【小学生向けに解説】なぜ水たまりは時間がたつと消えるの?蒸発のしくみを徹底解説!

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おもしろ雑学

雨のあとにできる「水たまり」。気づくと消えているのはなぜでしょう?その答えは、太陽、風、空気、そして水の性質がつくる蒸発(じょうはつ)にあります。

この記事では、小学生にもわかる言葉で、水たまりができるところから消えるまでを、図・表・自由研究アイデアを交えてたっぷり解説します。読み終わるころには、玄関先の水じまいから自由研究の計画まで、ぜんぶ自分で考えられるようになります。

この記事でわかること

  • 水たまりができる場所・できない場所のちがい(地面・材質・形)
  • 蒸発の正体と、太陽・風・気温・湿度が与える影響
  • 水の循環(蒸発→雲→雨)と私たちのくらしとのつながり
  • 家で安全にできる観察・実験、自由研究のまとめかた
  • 言葉のミニ辞典・Q&A・チェックリスト付き

  1. 1.水たまりはこうしてできる(深掘りガイド)
    1. 1-1.雨がへこみに集まる――「器」があるからたまる
    2. 1-2.地面の材質でちがう――土・砂・アスファルトの差
    3. 1-3.大きさを決める三つの条件
    4. 1-4.「しみこむ・流れる・しみだす」も大事
  2. 2.蒸発ってなに?見えない水の大へんしん
    1. 2-1.水が気体になる――「水蒸気」に変わる
    2. 2-2.「蒸発」と「沸騰」のちがい
    3. 2-3.太陽と地面のあたためパワー
    4. 2-4.風・気温・湿度・気圧の四つのキー
    5. 2-5.場所でちがう!蒸発スピード早見表
  3. 3.水たまりが消えるまでの道のりと「水の循環」
    1. 3-1.できる → あたたまる → 飛び立つ(ステップ解説)
    2. 3-2.蒸発した水はどこへ?――空で雲になり、また戻る
    3. 3-3.「早く消える日」「遅く消える日」のちがい早見表
    4. 3-4.くらしの中の蒸発・結露・乾燥剤
  4. 4.おうちでできる!安全で楽しい「蒸発」観察と実験
    1. 4-1.日なた・日かげくらべ
    2. 4-2.風のあり・なしくらべ
    3. 4-3.表面の広さでちがう?皿とコップ
    4. 4-4.塩水と真水――どっちが早くへる?
    5. 4-5.観察カード(書き写して使おう)
  5. 5.ミニ計算&環境の視点:ヒートアイランドと水はけ
    1. 5-1.かんたん試算:水たまりは何時間で消える?
    2. 5-2.都市のくらしと蒸発
  6. 6.Q&Aと用語辞典(困ったらここ!)
    1. 6-1.Q&A――よくある疑問に答えます
    2. 6-2.用語辞典(やさしいことばで)
    3. 【まとめ早見表】水たまりが消えるスピードを決めるもの

1.水たまりはこうしてできる(深掘りガイド)

1-1.雨がへこみに集まる――「器」があるからたまる

雨つぶがたくさん落ちると、地面のへこんだところが「器」の役わりをして水が集まります。へこみが深いほど、同じ雨でも大きく深い水たまりになります。道路のわだちやマンホールの周りに残りやすいのは、この「器効果」のためです。

1-2.地面の材質でちがう――土・砂・アスファルトの差

  • 土や芝生:土粒のすき間に水がしみこみやすいので、水たまりはできにくい/長持ちしにくい。
  • 砂・砂利:すき間が多く、下へ水が逃げるのでできにくい。砂浜の表面に一時的にできても、すぐ消える。
  • アスファルト・コンクリート:ほとんどしみこまないため、表面に水が残って水たまりになりやすい。
  • 透水性ブロック:小さな穴やすき間から下に水を通す材料。道路の水たまり対策に使われることも。

1-3.大きさを決める三つの条件

条件どう影響する?
雨の量・時間多い/長いほど大きく深くなる夕立より長雨の方が大きい水たまり
地面の形へこみ・みぞが多いほど溜まりやすいタイヤのわだち・側溝近くに残る
しみこみやすさしみこみにくいほど残りやすい校庭の土と校門前のアスファルトの差

1-4.「しみこむ・流れる・しみだす」も大事

  • しみこむ(浸透):土のすき間へ。スポンジのように水を吸う。
  • 流れる(排水):地面の傾きで低い場所に移動。側溝へ入ると短時間で減る。
  • しみだす(湧出):地中の水が上へにじみ出ることもあり、雨が止んでも増えることがある。

2.蒸発ってなに?見えない水の大へんしん

2-1.水が気体になる――「水蒸気」に変わる

蒸発とは、水が目に見えない気体の水蒸気(すいじょうき)に変わること。水たまりの水は消えたのではなく、空気の中へ「形を変えて」うつっていくのです。分子(とても小さな粒)が元気に動いて水面から飛び出すイメージです。

2-2.「蒸発」と「沸騰」のちがい

項目蒸発沸騰
起こる場所主に表面でおこる水の中全体でおこる(泡が出る)
温度どんな温度でも少しずつ進む100℃(気圧で変化)近くで急に進む
見た目水面が静かに減るグツグツ泡立つ

2-3.太陽と地面のあたためパワー

  • 太陽光が地面と水面をあたためる → 水の粒が元気になり、空気中へ飛び出しやすくなる。
  • あたたまった地面は下からも水を温め、蒸発をお手伝い。黒っぽいアスファルトは特に熱を吸収しやすい。

2-4.風・気温・湿度・気圧の四つのキー

要素蒸発への影響身近なたとえ
水蒸気を運び去り、つねに新しい空気と入れ替わる → 速く進むうちわで洗たく物が早くかわく
気温高いほど水の粒が活発になり飛び出しやすい → 速く進む夏は水たまりがすぐ消える
湿度低いほど空気に水蒸気を受け入れる余地あり → 速く進むカラッとした日ほどよく乾く
気圧低いほど水は気体になりやすい高い山でお湯がぬるくても沸く

2-5.場所でちがう!蒸発スピード早見表

場所速さ理由
日なたの広い運動場とても速い日差し+風で水面が広く温まる
木かげの土の上やや遅いしみこみ+日差しが少ない
アスファルト道路速い黒色で熱を吸収、しみこみにくい
コンクリート通路(ビル風なし)ふつう熱はたまるが風が弱いと遅め

3.水たまりが消えるまでの道のりと「水の循環」

3-1.できる → あたたまる → 飛び立つ(ステップ解説)

  1. 雨でたまる:へこみに水が集まりスタート。
  2. あたため・かき混ぜ:太陽と風が水面をあたため、空気を入れ替える。
  3. 気体へ:水が水蒸気になり空気中へ。
  4. 消えたように見える:全部が気体になると水面はゼロに。

3-2.蒸発した水はどこへ?――空で雲になり、また戻る

空にのぼった水蒸気は、上空で冷えて小さな水のつぶになりを作ります。つぶが大きく重くなるとになって地上へ。これが地球の水の循環(じゅんかん)です。海・川・湖・植物の葉(蒸散)もこの循環に参加しています。

3-3.「早く消える日」「遅く消える日」のちがい早見表

状況水たまりの消え方理由
晴れて風がある・気温が高い・湿度が低いとても速いあたため+風+乾いた空気で蒸発が加速
くもり・風がない・気温が低い・湿度が高いゆっくり水が温まりにくく、空気が水蒸気でいっぱい
日なた vs 日かげ日なたが速い受ける光と熱量が大きい

3-4.くらしの中の蒸発・結露・乾燥剤

  • 洗たく物:風通しのよいベランダで乾きやすい。部屋干しは除湿機とセットで。
  • お風呂の鏡のくもり(結露):空気が水蒸気で満タン(飽和)になると、冷たい面で水滴に戻る。
  • 乾燥剤:食品の袋に入っている「シリカゲル」が空気中の水蒸気を吸って蒸発を助ける。

4.おうちでできる!安全で楽しい「蒸発」観察と実験

4-1.日なた・日かげくらべ

  1. 同じ形の透明コップ2つに、同じ量の水(例:100mL)を入れる。
  2. 1つは日なた、もう1つは日かげに置く。
  3. 毎日同じ時刻に水位を見て、えんぴつでしるしを付ける(もしくはものさしで測る)。

ポイント: 室内でも窓ぎわ(ひあたり)と部屋の奥(ひかげ)でOK。結果をノートにグラフで記録しよう。

4-2.風のあり・なしくらべ

  1. 浅い皿を2枚用意し、どちらにも同じ量の水を入れる。
  2. 一方に小さな扇風機(弱)を向け、もう一方はそのまま。
  3. 30分ごとに重さを量るか、水位のへり方を観察する。

安全: 電気製品は水にぬらさない。大人といっしょに。

4-3.表面の広さでちがう?皿とコップ

同じ量の水でも、広い皿は表面が広く、細いコップは表面がせまい。どちらが早く減るかな?(→ 表面が広いほど蒸発は速い

4-4.塩水と真水――どっちが早くへる?

  1. 真水と食塩水(小さじ1/コップ)を用意し、同じ条件で置く。
  2. 毎日水位をくらべる。塩が白く残る様子も観察。

観察ポイント: 塩水は水だけが先に蒸発し、塩は残る。海のしおからのヒント!

4-5.観察カード(書き写して使おう)

日付・時刻天気・気温・湿度場所(ひなた/ひかげ/風)水位(cm)気づき
4/20 15:00晴れ・22℃・40%ベランダ・風あり3.2においなし、表面に小さな波

5.ミニ計算&環境の視点:ヒートアイランドと水はけ

5-1.かんたん試算:水たまりは何時間で消える?

たとえば、直径1m・深さ1cmの水たまり(水量約7.8L)が、夏の晴れ・風ありの日に毎時3mmずつ水位が下がるとすると…

  • 必要時間 ≒ 10mm ÷ 3mm/時 ≒ 3~4時間

条件(気温・風・湿度・日射)で大きく変わります。観察して自分の町の「目安」を作ろう!

5-2.都市のくらしと蒸発

  • ヒートアイランド:アスファルトが熱をため、蒸発が進むいっぽうで夜に熱が逃げにくい。
  • 透水性舗装・雨庭(レインガーデン):しみこませて水たまりを減らし、植物の蒸散で涼しくする工夫。

6.Q&Aと用語辞典(困ったらここ!)

6-1.Q&A――よくある疑問に答えます

Q1.水たまりの水はほんとうに消えてしまうの? A.消えたのではなく、目に見えない水蒸気になって空気にまじっています。やがて雲・雨になって戻ってきます。

Q2.冬なのに水たまりが早くなくなる日があるのはなぜ? A.気温が低くても、風が強い・空気が乾いている・日差しが強いと蒸発は進みます。

Q3.大きい水たまりと小さい水たまり、どっちが先に消える? A.同じ条件なら浅くて広い水たまりの方が、水面が広いぶん早く小さくなります。

Q4.雨のあとにすぐ晴れると道路が早くかわくのはどうして? A.日差し+黒っぽいアスファルトの熱吸収+車の走行風で、蒸発がいっきに進むからです。

Q5.水蒸気はどこへ行くの?見えないの? A.空気中に広がり、冷たい場所にふれると白い湯気や雲・霧になります。見えないときも必ず存在します。

Q6.同じ晴れでも、春と夏で消え方が違うのは? A.夏は気温が高く、地面の温度も高いので蒸発が速く進みます。湿度が高いと少し遅くなります。

Q7.砂利道と芝生、どっちが水たまりできにくい? A.一般に砂利道の方がすき間が多く、下へ水が逃げるのでできにくいです。

Q8.塩水の水たまりはどうなる? A.水だけが先に蒸発し、塩が白く残ります。潮だまりの塩の結晶はこの仕組み。

6-2.用語辞典(やさしいことばで)

  • 蒸発(じょうはつ):水が気体の水蒸気に変わること。
  • 水蒸気(すいじょうき):空気にまじった目に見えない水の気体。
  • 湿度(しつど):空気の中にどのくらい水分がふくまれているか。
  • 水の循環(じゅんかん):海・川・地面から空へ、水が蒸発 → 雲 → 雨となってめぐる大きな流れ。
  • 表面積(ひょうめんせき):水や物の外側の広さ。広いほど蒸発しやすい。
  • 飽和(ほうわ):空気がこれ以上水蒸気を受け入れられない状態。
  • 結露(けつろ):水蒸気が冷たい面で水滴にもどること。
  • 蒸散(じょうさん):植物の葉から水が空気中へ出ていくこと。

【まとめ早見表】水たまりが消えるスピードを決めるもの

要素速くなる条件遅くなる条件ひとことメモ
日差し強い弱い/くもり地面も温まり下からも加熱
あるない水蒸気をはこび、空気を入れ替える
気温高い低い水の粒が活発になる
湿度低い高い乾いた空気ほど受け入れOK
気圧低い高い低いほど気体になりやすい
水面の広さ広いせまい広いほど蒸発が進む
地面の材質アスファルトなど土・芝生しみこみにくいほど表面に残る

結論: 太陽・風・気温・湿度・気圧・水面の広さ・地面の材質が、蒸発のスピードを左右します。水たまりが消えるのは、地球の大きな「水の循環」の一場面。身近な観察から、自然のしくみを感じてみましょう!

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