【小学生向けに解説】どうしてバナナは黄色くなるの?果物の熟成のひみつ

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おもしろ雑学

バナナってどんな果物?はじめは何色?

バナナの生まれたばかりの色

バナナは、木のように見えるけれど、じつは「草」に分類される植物になります。果物コーナーでよく見かけるバナナは黄色ですが、バナナ農園で収穫されたばかりのバナナは、実は緑色をしています。木の枝のように見えるところから、房(ふさ)になってぶら下がっているバナナたちは、まだかたくてあまり甘くありません。

緑色のバナナと黄色のバナナのちがい

緑色のバナナは「まだ熟していない状態(しゅくせい前)」です。黄色くなると、バナナの中で化学変化が起こり、あまくてやわらかく、食べやすくなっていきます。だから、色が変わることは「食べごろサイン」でもあるのです。

バナナの育つ場所

バナナは一年中あたたかく、湿気の多い気候を好む植物です。日本では沖縄の一部などで育てられていますが、ほとんどはフィリピンやエクアドル、コスタリカなど、赤道近くの国から船や飛行機で運ばれてきます。長旅でも傷まないように、まだ緑のうちに収穫されるんですね。


どうしてバナナは黄色くなるの?色が変わるふしぎ

エチレンという気体の働き

バナナは「エチレン」という植物ホルモンの一種の気体を自分で出します。このエチレンは、果物が熟すスピードをコントロールする働きがあります。エチレンの影響で、バナナの皮の緑色がうすれて、黄色い色素が目立つようになっていきます。

緑の色(クロロフィル)がへっていく

緑のバナナの皮には、「クロロフィル」という緑色の成分がふくまれています。時間がたつとこのクロロフィルが分解され、代わりに黄色い成分「カロテノイド」が表に出てきます。これが、バナナが黄色くなる理由の一つです。

あたたかさと時間も大切

バナナの熟成スピードは、温度によって大きく変わります。あたたかい場所においておくと、エチレンの働きが活発になり、黄色くなるのが早くなります。逆に冷蔵庫などの寒い場所では、熟成がおそくなり、皮が黒くなってしまうことがあります。


バナナの中では何が起きているの?甘さとやわらかさのひみつ

デンプンが糖(とう)に変わる

バナナの中には、でんぷんとよばれる成分がたくさんふくまれています。でんぷんは白いごはんにもあるように、かたくて味のあまりない成分です。熟成が進むと、酵素(こうそ)の働きによってでんぷんが「糖(あまい成分)」に変わっていき、甘くておいしいバナナになるのです。

食感(しょっかん)がやわらかくなる理由

緑色のバナナは少しかたく、シャリッとした歯ごたえがあります。でも、熟してくると、やわらかくてなめらかな食感に変わります。これは、中の細胞をかこむ「ペクチン」という成分がゆるんでくるからです。食べやすくて、子どもから大人まで人気がある理由の一つです。

香りもかわってくる

バナナが熟していくと、どんどん甘い香りが強くなってきます。この香りも、でんぷんが糖に変わることで出てくる成分です。「バナナの香りがしてきたな」と思ったら、それは食べごろの合図かもしれません。


バナナをもっと楽しむ!保存や食べごろのコツ

バナナの保存方法

バナナは常温保存が基本です。吊るして保存すると傷みにくく、風通しの良い場所ならゆっくりと熟していきます。冷蔵庫に入れると、皮の色が黒くなって見た目は悪くなりますが、中身はまだおいしく食べられることが多いです。

食べごろを見きわめよう

バナナの皮が黄色くなり、小さな黒い点(シュガースポット)が出てきたら、甘さがしっかり出てきた証拠です。食べごろを見きわめて、おいしいタイミングで食べましょう。少しかたいのが好きな人は、黄色くなり始めたくらいがちょうどよいかもしれません。

熟しすぎたらどうする?

熟しすぎて、とてもやわらかくなったバナナは、そのまま食べるだけでなく、いろいろな料理に使えます。ヨーグルトに入れたり、バナナケーキやマフィンにしたり、冷凍してスムージーにするのもおすすめです。皮が黒くなっていても、甘さは強く、風味もよいのが特徴です。

バナナの状態色・見た目食べごろの目安・使い方
まだ熟していない緑色でかたい数日置いて熟成を待つ
食べごろ黄色くて黒い点々があるそのまま食べるのに最適
熟しすぎてやわらかい全体に黒っぽくてとてもやわらかいスイーツやスムージーにするとおいしく食べられる

他の果物も色が変わる?熟成のふしぎをくらべてみよう

リンゴやキウイもエチレンを出す

バナナ以外にも、リンゴやキウイ、モモなどの果物もエチレンを出します。だから、青いバナナとリンゴを一緒に紙袋に入れておくと、リンゴから出たエチレンの効果でバナナが早く黄色くなることがあります。エチレンは、果物同士でも影響しあうのです。

ぶどうやイチゴはエチレンを出さない

逆に、ぶどうやイチゴなどはエチレンをあまり出さず、熟すスピードも自分の中でゆっくり進みます。だから、保存方法もちょっとちがいます。エチレンを出す果物と出さない果物を一緒に保存するときは、ちょっと工夫が必要です。

果物ごとの熟し方を観察してみよう

家にある果物を使って、色や香り、かたさ、味がどう変わっていくかを毎日観察してみましょう。日記や表にしてまとめれば、自由研究にもなります。熟成のちがいをくらべることで、果物の奥深さを感じられるでしょう。


【まとめ】

バナナが黄色くなるのは、エチレンという植物の出す気体の働きで、時間とともに熟成が進むからです。熟成によって、バナナは甘くなり、やわらかくなり、香りもよくなっていきます。色が変わるだけでなく、中身も変化していくという「成長のひみつ」がそこにはあります。

ふだん何気なく食べている果物の中にも、たくさんの科学や自然のふしぎがかくれています。これからは、バナナやほかの果物の変化を楽しみながら、もっとおいしく食べてみましょう!

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