【小学生向けに解説】どうしてカメレオンは色が変わるの?生き物のふしぎをやさしく解説

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おもしろ雑学

カメレオンってどんな生き物?

カメレオンの見た目と特徴

カメレオンは、トカゲの仲間で、とてもユニークな姿をしている生き物です。目が左右バラバラに動くので、まるでカメラが2つついているように周囲を同時に見渡せます。この特殊な目の動きで、敵やエサをすぐに見つけることができます。

さらに、カメレオンの舌は自分の体の1.5〜2倍ほどまで伸びて、虫をピンポイントでキャッチします。しかも、そのスピードはとても速く、ほんの0.1秒ほどで舌が出て戻ります。そして、最も有名なのが「体の色が変わる」という驚きの能力です。

カメレオンの足の指は、木の枝をつかみやすく進化していて、2本と3本に分かれています。また、しっぽはくるくる巻けるので、バランスをとったり、枝に巻きついて体を支えたりすることができます。体の大きさは小さいもので5センチ、大きなものでは60センチ近くになる種類もいます。

カメレオンの住んでいる場所

カメレオンは主にアフリカに生息しており、特にマダガスカル島には多くの種類がいます。また、一部の種類はアジアやヨーロッパの一部地域にも住んでいます。彼らの住む環境は、熱帯雨林、森林、乾燥した草原などさまざまです。

カメレオンは木の上で暮らすのが得意で、ほとんどの時間を枝の上で静かに過ごします。そのため、周囲の景色にまぎれて、見つけるのがとても難しい生き物でもあります。


なぜカメレオンは色が変わるの?

気分や気温、まわりの状況によって変わる

カメレオンの色が変わる理由は、まわりの色にあわせるためだけではありません。実は「気分」や「体調」、「気温」や「光の強さ」など、いろいろな条件によって色が変化するのです。リラックスしているときは淡い緑や黄色に、緊張しているときは黒っぽくなることがあります。

また、オスのカメレオンは、ライバルを威嚇(いかく)したり、メスにアピールしたりするときに、とても鮮やかな色になります。赤や青、オレンジなどの強い色で「自分は強いぞ!」と主張するのです。

光の反射がかかわっている

色の変化は光のあたり方だけではなく、カメレオンの皮ふの中にある特殊なしくみが関係しています。皮ふの中の色素細胞と光を反射する構造が、色の見え方を変える重要な役割をしています。

カモフラージュ(かくれる)ためにも使う

色を変えることで、カメレオンは葉っぱや枝の色と同じような見た目になり、敵に見つかりにくくなります。この能力は「カモフラージュ」と呼ばれ、身を守るための大切な手段です。じっとしていれば、ほとんど見えないほど木にとけこむこともあります。


色が変わるしくみとは?

色素細胞の働き

カメレオンの皮ふの中には、「色素細胞(しきそさいぼう)」と呼ばれる細胞が何層にも重なって存在しています。これらの細胞には、黒や茶、赤、黄色などの色をつくる小さな粒が入っており、広がったり縮んだりすることで、体の色が変わります。

色素細胞には、「メラノフォア」「キサントフォア」「エリスロフォア」などの種類があり、それぞれ異なる色素を持っています。これらの細胞が組み合わさることで、さまざまな色合いを出すことができるのです。

ナノクリスタルと光の反射

色素細胞の下には、「ナノクリスタル」と呼ばれるごく小さな結晶のような構造があります。このナノクリスタルは、光の波長(色)を反射する働きがあり、その配列が変化することで、見える色が変わるのです。

たとえば、ナノクリスタルのすき間が広がると長い波長(赤系)を反射し、すき間が狭くなると短い波長(青系)を反射するようになります。このしくみによって、カメレオンは青や緑、黄色など、さまざまな鮮やかな色に変化できるのです。


どうやって色をコントロールしてるの?

脳と神経が命令を出している

色の変化はカメレオンの「脳」がコントロールしています。脳が「今この色にしよう」と判断すると、神経を通して色素細胞やナノクリスタルに信号を送ります。その結果、皮ふの中で変化が起きて、体の色が変わるのです。

このしくみはとてもすばやく働き、びっくりしたときや敵に見つかったときには、数秒で色が変化します。体の状態をすぐに反映できるのも、カメレオンのすごいところです。

カメレオンごとにちがう変化のしかた

すべてのカメレオンが同じように色を変えるわけではありません。種類によって変化のスピードや色の種類、変化できる色の数も異なります。中には色の変化があまり目立たない種類もいます。

ペットとして飼われているカメレオンも、じっくり観察すると気分や体調に応じて色が変わっていく様子がわかります。毎日見ていると「今日は元気そう」「ちょっとおこってる?」と気づけるようになりますよ。


色が変わることの意味って?

体を守るためのカモフラージュ

カメレオンは、木の枝や葉っぱの色に体を似せることで、敵に見つかりにくくしています。じっと動かずにいるだけでも十分に目立たないのに、さらに色を変えてとけこむことで、生きのびる確率が高くなるのです。

気持ちを伝えるコミュニケーション

カメレオンは鳴いたり叫んだりせず、色で「気持ち」を伝えます。明るい色になればリラックスしているサイン、黒っぽい色になれば警戒しているサインです。仲間に自分の存在を知らせたり、争いを避けたりするためにも役立っています。

体温調整にも大切

カメレオンは外の温度に合わせて体温を変える「変温動物」なので、色の変化で熱の吸収や放出を調整します。寒いときには黒っぽくなって熱を吸収しやすくし、暑いときには明るい色で熱を反射して体温を下げるのです。


まとめ:カメレオンの色の変化は自然の知恵!

カメレオンが色を変えるのは、とても意味のある行動です。敵から身を守ったり、仲間と気持ちを伝えあったり、体温を調整したりと、さまざまな目的で色を変えています。その背後には、色素細胞、ナノクリスタル、脳と神経というすばらしいしくみがあるのです。

この色の変化は、何千年もの進化のなかで身につけた「自然の知恵」といえます。カメレオンを観察するときは、その色の意味を想像しながら見てみましょう。きっと、ただの色ではなく「ことばのかわり」や「命を守る工夫」が見えてきて、自然のおもしろさをもっと感じられるはずです!

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