「どうして夏になると、セミはあんなに大きな声で鳴くの?」と不思議に思ったことはありませんか?セミの鳴き声は、夏の風物詩としてだれもが知っていますが、その本当の理由や体の仕組み、鳴き方のひみつを知っている人は意外と少ないかもしれません。
このページでは、小学生にもわかりやすく「セミがなぜ大きな声で鳴くのか」「セミの体のしくみと鳴き声の関係」「セミの種類ごとの鳴き方や特徴」「他の虫との鳴き声や理由の違い」「セミの声から分かる自然や季節のサイン」などを、写真や表も使ってたっぷり、くわしく解説します。夏休みの自由研究にも役立つ情報が満載です!
セミはなぜ大きな声で鳴くの?その理由をもっとくわしく!
メスや仲間にアピールするための大きな声
セミのオスが大きな声で鳴くのは、まず一番に自分の居場所をメスのセミに知らせて「ここにいるよ!」とアピールするためです。大きな声の方が、森や公園などの広い場所でも遠くにいるメスにまで声が届きやすくなり、自分を見つけてもらいやすくなります。これはまるで森の中で自分の存在を宣伝する「虫のラジオ放送」のような役割です。
オス同士の競争と縄張りの主張
セミの世界では、オス同士が競い合って、より大きな声、より目立つ声を出そうとがんばります。たくさんのオスが同じ木や近くの枝で鳴き合うことで、一番強い声や変わった鳴き方のオスがメスに選ばれやすくなります。これは「恋のバトル」でもあり、縄張りを守る意味もあります。
外敵を驚かせたり、警戒音の役目もある
セミの大きな声は、時に外敵(カラスやヘビ、ムクドリ、カマキリなど)を驚かせたり、自分がここにいるぞと警戒の意味で鳴くこともあります。敵が近づくと一斉に鳴き止んだり、急に大きな声を出したりすることで、敵をびっくりさせて身を守る役割もあるのです。
気温や天気にも関係している?
セミはとても暑い日や晴れた日に特によく鳴きます。これはセミが元気に活動できる気温や天気のときにアピールしたいから。気温が下がったり、雨が降りそうになると急に鳴き止むことが多いです。
セミの鳴き声のひみつと体のしくみを大解剖
鳴き声はおなかの「発音膜」で作り出す
セミはおなかに「発音膜(はつおんまく)」という特別な部位があります。ここを高速でふるわせることで「ジージー」「ミーンミーン」「カナカナ」などの独特な鳴き声が生まれます。
「共鳴室」で音を大きく増幅する
セミの体の中には「共鳴室(きょうめいしつ)」という空洞の部屋があり、ここで発音膜から出た音を何倍にも大きく響かせます。小さな体なのに人間の耳にもうるさいほどの大音量になるのは、この共鳴室があるからです。
メスのセミは鳴かない理由
鳴くのはオスだけで、メスのセミは発音膜や共鳴室が発達していないため、鳴き声を出すことができません。オスだけが大きな声を使ってアピールしているのです。
セミが鳴く時間・場所のひみつ
セミの多くは朝や日中に元気よく鳴きますが、ヒグラシなど一部のセミは夕方や薄暗くなってから鳴く種類もいます。木の上・枝先・葉の裏など、場所によっても鳴き方や声の大きさが変わります。
セミの種類と鳴き方の違いをたくさんくらべてみよう!
日本の代表的なセミの種類と鳴き声
日本にはアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミ、ヒグラシ、ニイニイゼミなど多くの種類のセミがいます。それぞれ鳴き声がちがい、「ジージー」「ミーンミーン」「ツクツクボーシ」「シャーシャー」「カナカナカナ」など、聞き分けるととても楽しいです。
鳴く時間や場所も多様
アブラゼミは主に昼間、ヒグラシは夕方、ニイニイゼミは朝と、種類ごとに鳴きやすい時間帯が違います。また都会の公園や森、学校の校庭など、どこで多く聞こえるかも観察ポイントです。
鳴き方・声の高さ・音量もいろいろ
アブラゼミは力強く低い「ジージー」、ミンミンゼミは高くよく通る「ミーンミーン」、クマゼミは大音量の「シャーシャー」など、種類によって特徴がはっきりあります。鳴き方やリズム、鳴き声の長さも違うので比べてみよう。
どんな環境に多い?
種類によって好む場所も違います。アブラゼミやクマゼミは街路樹や公園、ヒグラシは山や林など、住む場所で聞こえる声が変わります。
セミと他の虫の鳴き声・仕組み・理由をくらべてみよう
コオロギ・スズムシとの違い
コオロギやスズムシは羽をこすり合わせて「リーンリーン」と鳴きますが、セミはおなかの発音膜をふるわせて音を出す全く違う仕組みです。どちらもオスだけが鳴きます。
鳴く理由の違い・比較
どの虫も「メスを呼ぶ」「なわばりを守る」ために鳴きますが、セミは特に大音量で遠くまで届く声が特徴です。コオロギなどは静かな夜に響き、セミはにぎやかな昼間に活躍します。
鳴き方や音色・リズムの違い
虫の種類ごとに、鳴き方や音の高さ、リズム・繰り返し方がまったく異なります。鳴き声を録音したり図鑑で調べて、比べてみるのも面白いです。
他の虫との「鳴く仕組み」の図解
(※ここに簡単なイラストや仕組み図を追加するとさらに分かりやすくなります)
セミの鳴き声から分かる自然や季節のサインを読み取ろう!
セミの鳴き声で季節の移り変わりを感じる
夏のはじまりはニイニイゼミやアブラゼミ、夏の終わりはヒグラシやツクツクボウシの声、とセミの種類で季節の進み具合が分かります。夏休みの朝や夕方に聞き比べてみましょう。
鳴き声で天気や気温が分かる?
セミは雨が降りそうだったり、気温が下がると一斉に鳴き止むことがあります。逆に晴れて気温が上がると元気に大合唱。セミの声は自然の「お天気予報士」としても役立つかも?
都会と自然で鳴き声や種類がちがう
都会ではクマゼミやアブラゼミ、山や田舎ではヒグラシやミンミンゼミが多いなど、場所によって聞こえる種類や声の大きさも変わります。自分の町と旅行先で比べてみるのも楽しいです。
鳴き声観察・自由研究のおすすめポイント
セミの鳴き声を時間や場所ごとに記録したり、天気や気温、セミの種類と照らし合わせてグラフにしてみると、面白い発見がいっぱいあります。
セミの鳴き声・役割まとめ
セミの鳴く理由 | 体のしくみ・特徴 | 観察ポイント・自由研究ヒント |
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メスへのアピール | おなかの発音膜+共鳴室で大音量 | オスだけが鳴く・鳴き声の種類を調べてみよう |
オス同士の競争 | 木や枝でたくさんのオスが競い合う | 同じ木で何匹鳴いているか数えてみよう |
外敵へのアピール・警戒 | 強い音・急な沈黙で敵を驚かせたり警戒する | 敵が来た時の鳴き止みや行動を観察しよう |
季節・天気のサイン | 鳴き声の種類やタイミングで季節・天気が分かる | 朝夕・雨の日・晴れの日で鳴き声の違いを記録しよう |
他の虫との違い | 羽で鳴く虫(コオロギなど)・おなかで鳴くセミ | 鳴く仕組みや音色・時間の違いを比べてまとめてみよう |
鳴き方・声の個性 | 種類ごとに声の高さ・長さ・リズムが全く違う | 録音して図鑑と聞き比べたり、友だちや家族で鳴き声クイズを作ろう |
【まとめ】
セミは夏になるととても大きな声で鳴きますが、それにはメスや仲間へのアピール、外敵から身を守る、縄張りの主張、自然や季節のサインなどたくさんの理由があります。小さな体で大きな音を出せるのは、おなかの発音膜と体の共鳴室という特別な仕組みのおかげです。
日本には多くの種類のセミがいて、鳴き方・声の大きさ・場所・時間・環境によってさまざまな個性があります。他の虫と仕組みや役割を比べてみたり、セミの声を観察して記録したりすることで、身近な自然のふしぎがもっと楽しくなります。ぜひ夏の自由研究や観察ノートに、セミの大きな声のひみつをたくさん書きとめてみましょう!