風害って何?小学生向けにわかりやすく解説!

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防災

風害(ふうがい)は、とても強い風で人や町に被害(ひがい)が出ることです。台風(たいふう)や低気圧(ていきあつ)、竜巻(たつまき)などが近づくと、木がたおれたり、物が飛んだり、電気が止まったりします。でも、しくみを知って、前もって準備すれば、自分や家族を守ることができます。このページでは、小学生にもわかる言葉で風害のしくみ・影響・安全に過ごす方法をたっぷり解説します。読みおわるころには、**「何をすればいいか」**が自分で考えられるようになります。


風害の基本|どうして強い風がふくの?

風ってそもそも何?

空気(くうき)は目に見えませんが、地球のまわりにふとんのように広がっていると思ってください。あたたかい空気はかるく上へつめたい空気はおもく下へいこうとします。この入れかわりで空気が横に動くと、それがになります。つまり、風は空気の大移動なのです。

台風や低気圧で風が強くなるわけ

台風や低気圧は空気のよわいところ(気圧が低い)をつくります。空気はつよいところ(高気圧)からよわいところ(低気圧)へ動くため、はやい風が生まれます。台風が近づくほど風の向きがかわり、急につよくなります。雨雲(あまぐも)といっしょに来るので、風と雨のダブルの危険が起こりやすくなります。

竜巻・突風が起きるしくみ

空の高いところと地表であたたかさや風の向きが大きくちがうと、空気がグルグルまわって柱(はしら)のように立ち上がることがあります。これが竜巻(たつまき)です。狭い道のようなところでは突風(とっぷう)がうまれ、一気に物をふきとばす力になります。どちらも短い時間でもとても危険です。

風が強くなりやすい場所

海や田んぼのように広い場所川ぞい・橋の上は、さえぎる物が少ないので風が一直線に走って強くなります。高いビルのあいだでは、ビル風ができてよけいに速い風になります。山のおろし風がふく地域では、夜に急に強風になることもあります。

風速と影響の目安(イメージ)

風速のめやす体感・身の回りのようす危険のレベル
10m/秒前後ふんばらないと歩きにくい。傘がさしにくい。注意:看板や木の枝に近づかない
20m/秒前後まっすぐ立つのがむずかしい。小さな物が飛びはじめる。警戒:外出をやめて屋内へ
30m/秒以上木が折れる。屋根・トタン・看板が飛ぶことがある。危険:命を守る行動が必要

豆知識:ニュースで聞く**「瞬間風速」は、一番強くふいた一瞬の風のことです。同じ場所でも普段の風速よりずっと強くなる**ので、油断は禁物です。


風害がもたらす影響|家・町・からだに何が起きる?

飛来物(ひらいぶつ)と転倒の危険

強い風は木の枝、看板、ゴミ箱、植木鉢などを空へ飛ばすことがあります。目に見えない小石や破片がとんで目や顔に当たることも。自転車やバイクが倒れると、けがにつながります。外へ出ない、出るときはヘルメットやフードをかぶるなど頭と目を守ることが大切です。

停電(ていでん)・交通のまひ

電線が切れる、木が電線にたおれると停電が起きます。信号機が消えると、車や人の動きがとても危険になります。電車が止まる、道路が通行止めになることも多いので、むりに移動しないことが安全です。エレベーターに乗るのもできるだけひかえ、階段を使うのが安心です。

建物・まど・屋根の被害

窓ガラスがわれる、屋根の一部がはがれる、雨どいがこわれるなど、家の外側の被害が起きやすくなります。風で小石や枝がぶつかるとガラスが割れやすいので、カーテンや雨戸ガラスの飛びちりを防ぐことがポイントです。ベランダの物干し台やアンテナも倒れやすいので要注意です。

場所別に強くなる風の例

場所なぜ強くなる?とくに気をつけること
海・川・田んぼの近くさえぎる物が少なく、風が一直線に走る橋の上や河川敷には近づかない
高いビルのあいだ風がしぼられて速くなる(ビル風)角(かど)やビル入口はとくに強い
山のふもと・谷気温差で強いおろし風が出る夜でも急な強風に注意
住宅街の曲がり角建物で曲げられた風が集まる自転車は押して歩く

近づく前の準備|家と家族を守る下ごしらえ

家の中と外をチェック

まずベランダ・庭の物を片づけて固定します。物干し、植木鉢、ゴミ箱、子どもの遊具屋内へ窓はしっかり閉めてカーテンをおろし、必要なら養生テープで**×印に補強して飛びちりをへらす準備をします。雨戸やシャッターがあれば早めに閉める**のがコツです。排水口や側溝(そっこう)の落ち葉も取りのぞいて、雨水がスムーズに流れるようにします。

家族で避難(ひなん)プラン

強風警報が出たら出歩かないを合言葉にし、連絡がとれないときの集合場所を決めます。近くの避難所や**風に強い建物(鉄筋コンクリートの公共施設など)**を地図で確認。夜に強まる予報なら、明るいうちに必要な移動をすませる計画にします。ペットがいる家庭は、キャリーやリード、エサと水をすぐ持ち出せるところにまとめておきます。

すぐ持てる「強風セット」

品目使いみち目安
懐中電灯(ヘッドライト)停電時の手元・足元を照らす家族分
モバイルバッテリースマホの充電1台以上
レインコート・防水帽子体をぬらさず体温を守る1人1セット
作業用手袋・ゴーグル飛来物・破片から手と目を守る各1
笛(ホイッスル)風音で声が届かない時の合図1人1個
応急手当セットこすり傷・切り傷に対応1セット
乾電池・ラジオ情報収集と停電対策予備を多めに
飲み水・軽食外に出られない時の備え1〜2日分

ポイント:かさ(傘)は強風で壊れて危険なので、カッパを使いましょう。懐中電灯は手で持つタイプより頭につけるタイプだと、両手が自由になります。


風害の最中|安全にすごす行動ルール

家のなかでのすごし方

窓からはなれた部屋で過ごし、ガラスの近くに寝たり座ったりしないようにします。テレビやラジオ、スマホの警報をこまめにチェックし、停電に備えて電池を温存します。冷蔵庫はなるべく開けないと、中の冷たさが長もちします。ペットがいる家はケージに入れるか、ハーネスとリードを装着して急な物音で飛び出さないようにしましょう。

どうしても外出が必要なとき

外に出るときはレインコートとすべりにくい靴両手があくリュックを使います。看板・のぼり・工事足場・大きな木の下はさけ、橋の上や海辺、川べりには近づきません。自転車は押して歩くか、外出自体を見なおすのが安全です。車は**冠水(みずがたまった道)**で急に止まることがあるので、運転はしないのが基本です。

学校・登下校の注意

先生の指示にしたがい、校舎内では窓側に近づかないようにします。登下校は風が強い道(橋・川沿い・ビル風の通り)をさける別ルートを選び、友だち同士で離れないこと。帽子やフード顔を守り荷物は体にぴったりとつけましょう。下校時間が心配なときは学校からの連絡をよく聞き、むりに帰らないことも大切です。


風がやんだ後|外に出る前と片づけのコツ

外に出る前の安全確認

空のようす(まだ黒い雲がないか)電線が垂れていないか屋根の破片やガラスが落ちていないかを窓の中から目で確認します。冠水(みずがたまっている道路)や倒木がある道は通らず、むりせず遠回りを。においがガスっぽいと感じたら、火を使わない・スイッチを入れないで、大人に知らせるようにします。

片づけとけがの予防

片づけは軍手や厚手のゴム手袋、長そで・長ズボン、ゴーグルで行い、ガラスや釘の破片に注意します。脚立(きゃたつ)で屋根にのぼる作業は大人でも危険なので、専門の人に相談しましょう。水にぬれた電気製品乾くまで電源を入れないでください。家の写真をスマホで撮っておくと、後で直すときの記録になります。

情報の集め方と心のケア

自治体の防災情報、気象情報、学校からのお知らせを確認し、うわさにまどわされないようにします。こわい思いをしたら、家族や先生に話して気持ちを落ち着けることも大切です。「もう大丈夫」と言われるまで無理をしないで過ごしましょう。眠れないときは、ぬるい飲み物を少しとって、深呼吸をしてみましょう。


よくある質問Q&A|これって本当?

Q. 台風の「目」に入ったら外に出てもいいの?
A. だめです。 目の中は一時的に静かでも、すぐにまた強い風と雨がきます。外に出ず、次の強風にそなえましょう。

Q. 窓を少し開けておくと家がこわれにくいって聞いたけど?
A. 開けないでOK。 今の家はしっかりしまっている方が安全です。カーテンを閉めることが大切です。

Q. 強い風のとき傘は使っていい?
A. おすすめしません。 傘はすぐこわれて飛ばされます。レインコートを着ましょう。

Q. ベランダの物は重しを乗せれば大丈夫?
A. できれば家の中へ。 重しをしても風でずれて落ちることがあります。室内に移動させるのが一番です。


ミニテスト|身を守る3つのチェック

  1. 強風警報が出たら、まず何をする? → 外に出ないで家の中を安全にする。
  2. ガラスが割れたときにそなえて、普段から何をしておく? → カーテンを閉めておく。養生テープで補強する。
  3. 登下校のルートはどう選ぶ? → 橋や川沿い、ビル風の通りをさける道にする。

まとめ|風害から身を守るために

風害は“知って・そなえて・はやく動く”で守れる災害です。覚えておきたい合言葉は、「外に出ない」「窓をしめる」「飛ばされる物をしまう」。強い風の予報を聞いたら、家の外を片づけ、カーテンを閉め、強風セットを手元に。家族と避難の場所・連絡方法を決めておけば、いざという時にも落ち着いて行動できます。いまこの瞬間からできることをひとつ始めて、あなたと家族のいのちを守りましょう。

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