夏の暑さ対策やスポーツ時の塩分補給として人気の「塩飴(しおあめ)」。コンビニやスーパーでも手軽に手に入り、水分と一緒に摂ることで熱中症予防にもつながるとして広く知られています。しかし、「塩飴をなめすぎると塩分の摂りすぎにならないの?」と不安を抱く人も少なくありません。
この記事では、「塩飴はどれくらいまでなら大丈夫なのか?」「なめすぎたら体にどんな影響があるのか?」などの疑問を軸に、健康との関係や正しい摂取方法まで、詳しく・分かりやすく解説します。
1. 塩飴とは?なぜ人気なのか
熱中症対策に有効なアイテム
塩飴とは、砂糖に塩分(主に食塩や塩化ナトリウム)を加えたキャンディで、特に暑い季節やスポーツ後の塩分補給に適したお菓子として知られています。汗をかくと体から水分とともにナトリウムも失われるため、塩飴でそれを補うことができるのです。
近年ではレモン味や梅味など、さっぱりとしたフレーバーも人気となっており、飴としての“おいしさ”も大きな魅力となっています。
水と一緒に摂るのが基本
塩飴をなめることで失われた塩分を補うことはできますが、同時に水分を摂取することが非常に重要です。塩分だけを摂っても体内のバランスは整いません。塩飴+水、あるいは経口補水液との併用が推奨されます。
2. 塩飴の塩分量はどれくらい?
1粒に含まれるナトリウム量の目安
塩飴1粒あたりに含まれる塩分量(ナトリウム)は商品によって異なりますが、一般的には100~200mg程度が目安です。食塩換算では約0.25〜0.5g程度にあたります。これは食事における味噌汁1杯分の1/10〜1/5程度に相当します。
少量なら体に悪影響を及ぼすことはありませんが、1日に何粒も食べると、知らないうちに塩分過多となる可能性があります。
塩分の一日の摂取基準と比較
日本人の食事摂取基準では、成人男性で1日7.5g未満、女性で6.5g未満が目安とされています。塩飴を5粒食べれば1〜2gの塩分を摂取することになり、他の食事内容によってはあっという間に基準を超えてしまうこともあります。
3. 塩飴のなめすぎがもたらす体への影響
高血圧やむくみのリスク
塩分の過剰摂取は、体内のナトリウム濃度を高め、血圧を上昇させる原因となります。特に高血圧気味の方や腎臓に不安がある方にとっては、塩飴の“なめすぎ”は健康リスクとなる可能性があります。
また、塩分を摂りすぎると体が水分を溜め込みやすくなり、顔や手足の「むくみ」が出やすくなることもあります。
胃腸への負担や喉の渇き
塩分の多い食品を摂ると胃の粘膜に刺激を与えやすく、胃もたれや不快感を感じる場合があります。また、ナトリウム濃度が高くなることで喉の渇きも促進されます。
水分補給が不十分なまま塩飴だけを大量に摂ると、逆に脱水を招くリスクもあるため、注意が必要です。
小児や高齢者は特に注意を
体の水分調節機能が未熟な子どもや、腎機能が低下している高齢者は、塩分の影響を受けやすいため、塩飴の摂取量にも配慮が必要です。味が気に入ってしまうと“お菓子感覚”で大量に摂取してしまうケースもあり、家族の見守りが求められます。
4. 正しい塩飴の摂り方とおすすめのタイミング
暑い日やスポーツ時に適量を
塩飴は、炎天下での作業時やスポーツをした後、たくさん汗をかいたときなど、体からナトリウムが失われているタイミングで摂るのが基本です。目安としては、1時間以上の運動や野外活動のあとに1〜2粒程度が適量とされています。
必要以上に摂るのではなく、「汗をかいた量」と「水分摂取のバランス」を考慮して摂ることがポイントです。
食事とのバランスを意識する
1日の塩分摂取量は、食事からの摂取がほとんどを占めるため、塩飴を取り入れる際は“その日何を食べたか”を意識することが大切です。例えば、ラーメンや漬物など塩分の高い食品を摂った日は、塩飴を控えるなどの工夫が求められます。
水分と一緒に摂取する
塩飴だけをなめるのではなく、必ず水や麦茶、スポーツドリンクなどと一緒に摂取しましょう。ナトリウムと水分を同時に補給することで、体内の電解質バランスを整え、効率よく熱中症対策を行うことができます。
5. 塩飴と上手につきあうためのポイントまとめ
飴=お菓子という意識を持つ
塩飴は健康目的で摂られることも多いですが、あくまで“飴=糖分を含むお菓子”です。糖質の過剰摂取にもつながるため、毎日何粒もなめ続けるのは控えましょう。適量を守ることが最大の健康対策です。
体調や体質に合わせて判断する
高血圧、腎疾患、糖尿病などの持病がある方は、塩飴の摂取を医師に相談することも大切です。また、体質的に塩分を摂りすぎやすい人は、ノンソルトや控えめタイプの商品を選ぶなどの工夫も有効です。
“なめすぎ防止”の工夫も有効
袋入りの塩飴を持ち歩くと、ついつい何粒も口にしてしまいがちです。1日分を小分けにする、目の届かないところに保管する、他の水分補給手段を用意するなど、“なめすぎ予防”のための習慣化も心がけましょう。
まとめ|塩飴の適量と賢い活用が健康を守るカギ
塩飴は、暑い日や発汗時の塩分補給に効果的なアイテムですが、なめすぎると塩分や糖分の過剰摂取につながり、健康を害するリスクも伴います。特に高血圧や腎臓疾患を抱えている人、小さな子どもや高齢者は注意が必要です。
大切なのは「タイミング」と「量」を見極めること。塩飴は“補助的な塩分補給手段”として賢く活用し、水分とのバランスを意識しながら、健康的な夏の過ごし方を心がけましょう。
健康管理は日々のちょっとした習慣から。塩飴も“適量を知る”ことで、安心して役立てることができます。