【防災】災害時にスーパーでなくなるものは?事前に備えるべき必需品リスト

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防災

大地震・台風・豪雨などの直後、SNSやニュースよりも先に店頭の棚が空になるのが現実です。背景には、需要の急増と物流の停滞が同時に起きる構造的な理由があります。仕組みを知ったうえで、品切れの順番と代替策を理解し、数量設計・置き場所・ローテ運用まで決めておけば、混雑や買い占めの連鎖に巻き込まれずに済みます。本稿では、最初に消える食品・飲料・衛生用品・燃料/電源とその代替品、家族構成別の必要量0〜48時間の行動計画、さらに在宅/車中泊/避難所のシーン別の回し方まで、表とチェックリストで“実務”に落とし込みます。


  1. 1. なぜ“店からモノが消える”のか(しくみを知る)
    1. 1-1. 需要ショック×供給ショックの同時発生
    2. 1-2. インフラ依存度の高い品から止まる
    3. 1-3. 曜日・時間帯・地域差の影響
    4. 1-4. SNS拡散による“二次的買い占め”
    5. 1-5. 時系列で見る“棚が空く”プロセス
    6. 1-6. 事前に断つ“買い占め”の連鎖
  2. 2. 食料品で最初に消えるものと“代替”設計
    1. 2-1. 主食・エネルギー源(長期保存・加熱不要が主役)
    2. 2-2. たんぱく質・おかず(開けてすぐ食べられる)
    3. 2-3. 甘味・塩味・野菜の“バランサー”
    4. 2-4. アレルギー・宗教・健康配慮の代替案
    5. 2-5. 水が少ない時の“3日ミニメニュー”例
    6. 2-6. 停電時の“先に食べる”優先順位
  3. 3. 飲料・衛生・生活用品で消えるもの(水が“鍵”)
    1. 3-1. 水・飲料(まず最初に消える)
    2. 3-2. トイレ・衛生・清掃(感染を止める装備)
    3. 3-3. 照明・防寒(夜と寒さを乗り切る)
    4. 3-4. 手洗いステーションの作り方(断水時)
    5. 3-5. 女性・乳幼児・介護の専用品(先に消える)
    6. 3-6. ペット用品(忘れがち)
  4. 4. 燃料・電力・通信で消えるもの(熱源と充電)
    1. 4-1. 調理/加熱の燃料(“継続”を確保)
    2. 4-2. 充電・蓄電(情報と連絡の“命綱”)
    3. 4-3. 電池規格と変換アダプタ(枯渇対策)
    4. 4-4. 充電システム設計例(家庭/車/屋外)
    5. 4-5. 節電プロトコル(通信を“長持ち”させる)
    6. 4-6. 安全注意(CO・火災・延長コード)
  5. 5. 48時間アクションと“家族別”備蓄設計(まとめ兼実行編)
    1. 5-1. 直後〜48時間の行動タイムライン
      1. 48時間以降〜7日までの運用
    2. 5-2. 家族タイプ別・7日分の“最低ライン”早見表
      1. 追加配慮(持病・アレルギー・ペット)
    3. 5-3. 収納と分散配置(取れる場所に“ある”)
    4. 5-4. ローリングストック運用ルール(迷わない)
    5. 5-5. よくある誤算と回避策(Q&A)
    6. 5-6. 買い出しの動線テンプレ(混雑を最短で抜ける)
    7. 5-7. コピーして使える“即応チェックリスト”
    8. 5-8. まとめ|“先に買う・使いながら回す”が最適解

1. なぜ“店からモノが消える”のか(しくみを知る)

1-1. 需要ショック×供給ショックの同時発生

発災直後は需要が10〜数十倍に跳ね上がる一方、物流は道路封鎖・検品停止・停電で細ります。結果として、並べる速度<買う速度となり、棚が一気に空に。特に長期保存・加熱不要・すぐ飲める商品の優先度が上がります。

1-2. インフラ依存度の高い品から止まる

冷蔵/冷凍ケース・POS・キャッシュレスは電力依存のため、停電時は冷凍食品・氷・生鮮が販売制限。燃料は危険物扱いで補給が遅れ、ガソリン・灯油・ボンベが枯渇しやすくなります。地域によっては1週間以上補充が途絶えるケースもあります。

1-3. 曜日・時間帯・地域差の影響

配送が集中する午前〜昼過ぎは一瞬在庫が戻ることも。沿岸部・山間部や一本橋/トンネル依存エリアは物流復旧が遅れがち。都市は需要密度が高く、郊外は店舗数が少ないため一店あたりの在庫が早く尽きます。

1-4. SNS拡散による“二次的買い占め”

「○○が不足」という情報が拡散されると、直接被災していない地域でも買いが集中し、広域的品薄が発生します。事前に家の最低ラインを用意し、情報に踊らない仕組みを作るのが最善です。

1-5. 時系列で見る“棚が空く”プロセス

経過時間店頭の変化優先的に消えるもの対応の軸
0〜6時間長蛇の列・現金支払い集中水・主食・電池・ボンベ手持ちの在庫確認・節約運用開始
6〜24時間部分的に補充も即完売レトルト・缶詰・紙類・簡易トイレ在庫の“先に食べる”計画を作る
24〜72時間物流遅延で棚が空白照明・防寒・衛生・燃料家/車/職場の分散在庫に切替

1-6. 事前に断つ“買い占め”の連鎖

家で最低3日、できれば7日を“触らず持てる”ようにし、ローリングストックで自然に入れ替え続けるのが最強です。次章から何が早く消えるか→何をどれだけ持つかを具体化します。


2. 食料品で最初に消えるものと“代替”設計

2-1. 主食・エネルギー源(長期保存・加熱不要が主役)

カテゴリ具体例よく消える理由1人×7日目安代替/補完注意点
主食(即食/簡便)レトルトご飯、パックご飯、アルファ米、即席麺、カップ麺水/火の制約下で食べやすい主食7〜14食アルファ米(水戻し可)、クラッカー、乾パン即席麺はも消費、スープは塩分過多に注意
パン類食パン、ロール、缶入りパン朝食・子ども向け需要集中4〜7食ロングライフパン、缶パン早期に消費→缶パンへ切替
穀物バーカロリーメイト、プロテインバー片手で食べられ保存性高7〜14本ナッツ、ドライフルーツ水分と併用で咀嚼負担軽減

2-2. たんぱく質・おかず(開けてすぐ食べられる)

カテゴリ具体例1人×7日目安代替/補完調理有無備考
魚/肉缶ツナ、サバ、焼き鳥、ミートボール7缶レトルトおでん、豆缶不要油は調理に再利用可
レトルトカレー、親子丼、中華丼、ハンバーグ7袋具だくさんスープ不要/温め推奨ご飯・クラッカーにオン
フリーズドライ味噌汁、スープ、雑炊7〜14食粉末スープお湯/水戻し水温で時間が変動

2-3. 甘味・塩味・野菜の“バランサー”

カテゴリ具体例役割1人×7日目安備考
甘味羊羹、チョコ、ようかんバーエネルギー/気分転換7〜14個夏場は溶けにくい甘味を
塩味/ミネラル塩タブレット、梅干し発汗時の補給適量スポドリと併用
野菜補助野菜ジュース、青汁粉末微量栄養素7本/14包便秘対策にも有効

2-4. アレルギー・宗教・健康配慮の代替案

配慮事項代替食品例備蓄のコツ
小麦/乳アレルギー米粉パン、無乳成分レトルト、グルテンフリーパスタ専用箱に分けて混用を防ぐ
ベジタリアン/宗教食豆缶、レンズ豆、野菜カレー、海藻スープたんぱく質は豆+ナッツで補う
低塩・糖尿の配慮塩分控えめ缶、無糖飲料、全粒粉バー栄養成分を外装に大きくメモ

2-5. 水が少ない時の“3日ミニメニュー”例

食事1日目2日目3日目
ロングライフパン+ツナ缶クラッカー+ピーナッツ缶パン+野菜ジュース
アルファ米+レトルトカレー乾パン+缶詰スープアルファ米(冷水戻し)+さば缶
レトルト丼+味噌汁FD具だくさんスープ+バーレトルトおでん+クラッカー
※飲水は3L/日を厳守。調理は湯せん中心で水の再利用を。

2-6. 停電時の“先に食べる”優先順位

  1. 冷蔵庫の要冷蔵(乳製品→惣菜→加熱で再生)→ 2) 冷凍庫(解凍が始まる順に)→ 3) 常温保存に移せるもの → 4) 非常食。この順で廃棄ロスを最小化します。

3. 飲料・衛生・生活用品で消えるもの(水が“鍵”)

3-1. 水・飲料(まず最初に消える)

カテゴリ具体例1人×7日目安代替/補完備考
飲料水2L/500ml保存水21L(3L/日)折りたたみタンク+浄水器生活用水は別枠で確保
電解質スポドリ、経口補水粉末7本/7包〜粉末型が省スペース高齢者/子ども優先
温飲料粉末スープ、ココア、ほうじ茶適量熱源があれば心理的回復カフェイン摂り過ぎ注意

3-2. トイレ・衛生・清掃(感染を止める装備)

カテゴリ具体例1人×7日目安代替/補完ポイント
簡易トイレ凝固剤+防臭袋20〜30回分新聞紙+袋(応急)におい対策がカギ
紙類トイペ、ティッシュ、キッチンペーパー1〜2ロール/箱ウエス再利用防湿・つぶれ防止収納
除菌アルコール、ウェット、次亜塩素酸300ml〜1L/週石けん/固形手指→共有面の順で運用

3-3. 照明・防寒(夜と寒さを乗り切る)

カテゴリ具体例1世帯目安代替/補完注意点
照明LEDランタン、ヘッドライト、電池ランタン2、ヘッド3、電池多数ソーラー/手回し単1/単2は先に枯渇
防寒カイロ、ブランケット、寝袋カイロ1人30個〜アルミシート+タオル低温やけど注意
目隠しレジャーシート、カーテン、テープ各1〜2タオル連結避難所のプライバシー確保

3-4. 手洗いステーションの作り方(断水時)

  • 折りたたみタンク+蛇口コック+受けバケツで簡易手洗いを設置。
  • 手指の順番は「流水→石けん→指先→指間→親指→手首→流水仕上げ」。水が乏しい場合は、アルコール→ウェット→乾拭きで代替。

3-5. 女性・乳幼児・介護の専用品(先に消える)

区分必需品7日分の目安代替策
女性生理用品、サニタリー袋サイクル1回分使い捨て/布ナプキン併用
乳幼児粉ミルク、ベビーフード、オムツ、おしり拭きミルク缶1、離乳食21食、オムツ1袋スポイト/計量スプーンを同梱
介護介護食、とろみ剤、失禁用品、手袋食21、パッド/パンツ十分量口腔ケアシートも追加

3-6. ペット用品(忘れがち)

ペットフードその他
猫/犬7〜14日分3L/日換算で家族分に加算トイレ砂/袋/首輪/予備リード

4. 燃料・電力・通信で消えるもの(熱源と充電)

4-1. 調理/加熱の燃料(“継続”を確保)

カテゴリ具体例1人×7日目安代替/補完注意点
カセットボンベ250g CB缶3本以上固形燃料、アルコール換気・缶過熱NG
固形燃料20〜25gタブレット7〜14個アルコールストーブ五徳・耐熱台用意
着火具使い捨てL、トーチ、マッチL2〜3/週防水マッチ子ども手の届かない場所

4-2. 充電・蓄電(情報と連絡の“命綱”)

カテゴリ具体例1世帯目安代替/補完ポイント
モバイル電源10,000〜20,000mAh2〜3台シガー充電機内持込規格内を複数
ポータブル電源300〜1000Wh1台ソーラーパネル家電の定格Wを確認
ソーラー/手回し10〜100Wパネル、手回しラジオ天候次第車の走行充電雨天用に予備手段

4-3. 電池規格と変換アダプタ(枯渇対策)

  • 単1/単2が先に売り切れるため、単3→単1/2に変換できるスペーサーを常備。
  • 懐中電灯・ラジオは単3/単4で動く機種を選ぶと調達が容易。

4-4. 充電システム設計例(家庭/車/屋外)

シーン主電源補助バックアップ
家庭ポータブル電源ソーラーパネル車のシガー充電
車中泊走行充電モバイル電源手回しラジオ
屋外ソーラーモバイル電源予備バッテリー

4-5. 節電プロトコル(通信を“長持ち”させる)

  • スマホは低電力モード位置情報/常時通信アプリを停止
  • 家族で充電順序を決め、夜間は機内モードで待機時間を延長。
  • 写真・動画は必要最低限、通信はテキスト優先に。

4-6. 安全注意(CO・火災・延長コード)

  • 室内加熱は換気必須CO警報器があると安心。
  • 延長コードは定格W超え禁止、ポタ電の過放電に注意。
  • 火気は可燃物から1m離隔、就寝前に完全消火

5. 48時間アクションと“家族別”備蓄設計(まとめ兼実行編)

5-1. 直後〜48時間の行動タイムライン

  • 0〜6時間:安全確認→水の確保(風呂/給水)→冷蔵庫の“先に食べる”運用→モバイル充電を満タンに。
  • 6〜24時間熱源テスト(500mlを一度沸騰)→LED/ランタン配置→トイレ運用開始(防臭袋+凝固剤)。
  • 24〜48時間:家族の1日メニュー表と配給/買い物の分担表を作成→電池・水・ボンベの残量点検。

48時間以降〜7日までの運用

  • 3〜4日目:水・主食・たんぱく質の残量均等化、甘味・スープで気分の波をならす。
  • 5〜7日目:ローリング再開に向け、次の補充計画賞味期限の棚卸しを実施。

5-2. 家族タイプ別・7日分の“最低ライン”早見表

家族タイプ飲料水主食たんぱく質レトルト/FDボンベカイロトイレ回数備考
単身(大人)21L14食7缶7袋3本10〜2020〜30バー/ナッツ追加
夫婦42L28食14缶14袋6本40〜6040〜60役割分担表を作る
4人(子2)84L56食28缶28袋12本80〜12080〜120子ども用スナック/粉ミルク
3世代(5〜6人)105〜126L70〜84食35〜42缶35〜42袋15〜18本120〜180120〜180介護食・やわらか食

追加配慮(持病・アレルギー・ペット)

  • 持病:常備薬は**+7〜14日分**、粉末経口補水、低塩レトルト。
  • アレルギー:専用品は混在させない箱で保管、調理器具も分ける。
  • ペット:フード+水+トイレ用品、迷子札の情報更新。

5-3. 収納と分散配置(取れる場所に“ある”)

  • 玄関:持ち出し用(リュック)…水500ml、バー、ランタン、ボンベ、トイレ3回分。
  • キッチン:調理中核…CB缶、固形燃料、レトルト、缶詰、ラップ/ホイル、紙食器。
  • 寝室:夜間用…LED、飲料500ml、カイロ、簡易トイレ、タオル。
  • :帰宅困難対策…水2L×3、非常食、モバイル電源、ケーブル、タオル/レイン。

5-4. ローリングストック運用ルール(迷わない)

  1. 毎月1回:期限チェック→古い順に週末で消費→同量を補充。
  2. 季節替わり:夏=スポドリ比率↑、冬=カイロ/スープ比率↑。
  3. 使用ログ:冷蔵庫やアプリに水・ボンベ・電池の残量をメモ。
  4. 買い物テンプレ:欠けたら**「水2L×6、缶×6、レトルト×6、バー×6」**を基本単位で補う。

5-5. よくある誤算と回避策(Q&A)

誤算何が起きるどう防ぐ
水が足りない便秘・体調悪化生活用水を別枠で確保、粉末飲料で少量の水を有効活用
電池規格が合わない照明が使えない単3ベースに統一、スペーサー常備
食が単調で子どもが食べない摂取カロリー不足甘味/スープ/缶フルーツで“ごほうび枠”を用意
トイレに困るにおい・衛生悪化凝固剤+防臭袋を先に確保、使い方を家族で共有
調理に時間がかかる燃料の無駄湯せん+蓋、鍋を一つに、食器はラップで汚さない

5-6. 買い出しの動線テンプレ(混雑を最短で抜ける)

  1. 水→ボンベ→レトルト/缶→紙類→除菌→甘味の順で回り、電池は先に単3を確保。
  2. 在庫が無ければ粉末飲料・クラッカー・豆缶・乾物で代替。
  3. 会計は現金も可に(停電や回線不良でキャッシュレス停止に備える)。

5-7. コピーして使える“即応チェックリスト”

  • □ 水21L/人 □ スポドリ粉末 □ ロングライフパン/缶パン
  • □ アルファ米14食/人 □ レトルト7袋/人 □ 魚/肉缶7缶/人
  • □ 野菜ジュース7本/人 □ バー7〜14本/人 □ 甘味(羊羹等)
  • □ カセットボンベ3本/人 □ 固形燃料10〜14個 □ 着火具
  • □ 簡易トイレ20〜30回/人 □ 防臭袋 □ 紙類(TP/ティッシュ)
  • □ LEDランタン/ヘッドライト □ 単3電池多数+スペーサー
  • □ 除菌アルコール/ウェット □ ラップ/ホイル/紙食器
  • □ 常備薬+経口補水 □ 生理用品/オムツ □ ペット用品

5-8. まとめ|“先に買う・使いながら回す”が最適解

災害は需要の同時多発供給のブレーキで、最初に水・主食・トイレ・燃料・照明が消えます。だからこそ、平時から7日分を家/車/職場に分散し、ローリングストック自然に入れ替える——これだけで、売り切れの列に並ぶ必要はありません。今日やるべき3つは、(1) 水21L/人の置き場所を決める(2) ボンベ3本/人とトイレ30回/人を確保(3) 500mlの湯を一度沸かして装備の実力を確認。次の揺れや台風が来ても、あなたの食卓と夜の明かりは守られます。

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