【小学生向けに解説】なぜ人はうれしいと涙が出るの?涙の役割とふしぎ

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おもしろ雑学

うれしくて泣くのはなぜ? 涙は目をまもるだけじゃない!——脳・自律神経・気持ちがつながる“なみだ”のひみつを、やさしい言葉と図解・表・ワークでたっぷり解説します。


  1. 1.うれし涙はなぜ出る?——脳と自律神経のしくみ
    1. 1-1.気持ち→脳→自律神経→涙腺(るいせん)のながれ
      1. ことばで図解(イメージ)
    2. 1-2.自律神経は“ふたつのモード”を切り替える
    3. 1-3.うれし涙は「心の負担」を外に出す安全弁
    4. 1-4.脳のチームワーク(やさしく)
    5. 1-5.うれし涙とかなしい涙——“ちがうようで似ている”
  2. 2.涙の基本のはたらき——目を守るヒーロー
    1. 2-1.涙は「目のシャワー」
    2. 2-2.うるおい三兄弟(やさしいモデル)
    3. 2-3.ばい菌と戦う成分
    4. 2-4.涙の通り道(ミニ図)
  3. 3.涙の3種類をくらべよう——役わりと出る場面
    1. 3-1.基礎なみだ(いつもの涙)
    2. 3-2.反射なみだ(守る涙)
    3. 3-3.感情なみだ(気持ちの涙)
    4. 3-4.表でまるわかり(コピーして使える)
    5. 3-5.シーン別チェック表(感じ方を言葉に)
  4. 4.人と動物の涙のちがい——心を映すのはだれ?
    1. 4-1.動物の涙は“目を守る”が中心
    2. 4-2.人だけの「感情なみだ」に注目
    3. 4-3.涙はコミュニケーションの道具
  5. 5.泣いたあとの体と心——なぜスッキリするの?
    1. 5-1.体の変化
    2. 5-2.心の変化
    3. 5-3.“泣き笑い”はどうして起こる?
  6. 6.明日から使える“涙のちえ袋”——Q&A・用語辞典・ケア
    1. 6-1.Q&A(よくある質問を拡大)
    2. 6-2.用語辞典(やさしい言葉でバージョンアップ)
    3. 6-3.今日からできる“なみだケア”
  7. 7.クラスや家庭でできるワーク&自由研究
    1. 7-1.観察ミニワーク(授業・自由研究に)
    2. 7-2.「涙日記」テンプレート(書きうつして使える)
    3. 7-3.ペアトークのお題
  8. 8.まとめ——涙は心と体をつなぐ“かけ橋”
    1. 付録:保護者・先生向けワンポイント

1.うれし涙はなぜ出る?——脳と自律神経のしくみ

1-1.気持ち→脳→自律神経→涙腺(るいせん)のながれ

  • うれしい・安心した・感動したなど、気持ちが強く動くと「脳の感情の場所(へんとう体など)」がはたらきます。
  • すると 自律神経 がスイッチオン。目の上にある 涙腺 に「涙を出して!」と合図を送ります。
  • 合図を受け取った涙腺がポンプのように動いて、涙がじわっと出てきます。

ことばで図解(イメージ)

1)気持ちが高まる → 2)脳がキャッチ → 3)自律神経が命令 → 4)涙腺が動く → 5)涙が出る。

1-2.自律神経は“ふたつのモード”を切り替える

  • がんばるモード(こうかん神経):テスト前や競走のとき。ドキドキが増える。
  • リラックスモード(ふくこうかん神経):ほっとしたとき。体がゆるみ、涙も出やすくなる。
  • うれし涙は、がんばる→ほっとする 切り替えの合図 と考えると分かりやすいよ。

1-3.うれし涙は「心の負担」を外に出す安全弁

  • 長い練習や努力が実ってほっとした瞬間、胸の中にたまっていた緊張がゆるみます。
  • その切り替えのサインとして涙が出ることで、心は落ち着き、体もリラックス。
  • うれし涙は「がんばったね」という体からのメッセージでもあります。

1-4.脳のチームワーク(やさしく)

  • へんとう体:気持ちのゆれを感じるセンサー。
  • 前頭前野:気持ちをおさえたり、ことばにしたりするキャプテン。
  • 視床下部(ししょうかぶ):体のスイッチ全体を調整する司令塔。自律神経へ合図。
  • このチームが同時に働くと、気持ちが涙という形で外にあらわれます。

1-5.うれし涙とかなしい涙——“ちがうようで似ている”

  • どちらも気持ちが大きく動いたときに出る涙。
  • どちらも出たあと、心が少し軽くなることが多い(気持ちの片づけ)。
  • ちがい:うれし涙は達成・安心の合図、かなしい涙は助けて・つらいの合図。

2.涙の基本のはたらき——目を守るヒーロー

2-1.涙は「目のシャワー」

  • 風やほこりで目がショボショボするとき、涙がゴミを流してくれます。
  • まばたきのたびに、涙の**うすい膜(まく)**が広がり、目の表面をなめらかに保ちます。

2-2.うるおい三兄弟(やさしいモデル)

  • うえ:油の層……水分のにげ道にフタをして乾きにくくする。
  • まんなか:水の層……栄養・きれいにする成分を運ぶ。
  • した:ムチンの層……涙を目の表面にピタッとくっつけるノリ役。
    → 三兄弟がそろうと、見え方くっきり&快適

2-3.ばい菌と戦う成分

  • 涙には、ばい菌の壁をこわすたんぱく質などがふくまれ、目を守ります。
  • だから涙は「そうじ屋さん」であり「見張り番」でもあるのです。

2-4.涙の通り道(ミニ図)

  • 目の表面 → 目頭の涙点(るいてん) → 細い管 → 鼻涙管(びるいかん)はなの中
  • 泣いたら鼻水が出るのは、涙が鼻に流れるからなんだよ。

3.涙の3種類をくらべよう——役わりと出る場面

3-1.基礎なみだ(いつもの涙)

  • ふだんから少しずつ出て、目をしっとり保ちます。
  • うるおい・見え方・健康をささえる“土台”。

3-2.反射なみだ(守る涙)

  • 玉ねぎで目がツンとしたとき、ほこり・けむり・虫が入ったときにドバッと出ます。
  • 危険を感じた目を、洗い流して守る

3-3.感情なみだ(気持ちの涙)

  • うれしい・悲しい・悔しい・感動したときなど、心が大きく動くと出ます。
  • 心の切り替えや、気持ちを表すサインになります。

3-4.表でまるわかり(コピーして使える)

涙の種類出るときの例主な役わり合図になる気持ち身近な例
基礎なみだいつも(気づかない少量)うるおい・見やすさ・健康落ち着き勉強中・読書中でも常に目を守る
反射なみだ玉ねぎ・ほこり・風・けむりゴミを流す・守る驚き・防御玉ねぎを切る、風の強い日
感情なみだうれしい・悲しい・感動・緊張後の安心心の切り替え・気持ちを伝える喜び・安らぎ など発表会で成功、運動会でゴール、卒業式

3-5.シーン別チェック表(感じ方を言葉に)

シーン体のサイン心の声できるケア
がんばりが実った肩の力がぬける・涙が出るほっとした!達成した!深呼吸・水をのむ・うれし日記
玉ねぎ・ほこり目がしみる・涙がどっと出るあぶない!洗い流したい!風通し・目をこすらない
友だちとけんか胸がドキドキ・涙がにじむかなしい・くやしい休けい・先生や家族に話す

4.人と動物の涙のちがい——心を映すのはだれ?

4-1.動物の涙は“目を守る”が中心

  • 犬や猫、鳥なども涙は出ますが、主に基礎なみだ反射なみだ。目をうるおし、ゴミを流すためです。
  • 目の病気やアレルギーで涙が増えることもあります。

4-2.人だけの「感情なみだ」に注目

  • 人はことばや思考が発達し、社会で気持ちを伝え合う必要が大きくなりました。
  • そのため、心の動きを体のサインに変えるしくみが育ち、感情で泣くことが起こります。

4-3.涙はコミュニケーションの道具

  • 涙は「助けて」「うれしい」「ありがとう」など、言葉以外の合図になります。
  • だから、人と人がつながる上で、とても大切な役目をはたします。

5.泣いたあとの体と心——なぜスッキリするの?

5-1.体の変化

  • 深い呼吸になり、体の**力み(りきみ)**がとれやすい。
  • 鼻に涙が流れて鼻みずが出るのはふつうの反応。
  • まぶたが少しはれることがあるので、冷たいタオルでやさしくケア。

5-2.心の変化

  • 気持ちの山が下がり、考えをまとめやすくなる。
  • だれかに気持ちを聞いてもらうと、安心感がふえる。

5-3.“泣き笑い”はどうして起こる?

  • 強い気持ちが一気に動くと、笑いと涙が同時に出ることも。心の大きな切り替えサインです。

6.明日から使える“涙のちえ袋”——Q&A・用語辞典・ケア

6-1.Q&A(よくある質問を拡大)

Q1.うれしくて泣くのはおかしい?
A.ぜんぜんおかしくありません。心が動いた合図で、がんばりの証(あかし)です。

Q2.泣くのをがまんした方がいい?
A.むりにがまんする必要はありません。安心できる場所で静かに涙を流すと、気持ちの整理に役立ちます。

Q3.急に涙が止まらないときは?
A.深呼吸をして水分をとり、少し休みましょう。つづく場合は家族や先生に相談を。

Q4.玉ねぎで涙が出にくくするには?
A.切る前に冷やす、空気の流れを作る、根っこ側を最後に切る、などがコツです。

Q5.涙が出すぎて目が赤いときは?
A.こすらず、きれいなハンカチでやさしくふき、休ませましょう。つづくなら眼科へ。

Q6.泣くとつかれるのはなぜ?
A.たくさん呼吸して体力も使うから。水分補給と休けいで回復!

Q7.うれし涙を人前で見せてもいい?
A.もちろんOK。うれしい気持ちがまわりにも広がることがあります。

6-2.用語辞典(やさしい言葉でバージョンアップ)

  • 涙腺(るいせん):涙を作って出すところ。目の上のほうにあります。
  • 自律神経(じりつしんけい):体のはたらきを自動でととのえる神経。ドキドキやリラックスの切り替えをします。
  • 基礎なみだ:ふだんから少しずつ出る、目のうるおいを守る涙。
  • 反射なみだ:玉ねぎ・ほこりなどから目を守るために、急にたくさん出る涙。
  • 感情なみだ:うれしい・悲しいなど心の動きで出る涙。気持ちの切り替えに役立ちます。
  • 涙点(るいてん):涙が鼻へ流れる入り口。目頭のすみにあります。
  • 鼻涙管(びるいかん):涙が鼻に行くトンネル。泣いたら鼻水が出るのはここを通るから。
  • うるおいの膜:涙がつくる、目の表面をおおううすい層。見え方をなめらかにします。

6-3.今日からできる“なみだケア”

  • 泣いてよし:気持ちがいっぱいのときは、安心できる場所で静かに泣こう。
  • 目をたいせつに:こすらない・まばたきでうるおす・10分休けい
  • 思い出ノート:うれし涙の日は日記や絵にして残すと、未来の自信になります。
  • よりそう心:泣いている人を見たら、そっと近くで見守る・やさしく声をかける。

7.クラスや家庭でできるワーク&自由研究

7-1.観察ミニワーク(授業・自由研究に)

  • ① 1日のまばたき回数を数え、目のうるおいとの関係を考える。
  • ② 玉ねぎを冷やす/冷やさないで、涙のでかたを比べる(大人といっしょに、安全に)。
  • ③ うれしかった出来事を3つ書き出し、**体の反応(ドキドキ・涙・笑顔)**をセットで記録する。

7-2.「涙日記」テンプレート(書きうつして使える)

日付できごと感じた気持ち体のサイン自分へのメッセージ
____うれしい/かなしい/ドキドキ涙・笑顔・深呼吸 などよくがんばった! など

7-3.ペアトークのお題

  • うれし涙が出た思い出は?
  • 泣いてスッキリしたあとの気持ちは?
  • 友だちが泣いていたら、どんな言葉をかけたい?

8.まとめ——涙は心と体をつなぐ“かけ橋”

  • うれし涙は、心が大きく動いた合図。脳と自律神経の命令で涙腺が動き、涙が出ます。
  • 涙は、目を守る「そうじ」と「うるおい」の役目にくわえて、気持ちを伝え、心をととのえる力 も持っています。
  • 人の涙は、だれかとつながる心のかけ橋。自分の涙も、だれかの涙も、あたたかく受けとめましょう。

付録:保護者・先生向けワンポイント

  • 子どもが泣いたときは、安全・共感・言語化(「うれしかったね」など)の順で寄りそうと安心しやすいです。
  • 目の強いこすりはトラブルのもと。清潔なティッシュ・冷タオルでそっとケアを。

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