オール電化の停電対策にカセットコンロ|選び方と安全な備え方

スポンサーリンク
防災

オール電化の家は、ふだんの暮らしではとても便利です。IHコンロ、電気給湯器、電子レンジ、電気ポットなどを組み合わせれば、火を使わずに調理や給湯ができます。

ただし、停電になると弱点が一気に表に出ます。調理も湯沸かしも、暖かい飲み物も、電気に頼っているものは止まってしまうからです。

そこで備えておきたいのが、カセットコンロとカセットボンベです。特別な防災用品というより、「停電時にも温かい一杯を作るための生活道具」と考えると分かりやすいでしょう。

一方で、カセットコンロは火気とガスを扱う道具です。便利だからといって、換気の悪い場所で使ったり、大きな鍋で本体を覆ったり、ボンベを高温の場所に置いたりすると事故につながります。消費者庁も、防災用品は使い方を誤ると重大な事故につながるとして、カセットこんろなどの正しい使用を呼びかけています。

この記事では、オール電化住宅にカセットコンロを導入するか迷っている人に向けて、必要性、選び方、ボンベ本数、安全な使い方、家庭別の備え方まで整理します。読み終えるころには、「自分の家なら何をどこまで用意すればよいか」が決めやすくなるはずです。

  1. 結論|この記事の答え
  2. オール電化住宅でカセットコンロが役立つ理由
    1. 停電時に困るのは「料理」より先に「湯」
    2. カセットコンロは「調理器具」より「橋渡し熱源」と考える
    3. 電気だけに頼らないことで選択肢が増える
  3. カセットコンロを選ぶときの判断基準
    1. 最初の1台は家庭用の標準型で十分
    2. 見るべき機能は「安全・安定・掃除しやすさ」
    3. 鍋・やかんとの相性も重要
  4. カセットボンベは何本必要か
    1. まずは1日あたりの使い方で考える
    2. 赤ちゃん・高齢者がいる家庭は湯を多めに見積もる
    3. 買いすぎにも注意する
  5. 安全に使うための基本ルール
    1. 換気・見張り・離れないを基本にする
    2. 置き場所は「平ら・離す・燃えない」を基準にする
    3. ボンベは高温・直射日光・車内を避ける
  6. よくある失敗とやってはいけない例
    1. 大きな鍋や鉄板で本体を覆ってしまう
    2. カセットコンロを2台並べる
    3. 車内・テント内・密閉空間で使う
    4. IHコンロの上に置いて使う・保管する
  7. ケース別|家庭に合わせた備え方
    1. 一人暮らしの場合
    2. 夫婦・家族世帯の場合
    3. 赤ちゃんがいる家庭の場合
    4. 高齢者がいる家庭の場合
    5. 停電が長引く地域・冬の備えを重視する場合
  8. 保管・見直し・日常使いのコツ
    1. 保管場所は「涼しい・乾いた・取り出せる」場所
    2. 半年に1回は点検する
    3. 普段使いすると備えが生きる
  9. FAQ
    1. オール電化でもカセットコンロは本当に必要ですか?
    2. カセットボンベは何本あれば足りますか?
    3. カセットコンロは屋外で使えば安全ですか?
    4. ボンベが古い場合でも使えますか?
    5. 停電時にカセットコンロで暖を取ってもよいですか?
    6. 子どもがいる家庭で特に気をつけることは?
  10. 結局どうすればよいか

結論|この記事の答え

オール電化住宅には、カセットコンロを1台備えておく価値があります。

理由は単純です。停電時に、IHコンロ、電気ポット、電子レンジ、電気給湯器が使えなくなると、「湯を沸かす」「食事を温める」「乳児や高齢者に必要な温かいものを用意する」という基本動作が止まりやすいからです。

最初から大がかりな装備をそろえる必要はありません。迷ったらこれでよい、という最小構成は次の通りです。

用意するもの最小の目安理由
カセットコンロ安全装置付き1台停電時の主な熱源になる
カセットボンベ1人暮らしで3〜6本、家族で6〜12本程度から湯沸かし・温めに使う
ふた付き鍋・やかん各1つ燃料を節約しやすい
魔法瓶・保温容器1つ以上夜間の火の使用を減らせる
火気ルール家族で共有事故を防ぐため

まず優先するのは、火力の強さや見た目ではありません。優先順位は「安全装置」「安定して置ける五徳」「扱いやすいサイズ」「自宅で保管しやすいボンベ本数」です。

後回しにしてよいのは、凝った調理器具、専用の高級鍋、アウトドア用の大型装備です。停電時に必要なのは豪華な料理ではなく、温かい飲み物、レトルト食品の加熱、汁物、簡単な主食です。

一方で、これはやらないほうがよい行動があります。カセットコンロを2台並べる、大きな鉄板や鍋で本体を覆う、テントや車内で換気せず使う、ボンベをストーブや直射日光で温める、といった使い方です。東京消防庁も、電磁調理器の上で使わない、大きな調理器具でこんろを覆わない、指定されたボンベを使う、調理以外に使わないといった注意を示しています。

迷ったときの基準は、「停電時に家族が1〜3日、温かい湯と簡単な食事を確保できるか」です。まずはそこまで用意できれば、防災としてかなり現実的な一歩になります。

オール電化住宅でカセットコンロが役立つ理由

オール電化住宅の弱点は、電気が止まると生活の複数の機能が同時に止まりやすいことです。

ガス併用住宅であれば、停電してもガスコンロで火を使える場合があります。しかしオール電化住宅では、IHコンロも電気ポットも電子レンジも止まるため、湯を沸かす手段が一気に限られます。

停電時に困るのは「料理」より先に「湯」

停電時というと、まず食事をどうするかを考えがちです。もちろん食事も大切ですが、実際には「湯を作れないこと」が大きな不便になります。

湯があると、次のことができます。

・白湯やお茶を飲める
・インスタント食品を作れる
・レトルト食品を湯煎できる
・粉ミルクや介護食の準備に使える
・寒い時期に体を温めやすい
・洗顔や手洗いの不快感を減らせる

電気が止まっても、温かい一杯があるだけで不安は少し和らぎます。これは精神論ではなく、体温維持や水分補給にも関わる実用的な意味があります。

カセットコンロは「調理器具」より「橋渡し熱源」と考える

カセットコンロを、普段のキッチンと同じように使おうとすると無理が出ます。

停電時に何品も作ろうとすると、ボンベを多く使い、火を使う時間も長くなります。安全面でも負担が増えます。

カセットコンロは、電気が戻るまでの橋渡し熱源と考えるのが現実的です。

優先順位使い道具体例
1湯を沸かす白湯、粉ミルク、レトルト湯煎
2温かい汁物を作る味噌汁、スープ、雑炊
3主食を温めるパックご飯、麺類、湯煎ご飯
4簡単なおかずを温める缶詰、常温保存食品

凝った調理より、温かさと水分を確保することを優先します。特に停電初日は、冷蔵庫の中身を使い切るより、家族の体調と安全を保つことが先です。

電気だけに頼らないことで選択肢が増える

オール電化住宅でも、太陽光発電や蓄電池がある家庭はあります。ただし、すべての家で停電中に普段通り使えるとは限りません。設備の仕様、停電時の切り替え方法、蓄電池の容量によって使える範囲は変わります。

そのため、カセットコンロは「蓄電池がない家の代替」だけではありません。電気をスマホ充電や照明に回し、湯沸かしや簡単な調理はガスで行う、という役割分担にも使えます。

防災では、1つの手段に頼りすぎないことが大切です。電気、ガス、保温、常温食品を組み合わせると、家庭の選択肢が増えます。

カセットコンロを選ぶときの判断基準

カセットコンロ選びで大切なのは、火力の数字だけではありません。

非常時に使うなら、「安全に設置できるか」「家族の誰でも扱えるか」「普段から試しやすいか」を見て選ぶほうが失敗しにくくなります。

最初の1台は家庭用の標準型で十分

初めて備えるなら、まずは家庭用の標準型カセットコンロで十分です。

アウトドア向けの高火力モデルや、特殊な形のものは便利な場面もありますが、家庭内での非常用としては扱いやすさが重要です。

種類向いている家庭注意点
標準型初めて備える家庭、一人暮らし風のある屋外では使いにくい場合がある
薄型・広五徳鍋の安定感を重視する家庭大きすぎる鍋は避ける
風に強いタイプ玄関先や屋外調理も想定する家庭屋内使用の可否は製品表示を確認
多機能・高火力型日常でもよく使う家庭燃料消費が増えることがある

安全を優先する人は、安全装置付きで、五徳が安定し、取扱説明書が分かりやすいものを選ぶとよいでしょう。

費用を抑えたい人は、高機能モデルよりも標準型1台とボンベ、ふた付き鍋、魔法瓶をそろえるほうが実用的です。

見るべき機能は「安全・安定・掃除しやすさ」

カセットコンロの機能は多く見えますが、家庭用の備えでは次のポイントを確認すれば十分です。

確認項目見るポイント判断の目安
安全装置圧力感知、過熱防止など取扱説明書や製品表示で確認
五徳の安定性鍋がぐらつかないか手持ちの鍋と合うか見る
点火のしやすさつまみが固すぎないか家族が操作できるか
掃除のしやすさ汁こぼれを拭きやすいか受け皿周りが複雑すぎないもの
ボンベの入手性一般的なCB缶か近所で買いやすいか

製品によって使える鍋のサイズ、屋内外の使用条件、指定ボンベが異なります。購入前だけでなく、使用前にもメーカー案内と取扱説明書を確認してください。

鍋・やかんとの相性も重要

カセットコンロ本体だけを買っても、鍋が合わなければ使いにくくなります。

底が平らで、五徳の上で安定する鍋ややかんを選びましょう。大きすぎる鍋や鉄板で本体を覆うと、熱がこもってボンベが過熱するおそれがあります。これは非常に危険です。

非常時用としては、次の組み合わせが扱いやすいです。

・ふた付きの片手鍋
・小さめのやかん
・湯煎に使える深めの鍋
・耐熱性のある鍋つかみ
・魔法瓶または保温ポット

毎日使う人は、普段の鍋と兼用できるものを選ぶと収納に困りにくくなります。たまにしか使わない人は、非常用セットとして一か所にまとめておくほうが探す手間を減らせます。

カセットボンベは何本必要か

ボンベの必要本数は、家族人数、季節、使い方で変わります。

「何本あれば絶対に大丈夫」と断定することはできません。冬場は湯を使う量が増えやすく、乳児や介護がある家庭では必要量も変わります。

ここでは、家庭で考えやすい目安として整理します。

まずは1日あたりの使い方で考える

カセットボンベ1本の燃焼時間は、火力や機種、気温によって変わります。製品表示の燃焼時間を優先してください。

実用上は、「1日に何分くらい火を使うか」で見積もると分かりやすくなります。

家庭の使い方1日の使用イメージ備蓄の考え方
最低限湯沸かし中心、レトルト少し少なめでも運用しやすい
標準湯、汁物、簡単な主食家族人数に応じて余裕を持つ
多め乳児・高齢者・冬場の湯が多い予備を上乗せする

一人暮らしなら、まず3〜6本程度からでも始めやすいでしょう。2〜4人家族なら、6〜12本程度あると、湯沸かしと簡単な温めに使いやすくなります。

ただし、これはあくまで目安です。製品の燃焼時間、調理内容、気温、家族構成で前後します。

赤ちゃん・高齢者がいる家庭は湯を多めに見積もる

乳児のミルク、介護食、服薬、温かい飲み物が必要な家庭では、ボンベを少し多めに見積もるほうが安心です。

特にミルク作りでは、衛生面や温度管理が重要です。調乳方法は製品表示や自治体、医療・保健機関の案内を優先してください。停電時だからといって、自己流で温度や衛生管理を省くのは避けたいところです。

高齢者がいる家庭では、冷たい食事が続くと食欲が落ちることがあります。温かい汁物や白湯を用意できるだけでも、食べやすさが変わります。

買いすぎにも注意する

防災用品は「多ければ多いほど安心」と考えがちですが、カセットボンベは保管場所と劣化の問題があります。

国民生活センターは、カセットボンベの長期保管では内部のゴムパッキンの劣化にも注意が必要だとしています。

大量に買って押し入れの奥に置いたままにすると、サビ、変形、期限切れ、存在忘れが起きやすくなります。

費用を抑えたい人は、最初から大量に買わず、「1週間分の目安を決める」「普段の鍋料理で少し使う」「使った分を補充する」という回し方が現実的です。

安全に使うための基本ルール

カセットコンロは、正しく使えば心強い道具です。

しかし、非常時は部屋が暗い、寒い、家族が慌てている、換気を忘れやすいなど、普段より事故が起きやすい条件が重なります。だからこそ、使う前のルール化が大切です。

換気・見張り・離れないを基本にする

カセットコンロを使うときは、次の3つを家庭ルールにしてください。

ルール内容理由
換気する窓や換気扇で空気を入れ替える不完全燃焼を防ぐため
見張る火を使う間は誰かがそばにいるふきこぼれや転倒に気づくため
離れない着火中に別室へ行かない火災ややけどを防ぐため

とくに、鍋を火にかけたまま別の作業をするのは避けてください。非常時はスマホ確認、家族への連絡、片付けなどで注意が散りやすくなります。

火を使う時間は短くし、湯を沸かしたら魔法瓶へ移す。レトルトを温めたらすぐ消火する。この流れを決めておくと安全です。

置き場所は「平ら・離す・燃えない」を基準にする

設置場所は、台所の平らな場所が基本です。

カーテン、紙類、ふきん、食品パッケージ、スプレー缶、アルコール、油の近くでは使わないでください。鍋の持ち手は通路側に出さず、内向きにします。

賃貸住宅やマンションでは、ベランダで使いたくなるかもしれません。しかし、ベランダは避難経路や共用部分にあたる場合があり、規約で制限されることがあります。また風で炎が不安定になることもあります。

屋内外にかかわらず、製品表示と住宅のルールを確認し、無理な場所では使わないことが大切です。

ボンベは高温・直射日光・車内を避ける

カセットボンベは、高温になる場所に置かないでください。

NITEは、カセットボンベをカセットこんろから取り外し、室内の40℃未満の場所に保管すること、高温下や熱源のそばに放置しないことを事故防止のポイントとして示しています。

車内、窓際、暖房器具の近く、ガスコンロの近く、直射日光が当たる収納は避けましょう。

寒い日に火力が弱いからといって、ボンベを直火やストーブで温めるのは危険です。室温に近い場所で保管し、使用直前に装着する程度にしてください。

よくある失敗とやってはいけない例

カセットコンロの事故は、「危ない道具だから起きる」というより、「便利だから少し無理をしてしまう」ことで起こりやすくなります。

ここでは、家庭で特に起きやすい失敗を整理します。

大きな鍋や鉄板で本体を覆ってしまう

家族分を一度に作りたいと、大きな鍋や鉄板を使いたくなることがあります。

しかし、カセットコンロを覆うほど大きな調理器具は避けてください。熱がこもり、ボンベが過熱するおそれがあります。東京消防庁も、大きな調理器具でこんろを覆わないよう注意しています。

家族分を作る場合は、大鍋で一気に作るより、小さめの鍋で回数を分けるほうが安全です。燃料節約には、ふたを使う、食材を小さく切る、保温容器を使う方法が向いています。

カセットコンロを2台並べる

2品同時に作りたいからといって、カセットコンロを2台並べて使うのは避けてください。

互いの熱でボンベが過熱するおそれがあります。NITEも、ボンベが異常に熱くなる誤った使い方の例として、カセットこんろを2台以上並べて使用しないことを挙げています。

非常時の調理は、同時進行ではなく順番を決めるのが安全です。湯を沸かす、魔法瓶に入れる、レトルトを温める、汁物を作るというように、1口で回せる献立にしましょう。

車内・テント内・密閉空間で使う

車中泊や避難時に、車内やテント内でカセットコンロを使いたくなる場面があるかもしれません。

しかし、換気が不十分な密閉空間で火を使うと、一酸化炭素中毒の危険があります。特に就寝前後や寒い時期は、換気を避けたくなるため危険が高まります。

車内、テント内、狭い物置、閉め切った室内では使わないでください。寒さ対策は、カセットコンロで暖を取るのではなく、衣類、毛布、湯たんぽ、保温容器、温かい飲み物で考えます。

IHコンロの上に置いて使う・保管する

オール電化住宅で見落としやすいのが、IHコンロの上にカセットコンロを置くことです。

平らで使いやすそうに見えますが、誤ってIHの電源が入るとカセットボンベが加熱されるおそれがあります。東京消防庁も、電磁調理器上での使用や保管をしないよう注意しています。

オール電化の家では特に、「IHの上は置き場所にしない」と決めておくと安全です。

ケース別|家庭に合わせた備え方

カセットコンロの備え方は、家族構成や住まいによって変わります。

全家庭に同じ装備が必要なわけではありません。自分の家に当てはまるケースから考えると、買いすぎや不足を防ぎやすくなります。

一人暮らしの場合

一人暮らしなら、標準型のカセットコンロ1台、ボンベ3〜6本、やかんまたは小鍋、魔法瓶があれば始めやすいです。

食事は、レトルト食品、パックご飯、インスタント味噌汁、缶詰を組み合わせると、火を使う時間を短くできます。

置き場所が少ない場合は、コンロとボンベを同じ箱に詰め込まず、ボンベは高温にならない場所へ分けて保管します。玄関近くやキッチン収納など、災害時に取り出しやすい場所が向いています。

夫婦・家族世帯の場合

2〜4人家族では、ボンベ6〜12本程度を目安にしつつ、家族の食べ方に合わせて調整します。

子どもがいる家庭では、火の近くに寄らないルールを先に決めてください。床にテープで「ここから入らない線」を作る、火を使う人と子どもを見る人を分ける、鍋の持ち手を内側に向けるといった工夫が役立ちます。

家族で使う場合は、誰か1人だけが使い方を知っている状態は避けたいところです。大人が複数いるなら、装着、点火、消火、換気、片付けまで一度は確認しておきましょう。

赤ちゃんがいる家庭の場合

乳児がいる家庭では、ミルク用の湯をどう確保するかが重要です。

ただし、調乳には温度や衛生の注意があります。製品表示、自治体や保健機関の案内を優先し、停電時も自己流で省略しないようにしてください。

備えとしては、カセットコンロだけでなく、清潔な水、調乳に使う道具、魔法瓶、使い捨て哺乳ボトルのような選択肢も検討できます。必要なものは家庭によって異なるため、普段の育児用品と一緒に見直すとよいでしょう。

高齢者がいる家庭の場合

高齢者がいる家庭では、硬い食品や冷たい食事が続くと食べにくくなることがあります。

そのため、温かい汁物、やわらかい主食、レトルト介護食の湯煎を想定しておくと安心です。火を使う人が高齢者本人になる場合は、点火操作が難しくないか、鍋を持ち上げられるか、換気を忘れないかを確認してください。

不安がある場合は、高齢者本人に無理に使わせるより、家族や近隣支援、自治体の防災情報と組み合わせるほうが安全です。

停電が長引く地域・冬の備えを重視する場合

冬場や停電が長引きやすい地域では、ボンベを少し多めにし、燃料を節約する道具を優先します。

具体的には、ふた付き鍋、魔法瓶、保温鍋、湯たんぽ、常温保存できる食品です。

火を長時間使って暖を取るのではなく、短時間で湯を作り、保温して使う考え方にしましょう。暖房代わりにカセットコンロを使うのは避けてください。

保管・見直し・日常使いのコツ

カセットコンロは、買って終わりではありません。

いざというときに使えなければ意味がないため、保管場所、ボンベの状態、使い方の確認を決めておくことが大切です。

保管場所は「涼しい・乾いた・取り出せる」場所

ボンベは直射日光や高温を避け、風通しのよい屋内で保管します。湿気が多い場所ではサビが出やすくなるため、床に直置きせず、箱や棚に入れると管理しやすくなります。

カセットコンロ本体は、ホコリや油汚れがつかない場所に置きます。ただし、奥深くにしまい込むと災害時に取り出せません。

おすすめは、キッチン収納や防災用品棚など、家族が場所を説明できる位置です。

半年に1回は点検する

見直し頻度は、半年に1回を目安にすると続けやすいです。

点検する内容は難しくありません。

・ボンベにサビや変形がないか
・本体に汚れや破損がないか
・点火できるか
・鍋が安定して置けるか
・保管場所が高温になっていないか
・家族が使い方を覚えているか

防災の日、年末、台風シーズン前など、家の行事に合わせると忘れにくくなります。

普段使いすると備えが生きる

カセットコンロは、非常時だけの道具にすると使い方を忘れがちです。

鍋料理、湯豆腐、ベランダではなく室内の食卓調理など、製品の使用条件に合う範囲で普段から使うと、点火やボンベ交換に慣れます。

ただし、日常使いでも安全ルールは同じです。換気する、離れない、ボンベを外して保管する、指定のボンベを使う。この基本は変えないでください。

FAQ

オール電化でもカセットコンロは本当に必要ですか?

必須とは言い切れませんが、停電時の熱源として備える価値は高いです。オール電化では、IH、電子レンジ、電気ポット、電気給湯器が同時に使えなくなることがあります。カセットコンロがあれば、湯沸かし、レトルト食品の加熱、汁物づくりができます。蓄電池がある家庭でも、電気を照明やスマホ充電に回し、調理はガスで補う使い方ができます。

カセットボンベは何本あれば足りますか?

家族人数と使い方で変わります。一人暮らしなら3〜6本、2〜4人家族なら6〜12本程度から考えると始めやすいです。ただし、冬場、乳児、高齢者、介護食、湯を多く使う家庭では追加が必要になることがあります。製品ごとの燃焼時間を確認し、「1日に何分火を使うか」で見積もると現実的です。

カセットコンロは屋外で使えば安全ですか?

屋外なら必ず安全、というわけではありません。風で炎が不安定になったり、ベランダが共用部分にあたったりする場合があります。屋内では換気、屋外では風対策と安定した設置が必要です。製品によって屋外使用の向き不向きもあるため、メーカー案内を確認してください。強風時や不安定な場所での使用は避けましょう。

ボンベが古い場合でも使えますか?

未使用でも、サビ、変形、へこみ、ガス臭、接続部の異常があるものは使わないでください。長期保管では内部部品が劣化する可能性があります。使用期限や製造時期の目安は製品表示を確認し、不安がある場合は無理に使わず交換するほうが安全です。廃棄方法は自治体によって異なるため、地域のルールを確認してください。

停電時にカセットコンロで暖を取ってもよいですか?

暖房代わりに使うのは避けてください。カセットコンロは調理用の器具であり、部屋を暖めるために長時間燃焼させる使い方は危険です。一酸化炭素中毒や火災のリスクがあります。寒さ対策は、重ね着、毛布、湯たんぽ、温かい飲み物、断熱シートなどを組み合わせ、火を使う時間は短くするのが基本です。

子どもがいる家庭で特に気をつけることは?

子どもがいる家庭では、火に近づかせない仕組みを作ることが大切です。口で注意するだけでなく、床に立入禁止ラインを作る、見張り役を決める、鍋の持ち手を内側に向ける、使い終わったらすぐボンベを外すなど、行動で防ぎます。子どもが泣いている、ペットが走り回るなど、落ち着いて見張れない状況では無理に使わない判断も必要です。

結局どうすればよいか

オール電化住宅でカセットコンロを備えるなら、最初に目指すのは「停電時に普段通り料理すること」ではありません。

優先順位は、湯を沸かす、温かい飲み物を作る、レトルトや汁物を温める、必要な人に食べやすいものを出すことです。これができれば、停電初日から数日の不安はかなり減らせます。

最小解は、安全装置付きの家庭用カセットコンロ1台、家族人数に合わせたボンベ、ふた付き鍋、やかん、魔法瓶です。迷ったときは、火力の強い機種よりも、扱いやすく、安定して置けて、説明書通りに使えるものを選んでください。

後回しにしてよいものは、高級な調理器具、大型鉄板、凝った非常食メニュー、使いこなせるか分からないアウトドア用品です。防災は、たくさん買うことより、必要なときに安全に使えることが大切です。

今すぐやることは3つです。まず、家に熱源の代替手段があるか確認します。次に、カセットコンロとボンベを用意する場合は、置き場所と保管ルールを決めます。最後に、家族で一度だけでも点火、湯沸かし、消火、ボンベ取り外しまで試してください。

安全上の境界線もはっきりさせましょう。大きな鍋で本体を覆わない。2台並べない。車内やテント内で使わない。換気せずに使わない。ボンベを温めない。古いボンベや異常のあるボンベは使わない。

不安がある場合は、製品の取扱説明書、メーカー案内、自治体の廃棄ルール、消防・消費者安全に関する公的情報を確認してください。火気やガスに関わる道具は、自己判断で無理をしないことがいちばんの安全策です。

オール電化の弱点は、電気が止まると熱源が止まりやすいことです。カセットコンロは、その弱点を小さく補う現実的な道具です。今日そろえるなら、豪華な装備ではなく、「安全に湯を沸かせる一式」から始めましょう。

まとめ

オール電化住宅では、停電時に調理や給湯の手段が一気に限られます。カセットコンロとボンベを備えておくと、湯沸かし、レトルト食品の加熱、汁物づくりなど、最低限の温かい食事を確保しやすくなります。

ただし、カセットコンロは火気とガスを扱う道具です。安全装置付きの機種を選び、換気、見張り、離席しないことを家庭ルールにしましょう。大きな鍋で本体を覆う、2台並べる、車内やテント内で使う、ボンベを高温にさらすといった使い方は避ける必要があります。

最初から大げさな装備は不要です。まずは「安全に湯を沸かせる一式」を用意し、半年に1回点検するだけでも、停電時の安心感は大きく変わります。

タイトルとURLをコピーしました