【地震が多い国】ランキング|世界で最も揺れる国とその理由

スポンサーリンク
防災

地震は世界のどこでも起こり得ますが、発生頻度・規模・被害の出方は国や地域で大きく異なります。移住や留学、海外赴任、観光の計画において、地震多発国の実情とリスク管理を理解しておくことは、安心な生活設計の土台です。

本記事では、プレート配置・活断層分布・歴史地震・津波リスクなどを総合し、実務目線で読み解ける「地震が多い国」ランキングと、なぜ揺れるのか/どう備えるのかを徹底解説します。ランキングはあくまで**地震ハザードの“目安”**であり、同一国内でも地域差が大きい点を最初に強調しておきます。さらに、都市別の地盤差・建築ストック・他災害との複合まで踏み込み、数字を行動に翻訳するためのチェックリストを豊富に添えました。


地震が多い国ランキングTOP10(前提と読み方)

評価軸は主に①プレート境界に近いか、②活断層密度、③歴史的なM6+の発生傾向、④沿岸都市の津波暴露、⑤人口集中地の脆弱性、⑥防災制度・建築基準の成熟度の6点です。順位は「生活・旅行の判断材料」としての実務的な目安であり、学術的な厳密ランクではありません。国単位→都市単位→街区・物件単位の三段での評価を推奨します。

ランキング(総合評価・地域差の注記つき)

順位国・地域主要な地学要因代表的リスク留意すべき地域差・補足
1日本太平洋/フィリピン海/北米/ユーラシアの4プレート会合域海溝型・直下型・津波・長周期太平洋岸・内陸活断層帯・盆地の増幅に留意
2インドネシアスンダ海溝・多火山弧の収束帯海溝型地震・津波・火山スマトラ・ジャワ・スラウェシで性状が異なる
3チリナスカ×南米の沈み込み帯巨大地震・津波細長い国土で沿岸都市の暴露が大きい
4フィリピンフィリピン海×ユーラシアの複雑境界内陸断層・火山・津波ルソン/ミンダナオで活断層系が多様
5アメリカ(西部中心)カリフォルニアの横ずれ境界直下型・断層地震西部と中部/東部でハザードが大きく異なる
6トルコ北アナトリア断層系など横ずれ境界都市直下・連動破壊マルマラ海周辺の将来リスクに注目
7メキシコココス×北米の沈み込み、内陸盆地海溝型・盆地での増幅メキシコシティは地盤増幅が顕著
8ニュージーランド太平洋×インド・オーストラリアの境界直下型・断層・津波北島/南島で様相が異なり長周期影響も
9中国チベット高原縁辺の大規模断層系内陸地震・山岳災害四川・雲南・新疆などで性状が異なる
10イランアラビア×ユーラシアの収束域内陸直下・レンガ造の脆弱性乾燥地帯でも倒壊・粉じんの二次被害

読み方のコツ:同じ国でも**「どの都市の、どの地盤に、どんな建物で住むか」**で実際のリスクは大きく変わります。国単位→都市単位→街区・物件単位の三段で評価しましょう。

代表的な大地震(概観)

国・地域代表例規模・特徴主な教訓
日本2011年東北地方太平洋沖巨大海溝型+津波揺れの長さ→津波避難の迅速化が最重要
インドネシア2004年スマトラ島沖M9級・広域津波沿岸部の高台指定と避難路の複線化
チリ1960年バルディビア観測史上最大級長周期影響・津波の国際的連鎖を認識
トルコ1999年イズミット、2023年南東部連動破壊・都市直撃耐震不正の撲滅応急仮設の標準化
ニュージーランド2011年クライストチャーチ直下・浅発・脆弱建物低層でも非構造部材の落下対策が肝心

評価の限界とデータの“偏り”を理解する

地震ハザード評価には観測網の密度過去記録の長さというバイアスがかかります。観測点が多い国ほど小さな地震がよく記録され、「地震が多い」ように見える側面がある一方、観測が粗い国では実際より少なく見えることもあります。また、都市化と人口増で被害が増大しているだけのケースもあるため、ハザード(自然現象)とリスク(人間社会の暴露と脆弱性)を切り分けて考える必要があります。本稿のランキングは地学的要因に主眼を置きつつ、都市の置かれ方・建築の耐震性・津波避難網などの“人側の要素”も加味した複合評価です。


なぜその国で地震が多いのか(原因を3レイヤーで理解)

プレート境界のタイプと地震の“質”

  • 収束(沈み込み)帯:巨大地震・津波が主役。チリ、日本、インドネシア、メキシコの沿岸に典型。
  • 横ずれ境界:断層沿いの直下型が主役。アメリカ西部、トルコ、ニュージーランド南島など。
  • 拡大境界・火山弧:中規模地震や火山性が中心。アイスランドや一部島弧で特徴的。

国内の活断層密度と“都市の置き場所”

  • 断層が密な帯状地域大都市が重なると、直下型の被害が拡大しやすい(例:マルマラ海沿岸、フィリピンのルソン断層帯)。
  • 盆地・沖積低地は揺れが増幅・長期化し、液状化も生じやすい(例:メキシコシティ、東京湾岸)。

津波・火山との“複合災害”

  • 海溝型地震では揺れ→津波の時間差が短く、自己判断で即避難できる設計が命綱。
  • 火山国では地震→噴火誘発の直接性は限定的でも、降灰・火山泥流等の副次被害が都市機能を大きく削ぐ。

国別ディープダイブ|都市選びと生活のコツ

代表的都市地盤・立地の要点住まいの工夫ひと言アドバイス
日本東京・仙台・静岡沖積低地は増幅/液状化、台地は安定免震/制震・家具固定・高台経路長周期対策として高層のガラス/吊り天井に注意
インドネシアジャカルタ・バンダアチェ低地・埋立地は浸水/液状化高台志向・津波避難ビルの位置確認火山灰時のフィルタ/マスク常備
チリサンティアゴ・バルパライソ沿岸は津波暴露、内陸は断層RC中層・通り抜けできる避難導線高台や避難階段を事前に歩く
フィリピンマニラ・ダバオ断層帯と沿岸が近接非構造部材固定停電対策雨季の洪水も重ねて評価
米国西部LA・SF・SEA横ずれ断層、沿岸津波旧耐震の改修家具固定エレベータ停止を前提に動線設計
トルコイスタンブール・イズミット断層直近・盆地増幅レンガ/無筋は回避、改修済表示確認広場・公園など屋外退避の把握
メキシコメキシコシティ盆地効果で長周期化軽量家具二次落下物対策液状化地帯の地図確認
NZクライストチャーチ・ウェリントン断層近接・港湾低地木造軽量/金物補強が有利ライフライン冗長化を重視
中国成都・昆明・ウルムチ山地縁辺で斜面崩壊家具固定避難通路確保土砂・ダムの二次災害も考慮
イランテヘラン・バム収束域の内陸直下耐震化済物件の確認徹底粉じん対策でマスク/ゴーグル

被害を小さくする“住まい・街づくり”の原則

建物では、構造体だけでなく非構造部材(天井・間仕切り・外装パネル・設備機器)の固定が被害の分岐点になります。通路の確保・倒れない家具配置・重い物を低くの三点で、室内の二次災害を大幅に減らせます。立地では、台地・基盤岩の街区を優先し、沿岸部は高台避難の所要時間を実地で測ること。都市は、津波避難ビルの指定・広域避難場所・無停電通信の整備が鍵です。

住まいの耐震・安全チェック(入居前の実装リスト)

項目具体的に何を見るか合格の目安
構造新耐震年/免震・制震有無、構造図新耐震以降非構造部材の対策
基礎・地盤台地/埋立/液状化、地質図台地/基盤岩、液状化は回避
室内安全家具固定、歩行動線、ガラス飛散L字金具・突っ張り飛散防止
ライフライン停電時の電源/水/熱モバイル電源給水ポリタンク
情報/連絡多言語警報・家族連絡ルール定型文テンプレ集合場所設定

津波タイムライン|0→10→30→60→180分の行動

  • 0分(強い/長い揺れ)警報を待たずに高台へ移動開始。靴・ライト・上着。
  • 10分:海沿いは海を見ない・Uターンしない。高台・避難ビルの上層へ
  • 30分最初の波は最大とは限らない。情報と人流に流されず居続ける
  • 60分第二波・第三波に備え、複線経路と合流場所を確認。
  • 180分:公式解除まで自発解除しない。夜間は保温・灯り・連絡を確保。

家庭・職場・旅行の“72時間パッケージ”

備蓄の目安(1人あたり)

品目量の目安備考
飲料水2〜3L/日×3〜7日調理用は別。電解質飲料少量。
主食9〜14食アレルギー対応/温不要食品を混ぜる。
モバイル電源10,000mAh以上×2ソーラーパネルがあれば尚良。
灯りLEDランタン+ヘッドライト予備電池。
衛生ウェットティッシュ・簡易トイレ1人/1日5〜7回分想定。
医療常用薬・鎮痛薬・包帯服薬リスト・処方箋控え。
現金小額紙幣通信・決済障害対策。

職場BCPの即応テンプレ

フェーズ目標主要アクション
0〜10分生命確保Drop/Cover/Hold on・出火停止・避難指示
10〜60分状況把握安否点呼・設備点検・対外連絡
1〜24時間業務継続代替拠点/在宅切替・重要業務の縮退
2〜3日復旧供給網確認・交代要員ローテ

旅行者の“ミニパック”

  • 中層ホテル(階段2系統)を選ぶ/非常口の位置を到着時に確認。
  • 枕元に靴・ライト・モバイル電源・小銭/窓際や大型家具のそばに寝ない。
  • 沿岸観光は高台・避難ビルの位置を地図に書き込み、徒歩時間を測る。

情報・通信・多言語対応

海外では言語の壁が安全を左右します。在外公館の安全情報、自治体の公式SNS、携帯キャリアの緊急SMSを登録し、英語(又は現地語)設定の防災アプリを併用しましょう。家族連絡は定型文テンプレ(安否/現在地/次アクション)を端末の定型辞書に登録しておくと、通信が不安定でも短文で要点が伝わります。

定型文の例

  • 安否:I’m safe. 場所:〇〇。次に××へ。電池△%。
  • 集合:集合は△△(地名)。到着予定□時。返信不要。
  • 代替:自宅不可。A経路閉鎖のためB経路で移動。

早見表とチェックリスト|数字を“行動”に翻訳する

震度・被害の目安(体感と行動)

震度体感の例行動の要点
5弱棚の物が落ち始める頭を守る/通路確保、火気確認
6弱立っていられないDrop, Cover, Hold on徹底
6強〜7家具ほぼ転倒エレベータ禁止/余震に備える

住まい・職場・旅行のミニチェック

シーン事前の確認揺れの最中直後〜1時間
自宅家具固定・高台経路頭を守る出火/ガス・ブレーカー確認
職場避難導線の二重化機械停止安否点呼・情報収集
旅行ホテルの避難図靴/ライト集合場所・移動手段確認

FAQ|よくある疑問と答え

Q. 「地震が多い=常に危険」ではない?
A. ハザード(自然現象)とリスク(暴露×脆弱性)は別物です。耐震建物・安全な地盤・即時避難の三点で実際の危険度は大きく下がります。

Q. 直下型と海溝型、どちらが怖い?
A. 直下型は都市直撃で揺れ被害が突出、海溝型津波長周期が広域を直撃。場所と建物次第で対策が変わります。

Q. 外国語が苦手。どう備える?
A. 定型文・地名のローマ字表記をスマホに登録。ピクトグラム中心の避難図があるホテルを選ぶと安心です。

Q. 子ども/高齢者/ペット対策は?
A. 名札・持病カード・常用薬、子どもは靴/ヘッドライトを習慣化。ペットはクレート慣れフード3日分を。


まとめ|“地震が多い国”でも、設計次第で安全に暮らせる

地震多発国の共通項は、プレート境界に近く、活断層と沿岸都市が重なり、津波・火山との複合ハザードを抱える点にあります。しかし、建物の選び方、立地の眼力、初動と避難の設計次第で、生活の安全度は大きく引き上げられます。最後にもう一度、数字を行動に翻訳しましょう。**揺れが強く/長い→高台へ。家具固定→通路確保→火気停止→安否連絡。**この反射的な一連の動きが、未知の土地でもあなたと家族を守ります。

タイトルとURLをコピーしました