モバイルバッテリーの機内持ち込みルールとは?安全な持ち込み方法と注意点を徹底解説

スポンサーリンク
スマホ

結論:モバイルバッテリー(リチウムイオン電池)は預け入れ不可、機内持ち込みのみ可が大原則です。容量はワット時(Wh)で判断され、100Wh以下は原則持ち込み可、100〜160Whは事前許可が必要(多くは2個まで)、160Wh超は持ち込み不可が一般的な目安です。

本記事では、この原則を起点に、容量の見方と計算、航空会社ごとの違い、保安検査の通し方、機内での扱い方、事前申請のコツ、旅程変更時の対応まで、初めての方でも迷わないよう段階的に解説します。重要点は太字で示し、表で一目でわかるように整理しました。


  1. 1. まず知っておきたい大原則(預け入れ不可/手荷物のみ)
    1. 1-1. なぜ預け入れができないのか
    2. 1-2. 手荷物で持ち込む際の基本姿勢
    3. 1-3. よくある勘違いと正しい理解
  2. 2. 容量の条件と計算方法(Whで判断)
    1. 2-1. 容量の基準(一般的な目安)
    2. 2-2. Whの計算(本体にWhが無いとき)
    3. 2-3. 容量換算の早見表(目安)
    4. 2-4. 容量表記の見つけ方・書き方
  3. 3. 航空会社・路線ごとの違いと確認のコツ
    1. 3-1. 国内線(例:ANA/JAL)の目安
    2. 3-2. LCCや海外会社の細かい違い
    3. 3-3. 迷ったらどう確認するか
      1. 路線・会社別の着眼点まとめ
    4. 3-4. よくある機器別の扱い(目安)
  4. 4. 保安検査で止まらない準備と通し方
    1. 4-1. 検査前の下ごしらえ
    2. 4-2. 検査で止められやすい例
    3. 4-3. 旅行当日のチェックリスト
    4. 4-4. 旅程変更・乗り継ぎ遅延時の対処
  5. 5. 機内での安全な使い方と保管の作法
    1. 5-1. 機内での基本マナー
    2. 5-2. 保管のコツ(落下・圧迫・発熱を防ぐ)
    3. 5-3. 異常時の対応(熱・におい・煙)
      1. 機内の「やる/やらない」早見表
  6. 6. 事前許可の取り方と連絡テンプレ
    1. 6-1. 申請前に用意する情報
    2. 6-2. 問い合わせの文面例(短文)
    3. 6-3. 回答が遅いときの備え
  7. 7. シーン別の最適パッキング例
    1. 7-1. 週末の国内旅行(端末充電が主目的)
    2. 7-2. 海外出張(ノートPCと端末を併用)
    3. 7-3. 家族旅行(台数が増える場合)
  8. まとめ:容量表示と持ち込み形態を整えれば安心

1. まず知っておきたい大原則(預け入れ不可/手荷物のみ)

1-1. なぜ預け入れができないのか

モバイルバッテリーは内部短絡(ショート)や破損時の発熱・発火の危険があるため、貨物室に預けることはできません。客室なら乗務員が**初期対応(消火・冷却・隔離)**を迅速に行えるため、手荷物での持ち込みが求められます。預け入れに混入すると、荷室内で異常が起きても発見が遅れるのが最大のリスクです。

1-2. 手荷物で持ち込む際の基本姿勢

  • 本体は必ず機内持ち込み手荷物へ(スーツケースに入れない)
  • 端子はむき出しにしない(金属との接触を避ける)
  • 容量表示(Wh/mAh・V)が本体に明記されていることが望ましい
  • 改造品・自作電池は不可正規品のみを使用する

1-3. よくある勘違いと正しい理解

勘違い正しい理解
「電源を切れば預けてもよい」電源の有無に関係なく預け入れ不可
「容量が小さければどこでもOK」容量の上限と個数、航空会社ごとの細則がある
「予備バッテリーは機器に挿しておけば預けられる」機器に装着していても予備扱いとなる場合が多い
「表示が読めなければ口頭で説明すればよい」表示不明は止められる可能性大。証跡(写真・仕様書)を用意

2. 容量の条件と計算方法(Whで判断)

2-1. 容量の基準(一般的な目安)

区分容量(Wh)持ち込み可否個数目安
小容量100Wh以下多くは制限なし(常識の範囲内)
中容量100〜160Wh航空会社の許可が必要2個までが一般的
大容量160Wh超不可持ち込み不可/預け入れも不可

※最終判断は利用する航空会社と出発国・経由国のルールに従います。

2-2. Whの計算(本体にWhが無いとき)

計算式:Wh = mAh × V ÷ 1000

  • 例:10,000mAh・3.7V → 10,000 × 3.7 ÷ 1000 = 37Wh
  • 例:20,000mAh・3.7V → 20,000 × 3.7 ÷ 1000 = 74Wh
  • 例:26,800mAh・3.7V → 26,800 × 3.7 ÷ 1000 = 99Wh(100Wh以下)
  • 例:30,000mAh・3.7V → 111Wh事前許可が必要の範囲)

※同じ製品でも公称電圧が3.6〜3.85Vの幅で異なる場合があります。ここでの計算はおおよその目安です。

2-3. 容量換算の早見表(目安)

公称容量(mAh)電圧の例(V)目安のWh区分
5,0003.7約18.5100Wh以下(可)
10,0003.7約37100Wh以下(可)
20,0003.7約74100Wh以下(可)
26,8003.7約99100Wh以下(可)
30,0003.7約111100〜160Wh(許可要)

2-4. 容量表記の見つけ方・書き方

  • 本体の裏面や側面にWh/mAh/Vが並んで記載されていることが多い
  • シールやケースで表示を隠さない。検査時にすぐ見せられる向きにする
  • 改造・ラベルの貼り替えはNG。正規表示のあるものを使う

3. 航空会社・路線ごとの違いと確認のコツ

3-1. 国内線(例:ANA/JAL)の目安

  • 100Wh以下:原則持ち込み可、個数制限なしが多い
  • 100〜160Wh2個まで+事前許可が基本
  • 160Wh超:不可

3-2. LCCや海外会社の細かい違い

  • 一部LCCでは100Wh以下でも個数制限がある場合あり
  • 国際線は経由地の規則に左右されることがある(乗り継ぎ空港の基準も確認)
  • 同じ会社でも国際線と国内線で案内が違うことがある

3-3. 迷ったらどう確認するか

  • 航空会社サイトの「危険品・電池」案内を確認
  • 便名・容量・個数を用意して問い合わせると回答が早い
  • 経由便はすべての会社の基準をチェック

路線・会社別の着眼点まとめ

会社・路線見るべき項目注意点
国内大手容量・個数100〜160Whは事前許可
LCC個数制限・持ち込み形態100Wh以下でも上限ありの例
国際線経由地の規則途中の空港で足止めの恐れ

3-4. よくある機器別の扱い(目安)

機器典型的な扱い注意点
スマホ・モバイルバッテリー手荷物のみ可端子保護・容量表示必須
ノートPC(内蔵電池)機内持ち込み可予備バッテリーは別管理
カメラ電池手荷物のみ可個別に袋分け・端子絶縁
ドローン用電池事前許可が必要な場合あり容量が大きくなりがち・個数制限

4. 保安検査で止まらない準備と通し方

4-1. 検査前の下ごしらえ

  • 本体を手荷物から取り出し、トレイに単独で置く
  • 容量表示が見える向きにする(シールで隠さない)
  • 端子はテープで簡易絶縁、むき出しで金属と触れないようにする
  • ケーブルは抜いて別収納(挿しっぱなしは誤作動や短絡の懸念)

4-2. 検査で止められやすい例

なぜ止まるか回避策
容量の表示が見えない判断できない事前に写真保存/表示面を見せる
膨張・変形している安全性に疑い持ち込み不可、処分を検討
ケーブルを挿しっぱなし短絡・誤作動の懸念取り外して別収納
改造・非正規品信頼性不明正規品に限る/証跡を用意

4-3. 旅行当日のチェックリスト

  • 容量(Wh)と個数を最終確認
  • 手荷物側にまとめ、スーツケースには入れない
  • 予備電池は個別の小袋に分け、端子を保護
  • 搭乗券・身分証と同じポーチに入れてすぐ提示できるようにする
  • 経由地がある場合は全区間の基準をメモ

4-4. 旅程変更・乗り継ぎ遅延時の対処

  • 現地で航空会社が変わる場合、新しい会社の基準を即確認
  • 乗り継ぎ時間が短いときは、手荷物からすぐ取り出せる配置にしておく
  • 予備電池は一か所に束ねず分散して収納すると検査がスムーズ

5. 機内での安全な使い方と保管の作法

5-1. 機内での基本マナー

  • 離着陸時は使用を控える(指示に従う)
  • 充電しながら高出力機器を長時間運転しない(発熱に注意)
  • 座席のUSB口やコンセントがある場合はそちらを優先
  • 周囲の方に配慮し、足元や通路にケーブルを伸ばさない

5-2. 保管のコツ(落下・圧迫・発熱を防ぐ)

  • 前席ポケットに無造作に入れない(落下・挟み込み防止)
  • クッション性のあるポーチに入れて足元に安定置き
  • 熱を持っていないかときどき手で確認
  • 飲み物をこぼす恐れがある場所は避ける

5-3. 異常時の対応(熱・におい・煙)

  • すぐ使用を中止し、客室乗務員へ連絡
  • 振らない・つぶさない・濡らさない
  • 指示に従い、必要なら隔離・冷却に協力
  • 自力での消火は無理をせず、機内の手順に従う

機内の「やる/やらない」早見表

区分やるやらない
置き方ポーチ+足元で安定ポケットに裸のまま放置
使い方低出力で短時間高出力で連続使用
心がけ指示に従う・発熱確認無断で分解・冷却材を当てる

6. 事前許可の取り方と連絡テンプレ

6-1. 申請前に用意する情報

  • 製品名・型番・メーカー
  • **容量(Wh/mAh・V)**の表示写真
  • 個数持ち込み目的(予備電源など)

6-2. 問い合わせの文面例(短文)

例:

便名:○○○、搭乗日:○月○日。
モバイルバッテリー(○○社○○型、○○Wh)を**○個**持ち込み予定です。100〜160Whの範囲のため、持ち込み可否と必要手続きをご教示ください。容量表示写真を添付いたします。

6-3. 回答が遅いときの備え

  • 印刷した仕様書本体の表示写真を用意
  • 代替案として容量の小さい予備を選ぶ
  • 経由便の会社にも同時に照会しておく

7. シーン別の最適パッキング例

7-1. 週末の国内旅行(端末充電が主目的)

  • 26,800mAh(約99Wh)までの1〜2台で十分
  • 個別ポーチ+端子保護、ケーブルは短いものを採用

7-2. 海外出張(ノートPCと端末を併用)

  • 20,000mAh級を2台USB-C高出力を優先
  • 変換プラグは電池ではないので預け入れ可。充電器は手荷物が安全

7-3. 家族旅行(台数が増える場合)

  • 100Wh以下を複数に分散。個別袋で端子保護
  • 座席の電源口の有無を事前確認し、ケーブル長を調整

まとめ:容量表示と持ち込み形態を整えれば安心

  • 預け入れ不可、手荷物のみ可が原則
  • 100Wh以下は持ち込み可/100〜160Whは許可が必要(多くは2個まで)/160Wh超は不可
  • 容量表示を明確に端子の保護単独トレイ提出で保安検査をスムーズに
  • 機内では発熱に注意し短時間運用乗務員の指示に従う
  • 経由・機材変更にも対応できるよう、表示写真・仕様書・問い合わせ履歴を手元に

ポイントは「表示・分別・申告」。この三つを守れば、モバイルバッテリーは空の旅の心強い相棒になります。

タイトルとURLをコピーしました