自動車税・重量税はいくら?エコカー減税の仕組みをわかりやすく解説

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車・バイク

「毎年の自動車税(種別割)と、車検ごとに支払う自動車重量税は結局いくらになるの?」という疑問を、仕組み→概算→ケース別の具体例の順でスッキリ整理します。

本記事は自家用乗用車を中心に、エコカー減税・環境性能による加減購入時の環境性能割(取得時課税)、さらに軽自動車の取り扱い・還付や重課の条件・支払い実務まで、表と手順でわかりやすく解説。最後にQ&Aと用語辞典印刷用チェックリストも付け、迷わず見積れる実務的な内容にしました。

注意:税額は排気量・車両重量・初度登録年・環境性能・用途区分(自家用/事業用)・自治体の期日や制度改正で変わります。ここでは**最新制度を前提にした“目安と考え方”**を示します。正式額は必ず納付書・見積書で確認してください。


  1. 1.まずは全体像:どの税金をいつ・誰が払う?
    1. 1-1.毎年払うのは「自動車税(種別割)」
    2. 1-2.車検ごとに払うのは「自動車重量税」
    3. 1-3.購入時に一度だけ「環境性能割」
    4. 1-4.軽自動車の扱い(別制度)
    5. 1-5.“還付”と“重課”の基本
  2. 2.自動車税(種別割)の考え方:排気量でざっくり読める
    1. 2-1.排気量区分(自家用乗用車の一般例)
    2. 2-2.経年による加算(重課)の考え方
    3. 2-3.モデル別・年税の“読み方”早見表(目安)
    4. 2-4.軽自動車税(種別割)の“読み方”
    5. 2-5.売買・引っ越し・名義変更の実務
  3. 3.自動車重量税の考え方:重さ・期間・環境性能で決まる
    1. 3-1.基本は「0.5t刻み×期間(前納)」
    2. 3-2.エコカー減税・免税と経年重課
    3. 3-3.重量別・2年分の“読み方”早見表(目安)
    4. 3-4.重量税と自賠責・印紙代の違い
  4. 4.環境性能割(購入時)とエコカー減税の“つながり”
    1. 4-1.環境性能割(購入時に一度だけ)
    2. 4-2.エコカー減税(重量税・自動車税の軽減)
    3. 4-3.「購入時→毎年→車検」の流れ(文字図)
    4. 4-4.電動車のポイント(EV/PHEV/HV/FCV)
  5. 5.モデルケースで具体的に計算してみる(目安)
    1. 5-1.ケースA:小型ハッチ(1.2L・1.1t・新しいエコカー)
    2. 5-2.ケースB:中型ミニバン(2.0L・1.6t・登録後10年)
    3. 5-3.ケースC:大型SUV(3.5L・2.1t・登録後14年)
    4. 5-4.ケースD:軽自動車(0.66L・0.8t・登録後5年)
    5. 5-5.ケースE:EV(電気自動車・1.9t・新車)
  6. 6.差が出る要因をもう一歩深掘り
    1. 6-1.初度登録年(新規登録年)
    2. 6-2.環境性能の基準(燃費・排出ガス)
    3. 6-3.用途区分(自家用/事業用)
    4. 6-4.車両入替のタイミング
    5. 6-5.支払い方法と実務
  7. 7.かんたん概算フローとチェックリスト
    1. 7-1.概算フロー(文字版)
    2. 7-2.展示場・見積もり時のチェックリスト
    3. 7-3.印刷用ミニチェックリスト(現場でメモ)
  8. 8.表でサッと比較:排気量×重量×経年(目安合計)
  9. 9.還付・重課・住所変更など“よくある手続き”
    1. 9-1.還付(普通車の月割)
    2. 9-2.軽自動車の還付
    3. 9-3.住所変更・ナンバー変更
    4. 9-4.延滞・滞納の対応
  10. 10.Q&A(よくある疑問)
  11. 11.用語辞典(平易な言い換え)
    1. まとめ

1.まずは全体像:どの税金をいつ・誰が払う?

1-1.毎年払うのは「自動車税(種別割)」

  • 対象:ナンバー付きの普通車・小型車(軽自動車は別制度)。
  • 時期:毎年4月1日現在の所有者に対して賦課。5〜6月頃に納付するのが一般的。
  • 算定軸排気量区分(ガソリン/ハイブリッド等の乗用車)。
  • 名義変更の注意:4/1時点の名義がその年度の納税義務者。年度途中の売買では原則還付なし(後述の抹消時還付は別)。

1-2.車検ごとに払うのは「自動車重量税」

  • 対象:車検のたびに有効期間(多くは24か月)を前納
  • 算定軸車両重量(0.5t刻み)×車検期間に、環境性能(免税/減税)や経年重課を加味。
  • 中途解約:重量税は前納性のため原則還付なし(特殊な手続きを除く)。

1-3.購入時に一度だけ「環境性能割」

  • 対象:新車・中古車の取得時
  • 算定軸車両価格(課税標準)×環境性能に応じた税率(非課税〜数%)。
  • 関係性:購入時は環境性能割、保有中は自動車税(年)、車検時は**重量税(前納)**と覚えると整理しやすい。

1-4.軽自動車の扱い(別制度)

  • 軽は軽自動車税(種別割)を毎年納付。年額は区分がほぼ一律で分かりやすい。
  • 月割還付が原則ない点と、住所地の市区町村で手続きする点が普通車と異なる。

1-5.“還付”と“重課”の基本

  • 還付:普通車は抹消登録(永久/一時)した場合に自動車税が月割で還付される運用が一般的。名義変更だけでは還付にならないのが原則。
  • 重課初度登録から一定年数経過した車には、環境負荷の観点から**重課(加算)**がかかることがある(区分・条件は後述)。

2.自動車税(種別割)の考え方:排気量でざっくり読める

2-1.排気量区分(自家用乗用車の一般例)

  • 典型的な刻み:〜1.0L/〜1.5L/〜2.0L/〜2.5L/〜3.0L/〜3.5L/〜4.0L/〜4.5L/〜6.0L/6.0L超
  • 新規登録時期環境性能(低排出・低燃費)で軽減されるケースあり。

2-2.経年による加算(重課)の考え方

  • 一定年数(例:13年超・18年超など)経過で加算率が上乗せされる区分がある。
  • 低公害車や電動車重課の対象外猶予となる場合がある。

2-3.モデル別・年税の“読み方”早見表(目安)

排気量の目安想定グレード例年間の自動車税(目安レンジ)コメント
〜1.0L1.0Lクラス小型車2万台半ば〜3万円台前半維持費を抑えやすい
〜1.5L1.2〜1.5L小型車3万円前後〜3万円台半ばファミリーの定番
〜2.0L1.6〜2.0L中型3万円台後半〜4万円台前半走りと維持のバランス
〜2.5L2.0〜2.5L中〜大型4万円台前半〜4万円台後半高速・積載に余裕
〜3.0L2.5〜3.0L5万円台前後余裕のある走り
〜3.5L3.0〜3.5L5万円台後半〜6万円台大排気量の入り口
3.5L超3.5L〜6万円台〜上級・スポーツ寄り

具体額は自治体の納付書をご確認ください。新規登録年・環境性能・用途区分軽減・加算が動きます。

2-4.軽自動車税(種別割)の“読み方”

  • 自家用の四輪軽年額がおおむね一律(新旧・グレードで大差が出にくい)。
  • 重課・軽課の扱いは普通車と異なる制度のため、市区町村の案内を確認。

2-5.売買・引っ越し・名義変更の実務

  • 4/1基準日の所有者がその年度分を負担。年度途中の売買は当事者間で清算するのが通例(法定ではなく慣行)。
  • 住所変更納税通知の送付先に影響。早めの変更手続きが安心。

3.自動車重量税の考え方:重さ・期間・環境性能で決まる

3-1.基本は「0.5t刻み×期間(前納)」

  • 例:〜1.0t/〜1.5t/〜2.0t/〜2.5t…と0.5t刻みで区分。
  • 多くは24か月の車検で、2年分を前納する。商用や新車初回は12/13/36か月など例外あり。

3-2.エコカー減税・免税と経年重課

  • 環境性能が高い車ほど軽く一定年数経過で重くなるのが基本線。
  • EV/PHEV/HV/クリーンディーゼル等は免税〜大幅軽減の例がある。
  • 初度登録からの年数で重課開始時期が変わるため、車検のタイミングが負担に影響。

3-3.重量別・2年分の“読み方”早見表(目安)

車両重量の目安2年(24か月)分の重量税(目安レンジ)コメント
〜1.0t1万円台半ば〜2万円弱小型ハッチ等
〜1.5t2万円前後〜2万円台半ば小型〜中型セダン/ミニバン
〜2.0t2万円台後半〜3万円台前半ミドルSUV/ミニバン
〜2.5t3万円台中盤〜4万円弱大型ミニバン/SUV

エコカー・新基準達成車はさらに軽減経年重課増額の可能性あり。正確な税額は車検見積で要確認

3-4.重量税と自賠責・印紙代の違い

  • 重量税はあくまで税金
  • 自賠責保険料検査手数料(印紙)は別建て。車検見積は合算表示が多いので内訳を確認しよう。

4.環境性能割(購入時)とエコカー減税の“つながり”

4-1.環境性能割(購入時に一度だけ)

  • 課税標準(取得価格)×環境性能に応じた税率
  • WLTCモード等の基準達成率電動化の度合い非課税〜軽課の範囲が決まる。

4-2.エコカー減税(重量税・自動車税の軽減)

  • 重量税環境性能により一定期間の免税/軽減。終了後は標準額へ。
  • 自動車税(種別割)購入翌年度分の軽課など、時限的な優遇が設定されることがある。

4-3.「購入時→毎年→車検」の流れ(文字図)

  1. 買うとき:環境性能割(非課税〜数%)。
  2. 毎年:自動車税(排気量・環境性能・経年で増減)。
  3. 車検:重量税(重量・環境性能・経年で増減)。

4-4.電動車のポイント(EV/PHEV/HV/FCV)

  • 優遇が手厚い一方、優遇期間の終了時点を越えると標準へ復帰
  • 保有年数の計画(何年乗るか)を前提に、総負担を試算しておくと判断がブレない。

5.モデルケースで具体的に計算してみる(目安)

5-1.ケースA:小型ハッチ(1.2L・1.1t・新しいエコカー)

  • 自動車税(年)3万円前後
  • 重量税(2年)2万円弱(エコカー軽減が効く想定)。
  • 年間換算の合計目安約4万円台

5-2.ケースB:中型ミニバン(2.0L・1.6t・登録後10年)

  • 自動車税(年)4万円台前半
  • 重量税(2年)2万円台後半(経年で標準額に近づく想定)。
  • 年間換算の合計目安約5〜6万円

5-3.ケースC:大型SUV(3.5L・2.1t・登録後14年)

  • 自動車税(年)6万円台(経年加算の可能性)。
  • 重量税(2年)3万円台(重量区分が上がる)。
  • 年間換算の合計目安約7〜8万円

5-4.ケースD:軽自動車(0.66L・0.8t・登録後5年)

  • 軽自動車税(年)一律区分の年額(大きな等級差は出にくい)。
  • 重量税(2年)小型枠で比較的軽め
  • 年間換算の合計目安普通車より抑えやすい

5-5.ケースE:EV(電気自動車・1.9t・新車)

  • 環境性能割非課税〜軽課の範囲に入ることが多い。
  • 重量税:優遇の対象になりやすい。
  • 自動車税(年):排気量概念がないが、所定の区分で算定。優遇期間後の戻りも想定しておく。

※上記は制度の考え方に基づく概算です。あなたの車検証の数値最新の優遇条件で再計算してください。


6.差が出る要因をもう一歩深掘り

6-1.初度登録年(新規登録年)

  • 初度登録からの年数重課開始の時期が決まる区分がある。直前での買い替え/抹消は負担に影響。

6-2.環境性能の基準(燃費・排出ガス)

  • 基準達成率(例:基準比○%達成)で免税/軽減/標準に分かれる。型式指定エンジン違いで同車名でも扱いが分かれることあり。

6-3.用途区分(自家用/事業用)

  • 事業用区分は税率・扱いが自家用と異なる場合がある。見積時に用途を明示しよう。

6-4.車両入替のタイミング

  • 年度またぎ制度改定前後優遇の有無税率が変わることがある。販売店や自治体で確認して計画を立てる。

6-5.支払い方法と実務

  • 納付書/口座振替/コンビニ/キャッシュレスなど支払い手段は多様化。期日管理領収保管を徹底。

7.かんたん概算フローとチェックリスト

7-1.概算フロー(文字版)

  1. 排気量初度登録年を確認。
  2. 車両重量(車検証の車両重量欄)とエコカー区分を確認。
  3. 上の早見表で**年税×年数+重量税(2年)**を拾い、年間換算
  4. 経年重課の該当時期一時的軽減の有無を確認。
  5. 用途区分(自家用/事業用)と軽/普通の別を再確認。

7-2.展示場・見積もり時のチェックリスト

  • 排気量/車両重量/環境性能の等級(カタログ・型式別で確認)。
  • 初度登録(予定)と次回車検の時期(重量税の前納期間)。
  • エコカー軽減の終了タイミング経年重課の発生タイミング
  • 取得時の環境性能割の税率と非課税条件
  • 軽か普通か/自家用か事業用かの区分。
  • 納付方法(口座振替・電子納付対応)と期日

7-3.印刷用ミニチェックリスト(現場でメモ)

  • _排気量:
  • _初度登録年:
  • _車両重量:
  • _エコカー区分:免税/軽減/標準
  • _次回車検:
  • _環境性能割:非課税/○%
  • _重課の開始見込み:13年超/18年超 など

8.表でサッと比較:排気量×重量×経年(目安合計)

年間換算のイメージ(自動車税+重量税/2年の半分)。実際はエコカー軽減・経年重課で上下します。

排気量\重量/経年〜1.0t(新しめ)〜1.5t(中間)〜2.0t(重め)
〜1.5L約4万円約4.5万円約5万円
〜2.0L約4.5万円約5〜5.5万円約6万円
〜3.0L約5万円約6万円約7万円
経年重課あり+数千円〜+数千円〜+1万円前後〜

軽自動車は別制度で、年額はおおむね一律重量税は軽区分で相対的に軽負担。


9.還付・重課・住所変更など“よくある手続き”

9-1.還付(普通車の月割)

  • 普通車の自動車税は、抹消登録(永久/一時)の場合に残月分が月割で還付される運用が一般的。
  • 名義変更だけでは還付なしが原則。売買時は当事者間で精算する慣行が多い。

9-2.軽自動車の還付

  • 軽自動車税原則還付なし。年度途中の廃車でも翌年度から課税されない形で調整されるのが一般的。

9-3.住所変更・ナンバー変更

  • 転居したら住所変更を速やかに。都道府県をまたぐナンバー変更になることがある。
  • 納付書の送付先が変わるため未着→延滞を防ぐ意味でも重要。

9-4.延滞・滞納の対応

  • 期日を過ぎると延滞金督促が発生。口座振替/電子納付期日管理を仕組み化すると安心。

10.Q&A(よくある疑問)

Q1.納付書の金額が去年と違うのはなぜ?
A.同じ車でも、軽減の終了・経年重課の開始、登録事項の変更、自治体の期日などで上下します。

Q2.エコカーだとずっと安いの?
A.購入後しばらくは免税・軽課がある場合がありますが、期間終了後は標準額へ戻るのが一般的です。

Q3.重量税は2年分まとめて払うの?
A.多くは車検の有効期間(24か月)を前納します。次回車検で再度支払います。

Q4.中古車を買うときの税金は?
A.購入時は環境性能割、その後は毎年の自動車税車検時の重量税初度登録年により重課の開始時期が変わる点に注意。

Q5.軽自動車は普通車と何が違う?
A.軽は軽自動車税(年額一律傾向)+軽の重量税還付・重課の扱い所管が普通車と違います。

Q6.法人名義や事業用だと変わる?
**A.**区分が異なる場合があり、税額や適用条件が変わります。**用途(自家用/事業用)**を事前に明示して見積もりを取りましょう。

Q7.3月末に売る/買うとお得?
**A.**4/1の所有者に賦課されるため、3月末の名義は負担に直結。当事者間の清算も含めてスケジュールを調整するとトラブルが減ります。

Q8.抹消すれば必ず還付される?
A.普通車の自動車税残月分の月割還付があるのが一般的ですが、手続きや期日に条件があります。軽は原則なし

Q9.EVにすると税はゼロ?
A.購入時や重量税で優遇はありますが、すべて恒久免除ではありません。優遇期間後の負担も織り込んで総額で判断を。


11.用語辞典(平易な言い換え)

  • 自動車税(種別割)毎年払う税金。主に排気量で金額が決まる。
  • 軽自動車税(種別割)にかかる年税。市区町村が所管。年額はおおむね一律
  • 自動車重量税車検のとき期間分を前納する税金。重量環境性能・経年で変わる。
  • 環境性能割車を買うときにかかる取得時課税。燃費・排ガス性能が良いほど軽くなる/非課税も。
  • 初度登録:その車が最初に登録された年経年重課の起算に使われる。
  • エコカー減税環境性能が高い車軽く課税する仕組みの総称(重量税・種別割・取得時課税での優遇)。
  • 経年重課一定年数超の車に加算される制度。
  • 抹消登録:ナンバーを返し登録を止める手続き。普通車の月割還付の前提になることが多い。
  • 用途区分自家用/事業用の別。税率・扱いが変わることがある。

まとめ

税金は排気量(毎年の自動車税)と重量+期間(車検時の重量税)が基本の柱。ここに環境性能の軽減経年の重課が重なり、購入時の環境性能割が入り口に位置します。

買い替えを検討するときは、環境性能割→翌年度の種別割→車検時の重量税という時間軸で整理し、何年乗るかまで見据えて年間換算の総負担を比較しましょう。実際の額は納付書・見積書で必ず確認し、期日と手続きを守ってスマートに管理するのが正解です。

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