子どもの連絡カードと合流訓練|家庭で回す月次ガイド

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防災

「どこにいる?」「どこで会える?」に即答できる家庭は、いざという時に強い。 本稿は、子どもの連絡カードの作り方と、家族の合流訓練月1回のルーティンとして回すための実践ガイドです。

作成テンプレ、更新日、声かけ練習、地図の置き方に加え、年齢別の運用個人情報の守り方季節・災害別の合流順印刷と保管のコツゲーム化して続ける工夫まで拡張。家で今日から始められる具体手順に落とし込みました。


  1. 子どもの連絡カードの基本:目的・項目・携帯場所
    1. 連絡カードの役割と到達目標
    2. 必須項目・推奨項目の整理
    3. 携帯と保管の分散
      1. 連絡カード・項目早見表
  2. 家族の合流訓練:月次ルーティンの組み立て方
    1. 月1回・30分の型(平日の夜に)
    2. 週次の“超短縮”運用(3分)
    3. 役割ローテーション(飽きさせない)
      1. 月次ルーティン・チェック表
  3. つまずきやすい場面の対処:雨・停電・通信不良・混雑
    1. 雨・強風・雷のとき
    2. 停電・エレベーター停止のとき
    3. 通信が不安定・混雑で連絡が届かないとき
      1. 現象別・やること早見表
  4. 年齢別・家庭事情別の運用:幼児〜中学生・きょうだい差
    1. 幼児・低学年(読み上げ中心)
    2. 中学年前後(自分で判断)
    3. きょうだい・発達差への配慮
      1. 年齢別・カード運用の目安
  5. 作って配る:カード様式・印刷・地図・貼り札
    1. 連絡カードの書式(片面・A6想定)
    2. 印刷・加工のコツ(長持ち・見やすい)
    3. 家→学校の「合流地図」の作り方
    4. 玄関の貼り札(声出し用)
      1. 配布物・管理の表
  6. 個人情報の守り方:見せすぎない・更新忘れをなくす
    1. 見せる相手・場面を限定
    2. 情報の最小化
    3. 更新忘れをなくす仕組み
  7. 災害・事象別の合流順テンプレ:地震・水害・交通止まり
    1. 地震時
    2. 大雨・内水氾濫
    3. 交通機関の長時間停止
      1. 事象別・合流順の型
  8. 続ける工夫:ゲーム化・記録・ごほうび
    1. ゲーム化する
    2. 記録を残す
    3. ごほうび
  9. Q&Aと用語辞典:迷いを先回りで解消
    1. Q&A(よくある疑問)
    2. 用語辞典(やさしい言い換え)
  10. まとめ:カードは“紙の道しるべ”、訓練は“家族の合言葉”

子どもの連絡カードの基本:目的・項目・携帯場所

連絡カードの役割と到達目標

連絡カードは**「身元の提示」「家族への連絡」「合流地点の共有」を、周囲の大人(店員・警察・先生)が一目で理解できる形**に整える道具です。到達目標は、子ども自身がカードの内容を読み上げられ、第三者がすぐに電話できる状態を保つこと。音読10秒以内で要点が伝わると実用的です。

必須項目・推奨項目の整理

  • 必須:氏名(ふりがな)/学校・学年/生年月日/保護者名/連絡先(優先順に2つ)/住所(町名まで)/当面の合流先(例:○○交番・△△商店前)
  • 推奨:持病・服薬/アレルギー/血液型/筆談可否/外国語サポートの要否/顔写真(半年以内)帰宅禁止エリア(工事・冠水)
  • 注意:個人情報は必要最小限+最新版。スマホ写真だけでなく紙のカードも持つ。

携帯と保管の分散

  • 携帯:ランドセル外ポケットの透明窓/制服ポケット内側の防水ミニ袋/首下げケース(服の内側)
  • 保管予備カードを家・学校・学童に1枚ずつ。家の玄関貼り札を置き、持ち出し忘れゼロへ。

連絡カード・項目早見表

区分項目記入例更新頻度
必須氏名・ふりがな山田はるか(やまだ はるか)半年ごと
必須保護者・連絡先山田あきら 090-xxxx-xxxx変わるたび
必須合流先○○交番→××商店→学校月1で確認
推奨アレルギー・服薬卵アレルギー/吸入あり医師受診後
推奨顔写真直近6か月内の写真季節ごと
推奨帰宅禁止エリア川沿いの低地×状況で更新

家族の合流訓練:月次ルーティンの組み立て方

月1回・30分の型(平日の夜に)

  1. 読み合わせ(5分):子どもが自分でカードを音読。店員さん役の保護者が質問(名前・住所・合流先)。
  2. 地図なぞり(10分):家→学校の待避点3か所に星印、合流順(1→2→3)を書き、番号で呼ぶ練習
  3. 声かけロール(10分):店・交番・学校へ短文で伝える練習を立って実施。声量・視線・姿勢もチェック。
  4. 装備点検(5分)カードの汚れ・写真の古さ・筆記のにじみを確認し、必要なら差し替え

週次の“超短縮”運用(3分)

  • 玄関での唱和:「1で待つ→10分で2へ→無理なら3→家に電話」。
  • 持ち物タッチカード→タオル→反射材の3点タッチを声に出して確認。

役割ローテーション(飽きさせない)

  • 先頭役:指差し・合図。「止まる/右による/店に入る」。
  • 最後尾役:後方確認・人数点呼。「3・2・1、全員OK」。
  • 話しかけ役:店員・交番に一言で伝える練習。

月次ルーティン・チェック表

内容担当実施日評価(◎○△)次回課題
カード読み上げ第1水曜合流先の順番が入れ替わった
地図更新第1水曜新しい工事区間を反映
声かけ練習親子第1水曜店員役の質問を追加
装備点検第1水曜写真を新しくする

つまずきやすい場面の対処:雨・停電・通信不良・混雑

雨・強風・雷のとき

  • 屋根のある店先・公共施設の庇へ。横断歩道の白線・金属板では立ち止まらない。
  • 強風建物の内側の角で止まり、角を曲がる前に減速。傘は胸元の前で低く
  • 広い空地・高い単独木・川原は避ける。建物沿いで低くしゃがむ。

停電・エレベーター停止のとき

  • エレベーター:閉じ込められたら非常ボタン落ち着いて名乗る外の家族に電話むやみにこじ開けない
  • 暗い階段手すりを持ち、一段一段スマホライト足元のみ照らす。

通信が不安定・混雑で連絡が届かないとき

  • 優先連絡先2つ以上(親→祖父母→学校)カードに記載。
  • SMS定型文を端末に保存:「今○○店前。10分待ち→××交番。返信不要。
  • 公衆電話の位置を地図に印硬貨を小袋に入れて携帯。
  • 混雑時交番・店内の固定電話を頼る。

現象別・やること早見表

現象1分以内10分以内30分以内
豪雨屋根下へ合流先1で待機2→3へ移動
強風建物の内角角で減速・停止風向きが弱い通りへ
建物沿いへ低くしゃがむ落ち着いてから連絡
停電明かり確保エレベーターなら通報階段でゆっくり移動
通信不良SMS・公衆電話合流先2をめざす学校へ到達連絡

年齢別・家庭事情別の運用:幼児〜中学生・きょうだい差

幼児・低学年(読み上げ中心)

  • カード顔写真大きめ合流先は絵や記号も併記。
  • 訓練音読→指差し→復唱の3手順に限定。10秒で言える短文に。

中学年前後(自分で判断)

  • カード追加欄に「行き先メモ」「帰宅禁止エリア」。
  • 訓練店員・交番での話しかけを一人で実施。報告メッセージも書かせる。

きょうだい・発達差への配慮

  • 歩幅・速度に合わせ、合流点を細かく
  • 文字が苦手なら図・色・番号で示す。
  • 音が苦手な子は耳あて合図カードを追加。

年齢別・カード運用の目安

年齢カードの作り練習の中心合流の工夫
幼児写真大・記号多め指差し・復唱合流点を近距離で多く
低学年文字+記号音読10秒店員への一言練習
高学年文字中心・追加欄一人で話しかけSMS定型文の活用
中学生情報最小+更新徹底報告メッセージ代替ルートの判断

作って配る:カード様式・印刷・地図・貼り札

連絡カードの書式(片面・A6想定)

氏名(ふりがな):____(____)
学校・学年:____
生年月日:____
住所(町名まで):____
保護者名・連絡先①:____
連絡先②(祖父母・職場など):____
アレルギー・服薬:____
合流先:①____ → ②____ → ③____
今日の行き先メモ:____
顔写真(6か月以内)貼付欄:□

印刷・加工のコツ(長持ち・見やすい)

  • 用紙耐水紙または厚手にじみにくいペンで。
  • 加工ラミネートまたは透明カードケース。角を丸くして安全に。
  • サイズ:A4を4分割でA6。家用はA5で大きく掲示。

家→学校の「合流地図」の作り方

  • 家から学校までの地図に**星印(待避)・丸(合流)**を記す。
  • 番号順に**「10分で次へ」**の矢印。
  • 電話マーク連絡可能地点を示す。工事・冠水は×印。

玄関の貼り札(声出し用)

「カードよし・合流順よし・電話よし」
1で待つ→10分で2→3で連絡
白線・金属で立ち止まらない

配布物・管理の表

種別枚数置き場所更新時期
連絡カード(本番)2子ども携帯・学校半年ごと
連絡カード(予備)2家の玄関・学童半年ごと
合流地図2家の壁・ランドセル季節ごと
貼り札1玄関月1で見直し

個人情報の守り方:見せすぎない・更新忘れをなくす

見せる相手・場面を限定

  • 外での掲示はしない。必要なときに取り出して見せる運用に。
  • 顔写真半年で更新し、古いものは裁断して廃棄。

情報の最小化

  • 住所は町名まで連絡先は優先2つに絞る。
  • SNSにカード画像を載せない(ぼかしでも残る情報がある)。

更新忘れをなくす仕組み

  • 家族カレンダー更新日を登録。
  • カードの隅に次回更新月を手書き。
  • **学校行事(学期始め)**に合わせて見直す。

災害・事象別の合流順テンプレ:地震・水害・交通止まり

地震時

  • 頭上の落下物を避け、建物沿いの屋根下へ。
  • ガラス片の少ない通りを選び、合流先1→2→3の順。

大雨・内水氾濫

  • 低地・地下へ降りない。橋のたもとは避ける。
  • 段差の上→店の庇→交番の順に移動。

交通機関の長時間停止

  • 駅の外商店前・交番を合流に。
  • 改札前の密集を避け、店員・警備に声をかける。

事象別・合流順の型

事象123
地震建物の屋根下商店の軒交番
大雨段差の上店の庇学校のピロティ
交通止まり商店前交番家へ電話

続ける工夫:ゲーム化・記録・ごほうび

ゲーム化する

  • タイムアタック合図→到達までの時間を短縮。
  • 宝さがし:地図の番号ごとに小さなシールを集める。
  • 店員さん検定:言い方をていねい・大きな声で言えたら合格。

記録を残す

  • チェック表日付・所要時間・できた点を書き、**◎○△**で見える化。
  • 写真家内の共有アルバムへ(外部公開しない)。

ごほうび

  • 達成シールを集めたら、好きなおやつ家族ゲームの時間をプラス。

Q&Aと用語辞典:迷いを先回りで解消

Q&A(よくある疑問)

Q1.個人情報が心配です。
A.町名まで・連絡先は優先2つだけ・顔写真は半年で更新用途外の公開は避けること。

Q2.スマホだけで足りますか?
A.停電・圏外に備え、紙のカードと硬貨を必ず。端末ロック中でも見せられる緊急情報画面の準備も有効。

Q3.合流先が閉店していたら?
A.同じ通りの次の屋根下へ。入口をふさがず明るく人目のある場所を優先。

Q4.兄弟で移動速度が違う。
A.先頭は指差し→声→復唱、最後尾は後方確認役二列にしない。短い区間で合流点を多く置く。

Q5.練習に飽きます。
**A.**役割を交代し、店員役・警察役・先生役をローテ。タイムアタックで楽しさを足す。

Q6.学校や近所のお店に話を通すべき?
A.可能なら顔合わせを。「困ったらここに来ます」と一言伝えるだけでも安心感が違います。

用語辞典(やさしい言い換え)

  • 連絡カード名前・連絡先・合流先などをまとめた紙のカード
  • 合流先家族が落ち合う約束の場所
  • 待避危険から離れて一時的に身を寄せること
  • 庇(ひさし):建物の入口の上の屋根
  • 復唱:聞いた言葉をそのまま言い返すこと(合図の共有)。
  • 合図カード:文字が読みづらい場合に使う絵・色・番号の札

まとめ:カードは“紙の道しるべ”、訓練は“家族の合言葉”

連絡カードは「読める」「見せられる」「更新されている」を満たして初めて効きます。 月1回の合流訓練で、声・地図・装備を同時に磨き、**「1で待つ→10分で2→3で連絡」**を家族の合言葉に。年齢や季節に合わせて中身を見直し、迷いを前日に解消すれば、当日の足取りは軽く、安全は強くなります。

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