【小学生向けに解説】どうして夜になると星が見えるの?星空のしくみをやさしく解説!

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おもしろ雑学

夜空にきらめく星は、じつは昼も夜もずっと空にあります。それでも夜になると星が見えて、昼は見えにくいのはなぜでしょう?

この記事では、星の正体や空の明るさのひみつ、地球の動きとの関係、観察のコツ、自由研究のアイデアまでを、むずかしい言葉をできるだけ使わずに、たっぷりと丁寧に解説します。読みおえたら、今日の空を見上げるだけで「いま、この星はどうして見えているのか」が想像できるようになります。


1.星の正体と「光って見える」しくみ

1-1.星は自分で光る大きなガスの球

星はとても高温のガスのかたまりで、主に水素とヘリウムからできています。星の中心では核融合という反応がおこり、光と熱を生み続けています。この光が宇宙空間を長い時間をかけて地球に届くため、私たちの目には小さな点のように光って見えるのです。

1-2.太陽も「星」の仲間

毎日見ている太陽も星のひとつです。地球からとても近い星なので、大きく明るく見えます。夜空の星たちも同じように自ら光っていますが、とても遠いため、点の光として見えるだけなのです。

1-3.「遠い光」を見ている――星の光の旅

星の光はとても遠い場所からやって来ます。なかには、何百年、何千年も前に出た光が、いま私たちの目に届いていることもあります。つまり、夜空の星を見ることは、むかしの星の姿をのぞくことでもあるのです。ロマンを感じますね。

1-4.星の色と温度の関係

星には色のちがいがあります。青白い星、白い星、黄色い星、赤い星――これは、星の表面の温度によるものです。おおまかな目安を下の表にまとめました。

見た目の色温度の目安イメージ・例
青白とても高い夏の大三角のベガなど
高いおおいぬ座のシリウス
中くらい太陽(わたしたちの星)
橙~赤ひかえめ冬のベテルギウス など

1-5.星の明るさ(等級)と距離のひみつ

星の明るさは、星そのものの力の強さと地球からの距離で決まります。とても強く光っていても遠い星は暗く見え、力がふつうでも近い星は明るく見えます。星の明るさを表す目安を「等級(とうきゅう)」と言い、数字が小さいほど明るいと考えるのがポイントです。


2.どうして夜に星が見えるの?昼とのちがい

2-1.昼は空が明るくて星の光が消される

昼間は太陽の光が空気に散らばって空全体を明るくします。青空に見えるのはこのためです。この明るさに、遠くの星のかすかな光はうもれて見えなくなるのです。星が消えたのではなく、明るさに負けているだけ、と考えましょう。

2-2.夜は暗くなり、星とのコントラストが大きくなる

太陽が地平線の下にしずむと空は暗くなり、星の光がはっきり区別できるようになります。目が暗さに慣れる暗順応が進むと、見える星の数はさらに増えます。

2-3.昼と夜をつくるのは地球の自転

地球は1日で1回、自分で回転しています(自転)。このため、地球の表面は太陽の光の当たる側が昼、反対側が夜になります。夜のあいだは太陽光が届かないので、星の光を見つけやすくなるのです。

2-4.夕方・明け方に明るい天体が見えるわけ

太陽に近い位置を回る金星などは、夕方や明け方にとても明るく見えることがあります。空がまだ少し明るくても見つけやすいので、「宵の明星」「明けの明星」と呼ばれます。

空が明るくなる理由と対策主な原因星を見やすくする工夫
太陽の光の散らばり昼間の青空日没後しばらく待つ/空が暗い方角を見る
月の光満月の夜など月の細い時期をねらう/月と反対側の空を観察
街のあかり建物・看板・街灯あかりの少ない場所へ移動/ライトを必要最小限に
雲やかすみ湿気・黄ばい・ほこり雨上がり・風の後の澄んだ夜を選ぶ

3.星の動きと季節の星座のふしぎ

3-1.星が東から西へ動くように見える理由

夜空の星は、時間がたつと東から西へ移動していくように見えます。これは星が動いているのではなく、地球の自転によって空全体が回って見えるためです。カメラで長い時間同じ場所を撮ると、星が円を描く写真(ぐるぐる星)が撮れるのはこのためです。

3-2.季節で見える星座が入れかわる

春夏秋冬で見える星座が変わるのは、地球が1年かけて太陽のまわりを回る(公転)から。見る方向が季節で少しずつ変わるため、その時期に見やすい星座が入れかわるのです。

3-3.北極星はなぜ動かないように見える?

北極星は、地球の回転の軸の延長の近くにあるため、ほとんど同じ位置に見えます。むかしから方角の目印として利用されてきました。

3-4.惑星は「星座の間」をゆっくり動く

夜空で目立つ木星・土星・金星・火星などは、星座の間をゆっくり移動します。これらは地球と同じ太陽のまわりを回る仲間なので、背景の星座に対して位置が変わっていくのです。

季節代表的な星座見つけ方の目印
しし座・おとめ座北斗七星のカーブをのばすとアルクトゥールス→スピカ
はくちょう座・こと座・わし座デネブ・ベガ・アルタイル=夏の大三角
ペガスス座・カシオペヤ座大きな四辺形・Wの形
オリオン座・おおいぬ座・おうし座三つ星とベテルギウス、明るいシリウス、V字のヒアデス

4.星空を上手に見るコツと安全マナー

4-1.よく見える条件(空・場所・時間)

明かりが少ない場所(街明かりが少ない所)、雲がない夜、雨上がりや風が吹いて空気がすんだ夜はチャンス。月が明るい夜は星が見えにくくなるので、できれば月の細い時期をねらいましょう。夏は地面からの熱で空気がゆらぎやすいので、夜もふけて空気が落ち着いた時間帯の方が見やすいこともあります。

4-2.あると便利な道具

  • 懐中電灯(赤いセロハンをかぶせると目がくらみにくい)
  • レジャーシートやイス、上着(体を冷やさない)
  • 星座早見盤・星の位置をしらべる簡易アプリ・双眼鏡
  • 観察ノートとえんぴつ(気づきをすぐメモ)

4-3.観察のマナーと安全

静かな声で楽しみ、ライトは足元だけに。民家や畑に入らない、ゴミは持ち帰る、虫よけ・防寒をしっかりするなど、周囲への気くばりも大切です。道路や川・池の近くでは、足元と車に注意しましょう。

観察チェックリストできた?メモ
明かりの少ない場所を選んだ
月の明るさを確認した
防寒・虫よけ・座れる物を用意
懐中電灯に赤セロハン
観察ノート・筆記用具

5.自由研究に役立つ「星空ワーク」

5-1.観察ノートのつけ方

日付・時刻・方角・天気・月の形・見えた星や星座の名前・気づいたことを記録します。毎回同じ場所で続けると、季節による違いがよくわかります。見つけた星の色や明るさも書きこむと、観察がさらに深まります。

5-2.かんたん実験・観察のアイデア

  • 星の数を数える:同じ方角・同じ時間に、月のない夜とある夜で数をくらべる。
  • 星の動きをなぞる:一定時間ごとにオリオン座の三つ星の位置をスケッチし、東→西の移動を確かめる。
  • 月の形の変化:毎日同じ時刻に月の形と位置を記録(太陽は直視しない)。
  • 星の色と温度の関係:色のちがう星を3つ選び、色と明るさの感じを比べてメモ。

5-3.家族や友だちと楽しむ工夫

星座さがしビンゴ、夏の大三角・冬の大三角さがし、流れ星に願いごとなど、ゲーム感覚で観察すると続けやすくなります。観察の前後で、見つけた星を家の地図に重ねて「わが家の星図」を作るのもおすすめです。


Q&A:夜空のギモンをやさしく解決

Q1.昼でも星が見えることはある?
A.太陽から離れていてとても明るい星(例:金星)は、条件がよいと昼でも見えることがあります。ただし太陽に目を向けないよう細心の注意を。

Q2.星が「またたく」のはなぜ?
A.地上近くの空気がゆらいで光の道すじが細かく変わるため、星がチカチカして見えます。空がすんだ高い場所では、またたきが少なく見えることもあります。反対に惑星は円い面で光るため、またたきが弱く、安定して見えることが多いです。

Q3.流れ星は星が落ちているの?
A.流れ星の正体は、宇宙のちりや小さな石が空気との摩擦で光る現象です。ほとんどが空の高い所で燃えつきます。毎年決まったころにたくさん見える流星群もあります。

Q4.天の川ってなに?
A.私たちの住む銀河を、横から見ている姿です。星がたくさんあつまっている帯で、暗い場所ほどはっきり見えます。夏の夜に南の空で見つけやすいです。

Q5.望遠鏡がなくても楽しめる?
A.はい。まずは肉眼で全体をながめ、次に双眼鏡で明るい星や月を拡大すると、星団や星雲も見つけやすくなります。望遠鏡はピント合わせがむずかしいので、大人といっしょに使いましょう。

Q6.月が明るいと星が少なく見えるのはなぜ?
A.月の光で空がうす明るくなり、暗い星が見えにくくなるためです。星をたくさん見たい日は、新月に近い時期や、月が早く沈む深夜をねらいましょう。

Q7.北半球と南半球で見える星はちがう?
A.地球の位置がちがうので、見える星座にもちがいがあります。南半球では南十字が有名です。北極星の代わりになる目印の星も別のものになります。

Q8.星が少ない日があるのはなぜ?
A.雲やかすみ、湿気、街のあかり、月明かり……さまざまな原因で空が明るくなっていることが多いです。雨上がりや風が吹いたあと、山や海辺など空気が澄んだ場所を選ぶと、星の数がぐっと増えます。


用語辞典(やさしい言い換えつき)

  • 自転:地球が1日で1回、自分で回ること。昼と夜をつくる。
  • 公転:地球が1年で太陽のまわりを回ること。季節の星座が入れかわる。
  • 核融合:星の中でおこる反応。光と熱のもと。
  • 暗順応:目が暗さに慣れて、暗いものが見えやすくなること。
  • 北極星:北の空のほぼ中心に見える星。方角の目印。
  • 星座早見盤:その日の時刻に合わせて、見える星座を調べられる円盤。
  • 天の川:星がたくさん集まる帯のような光。暗い場所でよく見える。
  • 等級:星の明るさの目安。数字が小さいほど明るい。
  • 流星群:一年の決まった時期に流れ星が多く見られるようす。

まとめ:星はいつも空に、夜は見えるチャンス

星は昼も夜も空にあり、昼は太陽の強い光にかくれ、夜は暗くなることで見えるようになります。地球の自転が昼と夜をつくり、公転が季節の星座を入れかえます。明かりの少ない場所をえらび、目を暗さに慣らし、観察ノートをつける――それだけで、星空はぐっと身近に。

今夜、家族や友だちと空を見上げ、遠い光のメッセージを受け取ってみましょう。記録を続ければ、あなたのオリジナル星図ができあがります。

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