【小学生向けに解説】どうして宇宙には重力があるの?重力の正体と宇宙のひみつを超やさしく大解説!

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おもしろ雑学

重力(じゅうりょく)は、目には見えないけれど、いつも私たちの体や物、そして宇宙全体に働いているとても大切な力です。ここでは、重力のしくみや宇宙での役わりを、身近な例と表・実験アイデアで、たっぷり分かりやすく紹介します。読み終わるころには、夜空を見上げるのがもっと楽しくなるはず!


  1. 1.重力ってなに?身近な例でイメージしよう
    1. 見えないけれどいつも働く力
    2. すべての物に重力がある(質量と距離のルール)
    3. 「重さ」は重力のあらわれ
  2. 2.宇宙でも重力はなくならない
    1. なぜ宇宙飛行士は「ふわふわ」するの?
    2. 「落ち続ける」ってどういうこと?
    3. 月と地球の引力(いんりょく)
  3. 3.重力がつくる宇宙の形と動き
    1. 星や惑星が丸くなるわけ
    2. 公転と自転を支える力
    3. 海の満ち引き・惑星のリング・衛星
  4. 4.地球上でも重力は場所や条件で少しちがう
    1. 山の上と海べ:どちらが軽い?
    2. 赤道と北極・南極
    3. 体重計は何をはかっている?
  5. 5.光まで曲げる!重力の“すごワザ”
    1. 光の道が曲がる(重力レンズ)
    2. 時間の進み方もほんの少し変わる
  6. 6.おうちでできる!重力観察・実験
    1. 実験1:落下の観察
    2. 実験2:水の「重さ」を感じる
    3. 実験3:コインと紙のトリック
    4. 体感:身近な「軽い」感じ
  7. 7.「もしも」で考える重力の世界
    1. もし重力が急に弱くなったら?
    2. もし重力が急に強くなったら?
    3. 月や火星で運動したら?(想像スポーツ)
  8. 8.重力はどうやって生まれた?宇宙のはじまりと関係
    1. 宇宙のはじまり(とても熱く小さかったころ)
    2. 星の一生にも重力が関わる
  9. 9.重力Q&A(よくあるギモン)
  10. 10.用語辞典(横文字をひかえめに)
  11. 11.まとめ:重力は宇宙をつなぐ「見えない糸」

1.重力ってなに?身近な例でイメージしよう

見えないけれどいつも働く力

重力は「物と物がたがいに引き合う力」。地球が私たちを地面に引きつけるから、ジャンプしても必ず戻ってきます。ボール、えんぴつ、雨つぶ、落ち葉、泡まで、みんな重力に引かれて下に向かいます。

すべての物に重力がある(質量と距離のルール)

重力の強さは、

  • **質量(しつりょう)**が大きいほど強い。
  • 距離が近いほど強い。
    太陽はとても重いので強い重力で地球を引きつけ、地球も月を引きつけています。あなたの体や机にもほんの少しだけ重力があるけれど、地球にくらべるととても小さいので感じません。

「重さ」は重力のあらわれ

同じ人でも、月では地球の約6分の1の重さに感じます。これは体の量(質量)は同じでも、その場所の重力がちがうからです。

たとえ:同じリュックでも、地球ではずっしり、月ではふわっと——場所ごとの重力の違いで感じ方が変わるよ。

〈表1|身近に感じる重力のはたらき〉

場面重力がしていること観察ポイント
ボールを落とす下へ引っぱって落とす高さや形を変えると落ち方が変わる(空気の影響も)
雨がふる雲の水つぶが落ちる大きいつぶほど早く落ちる
木がまっすぐ伸びる根は下へ、茎は上へ重力を手がかりに体の向きを決めている
体重計にのる下向きの引っぱりをはかる場所が変わると値が少しだけ変わることも

2.宇宙でも重力はなくならない

なぜ宇宙飛行士は「ふわふわ」するの?

国際宇宙ステーションは、地球の重力に引かれつつ地球のまわりを回る「落ち続ける」運動をしています。乗っている人も物もいっしょに落ちているので、床から体を押し返す力がほとんどかからず、無重力に近い状態(重力を感じにくい状態)になるのです。

「落ち続ける」ってどういうこと?

高い山から横向きにとても速くボールを投げると、落ちながら地球を回り続けます。これが周回(しゅうかい)。落ちる向き(下向き)と進む向き(横向き)のつり合いで、落ちっぱなしなのに地面にぶつからないイメージです。

月と地球の引力(いんりょく)

月は地球の重力に引かれながら地球のまわりを回っています。同時に、月の重力は地球の海の水も引っぱり、満ち潮・引き潮を起こします。太陽の重力もくわわって、潮の高さは毎日すこしずつ変化します。

〈表2|宇宙で「ふわふわ」を感じる条件〉

条件何が起きる?
強い重力の近くで高速で横に進む落ち続けて床の押し返しが小さい宇宙ステーション、人工衛星
エレベーターやフリーフォールで急降下一瞬軽く感じる遊園地の乗り物
飛行機が急に下がる機動数十秒ふわっとする無重力訓練飛行

3.重力がつくる宇宙の形と動き

星や惑星が丸くなるわけ

たくさんのガスやちりが重力で引き寄せられると、どこからも中心へ同じように力がかかり、丸い形(球)になります。これが星や惑星の基本の形。小さな小惑星は丸くならずゴツゴツなのは、重力が弱く形をならす力が足りないからです。

公転と自転を支える力

  • 公転:地球が太陽の重力に引かれてその周りを回る。
  • 自転:回転そのものは重力が回すわけではないけれど、重力が海や空気を星の表面に保ち、回っていても宇宙へ飛び出さないようにしています。

海の満ち引き・惑星のリング・衛星

月や太陽の重力で海がふくらみ潮の満ち引きが起こります。木星や土星のリングは、重力と回る力のつり合いの中で岩や氷の小片が帯のようにまとまったもの。多数の**衛星(えいせい)**も重力で親惑星の周りを回っています。

〈表3|天体と重力の比較(地球=1)〉

天体表面で感じる重力(地球=1)特徴・ポイント
0.17軽く感じる、ジャンプで高くとべる
地球1.00海・空気・生き物を引きとめる
火星0.38地球の約4割。歩き方も少し変わるかも
木星2.5とても大きい。強い重力で多くの衛星
太陽27.9太陽系をまとめる中心の重力
ブラックホール計り知れない光さえ抜け出せないほど強い

4.地球上でも重力は場所や条件で少しちがう

山の上と海べ:どちらが軽い?

地球の中心から遠いほど重力はわずかに弱くなるので、高い山の上では体重計の数字がほんの少し小さくなります。といっても、日常では気づかないくらいの差です。

赤道と北極・南極

地球は自転していて赤道付近ほど外向きの力(遠心力のように感じるはたらき)が大きくなります。だから赤道ではわずかに軽く、ではわずかに重く感じます。

体重計は何をはかっている?

体重計は、体が床を押す力(重力で引かれて床を押しつける力)をはかっています。月に体重計を持っていくと数字は小さくなるけれど、あなたの質量は変わりません。

〈表4|場所による「感じる重さ」のちがい(イメージ)〉

場所体重計の数値ひとこと説明
北極・南極付近少し大きい自転の外向き作用が小さい
日本(中緯度)ふつう私たちが住む場所
赤道付近少し小さい自転の外向き作用が大きい
高い山の上ほんの少し小さい中心から遠いぶん弱くなる

5.光まで曲げる!重力の“すごワザ”

光の道が曲がる(重力レンズ)

とても重い星や銀河の近くでは、光の道すじまで少し曲がります。これを重力レンズといいます。遠くの星が増えて見えたり、リングのように見えたりすることも。宇宙の「虫めがね」のような現象です。

時間の進み方もほんの少し変わる

重いものの近くでは時間がゆっくり進む効果もあります(といっても日常では感じられないほど小さい差)。衛星測位(カーナビのしくみ)では、この影響を計算に入れて正確な位置を出しています。

むずかしそうに聞こえるけれど、「重いものの近くほど、空間や時間のようすが少〜し変わる」と覚えておけばOK!


6.おうちでできる!重力観察・実験

実験1:落下の観察

  • 同じ高さから、ボール・消しゴム・紙を同時に落とす。
  • 紙はゆっくり:空気の抵抗の影響。紙を丸めるとどう変わる?

実験2:水の「重さ」を感じる

  • コップに水をなみなみ入れて、ゆっくり傾ける。
  • 水面はいつも**水平(地面と平行)**を保とうとする——重力の向きが目に見えるよ。

実験3:コインと紙のトリック

  • 紙の上にコインを置き、指ではじいて紙だけをスッと抜く。
  • コインはほぼその場に残る。慣性+重力でまっすぐ下に落ちる力が勝つから。

体感:身近な「軽い」感じ

  • エレベーターが下がる瞬間、体がふわっとする:床からの押し返しが一瞬小さくなるため。
  • ブランコの頂点でも似た感覚を体験できます。

〈表5|実験のコツと安全ポイント〉

実験コツ安全ポイント
落下実験同じ高さ・同時に手をはなす人に当たらない場所、やわらかい床で
水の傾けゆっくり角度を変えるこぼれてもよい場所で、ふきん準備
コイン抜きまっすぐ素早く引くガラスの上は避ける、小さい子は大人と

7.「もしも」で考える重力の世界

もし重力が急に弱くなったら?

ジャンプで高くとべるけれど、走るときに地面を強くけれないので、うまく進めないかも。水や空気も少しずつ外へ流れ出し、くらしに大きな影響が出ます。

もし重力が急に強くなったら?

体が重く感じ、移動が大変に。建物や橋にもより強い力がかかります。生き物の体のつくりも、今とは大きく違っていたかもしれません。

月や火星で運動したら?(想像スポーツ)

〈表6|地球・月・火星でのスポーツイメージ〉

種目地球月(0.17G)火星(0.38G)
ジャンプ1mとべた約6m近くとべるかも約2〜3m
ボールの弧普通高くゆっくりその中間
走る感覚なじみがあるピョンピョン弾む感じ少し軽やか

8.重力はどうやって生まれた?宇宙のはじまりと関係

宇宙のはじまり(とても熱く小さかったころ)

宇宙がとても若かったころ、物質や光がぎゅっとつまっていました。広がるにつれて、少しずつかたまりができ、重力で引き合い、星や銀河が生まれていきました。重力は、宇宙が形を作る「まとめ役」だったのです。

星の一生にも重力が関わる

ガスが重力で集まって星が生まれ、年をとると、重力と中でおきるエネルギーの押し返しのバランスがくずれて変化します。とても重い星は最後にブラックホールになることもあります。


9.重力Q&A(よくあるギモン)

Q1:宇宙には重力がないの?
A:あります。宇宙のどこでも重力は働いています。宇宙飛行士が浮くのは、重力がないからではなく、宇宙船ごと落ち続けているからです。

Q2:重力が急に消えたらどうなる?
A:空気と海は宇宙へ広がり、私たちは地面に立っていられません。地球も太陽の周りを回れなくなり、まっすぐ宇宙へ飛び出してしまいます。

Q3:体重と重力は同じ?
A:体重は、その場所の重力で体が引かれる力の大きさ。月に行くと体重は軽くなるけれど、**体の量(質量)**は同じです。

Q4:ブラックホールはなぜこわいの?
A:非常に強い重力で、近づいた物や光までも引きもどしてしまうからです。遠くから観測するぶんには「宇宙のふしぎ」を教えてくれる大切な天体です。

Q5:重力波ってなに?
A:とても大きな星の動きで、空間そのものがビヨンとゆれるような波が広がります。私たちの日常では感じられないけれど、宇宙の事件(星どうしの合体など)を知る手がかりになります。


10.用語辞典(横文字をひかえめに)

  • 重力(じゅうりょく)/引力(いんりょく):物と物が互いに引き合う力。星ほど強い。
  • 質量(しつりょう):物の「量」。場所が変わっても同じ。
  • 体重:その場所の重力で体が引かれる力の大きさ。場所で変わる。
  • 公転(こうてん):天体がほかの天体の周りを回る動き。地球→太陽の周り。
  • 自転(じてん):自分自身が回る動き。地球は約1日で1回転。
  • 無重力に近い状態:重力がないのではなく、床からの押し返しがほとんどない状態。
  • 衛星(えいせい):惑星の周りを回る天体。月は地球の衛星。人工衛星は人が作ったもの。
  • 重力レンズ:重い天体の近くで光の道が曲がる現象。
  • 重力波:とても大きな星の動きで空間がわずかにゆれる現象。
  • 慣性(かんせい):動いている物はそのまま動きつづけ、止まっている物はそのままでいようとする性質。

11.まとめ:重力は宇宙をつなぐ「見えない糸」

重力は、星や惑星を丸くし、海や空気を地表にとどめ、地球を太陽の周りに保ち、銀河を形づくる——宇宙の土台となる力です。夜空を見上げるたび、「星々は重力で結ばれているんだ」と想像してみましょう。身近な観察や小さな実験から、宇宙の大きな仕組みへ。重力のふしぎは、理科も宇宙ももっと好きにしてくれます。

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