冬になると、森や山、池の近くでくらす動物たちの中には、長いあいだ動きをおさえてすごすものがいます。これを「冬眠」といいます。クマ、リス、ヤマネ、コウモリ、カエル、ヘビ、カメなど、冬眠や冬ごもりに近い生活をする動物はたくさんいます。
では、どうして動物は冬眠するのでしょうか。寒いから眠るだけなのでしょうか。実は、冬眠はただの長い昼寝ではありません。冬の寒さや食べ物不足をのりこえるために、体の働きをゆっくりにして、エネルギーを節約する特別なしくみです。
この記事では、動物が冬眠する理由、冬眠中の体の変化、冬眠する動物の種類、冬ごもりや渡りとの違いを、小学生にもわかる言葉で解説します。自由研究に使える観察の考え方も紹介します。
ただし、野生動物の冬眠場所を探したり、巣穴をのぞいたり、眠っている動物を起こしたりするのは危険です。動物にとって命に関わることもあります。冬の自然を学ぶときは、近づくことより、静かに見守ることを大切にしましょう。
結論|この記事の答え
動物が冬眠するのは、寒い冬を少ないエネルギーで生きのびるためです。
冬は、気温が低くなります。さらに、虫、草、木の実、魚など、動物が食べるものも少なくなります。食べ物が少ないのに動き回ると、体力をたくさん使ってしまいます。そこで一部の動物は、体の働きをゆっくりにして、秋までにためた脂肪を少しずつ使いながら春を待ちます。
冬眠中の動物は、ただ眠っているだけではありません。心臓の動きや呼吸がゆっくりになり、体温や代謝も下がります。代謝とは、体の中でエネルギーを使ったり作ったりする働きのことです。代謝を下げることで、使うエネルギーを少なくできます。
迷ったらこれでよいです。冬眠は、寒さと食べ物不足をのりこえるための省エネ生活だと覚えましょう。
まず優先して理解したいのは、冬眠は「長く寝ているだけ」ではなく、「命を守るために体を冬用のモードに変えている」ということです。後回しにしてよいのは、心拍数や体温変化の細かい数字です。動物の種類によって大きく違うため、最初はしくみの考え方をつかめば十分です。
これはやらないほうがよいのは、冬眠中の動物を起こすことです。冬眠中に起こされると、動物は大切なエネルギーを使ってしまいます。冬の途中で何度も起こされると、春まで体力がもたないこともあります。
観察するなら、動物そのものを探すより、足あと、木の実の食べあと、巣材、落ち葉の下のすみかの跡などを、離れた場所から見るのが安全です。
動物が冬眠する理由
動物が冬眠する理由は、大きく分けると「寒さ」と「食べ物不足」です。
冬は気温が低くなり、体を温めるために多くのエネルギーが必要になります。ところが、冬は食べ物が少なくなる季節でもあります。つまり、エネルギーを使いたいのに、補給しにくい時期なのです。
冬は食べ物が少なくなる
春や夏には、虫、草、花、木の実、小さな生き物などがたくさんあります。
しかし冬になると、草は枯れ、虫は少なくなり、雪が積もる地域では地面の食べ物を探しにくくなります。池や川のまわりでも、水温が下がり、活動する生き物が減ります。
動物がいつも通り動き回ると、おなかがすきます。けれど、食べ物が見つからなければ、体力を失ってしまいます。
冬眠は、この問題を解決するための作戦です。動かず、体の働きを下げ、エネルギーをできるだけ使わないようにします。
寒さで体力を使いすぎないため
寒い場所で体を温め続けるには、エネルギーが必要です。
人間も寒い日に外にいると、体がふるえたり、温かいものを食べたくなったりします。動物も同じように、体を保つためにはエネルギーが必要です。
冬眠する動物は、体温や体の働きを下げて、使うエネルギーを減らします。これは、家電の省エネモードや、スマホの低電力モードに少し似ています。
ただし、動物の冬眠は人間がまねできるものではありません。人間の体は、安全に体温や代謝を大きく下げて長期間すごすしくみを持っていません。
外敵や危険を避ける意味もある
冬は、食べ物が少ないだけでなく、雪や寒さで動きにくくなる季節です。
小さな動物が外を動き回ると、天敵に見つかる危険もあります。土の中、木の穴、岩のすき間、落ち葉の下などで静かにすごせば、見つかりにくくなります。
| 冬の問題 | 動物に起きる困りごと | 冬眠の役割 |
|---|---|---|
| 食べ物が少ない | 動き回っても食べ物を見つけにくい | エネルギー消費を減らす |
| 気温が低い | 体を温めるのに力を使う | 体の働きをゆっくりにする |
| 雪や氷がある | 移動しにくい | 安全な場所でじっとする |
| 外敵に見つかる | 小さな動物ほど危険が増える | すみかに隠れてすごす |
冬眠は、寒い季節をやりすごすための、動物たちの生き残り作戦です。
冬眠中の体では何が起きているのか
冬眠中の動物は、ただ眠っているわけではありません。
体の中では、心臓、呼吸、体温、代謝などが大きく変わります。これにより、少ないエネルギーで長い冬をすごせるようになります。
心臓と呼吸がゆっくりになる
冬眠中は、心臓の動きがゆっくりになります。
心臓が速く動くと、それだけエネルギーを使います。呼吸も同じです。冬眠中の動物は、必要最低限の動きにして、体力を温存します。
小さな動物では、ふだんより心拍や呼吸がかなり少なくなることがあります。ただし、どのくらい下がるかは動物の種類によって違います。
体温が下がる動物もいる
ヤマネやコウモリのように深く冬眠する動物は、体温が大きく下がることがあります。
体温が下がると、体の中の働きがゆっくりになり、エネルギーをあまり使わずにすみます。カエルやヘビ、カメなどの変温動物は、まわりの温度の影響を受けやすく、寒い時期には動きがとても少なくなります。
一方で、クマのように体温を大きく下げない動物もいます。クマは冬の間、穴の中で静かにすごしますが、ヤマネやコウモリほど深い冬眠とは少し違います。
ためた脂肪を少しずつ使う
冬眠する動物は、秋のうちにたくさん食べて、体に脂肪をためます。
冬眠中は、その脂肪を少しずつ使って生きています。つまり、秋にためたエネルギーの貯金で冬をこしているのです。
| 体の働き | ふだん | 冬眠中 |
|---|---|---|
| 心臓の動き | 活動に合わせて動く | とてもゆっくりになる |
| 呼吸 | ふつうに呼吸する | 回数が少なくなる |
| 体温 | 種類に応じて保つ | 下がる動物もいる |
| 代謝 | 食べ物からエネルギーを使う | かなり低くなる |
| エネルギー源 | 食べ物 | 秋にためた脂肪 |
冬眠は、体の働きを止めることではありません。命を保つために、必要な働きだけをゆっくり続けるしくみです。
冬眠する動物としない動物の違い
すべての動物が冬眠するわけではありません。
冬眠するかどうかは、体のしくみ、住んでいる地域、食べ物の種類、寒さへの強さによって変わります。
冬眠する代表的な動物
冬眠する動物には、ヤマネ、コウモリ、ハリネズミ、リスの仲間、カエル、ヘビ、カメなどがいます。
日本でよく知られているクマも、冬に穴の中で長くすごします。ただし、クマの場合は体温を大きく下げる深い冬眠というより、「冬ごもり」に近いと説明されることがあります。
| 動物 | 冬のすごし方 | 主な場所 |
|---|---|---|
| ヤマネ | 深い冬眠 | 落ち葉の下、木の穴 |
| コウモリ | 深い冬眠 | 洞くつ、建物のすき間 |
| カエル | 動きをおさえてすごす | 土の中、池の底の泥 |
| ヘビ | 寒さを避けてじっとする | 土の中、石のすき間 |
| カメ | 水底や土の中で動きを減らす | 池の底、土の中 |
| クマ | 浅い冬ごもりに近い | 山の穴、木の根元 |
同じ「冬眠」といっても、すごし方は動物によってかなり違います。
冬眠しない動物もいる
シカ、キツネ、鳥の一部、人間などは、冬眠せずに冬も活動します。
冬毛に生えかわる、食べ物を探す場所を変える、群れで行動する、あたたかい地域へ移動するなど、別の方法で冬をのりこえます。
鳥の中には、冬になるとあたたかい地域へ移動するものもいます。これは冬眠ではなく「渡り」です。
地域によって冬眠するか変わることもある
同じ種類の動物でも、住んでいる場所によって冬眠のしかたが変わることがあります。
寒い地域では冬眠に近い生活をしても、あたたかい地域では冬も活動することがあります。冬の長さ、雪の量、食べ物の多さが関係します。
そのため、「この動物は必ず冬眠する」と強く決めつけるのは避けたほうがよいです。地域や年ごとの気温によって違いがあります。
冬眠・冬ごもり・渡りの違い
動物の冬のすごし方には、冬眠だけでなく、冬ごもりや渡りもあります。
似ているようで、体の変化や行動が違います。
冬眠は体の働きを大きく下げる
冬眠は、体温、呼吸、心臓の動き、代謝を大きく下げて、長い間じっとすごす方法です。
ヤマネやコウモリのように深く冬眠する動物は、外から見るとほとんど動かないように見えることがあります。
冬眠中に無理に起こされると、体を温め直すためにたくさんのエネルギーを使ってしまいます。
冬ごもりは比較的浅い
冬ごもりは、冬の間、すみかにこもって活動を少なくすることです。
クマは冬の間、穴の中でじっとすごしますが、体温は大きく下がりません。途中で目を覚ましたり、メスが出産して子育てを始めたりすることもあります。
そのため、クマの冬のすごし方は、深い冬眠というより浅い冬眠、または冬ごもりに近いと考えられます。
渡りはあたたかい場所へ移動する
渡りは、鳥などが季節に合わせて遠くへ移動することです。
ツバメは寒い季節になると、あたたかい地域へ移動します。ハクチョウのように、冬に日本へやって来る鳥もいます。
渡りは、冬眠のように体の働きを下げるのではなく、食べ物や気候に合う場所へ移動して冬をすごす方法です。
| 冬のすごし方 | 体の変化 | 行動 | 例 |
|---|---|---|---|
| 冬眠 | 体温や代謝が大きく下がる | 長くじっとする | ヤマネ、コウモリ |
| 冬ごもり | 体温低下は小さめ | 巣穴で静かにすごす | クマ |
| 渡り | 体の働きは活動状態 | 遠くへ移動する | ツバメ、ハクチョウ |
| 活動を続ける | 季節に合わせて変化 | 食べ物を探す | シカ、キツネなど |
動物は、それぞれの体と環境に合った方法で冬をこしています。
冬眠前に動物がする準備
冬眠は、冬になって急に始まるわけではありません。
多くの動物は、秋のうちから少しずつ準備を始めます。冬眠に入る前の準備が、冬を生きのびるためにとても大切です。
たくさん食べて脂肪をためる
冬眠中は、ほとんど食べ物を食べません。
そのため、秋のうちにたくさん食べて、体に脂肪をためておきます。木の実、虫、果実、魚など、動物の種類に応じた食べ物を食べます。
脂肪は、冬の間のエネルギー源になります。いわば、体の中にしまっておく食料です。
安全なすみかを探す
冬眠するには、安全な場所が必要です。
寒すぎず、雨や雪が入りにくく、外敵に見つかりにくい場所が向いています。木の穴、土の中、岩のすき間、落ち葉の下、洞くつなどが使われることがあります。
動物によっては、枯れ草や落ち葉を集めて巣を作るものもいます。
活動を少しずつ減らす
冬が近づくと、気温や日照時間の変化が合図になります。
日照時間とは、太陽が出ている時間の長さです。秋になって昼が短くなり、気温が下がると、体が冬の準備へ向かいます。
| 準備 | 何をするか | 理由 |
|---|---|---|
| 食べる | 木の実や虫などを多く食べる | 脂肪をためるため |
| すみか探し | 穴や落ち葉の下を選ぶ | 寒さや外敵を避けるため |
| 巣づくり | 枯れ草や葉を集める | 体温を逃がしにくくするため |
| 活動を減らす | 動く時間を短くする | エネルギーを節約するため |
冬眠は、準備からすでに始まっていると考えるとわかりやすいです。
冬眠中の動物を見つけたときの注意点
冬の自然観察では、落ち葉の下、木の穴、石のすき間などに、生き物が隠れていることがあります。
もし冬眠中の動物を見つけても、触ったり、起こしたり、すみかを壊したりしてはいけません。
起こすと命に関わることがある
冬眠中の動物は、エネルギーを節約して春を待っています。
ところが、人間が触ったり、明るいライトを当てたり、巣を動かしたりすると、動物が目を覚ますことがあります。目を覚ますと、体温を上げたり、動いたりするために大きなエネルギーを使います。
冬の途中で何度も起こされると、春までに必要なエネルギーが足りなくなるおそれがあります。
巣穴や落ち葉をむやみに掘らない
冬の森や公園で、穴や落ち葉の山を見ると、中を見たくなるかもしれません。
しかし、そこが小さな動物のすみかになっていることがあります。むやみに掘ると、動物の冬眠場所を壊してしまうかもしれません。
自然観察では、「見つけること」より「こわさないこと」を優先しましょう。
野生動物には近づかない
クマ、ヘビ、タヌキ、キツネなど、野生動物には不用意に近づかないでください。
冬眠中に見えても、完全に安全とは限りません。特にクマは冬ごもり中でも目を覚ますことがあり、人にとって危険な場合があります。
野生動物を見つけたら、近づかず、静かに離れます。必要があれば、自治体、施設の管理者、警察、専門機関などに相談してください。
| 見つけたもの | してよいこと | 避けること |
|---|---|---|
| 足あと | 写真を撮る、形を観察する | 追いかける |
| 巣穴らしき場所 | 離れて見る | のぞく、棒を入れる |
| 落ち葉のすみか | そのままにする | 掘る、持ち帰る |
| 動物そのもの | 静かに離れる | 触る、起こす、餌をやる |
自然観察では、動物を驚かせない距離を保つことが大切です。
よくある失敗とやってはいけない例
冬眠の学習では、「見てみたい」「触ってみたい」という気持ちが出ることがあります。
けれど、野生動物にとって冬はとても大切な時期です。人間の好奇心が、動物の命を危険にさらすこともあります。
冬眠中の動物を起こす
冬眠中の動物を起こすのは避けてください。
「少しだけ見たい」「写真を撮りたい」と思っても、動物にとっては大きな負担になることがあります。特に小さな動物は、体にためたエネルギーが限られています。
自由研究でも、冬眠中の動物を探して起こす必要はありません。観察は、足あと、食べあと、図鑑、資料、季節の変化の記録で十分できます。
野生動物に餌をあげる
野生動物に餌をあげるのも避けましょう。
人間の食べ物は、動物の体に合わないことがあります。また、人から餌をもらうことに慣れると、人里へ近づきやすくなり、事故やトラブルにつながる場合があります。
野生動物は、野生のままの距離で見守ることが大切です。
クマの冬ごもり場所を探す
クマの冬ごもり場所を探すのは危険です。
クマは冬ごもり中でも、物音やにおいで目を覚ますことがあります。子グマがいる場合、母グマがとても警戒することもあります。
山や森に入るときは、地域のクマ出没情報や自治体の案内を確認してください。不安がある場合は、むやみに入らず、管理された自然観察施設や公園を利用するほうが安全です。
ペットと野生動物を同じに考える
カメやハムスターなど、家庭で飼われる生き物の中には、寒くなると動きが鈍くなるものがあります。
しかし、ペットを自己判断で冬眠させるのは危険です。飼育環境、種類、体調、年齢によって対応が変わります。特に小さなペットは、温度管理を間違えると命に関わることがあります。
ペットについては、飼育本、動物病院、専門店、メーカーや飼育用品の説明を確認してください。野生動物の冬眠を、そのまま家庭のペットに当てはめないようにしましょう。
ケース別|家庭・学校・自然観察での学び方
冬眠は、小学生の理科や自由研究に向いているテーマです。
ただし、実際に冬眠中の動物を探すより、資料や安全な観察を組み合わせるほうが現実的です。
家庭で子どもに説明する場合
家庭で説明するなら、まずは「冬は食べ物が少ないから、動物は省エネモードで春を待つ」と話すとわかりやすいです。
スマホの低電力モードや、家の節電モードにたとえると、小学生にもイメージしやすくなります。
ただし、「眠っているだけ」と言い切らないことが大切です。冬眠中は、呼吸や心臓の動きがゆっくりになり、体の働きも変わっています。
学校の自由研究にする場合
自由研究では、冬眠する動物を直接探す必要はありません。
おすすめは、動物ごとに「どこで冬をこすか」「体温はどう変わるか」「食べ物をどうするか」を表にまとめる方法です。
また、冬の公園で足あとや食べあとを観察し、「冬でも活動している動物」と「冬眠している可能性がある動物」を比べるのもよいテーマです。
自然観察をする場合
自然観察では、動物本体よりも、生活のあとを見るほうが安全です。
足あと、木の実の食べあと、巣材、落ち葉の積もり方、鳥の動きなどを観察します。穴やすみかを見つけても、近づかず、場所だけ記録する程度にしましょう。
観察する場所が公園や自然保護区域の場合は、採集や立ち入りのルールを確認します。
高齢者や小さな子どもと行く場合
冬の自然観察では、寒さや足元にも注意が必要です。
ぬれた落ち葉、凍った道、雪、ぬかるみは転倒の原因になります。高齢者や小さな子どもと行く場合は、短時間で、明るい時間に、整備された道を選びましょう。
防寒具、飲み物、歩きやすい靴も大切です。観察に夢中になって体が冷えすぎないようにします。
自由研究に使える観察テーマ
冬眠は、自由研究としてまとめやすいテーマです。
ただし、安全のため、冬眠中の動物を起こしたり、巣穴を掘ったりする研究は避けましょう。資料調べと安全な観察を組み合わせるのがおすすめです。
テーマ例
| テーマ | 調べること | 安全な進め方 |
|---|---|---|
| 冬眠する動物調べ | 種類、場所、期間 | 図鑑や資料で調べる |
| 冬眠と冬ごもりの違い | 体温や行動の違い | 表にまとめる |
| 冬の公園の動物のあと | 足あと、食べあと | 道から外れず観察する |
| 鳥の渡りと冬眠の違い | 移動するか、じっとするか | 地図や写真でまとめる |
| 暖冬と冬眠 | 目覚めの時期や食べ物 | 気温と季節の変化を記録 |
自由研究では、「動物を見つけた数」よりも、「なぜそうするのか」を考えることが大切です。
観察ノートに書くこと
自然観察をする場合は、観察ノートを作るとまとめやすくなります。
| 記録すること | 書き方の例 |
|---|---|
| 日付・時間 | 1月15日 午前10時 |
| 場所 | 近所の公園の林の近く |
| 天気・気温 | 晴れ、寒い |
| 見つけたもの | 足あと、木の実の殻 |
| 考えたこと | 冬でも活動する動物がいるかもしれない |
| 注意したこと | 穴や落ち葉を掘らなかった |
写真を撮る場合は、足あとや食べあとを中心にし、すみかに近づきすぎないようにしましょう。
調べ学習のまとめ方
調べ学習では、動物ごとに表で比べるとわかりやすくなります。
| 動物 | 冬のすごし方 | すみか | ポイント |
|---|---|---|---|
| ヤマネ | 深い冬眠 | 落ち葉の下など | 体温が大きく下がる |
| コウモリ | 深い冬眠 | 洞くつなど | 集団で冬眠することがある |
| クマ | 冬ごもりに近い | 山の穴など | 体温は大きく下がらない |
| ヘビ | 動きを止める | 土や石のすき間 | 気温に左右される |
| ツバメ | 渡り | あたたかい地域へ移動 | 冬眠ではなく移動する |
表にすると、「じっとする動物」と「移動する動物」の違いが見えやすくなります。
よくある質問
Q1. 冬眠中の動物はずっと眠っているのですか?
ずっと普通の眠りを続けているわけではありません。冬眠中は、心臓や呼吸、体温、代謝がゆっくりになり、エネルギーを節約する状態になります。動物によっては途中で少し目を覚ますこともあります。冬眠は昼寝や夜の睡眠とは違い、寒さと食べ物不足をのりこえるための特別な体の状態です。
Q2. 冬眠中の動物を起こすとどうなりますか?
冬眠中に起こされると、動物は体温を上げたり動いたりするために、多くのエネルギーを使います。冬は食べ物が少ないため、失ったエネルギーを取り戻しにくく、命に関わる場合があります。見つけても触らず、起こさず、静かに離れてください。自由研究でも冬眠中の動物を探す必要はありません。
Q3. クマも冬眠するのですか?
クマは冬の間、穴の中などで長く静かにすごします。ただし、ヤマネやコウモリのように体温を大きく下げる深い冬眠とは違い、浅い冬眠や冬ごもりに近いと説明されることがあります。途中で目を覚ますこともあり、メスは冬ごもり中に出産することもあります。野生のクマには絶対に近づかないでください。
Q4. 人間は冬眠できますか?
人間は冬眠できません。人の体は、体温や代謝を安全に大きく下げて長期間すごすしくみを持っていないためです。寒い場所で体温が下がりすぎると、低体温症という危険な状態になります。動物の冬眠は、その動物が進化の中で身につけた特別なしくみであり、人間がまねできるものではありません。
Q5. 暖かい冬だと冬眠はどう変わりますか?
暖かい冬では、動物の冬眠期間が短くなったり、途中で目を覚ます回数が増えたりする可能性があります。ただし、種類や地域によって違いがあります。気温だけでなく、食べ物の量や日照時間も関係します。暖冬で目覚めても、食べ物が十分にないと体力を消耗することがあり、自然のバランスに影響する場合があります。
Q6. ペットのカメやハムスターも冬眠させたほうがよいですか?
自己判断で冬眠させるのは避けてください。ペットは種類、年齢、体調、飼育環境によって必要な管理が違います。温度管理を間違えると命に関わることがあります。飼っている生き物については、飼育本、動物病院、専門店、飼育用品の説明を確認してください。野生動物の冬眠をそのまま家庭のペットに当てはめないことが大切です。
結局どうすればよいか
動物が冬眠する理由を理解するなら、まずは「冬は寒くて食べ物が少ないため、体を省エネモードにして春を待つ」と覚えましょう。
これが最小解です。冬眠は、ただ眠っているだけではありません。心臓や呼吸がゆっくりになり、体温や代謝を下げ、秋にためた脂肪を少しずつ使って生きています。
次に優先するなら、冬眠・冬ごもり・渡りの違いを知ることです。ヤマネやコウモリは深く冬眠し、クマは冬ごもりに近いすごし方をし、ツバメのような鳥はあたたかい場所へ移動します。動物ごとに冬の作戦が違うと考えると、自然の見方が広がります。
後回しにしてよいのは、心拍数や体温の細かい数字です。種類によって差が大きいため、最初から数字を覚える必要はありません。まずは「エネルギーを節約するため」という理由を押さえましょう。
今すぐできる行動は、冬の公園や通学路で、動物の足あと、鳥の姿、木の実の食べあとを観察することです。動物そのものを探すより、安全で学びやすい方法です。自由研究にするなら、冬眠する動物、冬ごもりする動物、渡りをする動物を表にまとめるだけでも十分に良いテーマになります。
迷ったときの基準は、「動物を驚かせないか」です。巣穴をのぞかない。落ち葉を掘らない。眠っている動物に触らない。野生動物に餌をあげない。クマなど危険な動物のすみかを探さない。この境界線は必ず守ってください。
冬眠を知ることは、動物の命を大切にすることにもつながります。冬の自然は静かに見えますが、その下では多くの生き物が春を待っています。近づきすぎず、こわさず、静かに観察する。それが、冬眠を学ぶときのいちばん大切な姿勢です。
まとめ
動物が冬眠するのは、寒さと食べ物不足をのりこえるためです。
冬眠中の動物は、心臓や呼吸、体温、代謝をゆっくりにして、秋にためた脂肪を少しずつ使いながら春を待ちます。これは、体を省エネモードにして命を守るしくみです。
ただし、すべての動物が同じように冬眠するわけではありません。ヤマネやコウモリのように深く冬眠する動物もいれば、クマのように冬ごもりに近いすごし方をする動物もいます。鳥のように、あたたかい地域へ移動する「渡り」を選ぶ動物もいます。
冬眠を学ぶときに大切なのは、動物を起こさないことです。冬眠中に起こされると、動物は大切なエネルギーを使ってしまいます。観察するなら、足あとや食べあと、資料調べを中心にし、自然をこわさない方法を選びましょう


