川はどこからはじまるの?水の旅のスタート地点を見てみよう
川のはじまりは山や森の中にかくれている
川は、山や高いところにふる雨や雪がとけた水からうまれます。雨がしみこんで地下を流れたり、雪がとけて地面をぬらしたりして、それが少しずつ集まって、小さな水の流れができあがります。この小さな流れは「源流(げんりゅう)」とよばれ、人があまり入れない森の中や、けわしい山の中にあります。水はポタポタとしたしずくからはじまり、やがてしっかりとした流れへと育っていきます。
小さな流れがあつまって大きな川になるんだよ
はじめはとても小さな流れでも、それがいくつも合わさることで、だんだんと太くて大きな川になります。雨の日が多い地域では、たくさんの水が集まりやすく、川はすぐに大きくなります。たとえば、日本でいちばん長い「信濃川」も、いくつもの山の水が集まってできた川です。小さな命のしずくが、やがて日本の大地をうるおす大河になるのです。
地図で川の上流・中流・下流をたどってみよう
川には「上流(じょうりゅう)」「中流(ちゅうりゅう)」「下流(かりゅう)」という流れの段階があります。上流は山の近くで水が速くて冷たく、下流は海の近くで水がゆるやかに流れています。中流はその中間で、川の広さも流れ方も変化します。地図帳やインターネットの地図を使って、家の近くの川の流れがどこから来て、どこへ向かっているのかを調べてみましょう。
川が流れるのはなぜ?自然の力を学ぼう
重力(じゅうりょく)の力ってなに?
川が流れるいちばんの理由は、地球にある「重力(じゅうりょく)」という力です。この力は、ものを下にひっぱる力で、私たちが地面に立てるのもこの力のおかげです。水もこの重力によって高いところから低いところへ流れていくのです。まるでお風呂の水が排水口に向かって流れるような感じですね。
高いところから低いところへ流れていく
山の上と海では高さに大きなちがいがあります。これを「高低差(こうていさ)」といい、この差が大きいと水の流れはとても速くなります。水はずっと止まらずに流れ続け、最終的に海や湖などの広い水たまりにたどりつきます。これが水の旅の終点なのです。
地面のかたむきや岩も関係しているよ
水の流れる速さは、地面のかたむき(傾斜)や、川の中にある岩や石、木などによって変わります。たとえば、急な坂道では水はごうごうと流れますが、ゆるやかな坂では静かにゆっくり流れます。また、川の曲がり方によっても流れ方が変わります。自然の地形が水の流れをコントロールしているんですね。
川の流れのようすは場所によってどうちがう?
上流は水が冷たくてきれいで速い!
上流は山の近くで、空気も水もとてもきれいです。水の量が少なく、川幅もせまいですが、流れはとても速く、岩や石がゴロゴロと転がっています。イワナやヤマメといった魚がすんでいて、人もあまり入らない自然の世界が広がっています。滝やせせらぎの音を聞くのも、楽しい発見です。
中流では川が広がってくらしとつながる
中流にくると、川の流れは少しゆるやかになり、川幅も広くなってきます。水辺には植物が多くなり、魚もたくさん見られるようになります。アユやカワムツなどの魚が泳ぎ、人も釣りやカヌー、川遊びを楽しむ場所になります。人のくらしと自然がいっしょになっている場所でもあります。
下流では大きな川となり海へ流れこむ
下流になると、川はとても大きくゆったりと流れます。田んぼや町の水もこのあたりに流れてきて、最終的に海にたどりつきます。水門(すいもん)や橋が多く見られ、たくさんの人の生活をささえる大切な場所です。ここではボートや船が使われることもあります。
川の流れが自然と人にあたえる大きな影響
川は生き物たちのすみかになる
川には、魚やカニ、カエル、虫など、さまざまな生き物がすんでいます。流れがあることで水がよごれにくく、生き物たちは元気にくらすことができます。また、川辺では鳥や動物たちが水を飲んだり、魚をとったりしています。まるで自然のレストランのようですね。
川の水は田んぼや畑にとって大事
昔から人は川の水を使って田んぼや畑に水をあげてきました。用水路(ようすいろ)や水車(すいしゃ)を使って、川の水を上手に使う知恵があります。川があるおかげで、お米や野菜が育ち、私たちはごはんを食べられるのです。
町でも川は大かつやく!
川の水は、水道や工場でもつかわれます。きれいにあらった川の水は、のんだり、料理につかったり、おふろのお湯にもなります。大雨のときには、川があふれないように水門やダムで調節されていて、町の安全を守ってくれます。
川のふしぎを体験しよう!自分の目で見てみよう
葉っぱや小枝で水の流れを見てみよう
川に行ったら、葉っぱや小枝を流してみましょう。どこが速くて、どこがゆっくり流れるかを観察してみると、流れのちがいがわかります。カーブしているところや石があるところでも流れ方が変わるので、いろんな場所でためしてみましょう。
ペットボトルでミニ川を作ろう
空のペットボトルを切って、砂や小石で川の形を作ってみよう。水を上から流すと、どこに水がたまり、どこが速く流れるかが見えてきます。ビー玉や石でせきを作ると、ダムのように水をためることもできますよ。
地図やアプリで川のながれをたどろう
インターネットの地図アプリや紙の地図を使って、川の流れをさがしてみましょう。家の近くの川がどこからきて、どこへ向かっているのか、水の旅をたどるように見てみると、とてもおもしろいです。
川の流れのひみつまとめ表
川のふしぎ | せつめい | 観察・工夫アイデア |
---|---|---|
川のはじまり | 山や高いところの雨や雪がとけてできる | 地図で源流をたどってみよう |
流れる理由 | 地球の重力で水が高いところから低いところへ流れる | ペットボトルで流れを作ってみよう |
場所による流れのちがい | 上流・中流・下流で水の量や速さがちがう | 葉っぱや小枝を流して調べてみよう |
川と生き物・人との関係 | 生き物のすみかや、農業・水道などに使われている | 水辺で生き物や人の工夫をさがしてみよう |
地形の影響 | 地面のかたむきや岩、植物によって流れが変化する | 川の場所ごとに様子を比べてみよう |
【まとめ】
川は、山や森から生まれた水が長い旅をして海へと流れていく自然の通り道です。高いところから低いところへ流れるのは、地球の重力という力のおかげです。その中で川は、自然の生き物たちのすみかになり、人のくらしにもなくてはならない大切な存在です。
川を観察することで、水の流れや自然のしくみを楽しく学ぶことができます。地図で流れをたどったり、実際に川辺を歩いたり、水の音に耳をすましたりして、自然のふしぎをたくさん発見してみましょう。家族や友だちといっしょに川を調べて、身近な自然への関心を広げていってください。