漏電を直す費用はいくらですか?料金相場と内訳、見積もりのポイントを詳しく解説

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突然のブレーカー落ち焦げ臭いにおい家電の誤作動——その陰に漏電が潜んでいることは珍しくありません。放置は感電・火災の危険を高めますが、いざ依頼となると真っ先に気になるのが**「費用はいくら?」という点。

本記事は、相場の全体像→価格を決める要因→明細の読み方→費用を抑える工夫→依頼〜復旧の流れまでを一気通貫で解説し、さらにケース別の実例・緊急度の見きわめ・連絡テンプレート・保険活用フローまでカバーします。最後にQ&A用語辞典**、印刷用チェックリストも用意しました。


  1. 1.漏電修理の費用相場(まず全体像を把握)
    1. 1-1.その場で直る「簡易修理」の目安
    2. 1-2.「部品交換」を伴う場合の目安
    3. 1-3.「配線の補修・引き直し」を含む場合
    4. 1-4.「出張費・緊急加算」の目安
    5. 1-5.地域・建物別の傾向(概観)
  2. 2.修理費用を左右する8つの要因(見積前に理解)
    1. 2-1.「特定の難易度」——見えない場所ほど時間がかかる
    2. 2-2.「建物の規模・回路数」——分岐が多いと工数増
    3. 2-3.「交換部材の種類・数量」——性能と在庫が影響
    4. 2-4.「地域と時間帯」——人件費と緊急性の加算
    5. 2-5.「追加作業の発生」——開口・復旧・美装
    6. 2-6.「水気・害獣」——再発防止の対策費
    7. 2-7.「規格・年代」——古い分電盤・器具の置き換え
    8. 2-8.「管理規約・共用部」——賃貸・マンション特有の手続き
  3. 3.見積書の読み方と費用の内訳(不明点はその場で確認)
    1. 3-1.点検・調査費(基本料金)
    2. 3-2.作業工賃(技術料)
    3. 3-3.部品費(交換部材)
    4. 3-4.出張費・特別対応費(時間外・緊急)
    5. 3-5.よくある見積の疑問(チェック10項目)
  4. 4.費用を抑えるコツと事前準備(正しく節約)
    1. 4-1.複数見積と情報提供(最短で核心へ)
    2. 4-2.作業範囲と仕上げ品質の事前合意
    3. 4-3.保険・保証・助成の確認
    4. 4-4.予防で出費を未然に回避
    5. 4-5.時間帯・時期の工夫/まとめて工事
  5. 5.依頼から復旧までの流れ(安心の段取り)
    1. 5-1.初動:安全確保と記録
    2. 5-2.調査:回路の切り分けと測定
    3. 5-3.修理:部品交換・配線補修・復電試験
    4. 5-4.再発防止:原因の共有と生活面の見直し
  6. 6.ケーススタディ(費用感と学び)
  7. 7.緊急度の見きわめ(高・中・低)
  8. 8.連絡テンプレート/保険メモ(そのまま使える)
  9. よくある質問(Q&A)
  10. 用語の小辞典(やさしい言い換え)
    1. まとめ

1.漏電修理の費用相場(まず全体像を把握)

1-1.その場で直る「簡易修理」の目安

5,000〜15,000円。端子の締め直し、清掃、緩み是正など部品交換なしで終わるケース。作業30〜60分+点検が一般的です。焦げ跡なし/匂い弱い/落ちる回路が限定ならこの帯に収まりやすい傾向。

1-2.「部品交換」を伴う場合の目安

8,000〜30,000円。**コンセント・スイッチ・漏電遮断器(ブレーカー)**の交換など。部品グレード(感度・容量)や盤内の作業性、在庫有無で増減します。焼損・変色・発熱が見られる場合は交換推奨。

1-3.「配線の補修・引き直し」を含む場合

20,000〜100,000円以上。壁内・天井裏・床下の配線損傷/劣化、ネズミ等による被覆かじり、水濡れによる絶縁低下など。開口・復旧・仕上げの有無で差が大きくなります。

1-4.「出張費・緊急加算」の目安

出張2,000〜5,000円/夜間・休日5,000〜20,000円即日・深夜・荒天は割増が一般的。見積の事前確認でトラブルを防げます。

ケース別の相場表(税込の目安)

修理内容料金の目安作業時間の目安補足
漏電点検・簡易調査5,000〜8,000円30〜60分絶縁測定・外観点検を含むことが多い
コンセント/スイッチ交換8,000〜15,000円30〜90分部品代+工賃。焼損があるとやや増額
漏電遮断ブレーカー交換10,000〜30,000円60〜120分盤の種類・容量・在庫で変動
局所的な配線補修20,000〜50,000円2〜4時間天井点検口の有無で時間差
一部再配線(壁内・床下)50,000〜100,000円以上半日〜1日開口→補修→復旧の工程を含む
夜間・休日の緊急対応+5,000〜20,000円基本料金に加算(地域差あり)

注意:金額は建物条件・地域・在庫状況で変動します。目安としてお役立てください。

1-5.地域・建物別の傾向(概観)

区分都市部郊外地方
出張費高め(交通・駐車)標準低〜標準
工賃単価やや高い標準やや低い
即日率高いが割増多標準事前予約が多い

2.修理費用を左右する8つの要因(見積前に理解)

2-1.「特定の難易度」——見えない場所ほど時間がかかる

壁内・床下・天井裏、屋外配線、浴室・キッチン周りなど湿気の多い場所は、切り分けに時間が必要。サーモカメラ・絶縁計(メガー)など機器使用で追加費が出ることも。

2-2.「建物の規模・回路数」——分岐が多いと工数増

戸建てでも増改築・二世帯、店舗・事務所併用では分岐ブレーカーが多く、一回路ずつの試験で時間が延びがち。

2-3.「交換部材の種類・数量」——性能と在庫が影響

一般的な15Aコンセント高感度漏電ブレーカーでは単価が大きく異なります。複数箇所の同時修理は合計が上がる一方、同時施工の効率で工賃が抑えられる場合も。

2-4.「地域と時間帯」——人件費と緊急性の加算

都市部は人件費高の傾向、夜間・休日は割増が基本。荒天・高所・足場など特殊条件は時間を押し上げます。

2-5.「追加作業の発生」——開口・復旧・美装

配線補修では石こうボード開口→復旧、外壁ならシーリング等の美装が必要になることも。仕上がりの品質を上げるほど費用は増えます。

2-6.「水気・害獣」——再発防止の対策費

雨漏り・結露・配管漏れネズミ等のかじりは再発防止まで含めると別工種の費用が必要になる場合があります。

2-7.「規格・年代」——古い分電盤・器具の置き換え

旧規格の分電盤・器具は互換がなく、盤ごと更新が必要になることも。この場合は**数万円〜**の上振れ要因。

2-8.「管理規約・共用部」——賃貸・マンション特有の手続き

共用部の鍵手配・申請作業時間帯の制限で日を改めると再訪費が発生することがあります。

要因と影響の一覧

要因料金への影響事前対策
特定の難易度調査時間が増える発生時刻・使っていた家電・匂い等をメモし提出
回路数・規模点検範囲が拡大分電盤ラベル整理、回路対応表の準備
部材の種類単価が変動盤の型番・写真を先に共有し在庫確認
地域・時間帯人件費・割増可能なら平日昼間で予約、加算の事前確認
追加作業仕上げ費が発生仕上げ品質(暫定/原状復帰)を合意
水気・害獣別工種費用原因特定と同時対策の可否を確認
規格・年代置き換え費旧型番の写真・年式を共有
管理規約再訪・調整費管理会社へ事前連絡、鍵・駐車を確保

3.見積書の読み方と費用の内訳(不明点はその場で確認)

3-1.点検・調査費(基本料金)

3,000〜8,000円が目安。絶縁抵抗測定・電圧チェック・外観点検を含むことが多い。**「含む/含まない」**の範囲、再訪時の扱いを確認しましょう。

3-2.作業工賃(技術料)

時給5,000〜10,000円/人が一般的。二人体制だと**×2**で積算。想定時間の根拠(工程・ステップ)を質問しておくと安心です。

3-3.部品費(交換部材)

数百円〜数万円。コンセント・プレートは低額、漏電遮断器・分電盤は高額になりやすい。型番・容量・メーカーの明記で透明性が上がります。

3-4.出張費・特別対応費(時間外・緊急)

出張2,000〜5,000円/時間外5,000〜20,000円距離・時間帯・即日性で変動。キャンセル規定も事前に確認を。

見積内訳の例(フォーマット)

区分内容数量単価小計備考
基本点検・調査(絶縁測定・外観)1式6,0006,000再訪時割引の有無
工賃コンセント交換作業1箇所5,0005,00030〜60分
部品15A角形コンセント+プレート1式1,2001,200型番・色指定
出張出張費(市内)1式3,0003,000駐車費別
時間外夜間加算1式8,0008,00019時以降
合計23,200税込表示か要確認

ポイント「一式」表記が続く見積はトラブルのもと。数量×単価へ分解できるか依頼しましょう。

3-5.よくある見積の疑問(チェック10項目)

  1. 基本料金に絶縁測定は含むか
  2. 再訪時の料金は初回と別か
  3. 部品の型番・容量は具体明記か
  4. 時間外加算の条件と金額
  5. 駐車場・高速等の実費の扱い
  6. **仕上げ(復旧)**の範囲——開口跡の美装を含むか
  7. 写真・報告書の提供有無
  8. 保証期間と対象範囲
  9. 支払方法(現金・振込・カード)
  10. キャンセル規定(到着後・作業後)

4.費用を抑えるコツと事前準備(正しく節約)

4-1.複数見積と情報提供(最短で核心へ)

2〜3社から見積を取得。分電盤・焦げ跡・表示ランプ・匂いの発生位置の写真、発生時刻と使用家電を先に共有すると、調査時間の短縮=工賃の抑制につながります。

4-2.作業範囲と仕上げ品質の事前合意

**「復旧優先の暫定」「原状に近い美装仕上げ」**かで費用は変わります。開口位置・復旧方法・色合わせまで合意しておけば追加費を抑えられます。

4-3.保険・保証・助成の確認

火災保険・家財保険漏電に起因する損害を補償する場合があります(契約による)。写真・作業票・部品型番を保管。自治体の安全点検支援がある地域もあります。

4-4.予防で出費を未然に回避

トラッキング対策タップ防湿コンセント定期点検(年1回)水回りの防水等、前倒しの小支出大きな修理費を防ぎます。

4-5.時間帯・時期の工夫/まとめて工事

平日昼間に予約し時間外加算を回避複数箇所の同時修理再訪費を抑制。在庫確認済みの業者を選ぶと無駄が減ります。

事前準備チェックリスト(印刷用)

項目具体内容完了
写真記録分電盤・焦げ跡・ランプ表示
事象メモ時刻・匂い・音・使用家電
見積取得2〜3社・同条件で依頼
作業合意範囲・仕上げ・時間外の可否
証憑保管作業票・領収書・型番

5.依頼から復旧までの流れ(安心の段取り)

5-1.初動:安全確保と記録

通電停止→換気→退避手で触れないを徹底。写真とメモを残し、管理会社や専門業者へ連絡。濡れた場所には近づかないでください。

5-2.調査:回路の切り分けと測定

分岐ブレーカーを一つずつ投入し、異常の出る回路を特定。絶縁抵抗を測り、基準割れの箇所を絞ります。必要に応じ赤外線温度目視確認を併用。

5-3.修理:部品交換・配線補修・復電試験

コンセント・ブレーカー交換配線補修端子締結などを行い、復電→再測定で問題がないか確認。作業前後の写真・簡易報告書の提供を依頼しましょう。

5-4.再発防止:原因の共有と生活面の見直し

湿気対策・負荷分散・古いタップの更新清掃習慣などを確認。保証期間・アフター対応は書面化して保管。

依頼〜復旧のタイムライン(例)

フェーズ主な内容目安時間依頼者の準備
連絡症状共有・概算提示10〜20分写真・メモ送付
訪問安全確保・切り分け30〜60分立会・入室動線確保
修理交換・補修・復電1〜3時間作業範囲の最終確認
引渡再測定・説明・精算15〜30分領収・保証の保管

6.ケーススタディ(費用感と学び)

事例A:キッチン下の水漏れ→配線劣化
症状:焦げ臭・ブレーカー断続。
対応:水漏れ修繕+コンセント交換+局所配線補修。
費用:調査8,000円+交換13,000円+補修36,000円=57,000円
学び:水源の修理優先。再発防止のため防湿コンセントへ更新。

事例B:小屋裏でネズミが被覆をかじる
症状:夜間のみブレーカー作動。
対応:点検口から配線一部交換+かじり痕周辺の保護。
費用:調査6,000円+再配線48,000円+防獣対策(別工種)=約54,000円+α
学び:電気と同時に害獣対策を。片方のみだと再発。

事例C:賃貸マンション共用部の湿気
症状:雨天時のみエレベーターホールの漏電。
対応:共用部配線の防水処置・交換。
費用:管理会社負担。
学び:共用部は自己手配せず、まず管理会社へ。


7.緊急度の見きわめ(高・中・低)

緊急度典型症状取るべき行動
焦げ臭+発煙/本体が熱い/水濡れ直後主幹OFF・退避→換気→緊急連絡。触らない
ブレーカー断続/湿気の多い日だけ作動当日〜翌日に点検依頼。該当回路は使用停止
軽微な違和感のみ・再現しづらい早めの点検予約。記録(時刻・家電・匂い)を継続

8.連絡テンプレート/保険メモ(そのまま使える)

業者への連絡テンプレート

  • 住所・連絡先:____
  • 症状:例)「本日18:20に台所回路のブレーカーが2回落ち、焦げた匂い。電子レンジ使用中」
  • 写真:分電盤・焦げ跡・表示ランプ
  • 希望:当日または明日の昼間。概算と時間外加算の有無を確認希望

保険会社へのメモ

  • 発生日時/場所/被害(家電の故障、壁の焼損など)
  • 原因(業者報告書の記載)
  • 作業票・領収の写し、部品の型番
  • 事前連絡の要否、写真点数の指示

よくある質問(Q&A)

Q1:見積より高くなることは?
A:開口して初めて判明する損傷で増える場合があります。上限額や追加時の連絡ルールを事前合意しましょう。

Q2:匂いが消えたら様子見で良い?
A:原因不明のままの復電は危険。点検まで該当回路を停止してください。

Q3:自分でできる範囲は?
A:通電停止・換気・記録まで。分解・配線作業は厳禁です。

Q4:賃貸の場合の窓口は?
A:管理会社・大家です。共用部の可能性があるため、自己判断で工事を進めないでください。

Q5:領収書は必要?
A:保険申請・保証対応で必須。作業写真・型番と併せて保管しましょう。

Q6:分電盤の寿命は?更新目安は?
A:使用状況次第ですが15〜20年程度で更新検討が一般的。焼損・変色・作動不良は即点検。

Q7:点検だけ依頼できる?
A:可能です。点検報告書写真を受け取り、修理を別日で検討してもOK。

Q8:相見積を嫌がられない?
A:誠実な業者は条件をそろえた比較を歓迎します。同条件で依頼しましょう。

Q9:仮設電源は使える?
A:安全が確認できた回路に限り、延長コードの過負荷を避けて短時間のみ。濡れた場所は厳禁。

Q10:ブレーカーが落ちずに匂いだけする場合は?
A:高温・局所発熱の恐れ。主幹OFFで安全確保し、早急に点検を。


用語の小辞典(やさしい言い換え)

  • 漏電:本来の配線以外に電気が逃げること。感電・火災の原因。
  • 漏電遮断器(ELB/感電ブレーカー):漏れ電流を検知し自動で遮断する装置。
  • 配線用遮断器(MCB):過電流・短絡時に回路を保護するブレーカー。
  • 絶縁抵抗/絶縁抵抗計(メガー):電気が漏れにくい度合い/それを測る器具。
  • トラッキング現象:ホコリ+湿気で差し込み口に導電の道ができ、発熱・発火につながる現象。
  • 回路切り分け:どの分岐回路に異常があるか一つずつ確認する作業。
  • VVFケーブル・PF管:屋内配線・保護管の代表例。用途で種類が異なる。
  • 接地(アース):漏れた電気を安全に地面へ逃がす仕組み。

まとめ

漏電修理の費用は「原因・範囲・難易度」で大きく変わる。簡易修理は数千円〜1万円台、部品交換で1万〜3万円、配線補修で2万〜10万円超も。だからこそ、早期点検明細の見える見積、そして準備された情報提供が、安全確保とコスト抑制の近道です。いざという時に慌てないよう、本記事の表・チェックリストを保存しておき、賢く・安全に対応しましょう。

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