電池ってなに?おもちゃにパワーをあたえるしくみ
電池の中にはエネルギーがある!
電池(でんち)は、小さな入れ物の中にエネルギー(ちから)がぎゅっとつまっています。このエネルギーが、わたしたちの身のまわりにあるたくさんのおもちゃや道具を動かすもとになっているのです。たとえば、車のおもちゃが走ったり、ぬいぐるみがしゃべったりするのも、すべてこの電池のおかげなんです。まるでおもちゃの”心ぞう”のように、大切な働きをしています。
電池を入れるとどうなる?
電池をおもちゃの中に正しく入れてスイッチを入れると、電池の中から電気が流れ出します。この電気は「プラス(+)」と「マイナス(−)」の2つの出口から出てきて、配線(はいせん)とよばれる細い線を通って、おもちゃの中のモーターやスピーカー、ライトなどに届きます。すると、それぞれの部品がはたらきはじめて、おもちゃが動いたり、音が出たり、光ったりするようになるのです。
電池はどうやって電気を作っている?
電池の中には、「金属(きんぞく)」と「電解液(でんかいえき)」という液体が入っています。これらがいっしょになると、化学反応(かがくはんのう)という特別な変化が起きて、電気が生まれるのです。見た目はただの筒でも、中では科学の力がせっせと電気を作ってくれているんですよ。ふつうの乾電池にも、たくさんのしくみがかくされているんです。
どうして電気でおもちゃが動くの?モーターのひみつ
モーターってなに?
モーターは、電気の力で動く小さな機械の部品です。電気が流れると、モーターの中にある磁石(じしゃく)とコイルが反応して、ぐるぐる回転しはじめます。この回転する力が、タイヤや歯車(はぐるま)を動かして、車やロボット、飛行機のおもちゃを動かすのです。モーターは、小さくてもとても強い力を出すことができます。
モーターの動きでおもちゃが動く
たとえば、電池で動く車のおもちゃでは、モーターがタイヤにつながっていて、モーターが回転するとタイヤもまわり、車が走り出します。ロボットのおもちゃでは、モーターが腕や足にくっついていて、動かすことで手をふったり歩いたりすることができます。つまり、モーターはおもちゃの「うごきの中心」なんですね。
音や光も電気で出せる!
モーターだけでなく、音を出すスピーカーや光るLEDライトも、電池の電気でうごきます。スピーカーは電気の信号を音にかえて、しゃべったり音楽を流したりできますし、LEDは電気が流れることでピカッと光ります。おしゃべりするぬいぐるみや、キラキラ光るブロックなどは、すべて電池のおかげで元気に動いています。
電池の種類とちがいを知ろう!
乾電池とボタン電池のちがい
電池にはいろんな形と大きさがあります。よく使われるのが「乾電池(かんでんち)」で、円柱(えんちゅう)のかたちをしていて、リモコンやラジコンカーなどに使われます。一方、「ボタン電池」は小さくて平べったく、丸いボタンのような形をしています。これは時計や小さなゲーム機など、スペースの少ないところで活やくしています。
くり返し使える電池もある
「充電式電池(じゅうでんしきでんち)」は、くり返し電気をためて使える電池です。スマートフォンやゲーム機、カメラなどに多く使われています。一度使いきっても、コンセントにつないで充電すれば、また新しい電気をためることができて、とてもエコで便利なんですよ。
電池には使い方がある
電池を使うときは、「プラス(+)」と「マイナス(−)」の向きをしっかり確認して、正しく入れることが大切です。まちがった向きで入れると、うごかなかったり、おもちゃがこわれたりすることがあります。また、古い電池をそのままにしておくと、液がもれてしまうこともあるので、こまめにチェックしましょう。
電池の電気が切れたらどうなるの?
電気がなくなると動かない
電池の中のエネルギーがすべて使われると、もう電気は出てきません。そうなると、おもちゃはうごかなくなってしまいます。そのときは、新しい電池にとりかえたり、充電式の電池ならもう一度充電して使うことが大切です。
電池の電気を長持ちさせるコツ
電池をながく使うためには、使わないときに必ずスイッチを切ることが大切です。また、しばらく使わないおもちゃは電池をはずしておくと、ムダな電気を使わずにすみます。さらに、さむいところでは電池の力が弱くなりやすいので、あたたかい場所で使うのもコツです。
電池の捨て方にもルールがあるよ
使い終わった電池は、ふつうのゴミ箱に捨ててはいけません。電池には金属や化学物質(かがくぶっしつ)が入っているため、決められた場所にある「電池回収ボックス」などに入れて、リサイクルしてもらいましょう。これも、地球をまもるために大切なマナーです。
電池のふしぎをもっと知ろう!かんたん実験と豆知識
レモンで電池が作れる!?
レモンに金属の板(たとえば銅と亜鉛)をさして、LEDライトをつなぐと、なんと光ることがあります。これは、レモンの中のすっぱさのもとである「酸(さん)」が、金属と反応して電気を生み出すからです。これは「果物電池(くだものでんち)」とよばれる楽しい実験です。おうちの人といっしょに安全に実験してみてください。
電気が通るものをさがしてみよう
電気はどんなものにも流れるわけではありません。金属や水など、電気を通すものと、通さないもの(たとえばゴムや木)があります。アルミホイルやえんぴつの芯(しん)などを使って、どれが電気を通すか調べてみましょう。科学のたんけんみたいでワクワクしますね。
電池がないときの工夫もある
昔は今のような電池がなかったので、ぜんまい(バネの力)や手まわしの仕組みを使って、おもちゃを動かしていました。今でもぜんまいじかけのおもちゃは、レトロでかわいくて人気があります。電気がなくても、工夫しだいでいろんな動きができるのです。
【まとめ】
電池は、おもちゃをうごかしたり光らせたり音を出したりするための、たいせつなエネルギーのもとです。電池の中で化学反応が起きて電気が作られ、それがモーターやスピーカー、ライトなどをうごかしています。
電池にはいろいろな種類や使い方があり、正しく使うことがとても大切です。また、電池のしくみや実験を通して、科学への興味や探究心を育てることもできます。
これからも、電池のひみつを楽しみながら学び、身のまわりの電気のふしぎに目を向けてみましょう。たのしく安全に、電池の世界をたんけんしていってくださいね!