はじめに|マグニチュードとは何か?
地震が発生すると、ニュースで「マグニチュード◯◯の地震が発生しました」と報道されます。しかし、マグニチュードとは具体的に何を示す数値なのか、震度との違いは何なのかを正しく理解している人は少ないかもしれません。
「マグニチュードが大きいほど被害も大きい?」「震度とマグニチュードの関係は?」
本記事では、マグニチュードの定義・計測方法・震度との違い・過去の大地震のマグニチュードとその影響について詳しく解説します。
1. マグニチュードとは?その定義と基本概念
マグニチュードの基本定義
- 地震そのもののエネルギーの大きさを表す指標
- 地震波の振幅や地震発生時のエネルギー量を数値化
- 数値が1増えるとエネルギーは約32倍、2増えると約1000倍に
マグニチュードの単位と測定方法
- 地震波の振幅を基に算出
- 一般的にリヒター・スケール(M)を用いる
- 現在はモーメント・マグニチュード(Mw)が主流
震度との違い
指標 | 定義 | 測定対象 |
---|---|---|
震度 | ある地点での揺れの強さ | 観測地点ごとの揺れの大きさ |
マグニチュード | 地震そのものの規模 | 地震のエネルギー量 |
2. マグニチュードの種類と計算方法
1. リヒター・スケール(M)
- 1935年に発明された従来の測定法
- 地震計の振幅を基に算出
- 震源の浅い地震には適しているが、大規模地震には不向き
2. モーメント・マグニチュード(Mw)
- 地震の規模をより正確に表す方法
- 断層の面積・滑り量・地盤の強度を考慮
- 現在、世界の地震研究で標準的に使用される
3. マグニチュードの計算式
- リヒター・スケール:M = log10(A) + B(A:振幅、B:距離補正係数)
- モーメント・マグニチュード:Mw = (2/3) log10(M0) – 10.7(M0:地震モーメント)
3. マグニチュードと震度の関係
1. マグニチュードが同じでも震度は異なる
- 震源が浅いほど震度が大きくなる
- 地盤が柔らかい地域では揺れが増幅される
- 建物の高さや構造によって体感震度が変わる
2. 震度ごとのマグニチュードの目安
マグニチュード | 震度 | 影響 |
4.0〜4.9 | 震度1〜3 | 小さな揺れを感じる程度 |
5.0〜5.9 | 震度4〜5 | 棚の物が落ちることがある |
6.0〜6.9 | 震度5強〜6 | 建物が損壊する可能性 |
7.0以上 | 震度6強〜7 | 大規模な被害が発生する可能性 |
3. 過去の地震のマグニチュードと震度
- 1995年 阪神・淡路大震災(M7.3・震度7)
- 2011年 東日本大震災(M9.0・震度6強)
- 2016年 熊本地震(M7.0・震度7)
4. マグニチュードの大きさと被害の関係
1. 小規模地震(M4〜M5)
- 地域によっては震度3〜4程度
- 地盤の影響で揺れが大きくなることも
2. 中規模地震(M6〜M7)
- 震度5強〜6強の揺れを引き起こす可能性
- 耐震基準の低い建物に被害が出る
3. 大規模地震(M8以上)
- 津波の発生リスクが高まる
- 広範囲で震度6以上の揺れを引き起こす
- 倒壊・火災・ライフラインの寸断など深刻な影響
5. まとめ|マグニチュードの理解を深め、防災に備えよう
マグニチュードは地震の規模を示し、震度は各地の揺れの強さを表します。
チェックリスト:地震情報の正しい理解
- マグニチュードが1増えるとエネルギーは約32倍に
- 震度は地震のエネルギーだけでなく、地盤や建物によっても異なる
- 大規模地震(M7以上)は広範囲に影響を与える可能性がある
- 正しい情報を理解し、防災対策を進めることが重要
地震の仕組みを理解し、万が一に備えて適切な対策を講じましょう!