簡易トイレ必要回数を算出する|人数×日数の逆算ガイド

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防災
  1. まず結論:1人1日“5回+安全係数20〜40%”が基本
    1. 1日の目安回数(大まかな基準)
    2. “袋・凝固剤=1回分”の考え方
    3. まず決める三要素
    4. 気温・飲水で変わる回数の調整
  2. 計算式と早見表|人数×日数を“回数”に変換する
    1. 基本式(電卓いらずの形)
    2. 換算人数の考え方(家族構成に応じて)
    3. 例:大人2+子1、7日間(安全1.3)
    4. 早見表(安全係数1.2の標準)
    5. 吸収量別の“1包で何回”の目安
    6. 昼夜の利用ピークを考えた配分(7日分の袋の例)
  3. ケース別補正|乳幼児・高齢・女性・体調不良・通院中
    1. 乳幼児・小児がいる家庭
    2. 高齢者・介護が必要な家族
    3. 女性の生活週間・体調変化
    4. 体調不良・下痢・嘔吐がある場合
    5. 服薬・通院中の家族
  4. 品目別の選び方と在庫設計|“1回セット”を数で持つ
    1. 最低限のセット(1回分)
    2. あると安心の追加品
    3. 袋の種類と選び分け(におい・強度・口止め)
    4. 月次ローテーションのコツ(劣化を防ぐ)
    5. 在庫量と体積の目安
  5. 配置と運用:設置→使用→交換→廃棄の流れと注意
    1. 設置の基本(3動作)
    2. 間取り別の設置ポイント
    3. 交換の合図と回収ルール
    4. 廃棄の考え方(非常時)
    5. におい・衛生・虫の対策(段階別)
    6. よくある失敗と回避策
  6. まとめ用“逆算ワークシート”(書き写して使える)
    1. ステップ1:家族構成と換算人数
    2. ステップ2:日数と安全係数
    3. ステップ3:必要回数の算出
    4. ステップ4:在庫と不足の把握
    5. ステップ5:置き場と運用ルール
  7. よくある質問(Q&A)と用語辞典(やさしい言い換え)
    1. Q&A(運用の悩みを先回り)
    2. 用語辞典(やさしい言い換え)

まず結論:1人1日“5回+安全係数20〜40%”が基本

1日の目安回数(大まかな基準)

小:4回/大:1回=合計5回/人・日を標準とし、**安全係数+20%を上乗せして備蓄する。猛暑・寒波・体調不良・乳幼児や高齢者がいる家庭、通院や服薬がある場合は+30〜40%**で見積もると安心。個人差はあるが、迷ったら多めが原則。

“袋・凝固剤=1回分”の考え方

簡易トイレは1回=吸収凝固剤+防臭袋1枚が基本単位。凝固剤の**吸収量(例:600〜800mL/包)と、袋の遮臭性能(多層・口止め)**を確認し、1回で1包+1袋を原則にする。におい・衛生を最優先すれば、少量でも回数を分けて交換した方が暮らしやすい。

まず決める三要素

1)人数(常住+平日昼に家にいる人数)。
2)日数(ライフライン不通を想定:最低3日、推奨7〜14日)。
3)回数(5回×日数×人数×安全係数)。

気温・飲水で変わる回数の調整

状況飲水/発汗目安回数の調整
猛暑・発汗多い飲水増+1回/人・日
寒波・暖房少飲水減−1回/人・日もあり(便秘に注意)
発熱・下痢体液喪失+2〜3回/人・日

計算式と早見表|人数×日数を“回数”に変換する

基本式(電卓いらずの形)

必要回数 = 人数 × 日数 × 5 × 安全係数
安全係数は通常1.2/配慮あり1.3〜1.4。端数は切り上げ

換算人数の考え方(家族構成に応じて)

区分係数(目安)備考
大人1.0通常時
小学生0.8体格・在宅時間で調整
幼児0.7おむつ併用考慮
乳児0.6交換頻度は別管理
高齢者1.2夜間回数増を見込む

例:大人2+子1、7日間(安全1.3)

2.0(大人)+0.8(子)=2.8人換算 × 7日 × 5回 × 1.3=127.4 → 128回

早見表(安全係数1.2の標準)

人数\日数3日7日14日
1人18回42回84回
2人36回84回168回
3人54回126回252回
4人72回168回336回
5人90回210回420回
(※計算=人数×日数×5×1.2/端数切上げ)

吸収量別の“1包で何回”の目安

凝固剤吸収量小のみ運用大も同袋で受ける注意点
400mL/包小1回=1包大1回=1包(別袋推奨)夏場はにおい早め
700mL/包小2回=1包(短時間)大1回=1包原則1回1包が衛生的
1000mL/包小2〜3回=1包(短時間)大1回+追い小重量に注意
※臭気・衛生の点から、原則1回1包を推奨。

昼夜の利用ピークを考えた配分(7日分の袋の例)

時間帯目安回数の比率7日×4人の袋配分例
朝(起床〜出発)30%42回中13回
昼(在宅者中心)25%11回
夕(帰宅後)25%11回
夜(就寝前・夜間)20%7回
(※在宅パターンに応じて調整)

ケース別補正|乳幼児・高齢・女性・体調不良・通院中

乳幼児・小児がいる家庭

  • 換算係数:乳児0.6/幼児0.7/小学生0.8。
  • おむつ併用固形は袋、尿はおむつ→袋でまとめると交換回数を減らせる。
  • におい対策活性炭シートや重曹袋の内側に薄く撒く。哺乳瓶・離乳食の洗浄用水を別途確保。

高齢者・介護が必要な家族

  • 回数小5〜7/大1〜2で多めに計算。
  • 段差なし配置洋式便座型の簡易台+手すりを用意。
  • 皮膚トラブル対策おしり拭き・保湿剤・防水シート回数×2で備蓄。

女性の生活週間・体調変化

  • 生理期間尿回数+1/日の上乗せ。
  • 別袋運用生理用品用の黒色防臭袋を小分け。
  • におい・衛生薄荷油のティッシュを袋の口に添えると軽減。使い捨て下着も便利。

体調不良・下痢・嘔吐がある場合

  • 安全係数を1.4〜1.6へ。
  • 嘔吐物凝固剤で処理し、二重袋で密閉。
  • 電解質飲料回数÷5本の目安で予備。体温計・記録用紙も準備。

服薬・通院中の家族

  • 利尿薬:小の回数**+1〜2/日**を上乗せ。
  • 便秘薬・整腸剤水分と一緒に予備。
  • 記録袋に日付・回数をマジックで記すと、体調の変化に気づける。

品目別の選び方と在庫設計|“1回セット”を数で持つ

最低限のセット(1回分)

  • 吸収凝固剤 1包(吸収量600mL以上推奨)。
  • 防臭袋 1枚(厚手・多層・口止め付)。
  • 汚物袋(外袋) 1枚(黒色・10〜20L)。

あると安心の追加品

  • 便座一体型の簡易スタンド(安定・姿勢が楽)。
  • ペーパー/おしり拭き(肌ケア優先)。
  • 粉末重曹・消臭シート(臭気対策)。
  • 使い捨て手袋・エプロン・紙マスク(交換時の衛生)。
  • 除菌用アルコール・消毒用ウエット(手指・便座周り)。

袋の種類と選び分け(におい・強度・口止め)

種類口止め遮臭破れにくさ向き
多層厚手ジップ室内保管が長い時
厚手ポリ結束短期交換前提
黒色外袋結束視認遮断屋外一時保管

月次ローテーションのコツ(劣化を防ぐ)

  • 夏前と冬前箱を入れ替える(先入れ先出し)。
  • 車載分は半量家に戻して点検
  • “最後の10回分”は触らないと決め、追加購入で補充。
  • 紙の在庫表を箱のフタ内側に貼り使用分に丸を付ける。

在庫量と体積の目安

回数凝固剤総量袋の箱サイズ目安置き場所の目安
84回(2人×7日×1.2)約1.7kg靴箱1段玄関の最下段
168回(4人×7日×1.2)約3.4kg押入れ半段押入れ下段手前
252回(3人×14日×1.2)約5.0kg衣装ケース1個寝室クローゼット下
(※凝固剤20g/包換算・概算)

配置と運用:設置→使用→交換→廃棄の流れと注意

設置の基本(3動作)

1)便座・バケツ等に内袋を装着、縁に外袋を折返し重ねる。
2)凝固剤の包を先に少量まき、使用後に残りを入れる。
3)口をねじって結ぶ→外袋へ→二重結びで密閉。

間取り別の設置ポイント

住まい設置場所ポイント
ワンルーム/1LDK風下の隅・換気扇近く目隠しパネル足元マット
戸建て洗面所/脱衣所段差解消手すりの代用品
車中避難後部座席足元滑り止めマット窓少開で換気

交換の合図と回収ルール

  • におい・重さ・吸収限界のどれかに達したら交換。
  • 家の“仮集積”場所を決め、日陰・換気を確保。
  • 日付・回数を書いたを外袋に貼る(衛生記録にもなる)。

廃棄の考え方(非常時)

  • 自治体の指示が最優先。可燃・不燃の扱いは臨時ルールになることがある。
  • 猫砂や新聞紙の併用液だれ防止
  • 長期化する場合は**密閉容器(ペール)**で一時保管し、防虫剤を併用。

におい・衛生・虫の対策(段階別)

レベル症状先に打つ手
1近づくと少し臭う早めの交換・重曹小さじ1
2部屋に広がる多層袋に変更・活性炭シート
3隣室にも届く二重袋+密閉ペール・換気強化

よくある失敗と回避策

失敗何が起きる先に打つ手
1包で複数回を常用におい・衛生悪化原則1回1包 短時間のみ例外
ジップなしの薄袋漏れ・臭気漏れ多層・口止め付の袋に統一
凝固剤だけ大量購入袋が不足1回セットで数える運用
置き場が分散行方不明家族カードに置き場を記載
目隠しがない利用敬遠・家族渋滞つい立て・カーテンを常備

まとめ用“逆算ワークシート”(書き写して使える)

ステップ1:家族構成と換算人数

区分人数係数換算人数
大人1.0_
小学生0.8_
幼児0.7_
乳児0.6_
高齢1.2_
合計_人

ステップ2:日数と安全係数

想定日数安全係数(1.2/1.3/1.4/1.6)備考
_ 日_夏・冬・通院等

ステップ3:必要回数の算出

必要回数=換算人数 × 日数 × 5 × 安全係数= __ 回(切上げ)

ステップ4:在庫と不足の把握

項目現在の在庫必要回数不足
凝固剤(包)___
防臭袋(枚)___
外袋(枚)___
消臭材(回分)___

ステップ5:置き場と運用ルール

  • 家:玄関下段/寝室クローゼット下
  • 車:助手席下の箱(高温時は移動)。
  • 職場:机下の小箱
  • 家族カード置き場・個数を書いて貼る。

よくある質問(Q&A)と用語辞典(やさしい言い換え)

Q&A(運用の悩みを先回り)

Q1.水が出ない間、1包で小を何回まで?
A.原則1回1包。短時間に限り吸収量700mL以上なら小2回までを目安に。ただし臭気と衛生を優先して早めに交換。

Q2.トイレが1か所しかない。家族が多い。
A.2か所目の簡易台(折りたたみ式)を寝室近くに仮設。夜間の渋滞を避ける。

Q3.便座が冷たくて使いにくい。
A.便座カバー(使い捨て)と足置き踏み台姿勢が安定し、排泄時間が短縮

Q4.においが心配。
A.袋の等級を上げる(多層・口止め付)+重曹や活性炭二重結束で漏れを防ぐ。仮集積は日陰に。

Q5.長期化しそう。保管は?
A.密閉ペールに集約し、日陰・風通しを確保。防虫シートを蓋の内側に貼る。

Q6.賃貸で穴あけができない。
A.床〜天井の突っ張り結束ベルト耐震マットを組み合わせ、目隠しカーテン突っ張り棒で対応。

Q7.車中避難で夜間の交換がつらい。
A.ヘッドライト・静音ポンプ式消毒を常備。使い捨て手袋と袋就寝前に枕元へ置く。

用語辞典(やさしい言い換え)

  • 簡易トイレ水を使わず袋と凝固剤で用を足す仕組み。
  • 吸収凝固剤液体を固めてにおいを抑える粉。吸収量で選ぶ。
  • 防臭袋においを通しにくい袋。厚手・多層・口止め付が良い。
  • 安全係数多めに見積もる割合。予想外の増加に備える考え方。
  • 二重袋内袋+外袋漏れとにおいを対策する方法。
  • 仮集積:ゴミ出しまでの一時保管場所。日陰・風通しが良い場所。

まとめ
備蓄は人数×日数×5回×安全係数回数に変えて考えると、迷いが消える。1回=凝固剤1包+袋1枚基本単位に、ケース別補正で上乗せし、設置場所・目隠し・仮集積まで含めて運用設計を整える。今日、家族の換算人数と日数を記入し、必要回数書き出すところから始めよう。

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