


用語じてん(むずかしい言葉をやさしく)

  • 真空(しんくう):空気などの気体がほとんどない“からっぽ”の状態。
  • 大気(たいき):地球をおおう空気の層(そう)。天気や呼吸にかかわる。
  • 重力(じゅうりょく):物を引っぱる力。地球の重力が空気や私たちを引きとめる。
  • 気圧(きあつ):空気が物におす力。宇宙服は体のまわりに適切な気圧をつくる。
  • 紫外線(しがいせん):太陽光の一種。浴びすぎは肌に良くない。大気が一部をさえぎる。
  • 太陽風(たいようふう):太陽から吹き出す電気をおびた粒の流れ。大気がない星では直接当たる。
  • 放射(ほうしゃ):空間をへだてて熱が伝わること(例:太陽のぬくもり)。
  • 国際宇宙ステーション(ISS):宇宙飛行士が長く滞在して研究する“空飛ぶ実験室”。
  • 成層圏(せいそうけん):大気の層の一つ。オゾン層が強い紫外線を弱める。
  • 磁場(じば):地球がもつ見えない磁石の力。宇宙から来る粒子から身を守る助けになる。

学びを深める「チェックリスト」

  • 空気と大気のちがいを説明できる
  • 宇宙で音が聞こえない理由を言える
  • 地球の大気の“層”の名前を3つ言える
  • 宇宙服が必要な理由を3つ言える
  • 自由研究のテーマを1つ決めた

さいごに(まとめ)

  • 宇宙に空気がないのは、真空で気体がばらばらに広がってしまうから。
  • 地球には大気と重力があり、空気・水・適度な気温がそろっていのちを守る
  • 宇宙で生きるには、宇宙服・宇宙船・ISSなどの工夫が不可欠。

星空をながめながら、「音・温度・光・空気」を意識してみよう。宇宙のふしぎを知れば知るほど、地球がどれだけ特別かが見えてきます。観察・実験・読書で、あなたも“宇宙博士”の一歩へ!

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