【小学生向けに解説】なぜひまわりは太陽の方を向くの?植物の動きのひみつを徹底解説!

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おもしろ雑学

ひまわりは、まるで太陽を追いかけるように首を向ける“元気印”の花。どうしてそんなことができるのでしょう?ここでは、ひまわりの体のしくみ、太陽との関係、植物ぜんたいの「うごき」の秘密を、やさしく・くわしく・たっぷり解説します。

自由研究の観察や実験のやり方、まとめ方のテンプレートまで入っているので、この1本で夏の自由研究もバッチリ!


  1. ひまわりの基本がわかる!特徴・成長・花のつくり
    1. 夏に大きく育つ、太陽みたいな花
    2. すごい成長パワーのひみつ
    3. たねのならびは“理科のアート”
    4. ひまわりの一生(だいたいの目安)
  2. なぜひまわりは太陽を追うの?向日性(こうじつせい)と光屈性(こうくっせい)
    1. 朝は東、夕方は西——毎日ゆっくり“回転”する
    2. 光に向かってのびる“体のしくみ”
    3. 大人の花は「東向き」で落ち着く理由
    4. 天気・場所でどう変わる?
  3. からだはどう動く?茎・葉・根の反応を見てみよう
    1. 茎:片側がよくのびて“ゆっくり曲がる”
    2. 葉:角度を調整して光をひろう
    3. 根:下へ、そして水の多いほうへ
  4. 表でわかる!ひまわりの“太陽追跡”と観察ポイント
    1. 1日の向きと見え方(若い株)
    2. 若い株と成長後のちがい
  5. 家や学校でできる!観察・実験アイデア(自由研究に)
    1. ① 方位と角度をくらべる観察
    2. ② 日なた・日かげ 実験
    3. ③ こま撮り(タイムラプス)で“動き”を見る
    4. ④ 遮光(しゃこう)カード実験
    5. ⑤ 鉢を少しずつ回す“方位トラップ”
    6. ⑥ 温度シールで“あたたまり”を測る
  6. 観察カレンダー(記入例つき)
  7. ひまわりと生き物・くらし・未来の技術
    1. 受粉を助ける虫たちと“東向き”の意味
    2. たねと油——人のくらしにも大切
    3. 自然の知恵は発電にも!
  8. 似た“うごき”をする植物たち
  9. よくある質問(Q&A)
  10. 用語じてん(やさしい言いかえつき)
  11. ミニクイズ(○×・三択)
  12. 自由研究まとめテンプレ(コピペして使える)
  13. まとめ:太陽を“むだなく”生かす、ひまわりの名人ワザ

ひまわりの基本がわかる!特徴・成長・花のつくり

夏に大きく育つ、太陽みたいな花

  • ひまわりは夏にぐんぐん育ち、2〜3mほどになることもあります。
  • 大きく広がる葉は、太陽の光をたっぷり受けとめる**“光の受け皿”**。
  • 黄色い花びら(外側の舌状花)はかざりの役目。まんなかの茶色いところは小さな花の大集合です。

ポイント:ひまわりの「大きな葉・太い茎・広い花面」は、どれも光をむだなく集めるための形です。

すごい成長パワーのひみつ

  • 太い茎は、根からくみ上げたと葉で作られた栄養を上へ上へ運び、重い花をしっかり支えます。
  • 条件がよいと、1日に数センチのびることも。光・水・土の力を全身で活用!
  • 葉のうらには小さな気孔(きこう)があり、空気中の二酸化炭素を取り入れて光合成をします。

たねのならびは“理科のアート”

  • 花の中心には、無数の小さな花がならび、受粉(めしべに花粉がつくこと)が進むと、ぎっしり種になります。
  • たねは食用・油・小鳥のエサなど、くらしや生き物に大活やく
  • 規則正しく並ぶタネは、渦(うず)模様になって見えることも。自然の美しいきまりがひそんでいます。

ひまわりの一生(だいたいの目安)

時期見た目・ようすかんさつポイント
発芽〜双葉小さな双葉が出る日なたに向かうようすが早くも見える
本葉が増える葉が大きくなる葉の角度・重なり方の工夫を見よう
つぼみ形成茎が太くのびる朝東・夕西の向きの変化が大きい
開花大きな花が開く虫がよく来る時間や方位に注目
結実種がふくらむ花は東向きで安定しやすい

なぜひまわりは太陽を追うの?向日性(こうじつせい)と光屈性(こうくっせい)

朝は東、夕方は西——毎日ゆっくり“回転”する

  • つぼみ〜若い時期のひまわりは、朝は東、昼に南、夕方は西へと、太陽の動きに合わせて首の向きをかえます。
  • この動きを**向日性(太陽追跡運動)**といいます。1日かけて少しずつ曲がる、ゆっくりした変化です。

光に向かってのびる“体のしくみ”

  • 植物は、光がよく当たらない側の茎がよくのび、結果として光のある方向へ曲がる性質を持ちます。これが光屈性です。
  • 茎の内側では、**植物ホルモン(オーキシン)**が光の当たり方で片寄り、のび方に差が出ます。
    • 光が当たらない側 → のびやすい
    • 光が当たる側 → のびにくい
      → その結果、全体として光の方向へ曲がるのです。
  • 夜になると体内の**リズム(体内時計)**がはたらき、次の朝にむけて東向きに“もどる”準備もします。

大人の花は「東向き」で落ち着く理由

  • 花が大きくなり成長がとまるころ、多くのひまわりは東向きで安定します。
  • 朝日で早く温まりやすくなり、虫(ミツバチなど)が活動しやすい→受粉がはかどる利点があります。
  • 花が重くなり、毎日ぐるぐる動かすより東向き固定のほうがエネルギーのむだが少ないのもポイント。
  • 東向きだと、花の温度が上がりやすく、香りや蜜の出方にも良い影響が出ると考えられています。

天気・場所でどう変わる?

  • 晴れの日は向きの変化がはっきり、くもりの日は小さくなりがち。
  • **高い緯度(北の地方)**では太陽の動き方が少しちがうため、追跡の角度も変わります。
  • まわりに高い建物や木があると、光の来る方向がかたよって、曲がりかたが強くなることも。

からだはどう動く?茎・葉・根の反応を見てみよう

茎:片側がよくのびて“ゆっくり曲がる”

  • 光が弱い側の細胞がよくのびる→太陽のほうへ曲がる
  • 夜間はもとの向きにもどろうとする体内リズムも手伝い、毎日ゆっくり動き続けます。

葉:角度を調整して光をひろう

  • 葉はできるだけまっすぐ太陽を向くように角度を調整します。
  • かげになる葉が少なくなるよう、重ならない配置になるのも工夫のひとつ。
  • 風が強い日は、葉が少し立ち上がって傷つきにくい角度になることもあります。

根:下へ、そして水の多いほうへ

  • 根は重力を感じて下へ下へ(重力屈性)。
  • さらに水や栄養が多いほうへ(水分屈性養分屈性)枝分かれして伸び、体全体をささえます。
  • 表土がかわくと、根は深いところへ向かい、乾きに強い体づくりをします。

表でわかる!ひまわりの“太陽追跡”と観察ポイント

1日の向きと見え方(若い株)

時間帯太陽の位置ひまわりの向き観察のコツ
朝(7〜9時)東の低い空東を向く花やつぼみの影の向きもチェック
昼(11〜13時)高い南の空南〜やや東葉の角度が広く開く
夕方(16〜18時)西に傾く西を向く全体がゆっくり西寄りに
なしすこし東へもどる翌朝にそなえて**“リセット”**

若い株と成長後のちがい

項目若い株(つぼみ〜開花初期)成長後(大輪・種作り)
向き太陽を追って変わる東向きで安定
茎のかたさやわらかい・曲がりやすいかたい・曲がりにくい
ねらい光を最大にあびて成長朝日で温まり虫を呼ぶ
エネルギー動きにエネルギーを使う種づくりへエネルギー集中

家や学校でできる!観察・実験アイデア(自由研究に)

① 方位と角度をくらべる観察

  1. プランターや校庭で、同じ品種のひまわりを数株そだてる。
  2. 毎日、同じ時刻(例:8時/12時/16時)に、方位磁石で向きを記録。
  3. 写真も正面から撮り、1週間ごとに並べて比較する。

まとめ方:折れ線グラフに「時刻と向き」をプロット。若い株ほど日々の角度変化が大きいはず!

② 日なた・日かげ 実験

  • 同じ大きさの苗を、日なた半日かげに置き、
    • 茎の曲がり方
    • 葉の大きさ・枚数
    • つぼみの向きの変化
      をくらべる。

予想:日かげでは光のある一方向へより強く曲がる。日なたでは葉の広がりが増える。

③ こま撮り(タイムラプス)で“動き”を見る

  • 窓際や庭で、一定位置から1時間に1回の写真を1日分撮影。
  • 連続再生して、首の向きの移り変わりを目で確認!

④ 遮光(しゃこう)カード実験

  • 厚紙で小さなひさしを作り、つぼみの片側だけにかぶせて光をさえぎる。
  • 数日間、茎が遮られた側と反対方向へ曲がるかを観察。

⑤ 鉢を少しずつ回す“方位トラップ”

  • 鉢植えを毎朝90度回してみる。
  • その日の夕方、つぼみはどの方角を向いた?→体内リズムの強さを体感!

⑥ 温度シールで“あたたまり”を測る

  • 花の表面に温度インジケーター(温度で色が変わるシール)を貼り、朝と昼で色の差を記録。
  • 東向き花が朝に早く温まることを数値で示してみよう。

観察カレンダー(記入例つき)

曜日天気8時の向き12時の向き16時の向き葉の広がり虫の来訪気づきメモ
南東西広いミツバチ多数影が短い時間は葉が水平
くもり東南東西南西ふつう少なめ晴より動き小さい

1週間〜2週間分をまとめると、天気と動きの関係が見えてきます。


ひまわりと生き物・くらし・未来の技術

受粉を助ける虫たちと“東向き”の意味

  • 朝に温まった花にはミツバチ・チョウが集まりやすい。
  • 虫が花粉を運ぶことで、たねがたくさん実る
  • 花粉や蜜は、虫にとっても大切な食料。おたがいに助け合っています(共生)。

たねと油——人のくらしにも大切

  • ひまわり油は料理やお菓子、せいけつ用品にも使われます。
  • たねは食用・小鳥のエサとして人気。畑の景観づくりにも一役!
  • 収穫後の茎や葉は堆肥(たいひ)にして土を豊かにすることもできます。

自然の知恵は発電にも!

  • ひまわりの「太陽を追う」性質は、**太陽光パネルの角度自動調整(追尾)**のヒントに。
  • 自然を学ぶことは、省エネ再生可能エネルギーの未来にもつながります。

似た“うごき”をする植物たち

植物見られる動きねらい・意味
おじぎそうふれると葉が閉じるからだを守る・水分保護
たんぽぽ朝に花が開き、夜は閉じる花粉を雨や夜露から守る
つる植物(あさがお等)光のあるほうへ伸び、支えに巻きつく高い位置で光を得る
ねむの木夕方に葉が閉じる夜間の水分を保つ
クローバー雨や夜に葉を閉じる冷えや水滴から守る
ハエトリグサ虫が触れると葉が閉じるえいようの少ない土で栄養を補う
観葉植物(室内)窓の方向へ葉がそろう室内光を最大限とりこむ

よくある質問(Q&A)

Q1. ひまわりは夜にどっちを向いているの?
A. 若い株は、夜のあいだに東向きにもどる動きが見られます。翌朝の太陽にそなえるためです。大きく育った花は東向きのままが多いです。

Q2. くもりの日や雨の日でも動くの?
A. 太陽が見えなくても、空の明るさの差や体内のリズムである程度は動きます。ただし晴れの日ほどはっきりしません。

Q3. 室内で育てると、どう向くの?
A. 窓からの明るいほうへ強く曲がりやすいです。ときどき鉢の向きを回して、全体に光が当たるようにすると、まっすぐに育ちやすくなります。

Q4. すべてのひまわりが東向きで止まるの?
A. 品種や環境でちがいはありますが、多くは東向きで安定します。風向き・支柱の有無・周囲の建物などでも差が出ます。

Q5. どうして“東”が有利なの?
A. 朝日で早く温まると、虫の活動が早く始まるからです。温かい花は虫を引きつけやすく、受粉のチャンスが増えます。

Q6. 花が大きくなってからも太陽を追う株があるのはなぜ?
A. 品種差や栽培条件(肥料・水・風)で個体差があります。完全に止まるまでに**“名残の動き”**が見られることも。

Q7. 一度倒れた茎がまた上を向くのはどうして?
A. 茎は上(光)へ向かう性質が強く、倒れても節の部分から曲がって再び上向きになります。

Q8. 北や南の地域で向き方は変わる?
A. 太陽の高さや日照時間が違うため、角度やタイミングに差が出ますが、基本の仕組みは同じです。

Q9. ひまわりは夜に光る?
A. 光りません。夜は光がないため、光合成は休みモード。呼吸は続けています。

Q10. 大輪じゃない小型のひまわりでも同じ?
A. ミニひまわりでも、若い時期は光の方向へ曲がる性質が見られます。


用語じてん(やさしい言いかえつき)

  • 向日性(こうじつせい):太陽の動きに合わせて向きをかえる性質。ひまわりの“太陽追い”のこと。
  • 光屈性(こうくっせい):光のある方向へ曲がったりのびたりする性質。
  • 植物ホルモン(オーキシン):のび方を調整する体内の物質。光の当たり方で分布がかたより、曲がりを生む。
  • 受粉(じゅふん):花粉がめしべにつくこと。たね作りの出発点。
  • 重力屈性(じゅうりょくくっせい):重力に合わせて根は下へ、茎は上へ向かう性質。
  • 体内時計(概日リズム):毎日ほぼ一定のリズムで体の動きを調整するしくみ。
  • 気孔(きこう):葉のうらにある小さな“入口”。空気の出入り口で、光合成や蒸散に関わる。
  • 共生(きょうせい):生き物どうしが助け合ってくらすこと。

ミニクイズ(○×・三択)

  1. ひまわりは自分で光っている。(○×)→ ×
  2. 若いひまわりは、朝に東、夕方に西を向きやすい。(○×)→
  3. 花が大きくなるほど、毎日よく動く。(○×)→ ×(だんだん動かなくなる)
  4. 三択:ひまわりが東向きで落ち着くおもな利点は?
    A 温度が下がる B 虫が来やすい C 雨がふりやすい → B

自由研究まとめテンプレ(コピペして使える)

題名:ひまわりはなぜ太陽のほうを向くの?
目的:ひまわりの向きの変化と天気・時刻の関係を調べる。
準備:ひまわりの苗/方位磁石/ものさし/カメラ/観察シート
方法:毎日8時・12時・16時に方位と写真を記録。天気も書く。
結果:グラフと写真をならべる。
考察:晴れ・くもりで動きに差が出た/若い株の方がよく動く 等。
結論:ひまわりは光屈性と体内時計ではたらき、若い時期に太陽を追う。成長後は東向きで安定し、虫を呼びやすい。
ふりかえり:次回は温度シールで花の温まり方も調べたい。


まとめ:太陽を“むだなく”生かす、ひまわりの名人ワザ

  • 若いひまわりは太陽を追って首を向け、光を最大限に集めて成長
  • 大きく育つと東向きで落ち着き、朝の温まりやすさ → 虫を呼ぶ → 受粉がはかどるという流れを作る。
  • 植物は見た目は静かでも、光・重力・水などにちゃんと反応して動いている

次にひまわり畑を見かけたら、時間をかえて何度か観察してみよう。方位、葉の角度、影の向き——きっと“生きて動く”植物の姿が見えてきます!

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