冬が近づくと、「スノータイヤに替えるべきか」「オールシーズンタイヤで足りるのか」で迷う人は多いはずです。雪国に住んでいるなら判断しやすいものの、都市部や沿岸部のように“年に数回だけ雪が降る地域”では、費用や保管場所まで考えると悩みやすくなります。
ただし、タイヤ選びは「雪が降るかどうか」だけでは決まりません。大切なのは、凍結した路面を走る可能性があるか、早朝や深夜に運転するか、峠や橋・高架を通るか、高速道路の冬用タイヤ規制に関わるかです。
この記事では、スノータイヤとオールシーズンタイヤの違いを、地域、頻度、時間帯、道路条件、費用、管理のしやすさまで含めて整理します。目的は、タイヤの知識を増やすことではなく、自分の生活でどちらを選ぶべきか、安全側で判断できるようにすることです。
なお、タイヤの性能や規制への適合は、製品差、サイズ、摩耗状態、道路状況によって変わります。購入時はメーカー表示、販売店、車両の取扱説明書、道路管理者の規制情報を確認してください。
結論|この記事の答え
スノータイヤとオールシーズンタイヤで迷ったら、まず「雪道や凍結路をどれくらい走るか」で決めます。
年間10日以上、雪道・凍結路・山間部・早朝深夜の運転があるなら、スノータイヤを選ぶのが基本です。特に、通勤で朝早く走る人、峠を越える人、橋や高架をよく通る人、冬の高速道路を使う人は、オールシーズンタイヤだけで済ませるより、冬専用タイヤを用意するほうが安全幅を取りやすくなります。
都市部で、雪道を走るのは年に数回だけ。しかも、降雪日は運転を避けられる、日中の短距離移動が中心、除雪や凍結防止が比較的行き届いた道しか走らない。この条件なら、オールシーズンタイヤも現実的な選択肢です。
迷ったらこれでよい、という最小判断は次の表です。
| 自分の状況 | おすすめ | 判断理由 |
|---|---|---|
| 雪道・凍結路を年10日以上走る | スノータイヤ | 氷雪路での安全幅を優先 |
| 山間部・峠・早朝深夜を走る | スノータイヤ | 凍結リスクが高い |
| 都市部で年数回の雪だけ | オールシーズンも可 | 運転回避できるなら現実的 |
| 高速の冬用タイヤ規制を通る可能性 | スノータイヤ優先 | 規制条件と安全性を確認 |
| 保管場所がなく雪道頻度も低い | オールシーズン検討 | ただし凍結時は運転を控える |
まず優先すべきなのは、「止まれること」です。発進できるかより、止まれるか、曲がれるか、下り坂で制御できるかを基準にしてください。
後回しにしてよいのは、見た目、銘柄の細かな評判、少しの燃費差です。タイヤ選びで最初に見るべきなのは、自分の走る路面と時間帯です。
これはやらないほうがよいのは、雪道を走る予定があるのに「たぶん大丈夫」と夏タイヤで出ること、前輪だけ冬用にすること、古く硬くなったタイヤを非常用として使い続けることです。タイヤは4輪で車の姿勢を支えるものなので、1本だけ、前だけ、後ろだけの発想は安全面で避けてください。
スノータイヤとオールシーズンタイヤの違い
スノータイヤは、冬の雪道や凍結路を想定したタイヤです。低温でもゴムが硬くなりにくく、細かな切れ込みや深い溝で雪や氷に食いつきやすいように作られています。地域によっては「スタッドレスタイヤ」と呼ばれることも多いです。
オールシーズンタイヤは、春夏秋冬を通して使いやすいように作られたタイヤです。雨、乾いた路面、軽い雪に対応しやすい一方、氷や深い雪ではスノータイヤほどの余裕は期待しにくいと考えたほうが安全です。
ざっくり言えば、スノータイヤは「冬の安全を広げるタイヤ」、オールシーズンタイヤは「交換の手間を減らしながら軽い雪にも備えるタイヤ」です。
| 比較項目 | スノータイヤ | オールシーズンタイヤ |
|---|---|---|
| 得意な路面 | 雪、圧雪、低温路面 | 乾いた道、雨、軽い雪 |
| 苦手な場面 | 暖かい季節の摩耗 | 氷、深雪、強い凍結 |
| 交換の手間 | 季節ごとに交換 | 基本は通年使用 |
| 保管場所 | 夏タイヤの保管が必要 | 1セット運用しやすい |
| 向く人 | 冬道をよく走る人 | 雪が少ない地域の人 |
ここで大切なのは、オールシーズンタイヤを「万能タイヤ」と考えないことです。名前にオールシーズンとあるため、どんな冬道でも走れるように感じますが、実際には製品差や路面条件で性能が大きく変わります。
特に注意したいのは凍結路です。見た目はただ濡れているように見えても、薄く凍っている路面があります。いわゆるブラックアイスバーンです。橋の上、高架、日陰、トンネル出入口、早朝の交差点付近などは、都市部でも凍ることがあります。
スノータイヤでも滑る時は滑ります。オールシーズンタイヤならさらに慎重な判断が必要です。タイヤは安全を助ける道具であって、無理な運転を可能にする道具ではありません。
どちらを選ぶかは4つの条件で決める
スノータイヤかオールシーズンタイヤかは、地域名だけで決めないほうがよいです。同じ県内でも、沿岸部と山間部、平地と高台、都市部と郊外では路面条件が大きく違います。
判断軸は次の4つです。
| 判断軸 | 確認すること | 安全側の判断 |
|---|---|---|
| 地域 | 平地、沿岸、内陸、山間 | 山間・内陸はスノー寄り |
| 頻度 | 年に何日雪道を走るか | 年10日以上ならスノー |
| 時間帯 | 早朝・深夜に走るか | 凍結時間帯はスノー寄り |
| 道路 | 高速、峠、橋、高架を走るか | 規制・凍結リスクを重視 |
地域だけでなく標高と日陰を見る
「雪が少ない地域」と思っていても、少し標高が上がるだけで路面が変わることがあります。坂道、橋、川沿い、山あい、北向きの日陰は、雪が残ったり凍結したりしやすい場所です。
自宅周辺は大丈夫でも、通勤先や子どもの送迎先、実家への道、よく行くスーパーの坂道が危ないこともあります。普段走る道を思い浮かべて判断してください。
頻度は「雪が降る日」ではなく「雪道を走る日」
雪が降る地域でも、降った日は運転しないと決められる人ならリスクは下がります。反対に、雪の日でも通勤や送迎で必ず走る人は、年数回でも安全側に寄せる必要があります。
雪道走行が年10日を超える、または凍結の可能性がある道を何度も走るなら、スノータイヤを基本に考えるのが現実的です。
時間帯はかなり重要
冬道は、昼と朝ではまったく違います。日中は溶けている道でも、夜明け前や深夜には凍ることがあります。
早朝の出勤、深夜の帰宅、夜間の送迎、冬の旅行帰りがある人は、雪の量だけでなく路面温度を考える必要があります。特に橋や高架は地面からの熱が伝わりにくく、凍りやすい場所です。
道路条件で判断する
高速道路、峠、山道、長い下り坂を走る人は、タイヤへの要求が上がります。止まる距離が伸びる場面では、ほんの少しの差が大きくなります。
安全を優先する人は、「普段の道で走れるか」ではなく、「悪い条件でも止まれる余裕があるか」で考えましょう。
路面別に見る得意・不得意
タイヤ選びで分かりにくいのは、同じ冬道でも路面の種類がいくつもあることです。雪、圧雪、シャーベット、凍結、濡れた路面では、必要な性能が違います。
| 路面条件 | スノータイヤ | オールシーズンタイヤ | 判断ポイント |
|---|---|---|---|
| 新雪 | 強い | 製品により差 | 深くなるほどスノー有利 |
| 圧雪 | 強い | 慎重運転が必要 | ブレーキ距離に注意 |
| 凍結路 | 強めだが過信不可 | 苦手になりやすい | 早朝・橋・日陰に注意 |
| シャーベット | 比較的対応しやすい | 対応しやすい製品もある | 速度を落とす |
| 雨の低温路 | 安定しやすい | 比較的得意 | 水膜と温度差に注意 |
| 乾いた暖かい道 | 摩耗しやすい | 日常向き | 春以降は差が出る |
スノータイヤが最も力を発揮しやすいのは、低温の雪道や凍結しやすい路面です。低温でもゴムが柔らかさを保ちやすく、雪や氷に接する力を確保しやすいからです。
オールシーズンタイヤは、雨や乾いた道を日常的に走りながら、軽い雪にも備えたい人に向いています。ただし、氷の上での安心感はスノータイヤに譲る場面が多いと考えてください。
「雪は少ないけれど、朝はよく凍る」という地域では、オールシーズンで済ませる判断は慎重にしたほうがよいです。雪の量より、凍結の有無が危険度を上げることがあります。
また、4WDなら大丈夫という考えも危険です。4WDは発進には強い傾向がありますが、止まる力はタイヤの性能と路面の状態に大きく左右されます。発進できることと、安全に止まれることは別です。
地域・生活パターン別の選び方
ここからは、実際の生活に当てはめて考えます。タイヤ選びは、車の性能だけでなく、運転を避けられるか、家族を乗せるか、保管場所があるかでも変わります。
都市部で年に数回だけ雪が降る場合
都市部で、雪が降るのは年に数回。しかも、雪の日は在宅勤務にできる、公共交通に切り替えられる、日中しか運転しない。このような人は、オールシーズンタイヤも選択肢になります。
ただし、坂道、立体駐車場、橋、高架、日陰の路地は注意が必要です。雪が少なくても、凍った坂で止まれないことがあります。
都市部でオールシーズンを選ぶなら、「雪の日は無理に走らない」「早朝深夜は避ける」「チェーンや公共交通の代替手段を考える」までセットにしてください。
内陸部・盆地で朝の冷え込みが強い場合
内陸部や盆地は、雪の量が多くなくても朝晩に冷え込みやすい地域があります。雨や雪が溶けたあとに凍ると、見た目より滑りやすくなります。
通勤や送迎で朝早く走るなら、スノータイヤを選ぶほうが安全です。日中しか走らない人でも、橋や日陰の多い道を通るなら慎重に判断しましょう。
山間部・豪雪地帯を走る場合
山間部、豪雪地帯、峠道、スキー場周辺、除雪が追いつきにくい道路を走るなら、スノータイヤが基本です。オールシーズンタイヤだけで対応しようとするのは、安全面で無理が出やすくなります。
この場合は、タイヤだけでなく、チェーン、スコップ、手袋、長靴、毛布、飲み物、携帯充電手段なども考えます。車が動けなくなる可能性まで想定しておくことが大切です。
高速道路や長距離帰省で冬道を通る場合
冬の高速道路を使う人は、スノータイヤを優先したほうが安心です。高速道路では一度入ると簡単に引き返せず、通行止めや規制、事故渋滞に巻き込まれることがあります。
特に、県境、山越え、トンネルの前後、橋梁部、サービスエリア周辺は路面が変わりやすい場所です。冬用タイヤ規制やチェーン規制の条件は道路や状況で変わるため、出発前に道路情報を確認してください。
家族を乗せる場合
子どもや高齢者を乗せる場合は、費用より安全幅を優先したほうが後悔しにくいです。急な予定変更が難しく、休憩や迂回もしにくいからです。
家族で使う車なら、「一人なら運転を控える」で済む場面でも、送迎や通院でどうしても動く日があるかもしれません。その可能性があるなら、スノータイヤを検討する価値があります。
冬用タイヤ規制とチェーンの考え方
冬道で見落としやすいのが、道路規制です。タイヤの性能だけでなく、道路ごとの規制条件に合っているかも重要になります。
冬用タイヤ規制、チェーン規制、通行止めなどは、道路状況、降雪量、区間、時期によって変わります。オールシーズンタイヤで通行できるかどうかも、製品表示や規制内容、摩耗状態によって判断が分かれる場合があります。
本文中で「このタイヤなら必ず通れる」と断定するのは危険です。実際には、現地の規制、係員の確認、タイヤの残り溝、表示マークなどが関わります。
| 確認すること | 見る理由 |
|---|---|
| タイヤの表示 | 冬道対応の目安を確認する |
| 残り溝 | 摩耗していると性能が落ちる |
| 道路規制情報 | 区間ごとの条件が変わる |
| チェーン規制 | チェーン装着が必要な場合がある |
| 車両取扱説明書 | 装着可能サイズや注意点を確認する |
チェーンは、スノータイヤやオールシーズンタイヤの代わりというより、追加の安全装備として考えます。急坂、深い雪、除雪が遅れた道、規制時には役立つ場合があります。
ただし、チェーンも万能ではありません。装着できるタイヤサイズか、フェンダーや足回りに干渉しないか、速度制限はどれくらいか、乾いた路面で使い続けてよいかは製品によって異なります。必ず製品表示と車両側の案内を確認してください。
また、チェーンは雪が降ってから初めて装着しようとすると失敗しやすい道具です。寒い、暗い、手がかじかむ、車が揺れるという条件では、思った以上に難しくなります。購入したら、晴れた日に一度装着練習をしておきましょう。
費用・交換・保管で見る現実的な違い
タイヤ選びでは、安全だけでなく費用と手間も気になります。ここを無視すると、せっかく買っても続かなくなることがあります。
スノータイヤは、基本的に夏タイヤとの2セット運用になります。購入費、交換費、保管場所、交換予約の手間がかかります。その代わり、冬道での安全幅を取りやすく、夏タイヤと使い分けることで季節ごとの性能を活かせます。
オールシーズンタイヤは、1セットで通年使いやすいのが利点です。保管場所に困りにくく、交換の手間も少なくなります。一方で、本格的な凍結や積雪には限界があり、雪道をよく走る人には安全面で不足する場合があります。
| 比較項目 | スノー+夏タイヤ | オールシーズン |
|---|---|---|
| 初期費用 | 高くなりやすい | 抑えやすい |
| 交換作業 | 年2回必要 | 基本的に不要 |
| 保管場所 | 必要 | 少なくて済む |
| 冬道性能 | 高い | 軽い雪向き |
| 氷への安心感 | 比較的高い | 慎重な判断が必要 |
| 向く人 | 冬道頻度が高い人 | 雪が少ない地域の人 |
費用を抑えたい人ほど、走る条件を冷静に見てください。雪道をほとんど走らないのに高価な冬装備をそろえても、使わないまま劣化することがあります。反対に、雪道を走る必要があるのに費用だけでオールシーズンを選ぶと、危険な日に困ります。
買う順番としては、まず自分の地域と走行頻度を確認し、次にタイヤの種類を選びます。その後で、銘柄、価格、保管方法、チェーンの必要性を決めると迷いにくくなります。
保管場所がない場合は、タイヤ販売店や整備工場の保管サービスを利用できることもあります。料金や条件は店舗によって異なるため、購入前に確認しておくと安心です。
溝・年数・空気圧の管理
スノータイヤもオールシーズンタイヤも、買った時の性能がずっと続くわけではありません。溝が減り、ゴムが硬くなり、空気圧が合わなくなると、止まる力や曲がる力が落ちます。
特に冬道では、溝の深さが重要です。新品時は問題なくても、摩耗したタイヤでは雪をかく力や水を逃がす力が弱くなります。
| 管理項目 | 確認の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 残り溝 | シーズン前・月1回 | 冬道性能に直結する |
| 製造年 | 購入時・交換時 | 古いゴムは硬化に注意 |
| 空気圧 | 月1回・寒波後 | 気温低下で下がりやすい |
| 偏摩耗 | 点検時 | 片減りは性能低下の原因 |
| 傷・ひび | 洗車時・交換時 | 不安があれば専門店へ |
「まだ溝があるから大丈夫」と思っていても、ゴムが硬くなっていることがあります。年数の経ったタイヤは、見た目だけでは判断しにくい場合があります。製造年や保管状態も確認しましょう。
空気圧も大切です。寒くなると空気圧は下がりやすくなります。空気圧が低すぎると、燃費や摩耗だけでなく、走行安定性にも影響します。車両指定空気圧を基準にし、自己判断で大きく下げるのは避けてください。
冬道で「空気圧を下げると効く」と聞くことがありますが、一般の乗用車で安易に下げるのはおすすめしません。タイヤの変形、発熱、操縦安定性の低下につながることがあります。メーカー指定値や整備士の判断を優先してください。
保管する場合は、直射日光、高温、多湿、油分、モーター類の近くを避けます。タイヤはゴム製品なので、使っていなくても劣化します。袋に入れて、どの位置に付けていたタイヤか分かるように印を付けておくと、次回のローテーションにも役立ちます。
よくある失敗とやってはいけない例
タイヤ選びで危ないのは、性能を過信することです。スノータイヤを履いていても、凍結路では滑ります。オールシーズンタイヤなら、なおさら条件を選ぶ必要があります。
失敗1:オールシーズンを万能だと思う
オールシーズンタイヤは便利ですが、本格的な氷雪路に強いとは限りません。都市部の軽い雪には対応しやすくても、凍結した坂道や山道では不安が残る場合があります。
「オールシーズンだから雪でも大丈夫」ではなく、「軽い雪なら対応しやすいが、凍結や深雪は避ける」と考えるほうが安全です。
失敗2:前だけ冬用タイヤにする
駆動輪だけスノータイヤにする、前輪だけ冬用にするという考えは避けてください。発進はできても、曲がる時や止まる時に車の姿勢が乱れる可能性があります。
タイヤは4輪で車を支えています。冬用にするなら、4輪同じ種類、同じ程度の性能でそろえるのが基本です。
失敗3:古いスノータイヤを非常用にする
古いスノータイヤは、見た目に溝が残っていてもゴムが硬くなっていることがあります。硬くなったタイヤは、氷雪路で本来の力を発揮しにくくなります。
非常用だから古くてもよい、ではありません。非常時ほど安全に止まれる性能が必要です。年数、溝、ひび、保管状態に不安がある場合は、販売店や整備工場に確認してください。
失敗4:4WDならタイヤは何でもよいと思う
4WDは発進しやすい場面がありますが、止まる力が特別に増えるわけではありません。下り坂や交差点で止まれなければ危険です。
「走れる」より「止まれる」を基準にしてください。4WDでも冬道用のタイヤ選びは重要です。
失敗5:雪の日に無理に予定通り走る
冬道では、タイヤを準備していても移動をやめる判断が必要な日があります。大雪、吹雪、凍結、通行止め、警報級の天候では、タイヤだけで安全は確保できません。
仕事や予定があっても、出発を遅らせる、公共交通に切り替える、日程を変える判断も安全対策です。
ケース別判断
ここでは、読者が自分に当てはめやすいように、生活パターン別に整理します。
都市部で通勤に車を使う場合
都市部で雪が少なく、主に日中の通勤だけなら、オールシーズンタイヤも候補になります。ただし、雪の日でも必ず出勤する必要がある人、早朝に橋や坂を通る人は、スノータイヤを検討したほうが安全です。
迷う場合は、通勤ルートに「坂道」「橋」「高架」「日陰」「立体駐車場」があるかを見てください。これらが多いなら、雪の回数が少なくても滑りやすい場面があります。
郊外で買い物や送迎が多い場合
郊外では、主要道路は除雪されても、住宅街や店舗の駐車場が凍ることがあります。子どもの送迎や高齢者の通院がある家庭では、急な予定変更がしにくいので安全側の判断が必要です。
年に数回でも雪の日に運転を避けられないなら、スノータイヤを選ぶ価値があります。反対に、雪の日は運転しないと決められる家庭なら、オールシーズン+運転回避も現実的です。
山間部やスキー場へ行く場合
山間部、スキー場、温泉地、峠道へ冬に行くなら、スノータイヤを基本にしてください。さらに、道路状況によってはチェーンも必要です。
旅行先で雪が降るかどうかだけでなく、帰り道の時間帯も考えましょう。日中に溶けた雪が夕方以降に凍ることがあります。運転に慣れていない人は、夜間の山道を避ける計画にするほうが安全です。
高速道路で冬の帰省をする場合
冬の帰省や長距離移動では、出発地が暖かくても、途中で雪や規制に入ることがあります。県境や山間部を通るなら、スノータイヤを優先しましょう。
高速道路では、次のICまで移動を続けなければならない場面があります。通行止めや渋滞時にすぐ引き返せないため、タイヤだけでなく、燃料、飲み物、防寒具、携帯充電、解氷用品も準備しておくと安心です。
EV・ハイブリッド車の場合
EVやハイブリッド車は、車種によって車重や駆動方式が異なります。重量がある車は安定感がある一方、止まる時にはタイヤへの負担も大きくなります。
再生ブレーキの効き方も車種で違います。雪道では急な減速感が不安定につながることもあるため、車両の雪道モードや回生設定がある場合は、取扱説明書を確認してください。タイヤ選びも、車両重量や指定サイズに合ったものを選ぶ必要があります。
FAQ
オールシーズンタイヤで冬用タイヤ規制は通れますか?
通行できるかは、道路の規制内容、タイヤの表示、残り溝、現地判断によって変わる場合があります。オールシーズンタイヤでも冬道対応を示す表示がある製品はありますが、すべての規制で必ず通れるとは断定できません。高速道路や山間部へ行く前に、道路管理者の情報とタイヤメーカーの案内を確認してください。
スノータイヤは夏も使えますか?
物理的に走れる場合はありますが、夏も使い続けるのはおすすめしにくいです。スノータイヤは低温向けに作られているため、暖かい時期は摩耗が進みやすく、乾いた路面や雨の日の制動感も夏タイヤと異なることがあります。春になったら夏用または通年向けのタイヤへ戻すのが基本です。
年に1〜2回しか雪が降らない地域でもスノータイヤは必要ですか?
雪の日に運転を避けられるなら、必ずしもスノータイヤが必要とは限りません。オールシーズンタイヤや公共交通への切り替えで足りる家庭もあります。ただし、早朝通勤、坂道、橋、高架、送迎や通院で雪の日も走る必要があるなら、年数回でもスノータイヤを検討したほうが安全です。
4WDならオールシーズンタイヤでも大丈夫ですか?
4WDは発進しやすい場面がありますが、止まる力や曲がる力はタイヤと路面に大きく左右されます。凍結した下り坂や交差点では、4WDでも滑ることがあります。山間部や凍結路を走るなら、4WDであってもスノータイヤを基本に考えるほうが安全です。
チェーンがあればスノータイヤはいりませんか?
短い区間の脱出や急な積雪にはチェーンが役立つことがあります。ただし、装着の手間、速度制限、乾いた路面での扱い、装着可能サイズなどの制約があります。雪道を日常的に走る人は、チェーンだけに頼るより、スノータイヤを基本にして必要時にチェーンを併用する考え方が現実的です。
中古のスノータイヤを買っても大丈夫ですか?
中古でも使える場合はありますが、製造年、残り溝、ひび、偏摩耗、保管状態を厳しく確認する必要があります。見た目だけではゴムの硬化が分かりにくいこともあります。価格だけで選ばず、信頼できる販売店や整備工場で状態を確認してから判断してください。
結局どうすればよいか
スノータイヤとオールシーズンタイヤで迷ったら、最初に見るべきなのは銘柄や価格ではありません。自分が「どこを」「どれくらい」「いつ」走るかです。雪道や凍結路を年10日以上走る、早朝や深夜に運転する、山間部や峠を通る、高速道路の冬用タイヤ規制に関わる可能性がある。このどれかに当てはまるなら、スノータイヤを基本に考えてください。
最小解としては、都市部で年数回の雪だけ、雪の日は運転を避けられる、日中の短距離移動が中心という人は、オールシーズンタイヤも候補になります。ただし、凍結した坂道、橋、高架、山道、深夜早朝の運転は避ける前提です。オールシーズンを選ぶなら、「走れるか」より「危ない日は走らない判断ができるか」をセットで考えましょう。
優先順位は、止まれること、曲がれること、規制に対応できること、無理な移動を避けられることです。費用や保管場所は大切ですが、安全の次に考える項目です。
後回しにしてよいのは、少しの燃費差、見た目、細かな銘柄比較です。もちろん製品選びは大切ですが、まずは自分の運転条件に合う種類を決めるほうが先です。
今すぐやるなら、去年の冬に雪道や凍結路を何日走ったか、早朝深夜に運転したか、橋・高架・峠を通ったかをメモしてください。そのうえで、販売店や整備工場に「この条件ならどちらが現実的か」を相談すると判断しやすくなります。
安全上、無理をしない境界線も決めておきましょう。大雪、吹雪、凍結、通行止め、チェーン規制、警報級の天候では、タイヤを替えていても移動を控える判断が必要です。タイヤは冬道のリスクを減らす道具であって、危険な道を必ず走れるようにする道具ではありません。
まとめ
スノータイヤとオールシーズンタイヤは、どちらが絶対に正解というものではありません。雪道や凍結路をよく走る人、山間部や早朝深夜の運転がある人はスノータイヤが基本です。一方、都市部で年数回の雪だけ、危ない日は運転を避けられる人なら、オールシーズンタイヤも選択肢になります。
ただし、どちらを選んでも管理は必要です。溝、年数、空気圧、保管状態、走り方を見直さなければ、タイヤ本来の性能は出ません。冬道では、発進できることより止まれることを基準に判断してください。


