地震って何?と子どもに聞かれると、意外と説明に迷うものです。
「地面がゆれることだよ」と答えるだけでも間違いではありませんが、それだけだと、どうして起こるのか、ゆれたら何をすればいいのかまでは伝わりません。
しかも地震は、知識として知るだけでは足りない災害です。
本当に大切なのは、家の中にいるとき、学校にいるとき、外にいるときに、親子で同じように動けること。小学生向けにやさしく説明しつつ、家庭での判断につながる形にしておくことが大事です。
この記事では、地震のしくみを小学生にもわかる言葉で説明しながら、ゆれた瞬間の行動、家での備え、よくある失敗まで整理していきます。前半だけ読んでも答えがわかるように進めるので、まずは結論から見てください。
結論|この記事の答え
先に答えを言うと、地震は地下で岩盤やプレートにたまった力が、あるとき急にずれて起こる現象です。日本の周辺では、太平洋プレートやフィリピン海プレートが陸のプレートの下へ沈み込んでいて、複雑な力がかかるため、世界でも有数の地震の多い地域になっています。
小学生向けに、いちばん先に覚えておきたい答えは4つあります。
1つ目は、ゆれたらまず頭を守ることです。
気象庁は、緊急地震速報を見聞きしたときや強いゆれを感じたときの基本として、「周囲の状況に応じて、あわてずに、まず身の安全を確保する」ことを示しており、家庭では頭を保護して丈夫な机の下など安全な場所に避難するよう案内しています。
2つ目は、あわてて外へ飛び出さないことです。
地震で先に危なくなるのは、建物の外より家の中だけではありません。落下物、割れたガラス、倒れた家具、外では看板やブロック塀など、危険は場所によって違います。だから「とにかく外へ」は正解とは限りません。まずはその場で頭を守り、ゆれが落ち着いてから安全を確かめることが大切です。
3つ目は、地震の大きさには2つの見方があることです。
震度はその場所のゆれの強さ、マグニチュードは地震そのものの規模です。同じ地震でも、震源から近いか遠いかなどで、感じるゆれは変わります。
4つ目は、家の備えは「避難リュックを買うこと」だけではない、ということです。
むしろ先にやるべきは、家具の固定、寝る場所の安全確認、家族の集合場所と連絡方法の確認です。内閣府は、背の高い家具の固定、ガラス飛散対策、家族の集合場所や連絡方法の確認、そして最低3日分の備蓄を勧めています。飲料水は1人1日3リットルを目安に、最低3日分、できれば1週間分あると安心です。
家庭での判断フレームにすると、こう考えると迷いにくくなります。
「家の中で背の高い家具が多い人はA。まず家具の固定を優先」
「小さい子や高齢者がいる家庭はB。避難リュックより、寝室の安全と連絡方法を優先」
「マンション上層階の人はC。家具固定と長いゆれへの備えを優先」
「迷ったらD。机の下など頭を守れる場所、家族の集合場所、3日分の水。この3つから始めればよい」
迷ったらこれでよい、という最小解もはっきりさせておきます。
今日やるべき最小解は、「頭を守る場所を決める」「寝室の危ない物を動かす」「家族の集合場所を紙に書く」の3つです。防災は、たくさん買うことより、先に動き方を決めるほうが効きます。
地震って何?小学生向けにまずやさしく説明
地震は、地下で岩が急にずれることで、地面がゆれる現象です。
気象庁は、プレート同士がぶつかったり、一方のプレートの下にもう一方が沈み込んだりすると、その力が原因となって地震が発生すると説明しています。日本の周辺では複数のプレートが関わるため、地震が多くなります。
小学生向けには、「地下で大きな岩の板が押し合っていて、たまった力がパキッとずれると地震になる」と伝えるとわかりやすいです。
ここで大事なのは、理科の知識として覚えるだけではなく、「だから日本では地震の準備が必要なんだ」とつながることです。
地震は地下で岩がずれて起こる
地球の表面は、プレートという大きな岩の板でおおわれています。
そのプレートは少しずつ動いていて、ぶつかったり、沈み込んだりしています。そのときに力がたまり、限界になると急にずれて地震になります。気象庁は、日本周辺で海のプレートが陸のプレートの下へ年あたり数センチの速さで動いており、それが地震の多さにつながっていると説明しています。
小学生向けには、「ずっと押し合っていたものが急にずれる」と言えば十分です。
むずかしい言葉を全部覚えなくても、「力がたまる」「ずれる」「ゆれる」の流れがわかれば、地震の基本はつかめます。
少し豆知識を入れるなら、日本の地震は海の近くで起きる大きな地震だけではありません。気象庁は、陸の浅い所で起きる地震もあり、人が住む場所に近いため大きな被害になりやすいと説明しています。
震源・震央・震度・マグニチュードの違い
ここは、ニュースを見るときに役立つポイントです。
震源は地下で地震が起きた場所、震央はその真上の地表の場所です。そして、震度はその場所でどれくらい強くゆれたか、マグニチュードは地震そのものの大きさです。気象庁は、震度はある場所でのゆれの強さ、マグニチュードは地震の規模だと説明しています。
比較すると、こうなります。
| ことば | 意味 | 小学生向けの言いかえ |
|---|---|---|
| 震源 | 地下で地震が起きた場所 | 地震のスタート地点 |
| 震央 | 震源の真上の地表 | 地上でいちばん真上の場所 |
| 震度 | その場所のゆれの強さ | どれくらいグラグラしたか |
| マグニチュード | 地震そのものの大きさ | 地震のパワーの大きさ |
この表でいちばん大事なのは、「大きな地震でも、場所によって感じるゆれは違う」とわかることです。
だから、ニュースでマグニチュードだけ見て安心したり、逆に不安になりすぎたりせず、自分の地域の震度や避難情報を見ることが大切です。
地震が起きると何が危ないの?
地震で危ないのは、地面がゆれることそのものだけではありません。
実際にけがの原因になりやすいのは、家具の転倒、物の落下、ガラスの飛散です。内閣府も、地震による負傷の多くは家具類の転倒・落下や割れた食器・ガラスが原因だとしています。
まず危ないのは落ちる・倒れる・割れる
家の中で先に起きやすいのは、棚の上の物が落ちる、食器棚が開く、背の高い家具が倒れる、窓ガラスが割れる、といったことです。
とくに寝室や子ども部屋は見落としやすい場所です。内閣府は、寝室には家具を置かない、置くなら固定する、ガラス飛散防止をする、寝室に靴を置く工夫が有効だとしています。
ゆれの強さの目安も、親子で見ておくと役に立ちます。気象庁の震度階級関連解説表では、震度4で多くの人が驚き、つり下げ物が大きく揺れ、震度5弱以上になると固定していない家具が移動・転倒することがあるとされています。
| 震度の目安 | 起こりやすいこと | 家で意識したいこと |
|---|---|---|
| 3 | 棚の食器が音を立てることがある | 物の置き方を見直す |
| 4 | つり下げ物が大きく揺れる | 落ちやすい物を減らす |
| 5弱 | 物が落ちたり家具が動いたりすることがある | 固定していない家具を減らす |
| 5強〜6弱 | 動くのが難しくなることがある | 頭を守る場所を事前に決める |
表を見るとわかる通り、危険は「大地震のときだけ」ではありません。
中くらいのゆれでも、置き方しだいでけがにつながります。だからこそ、家庭では「何を買うか」より「何を倒れないようにするか」が先です。
津波・火災・土砂災害など二次災害にも注意
地震のあとに怖いのは、二次災害です。
海の近くでは津波、がけの近くでは土砂災害、火を使っていた場所では火災の危険があります。気象庁は、緊急地震速報や地震時の行動として、山やがけ付近では落石やがけ崩れに注意し、海のそばでは津波を想定する必要があるとしています。
また、液状化にも注意が必要です。気象庁の子ども向け解説では、液状化は水を多く含んだ砂地盤や埋立地などで起こりやすく、建物や電柱が傾いたり、マンホールが浮き上がったりすると説明されています。
ここでの判断フレームはシンプルです。
「海の近くにいる人は津波を優先」
「がけや山の近くにいる人は土砂災害を優先」
「家の中にいる人は落下物と火災を優先」
「迷ったら、まずその場の一番近い危険から離れる」
この順番を覚えておくと、ゆれたあとに迷いにくくなります。
地震が起きた瞬間、どう動けばいい?
地震では、最初の数秒の行動がとても大切です。
気象庁は、緊急地震速報を見聞きしてから強いゆれが来るまでの時間は数秒から数十秒しかないとし、その短い間に身を守る行動を取る必要があるとしています。
家・学校・お店での基本行動
基本は「低く、頭を守る、安全な場所から動かない」に近い考え方です。
家庭では、頭を保護し、丈夫な机の下など安全な場所に避難し、あわてて外に飛び出さないことが気象庁の案内です。人が多い施設では、係員の指示に従い、出口に殺到しないことも大切です。
小学生向けには、こう伝えると実用的です。
「まず頭」
「つぎにガラスや棚から離れる」
「走らない」
これだけでもかなり違います。
ケース別に見ると、こんな整理になります。
| いる場所 | まずやること | やらないほうがよいこと |
|---|---|---|
| 家 | 机の下などで頭を守る | あわてて外へ飛び出す |
| 学校 | 先生の指示を聞く、机の下で頭を守る | 勝手に廊下へ走る |
| スーパー・お店 | 落ち着いてしゃがみ、落下物から離れる | 出口へ一気に走る |
| 寝ているとき | 枕や布団で頭を守る、靴を履く | はだしで歩き回る |
表の中でも、特に大事なのは「あわてて外へ飛び出さない」です。
これはやらないほうがよい行動として、はっきり覚えておきたいところです。
外・車・海の近く・エレベーターではどうする?
屋外では、ブロック塀、看板、割れたガラス、落下物に注意します。気象庁は、街中ではブロック塀の倒壊や看板・ガラスの落下に注意し、丈夫なビルのそばならビルの中へ避難するよう案内しています。
車の中では、急ブレーキをかけず、ハザードランプを点灯しながら緩やかに速度を落とし、大きなゆれを感じたら道路の左側に停止するのが気象庁の基本です。エレベーターでは最寄りの階で停止させてすぐ降ります。
海の近くでは、さらに話が変わります。
強いゆれを感じたら、津波を考えて海岸や川沿いから離れ、高いところへ向かう必要があります。ここは「様子を見る」より「先に離れる」が正解です。
いつもからできる家庭のそなえ
地震対策は、地震が起きてから考えるものではありません。
むしろ、ふだんの家の中を少し変えるだけで、けがのリスクはかなり減らせます。内閣府は、家具固定、ガラス対策、避難所や連絡方法の確認を、家庭での基本の備えとして示しています。
家の中を安全にする優先順位
家の備えは、全部一気にやろうとすると続きません。
だから、優先順位をつけたほうが現実的です。
| 優先順位 | 先にやること | 理由 |
|---|---|---|
| 1 | 寝室の家具配置を見直す | 就寝中は逃げ遅れやすい |
| 2 | 背の高い家具を固定する | けがの原因になりやすい |
| 3 | ガラス飛散対策をする | 避難の妨げになる |
| 4 | 玄関や通路をふさがない | 出口確保につながる |
| 5 | ブレーカー・消火器の場所確認 | 地震後の対応がしやすい |
内閣府は、寝室には家具を置かない、置くなら固定する、ガラスに飛散防止フィルムを貼る、寝室に靴を置く工夫などを勧めています。
「小さい子がいる家庭はA、高齢者がいる家庭はB」で考えるなら、
小さい子がいる家庭は、子どもの寝る周りを最優先。
高齢者がいる家庭は、通路と寝室の安全を最優先。
この分け方がわかりやすく、実用的です。
備蓄と持ち出し品はどこまで必要?
備蓄の目安として、内閣府は各家庭で最低3日間、できれば1週間過ごせるように、飲料水や食料などを備蓄しておくことを勧めています。飲料水は1人1日3リットルが目安です。
ただし、ここで勘違いしやすいのが、「大量に買えば安心」という考え方です。
もちろん備蓄は大切です。けれど、最初から完璧にそろえようとすると、続かないことが多いです。
迷ったら、水、すぐ食べられる物、ライト、モバイルバッテリー、簡易トイレ、常備薬。このあたりから始めれば十分です。
チェックリストにすると、こうなります。
・飲料水
・最低3日分の食料
・ライト
・予備電池
・モバイルバッテリー
・常備薬
・簡易トイレ
・タオル、ポリ袋、マスク
・子どもや高齢者に必要な個別用品
このとき大事なのは、「家族の条件で前後する」と考えることです。
乳幼児がいるならミルクやおむつ、持病があるなら処方薬や医療機器の電源対策が優先になります。みんな同じ中身にしなくていい、という視点は持っておきたいところです。
よくある失敗と、やらないほうがよいこと
防災の失敗は、準備不足だけでなく、思い込みでも起きます。
むしろ多いのは、「たぶん大丈夫」「今のうちにこれをしておこう」が危険につながるケースです。
あわてて外へ飛び出す、火を消しに戻るは危ない
よくある失敗のひとつが、ゆれた瞬間に外へ飛び出すことです。
気象庁は家庭での行動として、あわてて外に飛び出さないこと、無理に火を消そうとしないことを明記しています。
なぜ危ないかというと、外には落下物があり、キッチン付近には割れ物や火の危険があるからです。
とくに子どもは、親が動く方向につられやすいです。だから、家庭では「ゆれたらまず頭」「火より先に身を守る」と言葉をそろえておくと動きやすくなります。
失敗例を整理すると、こうなります。
| 失敗例 | なぜ危ない? | こう直す |
|---|---|---|
| すぐ外に飛び出す | 落下物やガラスが危険 | まず頭を守る |
| 火を消しに戻る | 熱源や転倒物でけがをしやすい | 無理をしない |
| はだしで歩く | 割れたガラスでけがをする | 靴やスリッパを履く |
| 家族を探して走り回る | 二次被害に巻き込まれやすい | 事前の集合ルールを決める |
揺れが止まったあとに油断するのも危険
もうひとつの失敗は、揺れが止まったら終わりだと思うことです。
大きな地震のあとには余震が続くことがあり、気象庁も大地震後はその震源近くで地震活動が活発になることがあると説明しています。
また、停電、ガス漏れ、倒れかけた家具、外れた窓ガラス、液状化した地面など、揺れのあとに見つかる危険もあります。
だから、静かになったからといってすぐ片づけを始めたり、子どもだけで外へ出したりするのは避けたいところです。
ここでの判断基準は、「揺れが止まっても、すぐ通常運転に戻さない」です。
安全確認、余震への注意、家族の安否確認。この順番を守るほうが安心です。
結局どう備えればいいか|親子で決める最小セット
ここまで読むと、やることが多く見えるかもしれません。
でも、家庭で本当に大切なのは、完璧な備えではなく「すぐに動ける形」にすることです。地震はいつ起きるかわからないからこそ、続く備えのほうが強いです。
迷ったらこれでよい、という最小解
最小セットは、この5つで十分です。
- 机の下など、頭を守る場所を家族で決める
- 寝室の危ない家具や物を見直す
- 玄関に靴とライトを置く
- 家族の集合場所A・Bを決める
- 水を3日分だけでも用意する
この5つなら、今日からでも動けます。
しかも、買い物をたくさんしなくても始められるものが多いです。
防災は、準備の量より、行動の順番。ここを間違えないだけで、かなり現実的になります。
余裕があればここまで見直すと安心
最小セットができたら、余裕のある家庭は次も進めたいところです。
・家具固定を1つずつ増やす
・ガラス飛散防止を見直す
・緊急地震速報の音を家族で確認する
・171や災害用伝言板の使い方を知っておく
・備蓄を3日分から1週間分へ少しずつ増やす
内閣府は、家族みんなで集合場所と連絡方法を決めておくこと、171や災害用伝言板の活用を紹介しています。
このあたりまでできると、「ただ不安」から「うちはこう動く」に変わります。
地震は止められません。
でも、ゆれたときの最初の数秒と、その前の準備は変えられます。
親子でまず1つ、今日決める。防災は、そこから十分始まります。
まとめ
地震は、地下で岩盤やプレートにたまった力が急にずれて起こる現象です。日本の周辺は複数のプレートが関わるため、地震が多い地域です。だからこそ、小学生にも「なぜ起こるか」だけでなく、「そのときどう動くか」まで伝えておくことが大切です。
ゆれた瞬間は、まず頭を守ること。あわてて外へ飛び出さないこと。揺れが止まったあとも、余震や二次災害に注意すること。この3つが基本になります。
家庭の備えは、家具固定、寝室の安全確認、家族の集合場所、そして最低3日分の水と食料から始めれば十分です。迷ったら、「頭を守る場所」「家族の集合場所」「水3日分」。まずはこの3つからで大丈夫です。
この記事で読者が今日やるべき行動を3つ
- 家の中で、頭を守る場所を家族で1か所決める
- 寝室の倒れやすい家具や、落ちやすい物を1つ動かす
- 家族の集合場所を紙に書いて見えるところに貼る


