【小学生向けに解説】どうして地図は北が上なの?地図の約束事をたっぷり紹介

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おもしろ雑学

「どうして地図はいつも北が上?」――そんな疑問に、歴史・ルール・読みこなし・世界の地図の見え方・デジタル地図の使い方まで、やさしい言葉で解説。読んだその日から、地図を“使える道具”に変えよう!


  1. 1.なぜ地図は北が上なの?基本の理由をやさしく
    1. 1-1 北が上は“世界共通の約束”だから
    2. 1-2 みんなで方角をそろえると超便利
    3. 1-3 例外もあるよ(逆さ地図・特別地図)
    4. 1-4 “北”にも種類がある
    5. 1-5 北は見つけやすい
  2. 2.地図の歴史:方角のうつり変わり
    1. 2-1 昔は“上=南”や“上=東”もふつう
    2. 2-2 方位磁石の広まりで「北」基準へ
    3. 2-3 大航海時代と地球儀の登場
    4. 2-4 港の地図・航海図の工夫
  3. 3.地図を読みこなすための約束事(ルール)
    1. 3-1 方位記号(N・E・S・W)をチェック
    2. 3-2 縮尺(しゅくしゃく)で“距離感”をつかむ
    3. 3-3 凡例(はんれい)と地図記号を読む
    4. 3-4 等高線(とうこうせん)で“高低差”を見る
    5. 3-5 経度・緯度、グリッドで“位置”を表す
  4. 4.地図の見え方:投影法(とうえいほう)でこんなに違う!
  5. 5.デジタル地図の使いこなし
    1. 5-1 「北上」と「進行方向上」を切り替える
    2. 5-2 レイヤー(層)で情報を重ねる
    3. 5-3 オフライン地図とバッテリー対策
    4. 5-4 プライバシーと安全
  6. 6.“目的別”いろいろな地図
  7. 7.今日からできる!地図力アップ練習帳
    1. 7-1 マイ地図づくり(自由研究)
    2. 7-2 三角測量ごっこ(やさしい版)
    3. 7-3 太陽と影で方角を知る
    4. 7-4 北極星で方角を知る(夜)
  8. 8.防災に強くなる“地図の見方”
  9. 9.“北が上”をもっと深く:比べて理解する表
    1. 9-1 北の種類くらべ
    2. 9-2 地図の約束事・「北が上」まとめ表(拡大版)
  10. 10.かんたん地図クイズ(レベルアップ)
  11. 11.Q&A よくある質問
  12. 12.用語辞典(やさしいことばで)
  13. 13.まとめ

1.なぜ地図は北が上なの?基本の理由をやさしく

1-1 北が上は“世界共通の約束”だから

今の多くの地図は「上=北」。同じ向きでそろえると、国がちがっても見方が同じになり、だれでも比べやすく、迷いにくくなります。教科書・観光地図・世界地図を横に並べても、上が北だと位置関係がすぐ分かります。

1-2 みんなで方角をそろえると超便利

防災、旅行、授業、スポーツ(オリエンテーリング)など、北を上に固定しておくと、チームで情報を伝えるときにもズレが起きにくく、安全・迅速です。

1-3 例外もあるよ(逆さ地図・特別地図)

国やテーマによっては「南が上」「東が上」の地図もあります。南半球の国で自分たちの位置を強調するために南を上にしたり、駅の構内図やテーマパークでは進みやすさを優先して向きを変えることもあります。

1-4 “北”にも種類がある

  • 真北(しんぼく):地球の自転の軸にそった、地図の本当の北。
  • 磁北(じほく):方位磁石が指す北。地域や年で少しズレます。
  • 地図の北:地図上で上に決められた北(図の北)。
    → 学校の地図はふつう真北基準。方位磁石を使うときは**磁気偏角(ズレ)**があることを覚えておくと“通”!

1-5 北は見つけやすい

北極星(きたの空の目印)や方位磁石で北を見つけやすいため、昔の船乗りや旅人にとっても便利でした。これも「北が上」が広がった理由です。


2.地図の歴史:方角のうつり変わり

2-1 昔は“上=南”や“上=東”もふつう

日本や中国、エジプトには南が上の地図がありました。王さまやお寺のある方角、太陽ののぼるを大切にしていた時代もあります。

2-2 方位磁石の広まりで「北」基準へ

方位磁石(コンパス)が広まると、だれでも北を一定に決められるようになりました。船乗りや旅人が北を手がかりに道を決め、北基準の地図が増えました。

2-3 大航海時代と地球儀の登場

約500年前、ヨーロッパで世界地図・地球儀がたくさん作られ、その多くが北上でした。これがそのまま世界標準に。イギリスの**本初子午線(ほんしょしごせん/経度0°)**が使われ、世界の位置合わせが進みました。

2-4 港の地図・航海図の工夫

海の上では、風・潮・暗礁など危険がいっぱい。港町では**港湾図(こうわんず)**が作られ、灯台や浅瀬を正確に表すため、方角を統一する必要がありました。


3.地図を読みこなすための約束事(ルール)

3-1 方位記号(N・E・S・W)をチェック

地図のすみにある矢印やN(北)/E(東)/S(南)/W(西)を見れば、方角がすぐ分かります。屋外では太陽の位置・影・方位磁石でも確認できます。

3-2 縮尺(しゅくしゃく)で“距離感”をつかむ

縮尺は「現実の距離をどれだけ小さくしたか」を示す約束。例:1:10,000 → 地図1cm=現地100m。定規やスマホのスケール機能で、歩く時間の見積もりもできます。

  • 練習:1:25,000の地図で学校まで4cm→ 現地1km(= 250m×4)
  • 曲がった道の距離:定規で折り曲げる/糸をなぞって長さを測るのがコツ。

3-3 凡例(はんれい)と地図記号を読む

色とマークは情報の宝庫。凡例に記号の意味がまとめてあります。

  • 色:山=茶/川・湖=青/平地=黄〜緑 
  • 記号:学校・駅・郵便局・神社・寺・田・畑・森林・病院 など
    → **危険箇所(がけ・川沿い・踏切)**も記号でチェック!

3-4 等高線(とうこうせん)で“高低差”を見る

等高線は、同じ高さをつないだ線。線の間隔がせまい=急な坂、広い=ゆるい坂。尾根の形の見分けができると、歩く道を安全に選べます。

3-5 経度・緯度、グリッドで“位置”を表す

地球上の地点は**経度(東西)緯度(南北)で表せます。地図の上に方眼(グリッド)**があると、座標で場所を伝えられて便利。


4.地図の見え方:投影法(とうえいほう)でこんなに違う!

地球は丸いので、平らな紙にすると形や大きさがゆがむことがあります。投影法のちがいを知ると、“地図の見え方”が納得できます。

投影法の名前何が得意?気をつける点どんな用途で使われやすい?
メルカトル図法角度・方位が分かりやすい高緯度ほど面積が大きく見える航海図、世界の位置関係ざっくり理解
正積図法(例:ガル・ピータース)面積の比が正しい形がのびる・つぶれる面積比較(人口・森林面積など)
ウィンケル・トリペル形・面積のバランスが良い少しずつ誤差がある一般向け世界地図、教科書
正距方位図法中心からの距離と方位が正しい周辺がゆがむ航空路、震源からの距離表示

例:グリーンランドがアフリカと同じくらいに見える地図がありますが、面積はアフリカの方が約14倍ほど大きい。これは投影法の“見え方の違い”です。


5.デジタル地図の使いこなし

5-1 「北上」と「進行方向上」を切り替える

スマホやカーナビは、進む向きが上になる設定もできます。歩く・運転は進行方向上、学習・比較は北上に切り替えると頭が整理されます。

5-2 レイヤー(層)で情報を重ねる

航空写真/地形(等高線)/交通/自転車/混雑度など、目的に合わせてレイヤーを選ぶと、地図がもっと“話す”ようになります。

5-3 オフライン地図とバッテリー対策

山や海外では電波が弱いことも。事前に地図を保存/モバイルバッテリーを持つ/位置共有のしすぎに注意、など安全第一で。

5-4 プライバシーと安全

位置情報の共有は必要な範囲だけに。夜道の検索は明るい道を選ぶ、踏切やトンネルではイヤホン音量を下げるなど、地図+安全行動で守ろう。


6.“目的別”いろいろな地図

地図の種類何がわかる?使いみち・コツ
路線図(鉄道・地下鉄)乗換え・駅のつながり実際の距離より見やすさ重視。駅間所要時間と合わせて見る
観光地図見どころ・写真スポット名所のイラストで楽しく計画。混雑時間は別途調べよう
ハザードマップ洪水・土砂災害・津波の危険自宅→避難所の安全ルートを2本以上確認
天気図・雨雲レーダー前線・風・雨の動き屋外活動の判断、雷注意報に注目
地形図(等高線)高低差・地形の特徴山歩き・防災・土地の成り立ち学習に最適
統計(主題)地図人口・農業・言語・産業など色分けの凡例を必ず確認、比較がコツ

7.今日からできる!地図力アップ練習帳

7-1 マイ地図づくり(自由研究)

  1. 自宅から学校まで歩き、信号・橋・坂・横断歩道をメモ。
  2. 方角を確認して北上で下書き。
  3. 縮尺を決め、定規で清書。
  4. 凡例を作り、危険箇所は赤で表示。
    → 仕上げに家族へプレゼン!

7-2 三角測量ごっこ(やさしい版)

校庭で2本の定規とメジャーを使い、離れた木までの距離を測ってみよう。2つの地点からの角度で場所が決まることを体験できます。(安全に大人と実施)

7-3 太陽と影で方角を知る

  1. 正午前に棒を立て、影の先に印(A)。
  2. しばらくしてもう一度印(B)。
  3. A→Bの線が東西。その線に直角が南北
    ※ 広い・安全な場所で実験しよう。

7-4 北極星で方角を知る(夜)

北斗七星からこぐま座の北極星を見つけると、だいたいの北が分かります。星座図アプリを使うと探しやすいよ。(夜間は安全第一)


8.防災に強くなる“地図の見方”

  • 避難所・広域避難地:最寄りを地図で確認。夜道・雨天でも安全なルートを2本以上。
  • 川・海・がけ:ハザードマップの色分けを確認。低地・合流点は水が集まりやすい。
  • 集合場所:家族で2か所決め、地図と文字でメモ。スマホが使えない前提で練習。
  • 通学路点検:踏切・交通量・歩道の幅・照明などを地図と実地でチェック。

9.“北が上”をもっと深く:比べて理解する表

9-1 北の種類くらべ

種類どうやって決まる?使う場面注意点
真北地球の自転軸にもとづく北地形図・教科書いつも一定(基準)
磁北方位磁石が指す北山歩き・屋外活動地域・年で偏角がある
図の北地図の“上”として決めた北路線図・案内図実際の北と違うことがある

9-2 地図の約束事・「北が上」まとめ表(拡大版)

地図のポイントどんな意味?/読み方使いこなしのコツ・観察ポイント
上=北世界共通で見くらべやすい例外の逆さ地図も“アリ”と知る
方位記号N/E/S/Wで方角を示す太陽・影・方位磁石でも確認
縮尺距離を小さく表す約束地図1cmが何mか“声に出す”
凡例・記号地形・施設を素早く把握危険箇所は赤で強調
等高線高低差の読み取り間隔=傾斜のきつさ、谷と尾根の見分け
投影法見え方のちがいを理解形・面積の“ゆがみ”に注意
デジタル地図進行方向上・レイヤーオフライン保存、充電対策
特別地図路線・観光・防災・統計目的で読み方を切り替える

10.かんたん地図クイズ(レベルアップ)

  1. 1:20,000の地図で8cmは現地で何m?
  2. 等高線の間隔がせまい場所は坂がゆるい/きつい
  3. メルカトル図法は角度が正確?面積が正確?
  4. “磁北”と“真北”は同じ?ちがう?
  5. デジタル地図のレイヤーって何のこと?
    こたえ:1) 1600m(=200m×8)/2) きつい/3) 角度/4) ちがう(偏角あり)/5) 情報を重ねる層のこと

11.Q&A よくある質問

Q1:どうして“北”がえらばれたの?
A:方位磁石と星で見つけやすい、航海・探検で道しるべになった、ヨーロッパ発の世界地図が北上で統一された――これらが合わさって世界標準になりました。

Q2:北が上じゃない地図はまちがい?
A:いいえ。目的に合った表し方です。路線図や観光図、南上の地図も立派な“正しい地図”。使う目的を確認しよう。

Q3:縮尺ってむずかしい…コツは?
A:最初に**縮尺バー(スケール)**を確認し、1cm=何mか声に出す。曲がった道は糸でなぞる、または定規を折り返して測ると分かりやすい。

Q4:スマホ地図はなぜ向きが変わるの?
A:現在地の向きに合わせて進行方向が上になる設定があるから。移動時は便利、学習時は北上へ切り替えよう。

Q5:地球儀と紙地図、どっちが正しいの?
A:どちらも正しい表し方。地球儀は形の正しさ、紙地図は見やすさ・比べやすさが得意。用途で使い分け!

Q6:防災で大事な地図の見方は?
A:避難所・高台・広場・危険区域(川沿い・がけ・低地)を色と記号でチェック。家族の集合場所とルートを2通り以上決めておく。

Q7:磁北と真北のズレ(偏角)はどうやって知る?
A:国土地理院や自治体の資料に目安値がのっています。登山地図には地域の偏角が書かれていることも。

Q8:世界の上下が逆の地図を見る意味は?
A:自分の見方をひっくり返すことで固定観念をやわらげる練習に。世界の多様性を学べます。


12.用語辞典(やさしいことばで)

  • 方位記号:N(北)・E(東)・S(南)・W(西)。地図の方角を示す印。
  • 縮尺(しゅくしゃく):現実の距離を小さく表すきまり。1:25,000なら地図1cm=250m。
  • 凡例(はんれい):地図に使った色や記号の意味の一覧表。
  • 地図記号:学校・駅・郵便局・神社・寺・田・畑・森林・病院などのマーク。
  • 等高線:同じ高さの点をつないだ線。高低差が分かる。
  • 投影法(とうえいほう):丸い地球を平らに表す方法。見え方が変わる。
  • 経度・緯度:地球上の位置を表す数字。経度は東西、緯度は南北。
  • 真北/磁北:真北=地球の軸の北。磁北=方位磁石が指す北(少しズレる)。
  • グリッド:地図の上の方眼。場所を座標で伝えやすい。
  • レイヤー:デジタル地図で情報を重ねて表示する仕組み。

13.まとめ

地図が「北が上」なのは、世界中で見方をそろえて比べやすくするため。でも、歴史や場所によって上下がちがう地図もあり、目的に合わせて表し方はさまざまです。

方位記号・縮尺・凡例・等高線・投影法を読み取り、紙地図・地球儀・デジタル地図を使い分ければ、世界はグッと分かりやすくなります。さあ、地図を片手に、学びと冒険を始めよう!

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