【小学生向けに解説】どうして風邪をひくと熱が出るの?体の防御反応を解説

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おもしろ雑学

風邪(かぜ)をひくと、のどがイガイガ、鼻水、くしゃみ、そして。つらいけれど、それは体がウイルスと戦っている合図でもあります。

この記事では、風邪の正体やなぜ熱が出るのか、体の中で起きていること、おうちでできる対策予防のコツ、さらに体温の記録のつけ方まで、小学生にもわかる言葉でていねいに解説します。しくみを知ると、熱はただの「困りごと」ではなく、体の味方のサインに見えてきます。

1.風邪ってどんな病気?どこからくるの?

1-1.風邪の正体は「ウイルス」

風邪は、目に見えないほど小さなウイルスが、鼻・口・目などから体に入って起こります。ウイルスは空気中手でさわる場所(ドアノブ、手すり、机)にひそみ、くしゃみ・せきのしぶき(飛まつ)や、手についたウイルスが顔にふれることで広がります。手のひらや指先は、ウイルスが乗りやすく運ばれやすい場所なので、手あらいはとても大切です。

1-2.どこで増える?体の中の進み方

入ってきたウイルスは、鼻の中・のど・気管の表面にある小さな細胞にくっついてどんどん増えるのが得意。体は「知らないものが入った!」と気づくと、細胞から助けをよぶ合図が出され、**免疫(めんえき)**という守りのしくみが起動します。鼻水やのどの痛みは、ウイルスそのものだけでなく、体が戦っている結果として起きることも多いのです。

1-3.どうしてみんながひくの?

風邪のウイルスは種類がたくさんあり、しかも少しずつ姿を変えるので、前にひいたことがあってもまた別の風邪にかかることがあります。寝不足・つかれ・寒さで体の力が落ちると、うつりやすくなります。逆に、よく寝る・よく食べる・よく笑うと、体の守りは力を発揮しやすくなります。

風邪の入り口と体の反応(整理表)

入り口よくある広がり方主な体の反応
飛まつ・手を介した接触くしゃみ・鼻水・鼻づまり
会話での近い距離・手についたウイルスのどの痛み・せき
目をこする・手でふれる目のかゆみ・涙(人による)

2.なぜ熱が出る?体の防御スイッチのひみつ

2-1.熱は「戦いモード」の合図

ウイルスが入ると、体の守り手である免疫(めんえき)が動き出します。免疫は熱を出すことで働きやすくなり、白血球などの仲間がすばやく集まってウイルスと戦います。つまり発熱=防御が本気のしるし。熱は体の失敗ではなく、作戦の一部です。

2-2.高い温度でウイルスを弱らせる

ウイルスはふだんの体温(36〜37℃)では元気に増えますが、体温が上がると動きがにぶくなります。体はわざと温度を上げて、ウイルスに「暑すぎてムリ!」と言わせる作戦を取ります。さらに体温が上がると、免疫の仲間どうしの連絡も活発になって、戦いが進みやすくなります。

2-3.体温を上げる司令室のはたらき

体には温度を決める司令室(脳の一部)があります。ウイルスの知らせを受けると、「体温を上げよ!」と命令。するとふるえで熱を作ったり、血管をせばめて熱をにがしにくくしたりして、体温を上げます。熱が上がるときにさむけを感じるのは、体が「もっと温めよう!」とがんばっているからです。

発熱の目的と効果(まとめ表)

目的体の反応ねらい・効果
ウイルスを弱らせる体温を上げるウイルスの増え方をおさえる
免疫をたすける白血球などが活発に動く戦う力が上がる
休む合図だるさ・さむけ・ふるえムリを止めるサインになる

体温が上がるとき/下がるときの感じ方(めやす)

段階体の感じ家でできること
上がる前なんとなく寒い・ぞくぞく羽織る・温かい飲み物・静かに過ごす
上がる最中ふるえ・さむけ布団で休む・無理に冷やしすぎない
落ち着く頃汗が出る・のどがかわく水分補給・着替え・室内の換気

3.熱が出たときの体の中:ようすと対策

3-1.だるい・ねむいのはなぜ?

体はウイルスと戦うために、たくさんのエネルギーを使います。その分、だるさ・ねむけ・ぼんやりが出ます。これはムリをしないでねという体からのメッセージ。目や頭を使うゲームや長時間の動画はいったんお休みにして、体が戦いに集中できるようにしましょう。

3-2.水分・栄養のとり方

熱があると呼吸で水分が減ります。水・白湯・スープ・うすめたスポーツ飲料などを少しずつ何回もとりましょう。のどが痛いときは温かい飲み物が楽なことも。食事は食べられる物を食べられる量でOK。アイスやゼリー、おかゆ、煮込みうどんなどのどごしのよい物が助けになります。すっぱい飲み物がしみるときは、ぬるい白湯などに変えてみましょう。

3-3.冷やし方と休み方のコツ

おでこ・首・わきの下・足のつけ根などをぬれタオルで冷やすと、少し楽になります。さむけが強いときは、体をあたためるほうが心地よいことも。大切なのは気持ちよさ。室内は静かで少し暗めにして、寝やすい環境を作りましょう。ねる・飲む・少し食べるの3つができれば、回復の力はぐっと上がります。

体温のめやすと家庭での対応

体温のめやすよくあるようす家庭での目安
37.0〜37.9℃だるい・のどの痛み・くしゃみ水分をこまめに、安静
38.0〜38.9℃さむけ・ふるえ・食欲低下休養を最優先、冷やす部屋の湿度を保つ
39.0℃以上強いだるさ・頭痛無理をしない。つらいときは早めの受診も検討

※ ぐったり・水分がとれない・長びく・強い頭痛やせき・ゼーゼーする などは、早めに大人に相談し、医療機関の指示にしたがいましょう。

飲み物と目安量(のどの様子に合わせて)

飲み物とりやすさ目安量
白湯・水しみにくく飲みやすいコップ1/3〜1/230〜60分おき
うすめたスポーツ飲料塩分・糖分がとれる少量ずつ、冷やしすぎない
スープ・みそ汁栄養と水分を同時に具は小さめ、温かすぎに注意

4.家族でできるサポート:安心して回復するために

4-1.「今のようす」を伝えよう

さむい」「のどが痛い」「おなかがすいた」など、感じていることを言葉にして伝えるだけで、まわりの大人は手助けしやすくなります。体温の記録(何時・何度)や飲んだ量・トイレの回数をメモすると、受診時にも役立ちます。

4-2.部屋づくりと見守りのコツ

部屋は静かで少し暗め温度と湿度をほどよく保ちます。着こみすぎ冷やしすぎはどちらも負担。こまめな水分声かけ汗をかいたら着替えなど、小さな手入れが効きます。家族で過ごすときは、手あらいうがい、食器やタオルの共有をさけるなど、うつさない・もらわない工夫も大切です。

4-3.受診のめやすと安心サイン

水分がとれない・何度もはく・意識がもうろう・けいれん・胸が苦しいなどの様子があれば早めに受診。一方、眠れて飲めて少し食べられるなら、多くは休養で回復へ向かいます。受診のときは、発熱の始まり・最高体温・せきや鼻水の様子・飲食の量を伝えると、状況がわかりやすくなります。

おうちサポートのチェック表

することできたらチェックポイント
体温をはかる□ 朝 □ 昼 □ 夜時刻と数値をメモ
水分をとる□ 毎時すこしずつコップ半分〜1杯を目安
休む□ 画面時間を短く目のつかれをへらす
部屋の環境□ 静か・ほどよい湿度加湿しすぎにも注意
衣服・寝具□ 汗をかいたら着替え体を冷やしすぎない

体温記録シート(例:印刷して使える)

日付時刻体温飲んだ量食べた量せき・鼻水の様子メモ
4/◯9:0038.2℃コップ1/2ゼリー少しせき少し・鼻水ありよく眠れた

5.風邪をよせつけない生活のくふう/Q&A・用語辞典

5-1.毎日の予防:手あらい・睡眠・食事

手あらいはせっけんで30秒、指の間・つめの中まで。外から帰ったらすぐ、食事の前・トイレの後も習慣にうがい鼻をかむときはやさしく行い、使った紙はすぐゴミ箱へ早寝早起きで体のリズムをととのえ、野菜・たんぱく質・ごはんをバランスよく食べましょう。季節や状況に合わせて部屋のかんき、人が多い場所ではマスクも活用すると安心です。

5-2.Q&A(よくある疑問)

Q1.熱は下げたほうがいいの?
A.つらさをへらすために下げることはありますが、熱は体の作戦でもあります。無理をせず、大人と相談して判断しましょう。

Q2.アイスやジュースは飲んでいい?
A.のどごしがよく水分がとれるなら役立ちます。ただし冷たすぎ・甘すぎはおなかに負担。少量ずつが安心です。

Q3.学校や習い事は休んだほうがいい?
A.熱がある・つらいときは休むのがいちばん。人にうつさないためにも大切です。

Q4.またすぐ風邪をひくのはなぜ?
A.風邪のウイルスは種類が多く、少しずつ姿を変えるからです。手あらい・睡眠・食事で体を守りましょう。

Q5.熱のとき、おふろは入ってもいい?
A.高い熱・さむけ・ぐったりがあるときは無理をせず休みます。落ち着いていて気持ちよいと感じるなら、短く・ぬるめで、すぐに水分補給を。

Q6.家族にうつさないコツは?
A.手あらい・うがい、食器やタオルの共用をさけるせきエチケット(口と鼻をおさえる)、換気を意識しましょう。

5-3.用語辞典(やさしい言いかえ)

ウイルス:とても小さな病気のもと。体に入ると増える。
免疫(めんえき):体を守る仕組み。入ってきた敵(ウイルス)と戦う。
発熱:体温が上がること。体の防御が本気という合図。
飛まつ:くしゃみ・せきで飛ぶ小さなしぶき。
司令室:体温を決める脳の場所(細かい名前はむずかしいのでここでは省略)。
代謝(たいしゃ):体の中でエネルギーを作ったり使ったりするはたらき。
白血球:体を守る細胞のなかま。敵と戦う。
だるさ:体が重く感じること。休むサイン。


まとめ:風邪で熱が出るのは、体が味方の力(免疫)を最大にして敵(ウイルス)と戦っているから。休む・水分・少しの栄養で体を助け、日ごろの予防でそもそも近づけない。体温の記録も役立ちます。しくみを知れば、つらい熱も体からの味方のサインに見えてきます。

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