夜、おそとを見上げたときに、「あれ?今日は月が見えないな」とふしぎに思ったことはありませんか?いつもはきれいに夜空に見える月が、ときどきまったく姿を消してしまうのはなぜなのでしょうか?この記事では、月が夜空に見えなくなる「新月(しんげつ)」のしくみや、月が毎日変わるひみつ、さらには月と太陽・地球の関係まで、小学生のみなさんにも分かりやすく、たっぷり・じっくり説明していきます。月を観察したくなるような新発見がいっぱいです!
月はいつも同じ形じゃない!~満ち欠けのふしぎをもっと知ろう~
月は毎日かたちが変わる!
月は、夜空で見るたびにまんまるだったり、バナナみたいに細くなったり、半分だけ光っていたり、まったく見えなかったりします。これを「月の満ち欠け(みちかけ)」といいます。月のかたちが毎日変わるのは、太陽・地球・月の位置関係と、太陽の光の当たり方が変わるからです。
月のサイクルは約1か月でぐるっと一周
月のかたちは、およそ29.5日、つまり約1か月で一周します。この間に「新月」「三日月」「上弦の月」「満月」「下弦の月」など、さまざまな名前がついた月を観察できます。満ち欠けの順番を知っておくと、これから月を見上げるのがもっと楽しくなります。
月は自分で光っていない
実は、月は自分自身で光っているわけではありません。太陽の光を受けて、その光を反射(はんしゃ)しているので、わたしたちの目に光って見えているのです。太陽の光がどの角度で月に当たっているかで、見える部分が変わるのですね。
新月ってどんな月?どんなひみつがあるの?
新月はどこにある?夜空で見えなくなる理由
新月(しんげつ)とは、夜空に月がまったく見えない日・状態のことです。月が消えたわけではなく、月はしっかり地球のまわりを回っているのに、わたしたちの目には見えません。なぜなら、月の明るい面が地球から見えない向きになっているからです。
太陽・月・地球の位置関係をイメージしよう
新月のとき、月は「太陽」と「地球」の間に入り込む形になります。すると、太陽の光は月の裏側(地球から見えない側)だけに当たり、地球からは暗い面しか見えないのです。そのため、夜空に月が見えない現象が起きます。
新月は昼間に太陽と同じ方向にいる
新月の日の月は、昼間の空で太陽のすぐそばにいます。でも太陽の明るさが強すぎて、昼でも月は見えません。夜になるころには、月は地球の裏側にまわり、ますます見えなくなるのです。
新月はスタート地点!
新月は、月の満ち欠けサイクルの「始まりの合図」です。新月の次の日から、ほんの少しずつ月が見えはじめて、やがて三日月や半月になり、満月に近づいていきます。新月を意識して観察すると、月の変化がよく分かるようになります。
月が見えたり見えなかったりする理由をさらに深く!
月は地球のまわりを回り続けている
月は地球のまわりをぐるぐる回っている「衛星(えいせい)」です。この動きは「公転(こうてん)」と呼ばれます。公転しながら地球を1周するあいだに、太陽と地球の間でいろいろな位置に動くため、見える形や大きさが変わっていきます。
満ち欠けは太陽の光の当たり方で決まる
たとえば、満月の日は、月が地球の反対側にあって、太陽の光が月全体に当たり、まるく明るい姿が見えます。一方、新月の日は、月の明るい面が地球から見えないため、まったく見えません。日によって、どの部分に光が当たるかが毎日少しずつ違うので、月のかたちも少しずつ変化していきます。
新月の前後にはどんな月が見える?
新月の翌日には、夜空にとても細い「三日月」が見えはじめます。そこから少しずつ光る部分が増えていき、半月や満月に近づいていきます。新月を観察したら、次の日からどんな形の月が見えてくるか、毎日楽しみに観察してみましょう。
新月の日にしか見られない現象もある
新月の時に、もし月がぴったり太陽の前を横切ると、「日食(にっしょく)」という現象が起こります。これは太陽が月に隠されて一時的に暗くなる現象です。日食はとても珍しいイベントですが、必ず新月の日にしか起こりません。
月の満ち欠けの名前と順番、もっと詳しく!
順番 | 名前 | 特ちょう |
---|---|---|
1 | 新月 | 月が見えない。太陽と同じ方向にあり、光が当たる面が見えない。 |
2 | 三日月 | 細いバナナのような月。少しずつ光が当たり始めている。 |
3 | 上弦の月 | 半月。右半分が光っている。夜空に高くのぼる時間が長くなる。 |
4 | 十三夜・十四夜 | ほぼ満月に近い、ほぼまんまるな月。昔からお月見を楽しむ風習もある。 |
5 | 満月 | まんまるで明るい月。太陽の反対側にあり、夜中に一番高くのぼる。 |
6 | 下弦の月 | 半月。左半分が光っている。明け方に見ることができる。 |
7 | かけていく月 | だんだん光る部分が少なくなり、新月に近づいていく。 |
このように、月は毎日少しずつかたちを変えながら、空の高い場所や出てくる時間、見え方もどんどん変わっていきます。
月の満ち欠けは昔からいろんな名前で呼ばれてきた
日本や世界では、月の形にちなんだ名前やお祭りがたくさんあります。十五夜や十三夜のお月見、旧暦のカレンダーなど、昔の人たちは月の満ち欠けを見て生活してきたんです。
月の出る時間や高さも毎日変わる
月は毎日同じ時刻・同じ場所に出ているわけではありません。新月や三日月のときは夕方から夜、満月は夜の真ん中、下弦の月は明け方など、出る時間も高さも違います。カレンダーや月の出入り時刻を調べてみると、とても楽しい発見があるでしょう。
表でわかる!月の満ち欠けと見え方・動きのまとめ
月の形 | 見えるタイミング | 太陽との位置関係 | 見える特徴・色々な楽しみ方 |
---|---|---|---|
新月 | 夜も昼も見えない | 太陽と地球の間 | 月がいない夜空は星が特によく見える |
三日月 | 日の入り直後の西の空 | 太陽の近く | 細い月が夕焼けと並ぶ、願いごとをするといい日 |
上弦の月 | 夕方~夜にかけて | 太陽の横側 | 半分の明るさ、影の境目をよく見てみよう |
十三夜・十四夜 | 日が暮れてすぐ | 太陽の反対側に近い位置 | まんまる直前の月、お月見団子が楽しみ |
満月 | 夜中・真夜中が一番高い | 太陽の正反対側 | とても明るい夜、ウサギの模様を探してみよう |
下弦の月 | 夜明け前の東の空 | 太陽の横側 | 早起きして見ると発見がある |
かけていく月 | 明け方の東の空 | 太陽に近づきつつある | だんだん細くなっていく姿を観察しよう |
まとめ:月が見えない日も夜空には意味がある!~新月と夜空をもっと楽しもう~
月が夜空に見えない日があるのは、「新月」という特別なタイミングだからです。月はいつも地球のまわりを回っていて、太陽の光の当たり方や地球・太陽との位置関係で、毎日形や見え方が変わります。新月は満ち欠けのスタート。見えないからこそ、夜空の星が特によく見えたり、これからどんな月が見えてくるのか楽しみが広がります。
新月や月の満ち欠けの仕組みを知ることで、夜空や宇宙にもっと興味がわいてくるはずです。次に月が見えない夜があったら、「今夜は新月だ!」と家族や友だちと話してみましょう。毎日夜空を見上げて、月の変化や星座、空の色を観察するのもおすすめです。きっとたくさんの発見とワクワクが待っていますよ!