コンロやストーブの誤操作は、「うっかり」で片付けられがちです。けれど実際には、ツマミに触れやすい、加熱中か分かりにくい、タイマーを使っていない、鍋やストーブの近くに物がある、家族で手順が違うなど、小さな条件が重なって起こります。
特に、ガスコンロ、IHクッキングヒーター、石油ストーブは、便利な一方で火災、やけど、一酸化炭素中毒につながる可能性があります。安全装置が付いていても、使い方を誤ると事故を防ぎきれません。火を使わないIHでも、誤使用や不注意から火災などの重大事故が起きることがあります。NITEも、調理家電は火を使わないため安心と思われがちでも、誤使用・不注意から事故が発生していると注意喚起しています。
この記事では、コンロ・ストーブ誤操作を防ぐために、安全装置、ロック機能、タイマー、配置、家族ルール、異常時の初動を整理します。目的は、気をつける人を増やすことではなく、誰が使っても間違えにくい仕組みに変えることです。
結論|この記事の答え
コンロ・ストーブ誤操作を防ぐ最小解は、「触れにくくする」「加熱中を見える化する」「止める行動を毎回セットにする」「異常時は使い続けない」の4つです。
まず優先するのは、誤点火を防ぐことです。子ども、来客、ペット、高齢の家族がいる家庭では、ツマミやタッチパネルに触れただけで加熱が始まらないようにします。ガスコンロならツマミカバーやロック、IHならチャイルドロックや主電源オフを使います。製品によって機能が違うため、取扱説明書と製品表示を優先してください。
次に、加熱中を見えるようにします。炎、表示ランプ、タイマー音、スマホ通知、キッチンタイマーなど、目・耳・手順で気づける仕組みを重ねます。特にIHは炎が見えないため、天板が熱い状態や加熱中表示を家族全員が分かるようにすることが大切です。
3つ目は、消し忘れを人の記憶だけに頼らないことです。加熱開始と同時にタイマーを入れる、調理中に離れるなら一時停止する、退室前に「止めた」と声に出す、就寝前・外出前に火元を見る。このように、止める行動を日常の動線に組み込みます。
4つ目は、異常時の境界線を決めることです。ガス臭、異常表示、焦げ臭いにおい、油に火が入った、石油ストーブのにおいが強い、炎の色や燃え方がおかしい場合は、使い続けないでください。自己判断で分解・修理するより、メーカー、ガス会社、消防、販売店、専門業者へ相談するほうが安全です。
迷ったらこれでよい、という基準は「加熱開始と同時にタイマー、離れる前に停止、外出・就寝前に火元確認」です。後回しにしてよいのは、おしゃれな収納や便利グッズの買い足しです。まずは、誤点火・空だき・消し忘れを減らす仕組みを作りましょう。
これはやらないほうがよい行動も明確です。調理中のコンロから離れる、油火災に水をかける、石油ストーブを換気せず長時間使う、就寝時に使い続ける、カセットこんろを他の加熱機器の上で使う、取扱説明書を見ずに安全装置を解除する。便利さより、火災と中毒を避けることを優先してください。
誤操作は「触れる・見えない・忘れる」で起きる
誤操作は、単に不注意な人が起こすものではありません。家庭の環境が、間違えやすい形になっていることがあります。
1つ目は、触れやすさです。ガスコンロのツマミが子どもの手の届く位置にある、IHのタッチパネルに物が触れる、ペットが前面を踏む、石油ストーブの操作部に荷物が当たる。このような状態では、意図しない操作が起きやすくなります。
2つ目は、見えにくさです。ガスの弱火は見えにくく、IHは炎が出ません。石油ストーブも、部屋が明るいと燃焼状態の変化に気づきにくいことがあります。
3つ目は、忘れやすさです。電話、来客、子どもの呼びかけ、宅配、洗濯、スマホ通知など、調理や暖房中に別の行動が入ると、消し忘れが起きます。NITEのガスこんろ事故資料でも、天ぷら鍋の放置、グリル庫内の油脂発火、火をつけたまま外出して周囲の可燃物が発火した事例が示されています。
まずは、自宅の危険を次の表で確認してください。
| 原因 | 家庭で起きる例 | 最初にやる対策 |
|---|---|---|
| 触れる | 子どもがツマミを回す | ロック・カバー |
| 見えない | IH加熱中に気づかない | 表示・タイマー |
| 忘れる | 電話中に消し忘れる | 離席前停止 |
| 近い | 紙や布がコンロ近くにある | 可燃物を離す |
| 換気不足 | ストーブを閉め切りで使う | 換気ルール |
安全を優先する人は、まず「誰が触るか」より「触れても加熱が始まらないか」を見てください。注意喚起だけでは、子どもやペット、来客の動きまで管理しきれません。
費用を抑えたい人は、ツマミカバー、チャイルドロック、キッチンタイマー、火元確認メモ、ストーブ周りの無物化から始めると現実的です。高価な機器交換の前に、誤操作が起きる動線を減らします。
ガスコンロの安全装置と使い方
家庭用ガスコンロには、立ち消え安全装置、調理油過熱防止装置、消し忘れ消火機能などが付いているものがあります。東京消防庁の「STOP!こんろ火災」でも、現在製造されている家庭用ガスこんろは、全口に調理油過熱防止装置、立ち消え安全装置、こんろ・グリル消し忘れ消火機能を持つSiセンサーこんろであると説明されています。
ただし、安全装置があるから離れてよいわけではありません。装置は事故を減らすための補助であり、油調理やグリル調理では目を離さないことが基本です。
立ち消え安全装置は汚れにも注意する
立ち消え安全装置は、吹きこぼれや風などで火が消えたときにガスを止めるための装置です。便利な機能ですが、バーナーまわりの汚れや水濡れで火がつきにくくなったり、炎が不安定になったりすることがあります。
週1回程度、バーナーキャップ、点火プラグ、炎検知部の汚れを取ります。掃除方法は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してください。無理に金属ブラシでこする、部品を正しく戻さない、といった使い方は避けます。
調理油過熱防止装置を過信しない
調理油過熱防止装置は、油の温度が上がりすぎるのを防ぐための機能です。ただし、油の量、鍋の材質、センサーの当たり方、調理状況で働き方が変わります。
天ぷらや揚げ物では、火をつけたまま離れないことが基本です。東京消防庁も、調理中にこんろから離れないこと、こんろの周りに燃えやすいものを置かないこと、火が鍋底からはみ出さないように調節することを呼びかけています。
グリルは「見えない油」に注意する
魚焼きグリルは、庫内に油脂がたまりやすい場所です。NITEの資料でも、グリル庫内にたまった油脂が過熱して火災に至った事例が示されています。
グリルは、使用後に受け皿や網の汚れを確認します。焦げ、油汚れ、食材片を放置しないでください。グリル調理中も、タイマーを使い、終わったら庫内を冷ましてから掃除します。
ガス臭がしたら電気スイッチに触れない
ガス臭がする場合は、火気を使わず、電気スイッチにも触れず、換気し、元栓を閉め、ガス会社へ連絡します。換気扇や照明のスイッチを入れる行動も避けます。
「少しだけだから」と点火確認するのは危険です。異常時は、家庭内で試さず専門窓口へつなげます。
IHクッキングヒーターの誤操作対策
IHは炎が出ないため、火災の心配が少ないと思われがちです。しかし、IHやラジエントヒーターでも、誤使用や不注意から火災などの事故が発生しています。NITEは2025年の注意喚起で、2020年から2024年までの5年間に調理家電の事故が515件あり、製品別では電子レンジ・IHこんろが多く、原因別では使用者の誤使用・不注意が関係するものが約4割としています。
チャイルドロックは「使う時だけ」ではなく常時確認
IHには、チャイルドロックや操作ロックが付いている機種があります。子どもやペットがいる家庭では、使い終わったらロックを戻す運用が重要です。
停電復帰後やブレーカー操作後にロック状態が変わる機種もあります。取扱説明書で確認し、家族全員が解除・設定の方法を知っておきます。
天板に物を置かない
IHの天板は平らなので、つい鍋、布巾、調味料、書類、買い物袋を置きたくなります。しかし、天板に物を置く習慣は誤加熱や火災の原因になります。
特に、ラジエントヒーター付きの機種では、天板の一部が高温になります。NITEの注意喚起でも、ラジエントヒーター上の可燃物が発火する再現事例が紹介されています。
IH天板には、鍋以外を置かない無物帯を作ります。調理が終わったら、鍋を外し、電源オフ、ロック、天板の冷却確認までをセットにします。
タイマーを開始と同時に使う
IHは火が見えないため、加熱状態を忘れやすい機器です。タイマーを「煮込みの時だけ」ではなく、加熱開始時に毎回使う習慣にすると、消し忘れを減らせます。
タイマー音が聞こえにくい家族がいる場合は、スマホアラーム、光るタイマー、振動通知などを併用します。ただし、スマホだけに頼ると充電切れや持ち歩き忘れがあるため、キッチン固定のタイマーもあると安心です。
石油ストーブの誤操作・換気・給油管理
石油ストーブは、停電時にも使える機種があり、防災面で頼りになることがあります。一方で、火を使う暖房器具であり、換気不足や給油ミス、転倒、就寝時使用には注意が必要です。
NITEは、一酸化炭素中毒事故について、石油ストーブやガス湯沸器を長時間換気しないで使用したため一酸化炭素濃度が高くなった事故が多いと説明しています。 また、石油暖房器具を使う際はこまめに換気し、就寝時には使用せず、寝る前に確実に消火するよう注意喚起しています。
対震自動消火を過信しない
石油ストーブには、揺れや衝撃で消火する対震自動消火装置が付いている機種があります。ただし、水平で安定した場所に置くこと、周囲に燃えやすい物を置かないことが前提です。
洗濯物を近くに干す、カーテンの近くに置く、通路に置く、ペットや子どもが触れる位置に置くと危険です。対震自動消火は補助機能であり、転倒や接触を防ぐ配置が先です。
給油は火を消してから行う
給油は、必ず消火し、機器が冷えた状態で行います。灯油をこぼした場合は、すぐに拭き取り、乾燥させます。
カートリッジタンクのふたが緩い、劣化している、閉め方が甘い場合は、漏れや火災につながることがあります。製品表示と取扱説明書を確認し、異常がある場合は使わないでください。
換気をルール化する
石油ストーブを使う部屋では、一定時間ごとに換気します。窓を少し開けるだけでなく、空気が入れ替わるようにします。換気の目安は機種や部屋の広さで異なるため、取扱説明書を優先してください。
一酸化炭素は見えず、においでも判断できません。頭痛、吐き気、眠気、気分不良がある場合は、すぐに使用を止め、換気し、屋外や安全な場所へ移動します。症状がある場合は医療・救急へつないでください。
配置と動線で誤操作を減らす
安全装置を使っていても、周囲の配置が悪いと事故は起きます。コンロやストーブの周りは、「触れない」「近づけない」「燃え移らない」「引っ掛けない」を基準に整えます。
ツマミ・操作部に触れにくくする
ガスコンロのツマミは、子どもの手やペットの体が触れる位置にあることがあります。ツマミカバー、操作ロック、キッチンゲートなどで、意図せず操作しにくい状態にします。
IHのタッチパネルも、布巾、鍋、子どもの手、ペットの前足で反応する可能性があります。使わない時はロックし、天板上には物を置きません。
鍋の持ち手を通路側へ出さない
鍋やフライパンの持ち手が通路側へ出ていると、体や服、子どもの手が引っ掛かることがあります。持ち手は横向きまたは奥向きにし、通路側へ突き出さないようにします。
ただし、別の火口の炎にかかる向きも危険です。持ち手を避けるだけでなく、火口の配置と家族の通り道を合わせて見ます。
ストーブ周りに物を置かない
石油ストーブやガスファンヒーターの周りには、洗濯物、紙、布、スプレー缶、カーテン、家具を近づけないでください。暖房器具の上や前に洗濯物を干すのは危険です。
子どもやペットがいる家庭では、ストーブガードを検討します。ただし、ガード自体が熱くなる、つまずく、近づきすぎるなどの問題もあるため、製品表示と設置条件を確認してください。
配置の見直しは、次の表で確認できます。
| 場所 | 避けたい状態 | 安全寄りの状態 |
|---|---|---|
| コンロ前 | ツマミに子どもが触れる | ロック・カバー |
| 天板上 | 布巾や紙を置く | 鍋以外置かない |
| 鍋の持ち手 | 通路側へ突き出す | 横・奥へ向ける |
| ストーブ周り | 洗濯物・紙・布が近い | 周囲を空ける |
| 退室動線 | 火元を見ずに出る | 火元確認を動作化 |
習慣化で消し忘れを防ぐ
誤操作対策は、道具だけでは完成しません。毎回同じ手順にすることで、家族全員が迷わず操作できるようになります。
加熱開始とタイマーをセットにする
調理を始める時は、鍋を置く、火力や出力を決める、タイマーを入れる、加熱開始。この順番を固定します。
「少しだけ温める」「すぐ戻る」時ほど、タイマーを省略しがちです。しかし、電話や来客が入ると簡単に忘れます。短時間でもタイマーを使う家庭ルールにすると、消し忘れを減らせます。
離れる時は一時停止する
調理中に離れる場合は、火を弱めるだけでなく、止めることを基本にします。特に油調理、グリル、ストーブ使用中は、離席しないことが原則です。
どうしてもその場を離れる必要がある場合は、一時停止、消火、タイマー再設定、家族へ声かけをセットにします。「戻るつもりだった」を減らす仕組みです。
声出し確認を家族ルールにする
外出前、就寝前、調理後は、「火を止めた」「ロックした」「元栓を見た」と声に出して確認します。声出しは単純ですが、行動を自分で確認し、家族にも伝えられる効果があります。
高齢者がいる家庭では、チェックメモやマグネット表示も役立ちます。「使用中」「停止済み」などの見える表示を使うと、家族が確認しやすくなります。
よくある失敗とやってはいけない例
コンロやストーブの安全対策では、「少しだけ」「いつも大丈夫」が危険につながることがあります。特に、油、ガス、換気不足、可燃物、就寝時使用には注意が必要です。
| 失敗例 | なぜ危ないか | 代わりにすること |
|---|---|---|
| 調理中にその場を離れる | 消し忘れ・過熱 | 一時停止・消火 |
| 油火災に水をかける | 炎が広がる危険 | 消火器・避難・119 |
| IH天板に物を置く | 誤加熱・発火 | 鍋以外置かない |
| ストーブ近くに洗濯物 | 接触・発火 | 室内干し場所を分ける |
| 換気せず石油ストーブ使用 | 一酸化炭素中毒 | こまめに換気 |
| 寝る時にストーブをつける | 火災・中毒 | 就寝前に消火 |
| 安全装置を解除して使う | 事故リスク増 | 取説通りに使う |
特に油火災では、水をかけるのは避けてください。東京消防庁の資料でも、カセットこんろやこんろ火災の注意として、調理中に離れない、こんろ周りに燃えやすい物を置かない、安全機能付きこんろを使うことが示されています。 油に火が入った場合は、家庭用消火器を使えるなら使用し、難しければ避難して119番へ連絡します。無理な消火でけがをしないことも大切です。
また、カセットこんろをIHクッキングヒーターやガスこんろの上に置くのは危険です。東京消防庁は、誤って下のこんろのスイッチを入れて爆発する事故が発生しているとして注意を促しています。
ケース別判断|家庭条件で優先順位は変わる
コンロ・ストーブ誤操作の対策は、家族構成や住まい方で変わります。自分の家庭に近いケースから優先してください。
子どもがいる家庭
子どもがいる家庭では、最優先は「触れても点かない」状態にすることです。ガスコンロのツマミカバー、IHのチャイルドロック、キッチンゲート、ストーブガードを検討します。
ただし、ガードやロックだけで安心しないでください。子どもは成長すると届く場所や開けられる操作が変わります。定期的に、子どもの目線と手の届く範囲で見直します。
油調理や熱い鍋を扱う時は、子どもをキッチンに近づけない運用も必要です。手伝わせる場合でも、火や熱源に近い作業は大人が担当します。
高齢者がいる家庭
高齢者がいる家庭では、表示の見やすさ、音の聞こえやすさ、消し忘れ対策を優先します。タイマー音が小さい、表示が小さい、操作が複雑な機器は、誤操作につながることがあります。
自動消火機能のある機器、音と光で知らせるタイマー、大きな表示ラベル、声出し確認、外出前チェック表が役立ちます。
ただし、認知機能の低下や体調不良がある場合は、家庭内の工夫だけで解決しようとしないでください。家族、ケアマネジャー、地域包括支援センター、福祉用具や住宅改修の相談先につなぐことも選択肢です。
ペットがいる家庭
ペットがいる家庭では、前面スイッチ、IH天板、ストーブの周囲に注意します。猫がIHの上に乗る、犬のしっぽがストーブに触れる、ペットがコードやホースを引っ掛けることがあります。
使わない時はロック、主電源オフ、天板上を空にする、ストーブ周りに柵を置く、コードやホースを壁沿いに整理するなど、物理的に触れにくくします。
ペットだけで留守番させる時に、加熱機器やストーブを使い続けるのは避けます。
賃貸住宅の場合
賃貸では、機器交換や壁固定が難しい場合があります。まずは、取扱説明書に沿ったロック設定、ツマミカバー、置き型タイマー、ストーブ周りの無物化、火元確認メモなど、原状回復しやすい対策から始めます。
ガス機器の不調、元栓、ガス臭、換気設備の問題は、自己判断で改造しないでください。管理会社、大家、ガス会社へ相談します。
停電・地震も考える家庭
停電時に使える石油ストーブやカセットこんろは、防災用品として役立つことがあります。ただし、密閉空間や換気不足では危険です。テント内、車内、閉め切った部屋での使用は避けます。NITEも、テント内や車内などで石油器具やガス器具を使うと、一酸化炭素中毒や酸欠で死亡するおそれがあると注意しています。
地震時は、まず身の安全を守り、揺れが収まってから火元を確認します。ガス臭がする場合は火気や電気スイッチに触れず、換気と元栓確認、ガス会社への連絡を優先します。
点検・掃除・季節の見直し
安全装置は、設定して終わりではありません。汚れ、劣化、電池切れ、誤設定、家族構成の変化で、機能が十分に働かないことがあります。
次の表を目安に、定期的に確認してください。
| 点検項目 | 頻度の目安 | 見るポイント |
|---|---|---|
| ガスコンロ周り | 週1回 | バーナー汚れ、炎の乱れ |
| グリル | 使用ごと | 油脂、食材片、焦げ |
| IH天板 | 使用ごと | 物がないか、汚れ |
| ロック機能 | 週1回 | 解除されていないか |
| タイマー | 週1回 | 音量、聞こえ方 |
| 石油ストーブ | 使用前・週1回 | 換気、給油漏れ、燃焼状態 |
| 消火器・警報器 | 月1回 | 場所、期限、作動確認 |
掃除では、製品ごとの取扱説明書を優先します。水をかける、部品を無理に外す、濡れたまま点火するなどの使い方は避けます。
季節の切り替わりも大切です。暖房を出す時期には、ストーブの給油タンク、芯、電池、警報器、換気方法を確認します。暖房をしまう時期には、灯油を残したまま長期保管しないよう、メーカー案内に従って処理します。
もしもの時の初動
誤操作や異常が起きた時は、慌てて近づくより、まず安全を確保します。
油に火が入った場合は、水をかけないでください。家庭用消火器が近くにあり、初期で安全に使える場合は使用します。炎が大きい、煙が多い、怖いと感じる、消火器がない場合は、避難して119番へ連絡します。
ガス臭がする場合は、火気を使わず、電気スイッチに触れず、窓を開け、元栓を閉め、ガス会社へ連絡します。
IHで異常表示が出た場合は、加熱を止め、取扱説明書で確認します。焦げ臭い、煙が出る、天板にひびがある、再通電しても異常が続く場合は、使用を中止し、メーカーや販売店へ相談します。
石油ストーブで強いにおい、異常燃焼、気分不良がある場合は、消火し、換気し、使用を中止します。頭痛、吐き気、眠気、意識がぼんやりするなどの症状がある場合は、一酸化炭素中毒の可能性も考え、安全な場所へ移動し、救急相談や119番を検討してください。
FAQ
Q. コンロ・ストーブ誤操作対策は、まず何から始めればよいですか?
まず、加熱開始と同時にタイマーを入れること、使わない時はロックや主電源オフにすること、コンロ・ストーブ周りの可燃物をどけることから始めてください。子どもやペットがいる家庭では、ツマミカバーやチャイルドロックも優先度が高いです。機器交換より、誤点火・消し忘れを起こしにくい手順を先に整えるのが現実的です。
Q. ガスコンロの安全装置があれば、調理中に離れても大丈夫ですか?
安全装置は事故を減らす補助であり、調理中に離れてよいという意味ではありません。特に油調理、グリル、煮込みでは、過熱や消し忘れが火災につながることがあります。調理中はその場を離れず、離れる場合は一時停止や消火を基本にしてください。東京消防庁も、調理中にこんろから離れないことを注意喚起しています。
Q. IHは火が出ないので安全ですか?
IHは炎が出ないため安心に見えますが、誤使用や不注意で事故が起きることがあります。天板に可燃物を置く、加熱中表示を見落とす、対応しない鍋を使う、ラジエントヒーター上に物を置くなどは危険です。NITEも、IHこんろを含む調理家電の事故では、使用者の誤使用・不注意が関係するものが多いと注意喚起しています。
Q. 石油ストーブは換気をどのくらいすればよいですか?
換気の目安は機種、部屋の広さ、住宅の気密性で変わるため、取扱説明書を優先してください。一般論としては、こまめに窓を開けて空気を入れ替えることが重要です。換気不足では一酸化炭素中毒の危険があります。頭痛、吐き気、眠気、気分不良がある場合は、すぐ使用を止めて換気し、安全な場所へ移動してください。
Q. 高齢の家族の消し忘れが心配な場合はどうすればよいですか?
自動消火機能のある機器、音と光で知らせるタイマー、大きな表示、外出前チェック表を組み合わせます。火を使う時間を短くし、油調理や長時間煮込みを家族在宅時に限定する方法もあります。何度も消し忘れる、操作が分からなくなる、体調や認知面の不安がある場合は、家族だけで抱えず、地域包括支援センターや医療・介護の窓口に相談してください。
Q. 油に火がついたら、鍋に水をかければよいですか?
水はかけないでください。高温の油に水が入ると、炎が一気に広がる危険があります。初期で安全に使える場合は家庭用消火器を使い、難しければ避難して119番へ連絡します。火を消そうとして近づきすぎると、やけどや煙の吸い込みにつながります。無理に消そうとしない判断も大切です。
結局どうすればよいか
コンロ・ストーブ誤操作を防ぐには、優先順位をはっきりさせることが大切です。最初にやるのは、触れても点かない状態を作ることです。ガスコンロはツマミカバーやロック、IHはチャイルドロックや主電源オフ、石油ストーブは操作部と周囲のガードを確認します。
次に、消し忘れを記憶に頼らない仕組みにします。加熱開始と同時にタイマー、離れる前に停止、外出・就寝前に声出し確認。この3つを家族の共通ルールにしてください。
最小解は、「ロック常時確認」「タイマー毎回設定」「周囲に燃えやすい物を置かない」「調理中に離れない」「石油ストーブは換気して就寝時に使わない」です。ここまでできれば、誤点火、空だき、消し忘れ、火災、一酸化炭素中毒のリスクをかなり下げられます。
後回しにしてよいのは、収納の見た目、便利グッズの買い足し、全機器の一斉交換です。まずは、今ある機器の安全装置を使い切り、危険な習慣を減らすことが先です。
今すぐやるなら、コンロ周りの紙・布・調味料・袋をどけます。次に、ロック機能とタイマーの使い方を家族で確認します。最後に、ストーブの周りに洗濯物や可燃物がないか、換気方法が決まっているかを見ます。
迷ったときの基準は、「子どもやペットが触れても点かないか」「加熱中だと一目で分かるか」「離れる前に必ず止める仕組みがあるか」です。この3つに不安があるなら、配置、ロック、タイマー、見える表示を優先します。
ただし、ガス臭、異常燃焼、異常表示、油漏れ、焦げ臭いにおい、消火不良、石油ストーブ使用中の体調不良は、家庭内の工夫で済ませないでください。メーカー、ガス会社、販売店、消防、医療・救急へつなぐ境界線です。火と熱を使う道具は、慣れで扱うほど危険に気づきにくくなります。装置と習慣の両方で、誤操作を起こしにくい台所と暖房環境に変えていきましょう。
まとめ
コンロ・ストーブの誤操作は、「触れる」「見えない」「忘れる」が重なって起きます。対策は、ロックやカバーで触れにくくし、表示やタイマーで見える化し、消火確認を毎回の動作に組み込むことです。
安全装置は頼れる機能ですが、万能ではありません。調理中に離れない、油火災に水をかけない、石油ストーブを換気せず使わない、就寝時に使い続けない。こうした「やらないほうがよいこと」を家族で共有することが、事故を減らす近道です。


