みなさんが読んだことのある絵本には、くまさん、うさぎさん、きつねさん、ねこさん、いぬさんなど、いろいろな動物たちがよく登場しますよね。「なんで動物ばっかりなの?」「どうして人間じゃないの?」と不思議に思ったことはありませんか?実は、絵本の中で動物がたくさん使われるのには、子どもたちの心や想像力を大きく育てる、たくさんの理由や工夫がかくれているのです。
今回は、動物が絵本に登場する理由、その役わり、さらに絵本から学べること、動物キャラクターの魅力、そして絵本がもたらす想像力や心の成長について、たっぷり&楽しく紹介します!
絵本に動物がたくさん登場する理由を大解剖!
子どもが親しみやすく感情移入しやすいから
動物たちは、ふわふわしていたり、かわいらしい顔やしぐさが特徴で、子どもたちにとってとても身近な存在です。ぬいぐるみやペットとして家にいることも多く、動物を見ると自然と心がなごみます。だから絵本で動物が主人公だと、「この子はどんな性格かな?」「友だちになりたいな」と思いながら物語に入りこむことができます。
人間の気持ちを動物が伝えてくれる
動物たちは「うれしい」「かなしい」「こわい」「はずかしい」「くやしい」といった、人間と同じような感情を持っているキャラクターとして描かれます。動物に自分の気持ちを重ねることで、読んでいる子どもたちは心が動かされ、自分の気持ちの表し方も学ぶことができます。
現実と空想のバランスが絶妙にとれる
絵本の世界では、うさぎが空を飛んだり、ねこが話をしたり、きつねが不思議な魔法を使ったりします。動物ならではの自由な発想で、現実にはない夢のような冒険が描けるのが大きな魅力です。動物を主人公にすることで「本当に起こりそうだけど、ちょっと不思議な物語」を楽しめるのです。
どんな子にも自分を重ねやすい
動物たちは、人間とは違って「性別」や「国」や「年齢」がはっきり決まっていません。だから、いろいろな子どもが「もし自分だったら…」と想像して、主人公の気持ちを体験できるのです。
難しい話もやさしく伝えられる
動物のキャラクターは、難しい内容や大切なテーマも、やわらかく伝える手助けをしてくれます。たとえば命の大切さ、思いやり、協力する心などを、動物同士の関わりを通じて自然に学べます。
動物が出てくることで絵本から学べることがいっぱい!
ルールやマナー、社会のきまりを楽しく学べる
動物たちが順番を守ったり、仲間を思いやったりする場面を見て、「自分もこんなふうにしよう」と自然に感じることができます。動物たちの世界は、実は子どもたちが社会に出ていくための小さな“練習の場”にもなっています。
いろいろな性格や考え方に気づける
絵本の動物たちは、それぞれ個性や得意なこと、苦手なことを持っています。「この子はシャイだけど優しいな」「いたずら好きだけど本当は寂しがりやかも」など、友だちと違うところを認め合う大切さに気づきます。
困難やピンチに立ち向かう勇気や工夫を学べる
森で道に迷ったり、こわい相手に出会ったりする動物たち。そんな時も勇気や知恵、仲間との協力で困難を乗り越える姿を見て、「ぼくも、わたしも頑張ろう」と思える力がわいてきます。
命や自然の大切さを知るきっかけにも
動物たちが自然の中で生きている絵本は、自然や命の大切さ、食べものへの感謝などを学ぶ入り口にもなります。
よく登場する動物たちのキャラクターと役わりをくわしく!
くま:力もちでやさしい守り手
くまは大きな体で包み込むような安心感を与え、リーダーや保護者、お母さん・お父さんの象徴として登場することが多いです。時には主人公の悩みを受け止めてくれる大切な存在になります。
うさぎ:かしこくて思いやりのある仲間
うさぎは小さくて弱そうだけど、優しさや思いやり、勇気を持って困っている友だちを助けます。観察力が高く、気配り上手な主人公や、冒険の相棒としても人気です。
きつね:ずるがしこいけどどこか魅力的
きつねはいたずら好きで頭の回転が速く、物語にトラブルやスリルをもたらします。でも、その行動から大切なことを学ぶきっかけが生まれる、教訓を与えるキャラクターです。
ねこ:自由気ままで好奇心いっぱい
ねこは気まぐれで冒険好き、何かに夢中になったり一人で行動することも。新しい世界に飛び出す勇気や、知らない場所を探検するワクワクを表現しています。
いぬ:元気で仲間思いのヒーロー
いぬはいつも元気いっぱいで、仲間のために行動するリーダーや応援役として描かれます。みんなを助けたり、一緒に悩んだりできる頼れる存在です。
ぞう:おだやかで包容力のあるリーダー
ぞうはみんなをまとめる役割や、安心感・落ち着きを与えるキャラクターです。体が大きいことで「大きくて頼りになる存在」という印象を与えます。
りす:すばしっこくて観察力バツグンの小さな冒険者
りすは小さいけれど元気で行動的、知恵もはたらきます。情報通としてみんなをサポートしたり、楽しい冒険をくりひろげたりします。
さらに登場するさまざまな動物たち
たとえば、おおかみ(こわいけど本当はやさしいことも)、とり(自由に空を飛ぶ夢の象徴)、かめ(のんびり屋で長生きの知恵者)、カエル(変身や季節の移り変わりを表す)など、それぞれに物語の役割があります。
絵本と想像力・心の成長とのつながりをもっと深く!
空想の世界をどこまでも広げられる
動物たちが言葉を話したり、楽器を演奏したり、魔法を使ったりするのは現実にはありません。でも、「もしかしたら…」と想像することが、創造力や物語を作る力の出発点です。絵本は子どもたちの想像力のトレーニングジムなのです。
「もし自分だったら?」と考えることで心が豊かに
物語の中で動物に感情移入することで、自分の気持ちや、友だちや家族の気持ちを想像できるようになります。他の人の立場や考えを想像できる“思いやり”が、自然と身につくのです。
自分の気持ちや考えを表現するヒントがいっぱい
動物のキャラになりきることで、「今日はくまさんのようにやさしくなろう」「うさぎみたいにドキドキした」など、自分の気持ちを表現する練習にもなります。
言葉や読解力も伸びる
絵本は、動物たちの会話やストーリーの流れを通して、新しい言葉や表現、考える力を育てます。何度も読み返すことで、語彙力や物語を理解する力がどんどん伸びていきます。
絵や色、音など五感で楽しむ体験
絵本の動物たちはカラフルで表情豊か。絵や色づかい、音の表現など、目や耳、感覚を使って楽しむことで、想像の幅がさらに広がります。
表でわかる!絵本によく出る動物とそのイメージ&役わり
動物 | よくある性格 | 物語での役わり・特徴 |
---|---|---|
くま | 力もち、やさしい、頼りになる | 家族や保護者役、安心感を与える存在 |
うさぎ | おとなしい、思いやりがある | 主人公や親友、観察力や勇気を持つ |
きつね | ずるがしこい、知恵がある | トリックスターや教訓役、物語にひねりを与える |
ねこ | 自由気まま、好奇心が強い | 冒険心ある主人公、自由な旅人、独立心を表す |
いぬ | 忠実、元気で明るい、仲間思い | 応援役、親友、リーダーとしてみんなをまとめる |
ぞう | おだやか、包容力、リーダー的 | みんなをまとめる安心感あるキャラ |
りす | すばしっこい、観察力が高い | 小さな冒険者、情報通、盛り上げ役 |
おおかみ | こわいけど時にやさしい | こわい役や困難の象徴、でも時に仲間に変身 |
とり | 自由、希望の象徴 | 空を飛ぶ夢や新しい世界への入口、友だち役 |
かめ | のんびり屋、長生き、知恵者 | 時間や季節の流れ、昔話に登場する知恵キャラ |
カエル | 変身、季節の移り変わり | 主人公や脇役として変化や成長を表す |
まとめ:動物たちは絵本の世界を広げるかけがえのない仲間!
絵本に登場する動物たちは、かわいくて楽しいだけじゃなく、やさしさや勇気、思いやりや知恵など、たくさんのことを私たちに教えてくれます。物語を通じて、想像力や表現力、他人を思う心や困難に立ち向かう勇気も自然と身につきます。
次に絵本を読むときは、登場する動物たちに注目して「この動物にはどんな役わりがあるのかな?」「どんな性格やメッセージが込められているんだろう?」と考えてみましょう。そうすることで、絵本の世界がもっと深く楽しく、そして自分自身の想像力もどんどんふくらんでいきますよ!