【小学生向けに解説】月の満ち欠けはどうして起こる?仕組み・観察・自由研究まで“ぜんぶ入り”ガイド

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おもしろ雑学

夜空を見上げると、まんまるの満月ほそい三日月半分の半月と、月の形は毎日すこしずつ変化します。なぜ形が変わるの? それは、太陽の光地球・月のならび方がつくる“見え方のマジック”。

この記事では、満ち欠けの原理から形の名前観察のコツ行事や暮らしとの関係自由研究のアイデア安全・マナー先生・保護者向けの指導ヒントまで、小学生向けのやさしい言葉でくわしく解説します。


  1. 1.月の満ち欠けってなに?まずは全体像をつかもう
    1. 1-1 観察するとわかる“日ごとのちがい”
    2. 1-2 29.5日でひと回り(ひと月の語源)
    3. 1-3 形には順番と名前がある
  2. 2.なぜ形が変わるの?太陽・地球・月のならび方を理解しよう
    1. 2-1 月はいつも“まん丸”――見え方が変わるだけ
    2. 2-2 太陽の光+位置関係=明るい面の見え方
    3. 2-3 昼間の月/朝方・夕方の月もある
    4. 2-4 “見かけの動き”をイメージしやすくするコツ
  3. 3.形とよび名をおぼえよう:満ち欠けのステップ図鑑
    1. 3-1 新月→三日月→上弦の月(右半分)
    2. 3-2 十三夜→満月→下弦の月(左半分)
    3. 3-3 かけていく三日月→有明の月→新月へ
    4. 3-4 世界の呼び名・文化の小話
  4. 4.月はいつ見える?時刻・方角の“感じ方”を身につける
    1. 4-1 月の形とおおよその見え方(北半球基準)
    2. 4-2 南半球だと向きが“反対”に見えることがある
    3. 4-3 天気・季節と見え方の関係
  5. 5.やってみよう!観察ノート・実験・写真で“わたしの月研究”
    1. 5-1 観察ノート(毎日10分でOK)
    2. 5-2 おうち実験:ボール+ライトで満ち欠け再現
    3. 5-3 連続写真&タイムラプス
    4. 5-4 望遠鏡・双眼鏡で“表面のようす”を観察
    5. 5-5 さらに発展:星座・惑星といっしょに観察
  6. 6.月と暮らし:行事・自然・科学のつながり
    1. 6-1 行事や文化と月
    2. 6-2 潮の満ち引きと月(自然のリズム)
    3. 6-3 体験学習のアイデア
  7. 7.自由研究アイデア10(学年別の工夫つき)
  8. 8.安全・マナー・道具の使い方(重要)
  9. 9.先生・保護者向け指導メモ(活用のヒント)
  10. 10.月の満ち欠け 早見&比較表(保存版)
  11. 11.Q&A:月の“ギモン”を一気に解決!
  12. 12.用語辞典(むずかしいことばをやさしく)
  13. 13.まとめ:見上げるたびに“発見”がふえる空

1.月の満ち欠けってなに?まずは全体像をつかもう

**結論:月はいつも丸い。変わるのは“地球から見える光の当たった面の割合”**です。

1-1 観察するとわかる“日ごとのちがい”

  • きのうは三日月、きょうは太く、来週は半月――毎日少しずつ形が変化します。
  • この変化を**「満ち欠け」**といい、世界のどこでも見られます。

1-2 29.5日でひと回り(ひと月の語源)

  • 月の満ち欠けは約29.5日で一周します。
  • ※「1か月(ひと月)」という言葉の由来のひとつです。

1-3 形には順番と名前がある

  • 新月 → 三日月 → 上弦(右半分) → 十三夜 → 満月 → 下弦(左半分) → かけていく三日月 → 新月
  • 古くから季節や農作業、行事の目安にされてきました。

2.なぜ形が変わるの?太陽・地球・月のならび方を理解しよう

ポイント:月は自分では光らず、太陽の光を反射して光って見える。

2-1 月はいつも“まん丸”――見え方が変わるだけ

  • 月そのものは丸い天体。形が変形しているわけではありません。
  • 光が当たる面の見える割合が変わるため、形が違って見えます。

2-2 太陽の光+位置関係=明るい面の見え方

  • 太陽・地球・月がどんな角度でならぶかで、明るい面の“見える量”が変化。
    • 満月:地球から光る面を全面見ている。
    • 新月:地球から光る面がほとんど見えない
    • 半月(上弦・下弦):光る面を半分見ている。

2-3 昼間の月/朝方・夕方の月もある

  • 月は夜だけのものではありません。昼の青空に白く見える日も。
  • 出る時刻・方角は毎日すこしずつ変わります。

2-4 “見かけの動き”をイメージしやすくするコツ

  • じぶんが地球、卓上ライトが太陽、白い球がと考えると、位置関係のイメージがつかめます(詳しくは§5-2)。

3.形とよび名をおぼえよう:満ち欠けのステップ図鑑

3-1 新月→三日月→上弦の月(右半分)

  • 新月:空では見えない(またはとても見えにくい)。
  • 三日月:新月から2〜3日後。夕方の西の空に細い光の弓。
  • 上弦の月:新月から約1週間。右半分が光る「半月」。

3-2 十三夜→満月→下弦の月(左半分)

  • 十三夜:満月手前(または後)のほぼまん丸。日本では風情ある名月として愛されました。
  • 満月:新月から約2週間。夜空を明るく照らす丸い月。
  • 下弦の月:満月から約1週間後。左半分が光る「半月」。

3-3 かけていく三日月→有明の月→新月へ

  • かけていく三日月:細くなり明け方の東の空で見やすい。
  • 有明の月:夜があけても空に残る月。
  • やがて新月に戻り、満ち欠けはくり返します。

3-4 世界の呼び名・文化の小話

  • 日本の**十六夜(いざよい)**は、満月の翌日で「ためらい出づる月」。
  • 国や地域で満月に固有の名前があることも(例:収穫の月など)。

4.月はいつ見える?時刻・方角の“感じ方”を身につける

4-1 月の形とおおよその見え方(北半球基準)

形(よび名)見えやすい時刻見えやすい方角ひとことメモ
新月見えにくい太陽とほぼ同じ方向。昼に重なり見えない。
三日月(上弦前)夕方〜宵西の空夕焼けとならぶ細い光。写真映え。
上弦の月(右半分)夕方〜夜南の空新月から約1週間。半月の影がシャープ。
十三夜〜満月夕方〜明け方東→南→西とても明るく、一晩中の観察に最適。
下弦の月(左半分)深夜〜明け方南の空満月から約1週間。早起き観察向き。
かけていく三日月明け方東の空夜明け色に細い月が映える。

※ 正確な時刻・方角は日ごとに変化。天体アプリや暦で確認しましょう。

4-2 南半球だと向きが“反対”に見えることがある

  • 地球上での見る位置が変わるため、光る向き(右/左)がに感じられることがあります。

4-3 天気・季節と見え方の関係

  • 乾いた空気の日は輪郭がくっきり。湿度が高いとやわらかい光に。
  • 冬は空が澄み、クレーター観察に向く日が多いです。

5.やってみよう!観察ノート・実験・写真で“わたしの月研究”

5-1 観察ノート(毎日10分でOK)

  • 同じ時刻に空を見て、
    1. 形(スケッチ) 2) 方角 3) 高さ(手のひら法) 4) 天気 5) 気づいたこと
  • 1か月続けると、満ち欠けの流れがつかめます。

観察メモ例(テンプレ)

日付時刻形のスケッチ方角高さ天気ひとこと
9/318:30細い弓形西指3本分快晴夕焼けと月がならんだ

5-2 おうち実験:ボール+ライトで満ち欠け再現

  • 白い球=月/部屋の電灯=太陽/自分=地球
  • 体の前で球を持ち、身体の周りをゆっくり回すと、光の当たり方の違いで新月→満月→新月を再現できます。
  • まぶしさに注意し、目とライトの安全距離を保ちましょう。

5-3 連続写真&タイムラプス

  • 1日1枚、同じ場所・同じ時刻・同じ設定で撮影。
  • アルバムに並べると形の変化が一目でわかります。

5-4 望遠鏡・双眼鏡で“表面のようす”を観察

  • 半月の前後は、昼夜の境目(ターミネーター)にができ、**クレーター・山脈・海(暗い平原)**が立体的。
  • 手ぶれ防止に三脚手すりを活用。

5-5 さらに発展:星座・惑星といっしょに観察

  • 月の近くに木星・金星・土星がならぶ夜は**“共演”**が楽しめます。
  • 星座早見やアプリで並び方を調べてみよう。

6.月と暮らし:行事・自然・科学のつながり

6-1 行事や文化と月

  • 十五夜(中秋の名月):お団子・すすきでお月見。
  • 十三夜:日本独自の“後の名月”。栗や豆を供える風習も。

6-2 潮の満ち引きと月(自然のリズム)

  • 月と太陽の引力で海の水位が上下。
  • 新月・満月のころは潮の差が大きく、上弦・下弦のころは小さめ。

6-3 体験学習のアイデア

  • 近くの海や川で潮位の変化を観察し、月相とくらべる。
  • 郷土の行事と月の形の関係をしらべ、ミニ発表会。

7.自由研究アイデア10(学年別の工夫つき)

  1. 月相カレンダー作り(低学年):1か月のスケッチを色紙でまとめる。
  2. 影で測る月の高さ(中学年):指や手のひらスケールを統一し、グラフ化。
  3. 写真アルバム(中〜上):同条件撮影で形の変化を記録。露出メモも。
  4. おうち実験レポート(全学年):ボール+ライトで月相再現。図解つき。
  5. 潮位と月相の相関(上学年):気象庁データ等を用いて散布図に。
  6. ことばと月(国語×理科):十六夜・有明などの言葉を調査し小辞典に。
  7. 世界の満月の呼び名(社会×理科):地図にアイコンでプロット。
  8. 観察場所別の見え方(地理×理科):市街地と郊外で比較、空の明るさ計測。
  9. 望遠鏡で表面マップ(上):クレーター名を写し取り、レジェンド作成。
  10. 親子ワークショップ企画:観察会の進行表と安全計画をデザイン。

8.安全・マナー・道具の使い方(重要)

  • 夜道は安全第一:反射材・ライト・保護者同伴。
  • 近所への配慮:私有地や道路での長時間の立ち止まりに注意。
  • 道具:双眼鏡はのぞきながら歩かない。三脚は人の通行をさまたげない。
  • 健康:寒い夜は防寒、夏は虫よけ・水分
  • ※ 太陽観察をする場合は必ず専用フィルター。肉眼や望遠鏡で太陽を直視しない(本記事は夜間の月観察が中心)。

9.先生・保護者向け指導メモ(活用のヒント)

  • 学習目標:月の満ち欠けの原因(位置関係と反射)を言葉で説明できる。
  • 活動構成:①導入(写真提示)→②モデル実験→③屋外観察→④ふりかえり。
  • 評価の視点:連続記録の継続性、図解の正確さ、用語の使い分け
  • 個別配慮:撮影が難しい場合は共同アルバムを作成/語彙支援カード配布。

10.月の満ち欠け 早見&比較表(保存版)

段階形のようす地球からの見え方代表的な見やすい時刻観察ポイント
新月太陽と同方向ほぼ見えない月齢0。潮差が大きいことが多い。
三日月細い弓形夕方、西18時前後(季節で変動)地平線近く、空の赤と好相性。
上弦右半分が光る南で高い夜のはじめ影がくっきり、クレーター立体感。
十三夜ほぼ満月東からのぼる宵〜夜日本の“後の名月”。風情ある光。
満月まん丸一晩中夕〜明け方明るくにぎやか。写真は露出に注意。
下弦左半分が光る深夜〜明け方の南深夜〜朝早起き観察に最適。影のコントラスト。
有明・細月とても細い明け方、東夜明け前空の色のグラデーションと一緒に。

11.Q&A:月の“ギモン”を一気に解決!

Q1.月はどうして自分で光らないの?
A.月は岩石でできた天体太陽光の反射で明るく見えます。

Q2.満月の夜でも丸く見えないことがあるのは?
A.満月の瞬間は短く、天気や観察時刻でわずかに欠けて見えることがあります。

Q3.昼にも月は見える?
A.見えます。特に上弦・下弦のころは青空の月が見えやすいです。

Q4.日食・月食と満ち欠けのちがいは?
A.満ち欠け=毎日の見え方の変化。日食・月食=影が一直線に重なる特別な現象です。

Q5.南半球では向きが逆?
A.観察地点が変わると、光る向き(右/左)がに見える場合があります。

Q6.“月のうさぎ”はどこ?
A.満月の濃淡模様(月の海と呼ばれる暗い平原)が、うさぎに見えるという見立てです。国や文化で見える形の物語がちがいます。

Q7.満月は必ず15日?
A.月の動きは一定ではないため、満月の日は14日や16日になることもあります。


12.用語辞典(むずかしいことばをやさしく)

  • 満ち欠け:月の形が日ごとに変わること。
  • 上弦/下弦:半月のこと。北半球では上弦=右半分、下弦=左半分が光る。
  • 新月:光る面がこちらからほとんど見えない月。
  • 満月:光る面が全面見える月。
  • ターミネーター:月の昼と夜の境目の影の線。凸凹が目立つ観察の名所。
  • 月齢:新月からの日数(小数で表すことも)。
  • 月の海:月表面の暗い平原(海ではない)。
  • 潮の満ち引き:月と太陽の引力で海の水位が上下する現象。

13.まとめ:見上げるたびに“発見”がふえる空

月の満ち欠けは、太陽の光地球・月の位置関係がつくる、身近でダイナミックな自然現象です。名前を知る → 観察する → 実験で確かめる → 生活と結びつける、この順番で学ぶと理解がぐっと深まります。

まずは今夜の空を見上げ、形・方角・明るさを1行メモ。1か月後には“君だけの月図鑑”が完成します。家族や友だち、クラスのみんなと観察会を開いて、空の物語を分かち合いましょう。

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