【小学生向けに解説】どうして食べ物をよくかんで食べるといいの?—かむ力が体と心を強くする!

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おもしろ雑学

毎日の給食やおうちのごはんで言われる「よくかんで食べよう」。ただの合言葉ではありません。よくかむこと(咀嚼〈そしゃく〉)は、消化、脳、歯やあご、姿勢や運動、心の安定、そして学習の力にまで広く関わる“すごい健康法”。

ここでは、小学生にもわかる言葉で、理由・しくみ・今日からできるコツ・自由研究アイデア・Q&A・用語辞典まで、たっぷり解説します。家族やクラスのみんなで挑戦できる記録シートやチェックリストも用意しました。


  1. 1.よくかむと何が起こる?—体と脳のしくみをやさしく解説
    1. ① だ液(だえき)と消化のエンジンが動き出す
    2. ② 脳が活性化—集中力・記憶力アップ
    3. ③ 口・歯の健康と免疫(めんえき)サポート
  2. 2.よくかむと起きるうれしい変化—毎日の“実感”を増やそう
    1. ① 食べすぎ防止と体重コントロール
    2. ② あご・顔・姿勢(しせい)にも良い影響
    3. ③ 気持ちが落ち着く“リラックス効果”
      1. よくかむメリットとコツ【早見表】
  3. 3.今日からできる!「よくかむ」トレーニング&メニュー
    1. ① 一口30回“カムカム・チャレンジ”
    2. ② かみごたえのある食材を選ぶ
    3. ③ 食べ方の工夫で“早食い卒業”
    4. ④ 季節の“かみごたえ”メニュー例
  4. 4.観察・実験・自由研究アイデア—かむと体の“変化”を見つけよう
    1. ① かむ回数と満腹感の関係を調べる
    2. ② だ液と味わいの観察
    3. ③ 家族で「カムカム週間」
    4. ④ かむ回数カウンターを手作り
  5. 5.よくあるQ&A—疑問をすっきり解決!
  6. 6.用語ミニ辞典(やさしい解説つき)
  7. 7.“よくかむ×栄養”—バランスごはんで効果を高めよう
    1. ① 三大栄養素と“かむ”のいい関係
    2. ② 色でそろえる「かみごたえ定食」
  8. 8.歴史と世界の食文化—“かむ”は昔からの知恵
    1. ① 昔の日本の食卓
    2. ② 世界の“よくかむ”料理
    3. ③ マナーと“味わう力”
  9. 9.学校・家庭で続ける「カムカム計画」—実行プラン
    1. ① 学校で
    2. ② 家庭で
    3. ③ 記録シート(例)
  10. 10.“よくかむ”をじゃまするクセ&リセット法
  11. 11.安全においしくかむための注意
  12. 12.チェックリスト:今日からはじめる10の習慣

1.よくかむと何が起こる?—体と脳のしくみをやさしく解説

① だ液(だえき)と消化のエンジンが動き出す

・かむほどだ液がたっぷり出て、デンプンを分解する酵素(こうそ)が働き、消化が口の中からスタート。
・細かくくだけるほど表面積が増え、胃や小腸の仕事がラクになり、栄養がスムーズに吸収される。
・のみこみやすくなり、のどに詰まりにくく安全。高齢の家族とも“やわらかさ調整+よくかむ”で同じメニューを楽しめる。

② 脳が活性化—集中力・記憶力アップ

・かむ動きは“顔の運動”。あご周りの筋肉が動くと血流が増え、脳にも新鮮な血が届く。
・授業や読書、スポーツ前にしっかり朝ごはんをよくかむと、頭がスッキリして力が出やすい。
・左右バランスよくかむことで、姿勢や目の動きも安定し、黒板の文字が追いやすくなることも。

③ 口・歯の健康と免疫(めんえき)サポート

・だ液には口の中をきれいに保つ力があり、むし歯菌やばい菌を洗い流す〔自浄作用〕。
・だ液の成分が粘膜(ねんまく)を守って、のどの調子や声の出しやすさも保ちやすい。
・よくかむ子は、同じメニューでも“甘みやうまみ”を感じやすくなる=味わい上手に!


2.よくかむと起きるうれしい変化—毎日の“実感”を増やそう

① 食べすぎ防止と体重コントロール

・ゆっくりかむほど、脳の“満腹サイン”が早く届く。
・早食い・丸のみは食べすぎのもと。よくかめば適量で満足できるから、午後のだるさもへりやすい。

② あご・顔・姿勢(しせい)にも良い影響

・かむトレーニングは、あごの筋肉(咬筋〈こうきん〉)をきたえる。
・姿勢が整い、発音や表情もはっきり。音読・合唱・英語の発音にもプラス。
・片がみ(片方だけでかむクセ)をへらし、肩こり・首のこわばりも予防。

③ 気持ちが落ち着く“リラックス効果”

・かむ一定のリズムは呼吸を整え、イライラや不安がしずまりやすい。
・家族で会話しながら、ゆっくり味わう時間が心をほぐす“しあわせ時間”になる。

よくかむメリットとコツ【早見表】

ポイントからだ/こころへの効果具体例・コツ
だ液アップ消化サポート・口内の自浄作用一口30回、飲み物で流さず“かむ”
満腹サイン食べすぎ防止・体重管理箸をいったん置く・小さめひと口
あごの筋トレ姿勢・発音・表情が安定かみごたえ食材を増やす
口の清潔むし歯・口臭予防食後の歯みがき+水でうがい
リラックス気分安定・集中力維持TVやスマホを消して味わう
味わい力野菜や苦手食材が食べやすく“よくかむと甘い”体験を記録

3.今日からできる!「よくかむ」トレーニング&メニュー

① 一口30回“カムカム・チャレンジ”

・最初の一週間はカウントしながら。慣れたら“心の中でゆっくり”に切り替え。
・家族や友だちと記録し、達成シールでゲーム化すると続く。
・学年別の目安:低学年25~30回/中学年30回/高学年30~40回(固さで調整)。

② かみごたえのある食材を選ぶ

・野菜(れんこん・ごぼう・にんじん・キャベツ芯)、きのこ、海藻、豆・ナッツ、いか・たこ、こんにゃく、厚揚げ、するめ、干し芋、玄米や雑穀ごはん。
・ハンバーグやカレーは具を少し大きめに。サンドイッチは“耳付き”で、リンゴは薄切りより角切りに。

③ 食べ方の工夫で“早食い卒業”

・一口ごとに箸やスプーンをいったん置く。
・汁物→主菜→ごはんの順を固定せず、いろんな味をよくかんで行ったり来たり。
・飲み物で流し込まず、口の中でしっかり噛み砕く。水分は“合間にひと口”。

④ 季節の“かみごたえ”メニュー例

季節主食主菜副菜・汁デザート
たけのこご飯鶏の照り焼き新じゃがの味噌汁・菜の花おひたしいちご
雑穀冷やし茶漬けいかと枝豆の塩炒めきゅうりとわかめの酢の物スイカ角切り
玄米きのこピラフさば塩焼きれんこんきんぴら・豚汁
もち麦ごはん厚揚げと大根の煮物ごぼう味噌汁・ひじき煮みかん

4.観察・実験・自由研究アイデア—かむと体の“変化”を見つけよう

① かむ回数と満腹感の関係を調べる

・同じメニューで「早食い(10回以下)」と「よくかむ(30回)」を別日に比べ、満腹感・食べた量・食後の眠気を記録。
・グラフ化すると差が見えやすい。家族も参加して平均を出すとさらに◎。

② だ液と味わいの観察

・クラッカーやごはんをよくかむと、甘みを感じやすくなる変化をメモ。
・味覚(あまい・しょっぱい・すっぱい・にがい・うまみ)の感じ方を表にまとめ、好き嫌いの変化もチェック。

③ 家族で「カムカム週間」

・一週間、食事時間・かむ回数・気分・集中度(宿題のはかどり)を日記化。
・最終日に“マイ・ベストかみごたえメニュー”を発表。写真やスケッチでアルバム化。

④ かむ回数カウンターを手作り

・牛乳パックと紙クリップで“スライドカウンター”を製作。1口ごとに1目盛り動かす。
・自由研究の付録にして発表すると見やすい。


5.よくあるQ&A—疑問をすっきり解決!

Q1:やわらかい物ばかりでも大丈夫?
A:やわらかい物は食べやすいけれど、あごの筋肉がきたえにくい。毎食少しでいいので“かみごたえ”を足そう。スープにも角切り野菜をプラス。

Q2:ガムをかむのは効果がある?
A:食事以外に“かむ練習”としては○。ただし砂糖の少ないタイプを選び、長時間かみすぎはあごに負担なのでほどほどに。勉強前の5~10分が目安。

Q3:のどに詰まりやすい食材が心配…
A:小さめひと口にして、よくかんで少しずつ飲みこむ。水分もこまめに。高齢の家族とは固さを調整して一緒に楽しもう。

Q4:早食いのクセが直らない!
A:タイマーで“15〜20分は味わう”と決め、箸置きや一口休憩を活用。食卓でのながらスマホ・TVはオフに。ひと口ごとに深呼吸を一回。

Q5:スポーツの前後は?
A:前はよくかんで消化にやさしい物を。後はたんぱく質+炭水化物を“よくかんで”補給すると回復がスムーズ。

Q6:歯が生え変わり中でかみにくい…
A:噛む場所を左右で分散し、固さは段階調整。スティック生野菜→軽く蒸す→みじん切り、とステップを踏もう。

Q7:飲み物は先?あと?
A:基本は“食べ物をかんで飲みこむ→水分ひと口”。先にたくさん飲むと薄まって味わいにくくなることがあるよ。


6.用語ミニ辞典(やさしい解説つき)

咀嚼(そしゃく):食べ物を歯でかみくだき、だ液とまぜること。
だ液:口の中の液。洗い流す力と消化を助ける酵素をふくむ。
酵素(こうそ):食べ物を体に取り入れやすい形に分解する“はたらき”。
満腹中枢(まんぷくちゅうすう):おなかいっぱいの合図を出す脳のはたらき。
咬筋(こうきん):かむ力を生む、ほほ〜あごの強い筋肉。
消化:食べ物を小さく分け、体に吸収できるようにする過程。
片がみ:左右どちらか一方だけでかむクセ。ゆがみやコリの原因に。


7.“よくかむ×栄養”—バランスごはんで効果を高めよう

① 三大栄養素と“かむ”のいい関係

栄養素からだでの主なはたらきかむとどう良い?食材例
たんぱく質筋肉・血・骨の材料しっかりかむと消化がスムーズ、筋づくりにプラス魚、肉、卵、豆、乳製品
炭水化物エネルギーのもとだ液の酵素が分解スタート、勉強・運動の燃料にごはん、パン、麺、いも
脂質体温・ホルモンの材料よくかむと満足感UPで食べすぎ防止ナッツ、魚、植物油

② 色でそろえる「かみごたえ定食」

・茶(主食)+赤(主菜)+緑(野菜)+白(汁)+黄(果物)=見た目も楽しく、自然とかむ回数UP!


8.歴史と世界の食文化—“かむ”は昔からの知恵

① 昔の日本の食卓

・玄米や雑穀、干物、漬け物、根菜など“よくかむ”メニューが中心。自然と咀嚼回数が多かった。

② 世界の“よくかむ”料理

・フランスのハードパン、韓国のナムル、メキシコのトルティーヤ+豆、インドの豆カレーなど、かみごたえがあり栄養バランスも◎。

③ マナーと“味わう力”

・世界共通の合言葉は「ゆっくり・静かに・感謝して」。落ち着いてかむと会話もはずむ。


9.学校・家庭で続ける「カムカム計画」—実行プラン

① 学校で

・給食前に1分“かむストレッチ”(首回し→深呼吸→口角アップ)。
・クラス目標〔一口30回/タイム20分〕、週末にふり返りカードを提出。

② 家庭で

・“ながら食べ”をやめ、食卓のTV・スマホはオフ。
・週に1回は“かみごたえデー”(れんこん・ごぼう・きのこ祭り)。

③ 記録シート(例)

日付料理かむ目標実際の回数気分・発見
カレー(具大きめ)30回28回にんじんが甘い!
焼き魚+雑穀30回32回皮がパリパリで好き

10.“よくかむ”をじゃまするクセ&リセット法

クセ何が起きる?リセット法
早食い満腹サインが届かない箸を置く・深呼吸・タイマー20分
片がみあごのゆがみ・肩こり左右交互に意識・一口ごとに反対側で
流し飲み消化不良・味が薄い飲み物は“合間にひと口”
猫背のみこみにくい足裏ペタッ・背中まっすぐ

11.安全においしくかむための注意

・一口を小さめに。急がず、落ち着いて座る。
・固い食材は“下ごしらえ”で段階調整(生→蒸す→煮る)。
・アレルギーがある場合は医師の指示に従い、安全な代替食材で“かみごたえ”を。
・のどに詰まりやすい物(もち、ピーナッツ等)は要注意。小さく切って、よくかんで、ゆっくり飲みこむ。


12.チェックリスト:今日からはじめる10の習慣

  1. 最初の一口は30回かむ。
  2. 一口ごとに箸を置く。
  3. かみごたえ食材を一品追加。
  4. 飲み物で流し込まない。
  5. 食卓のTV・スマホはオフ。
  6. 姿勢を正して座る(足裏ぺたん)。
  7. 朝ごはんも“よくかむ”。
  8. 家族と会話して“ゆっくり時間”。
  9. 食後は歯みがき+水うがい。
  10. 一週間の記録をつけて見直す。

【まとめ】
「よくかむ」は、消化を助け、むし歯や口のトラブルを防ぎ、集中力や気持ちの安定、姿勢の安定、運動のキレまで底上げする“万能スキル”。

一口30回、かみごたえ食材、箸を置く——小さな工夫の積み重ねが、体と心をぐんぐん元気にします。家族や友だちと“カムカム習慣”を楽しく続け、毎日のごはん時間をもっとおいしく、もっと健康的に育てていきましょう!

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