雪道に備えてスノーチェーンを買おうと思っても、金属、非金属、布製など種類が多く、「結局どれを選べばいいのか」で迷いやすいものです。価格だけで選ぶと、装着しにくい、車に合わない、凍結路で不安、逆にほとんど使わないのに大きくて邪魔、という失敗につながります。
スノーチェーン選びで大切なのは、最強の1つを探すことではありません。自分が走る道、雪の頻度、車のすき間、装着に使える時間に合うものを選ぶことです。急坂や凍結路に強いもの、街乗りで扱いやすいもの、緊急用として積んでおきやすいものは、それぞれ違います。
この記事では、金属チェーン・非金属チェーン・布製チェーンの違いを比較しながら、一般のドライバーが「自分ならどれを買うべきか」まで判断できるように整理します。チェーン規制や装着時の安全にも触れるので、冬の移動前に確認しておきましょう。
結論|この記事の答え
スノーチェーンは、大きく分けると金属チェーン、非金属チェーン、布製チェーンの3種類です。急坂、凍結路、除雪が追いつかない山道での突破力を重視するなら金属チェーン。市街地や郊外の積雪路で、静かさと扱いやすさを重視するなら非金属チェーン。年に数回の携行用や、急な雪での緊急脱出用なら布製チェーンが候補になります。
迷ったらこれでよい、という現実的な選び方は次の通りです。雪道を毎冬走る人は非金属チェーンを基本に考えます。スキー場、峠道、凍結しやすい坂道へ行く人は金属チェーンも検討します。普段は雪が少ない地域で、旅行や急な降雪に備えたい人は布製チェーンを携行用として考えると失敗しにくくなります。
まず優先するべきなのは、自分の車に装着できるかどうかです。タイヤサイズだけでなく、フェンダー内やサスペンション周辺のすき間、車両の取扱説明書でのチェーン装着可否を確認してください。とくに車高が低い車、低偏平タイヤ、輸入車、スポーツ系グレード、一部の4WD車では、装着できるチェーンに制限がある場合があります。
後回しにしてよいのは、必要以上に高機能な商品を最初から選ぶことです。年に1回使うかどうかの人が、重くて大きい本格金属チェーンを買っても、装着できずに終わることがあります。反対に、凍結した山道へよく行く人が布製だけで済ませるのも不安が残ります。
これはやらないほうがよい、とはっきり言えるのは、装着練習をしないまま雪道へ出ることです。寒い路肩、暗い駐車場、後続車が通る場所で初めて説明書を読むのは危険です。買ったら一度、自宅や安全な場所で装着してみること。それだけで、雪の日の不安はかなり減らせます。
スノーチェーンの種類は3つ
スノーチェーンは、素材と構造によって大きく3種類に分けられます。どれが一番優れているというより、得意な場面が違います。
金属チェーン
金属チェーンは、鉄や合金のチェーンをタイヤに巻き、雪や氷をしっかり噛んで走るタイプです。昔から使われている定番で、凍結路や急坂での発進に強いのが特徴です。
リンクと呼ばれる金属部分が路面に食い込むため、アイスバーンや圧雪路で力を発揮しやすくなります。山道、急坂、除雪が追いつかない道、スキー場周辺などでは頼りになる選択肢です。
一方で、振動や走行音は大きめです。乾いた舗装路を長く走ると、チェーンやタイヤ、車体に負担がかかります。装着にも慣れが必要で、サイズ違いや緩みがあると車体に当たるおそれがあります。
非金属チェーン
非金属チェーンは、ゴム、ウレタン、樹脂などを使ったタイプです。金属チェーンより振動や音が少なく、比較的扱いやすい製品が多いのが特徴です。
市街地の積雪路、郊外の除雪路、短距離の通勤や買い物などでは、金属チェーンより使いやすいと感じる人が多いでしょう。ラチェット式やワンタッチに近い構造の製品もあり、装着のしやすさを重視する人に向いています。
ただし、急なアイスバーンや硬く凍った坂では、金属チェーンほどの「食い込み感」は期待しにくい場合があります。また、非金属でも製品ごとに厚みや形状が違うため、車のクリアランス確認は必要です。
布製チェーン
布製チェーンは、タイヤにかぶせるカバーのようなタイプです。テキスタイルチェーン、スノーソックスと呼ばれることもあります。
最大の利点は、軽くてかさばりにくく、装着が比較的簡単なことです。トランクに常備しやすく、急な雪への備えとして持っておきやすいタイプです。車高が低い車や、金属・非金属チェーンを装着しにくい車でも候補になることがあります。
一方で、耐久性は金属や非金属に比べて短めです。乾いた舗装路、砂利混じりの路面、雪のない道路を長く走ると傷みやすくなります。布製は「長距離を走る主役」というより、急な雪や脱出用の保険として考えると判断しやすいです。
金属・非金属・布製チェーンの比較
種類ごとの違いを、実用面で比較します。表だけで決めるのではなく、自分がどの場面で使うかを考えながら見てください。
| 種類 | 得意な場面 | 苦手な場面 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 金属チェーン | 凍結路・急坂・山道 | 乾いた路面・静粛性 | 雪山や峠道へ行く人 |
| 非金属チェーン | 市街地の積雪・圧雪路 | 厚み制限のある車 | 毎冬数回使う人 |
| 布製チェーン | 緊急用・携行用 | 長距離・乾燥路 | 雪が少ない地域の備え |
グリップ力で選ぶなら
グリップ力、とくに凍結路や急坂での発進を重視するなら、金属チェーンが有力です。金属部分が路面に食い込むため、滑りやすい場面での安心感があります。
ただし、チェーンを付ければどんな雪道でも安全に走れるわけではありません。警察庁は、雪道や凍結路では速度を十分落とし、車間距離を取り、急発進・急ブレーキ・急ハンドルを避けるよう案内しています。チェーンは補助具であり、運転操作を雑にしてよいものではありません。
扱いやすさで選ぶなら
扱いやすさを重視するなら、非金属チェーンか布製チェーンが候補です。非金属チェーンは、金属より静かで振動が少ない製品が多く、市街地で使いやすいタイプです。
布製チェーンはさらに軽く、装着も比較的短時間で済むことが多いです。ただし、耐久性や走行できる路面には注意が必要です。雪がない路面をそのまま走ると傷みやすいため、積雪・凍結がなくなったら早めに外す判断が大切です。
費用で選ぶなら
費用は製品差が大きいものの、一般的には布製が比較的安め、金属チェーンが低〜中価格帯、非金属チェーンは中〜高価格帯になりやすい傾向があります。
ただし、安さだけで選ぶのは避けてください。サイズが合わないチェーン、装着が難しすぎるチェーン、車体に干渉するチェーンは、安くても実用になりません。費用を抑えたい人ほど、「自分で確実に装着できるか」を重視したほうが失敗しにくくなります。
携行性で選ぶなら
トランクに積みっぱなしにするなら、布製チェーンが有利です。軽くて小さく、非常用として入れておきやすいからです。
一方、毎冬のように使うなら、携行性だけでなく耐久性も考えましょう。布製は便利ですが、使う頻度が高い人には非金属や金属のほうが合う場合があります。
スノーチェーンの選び方
スノーチェーン選びは、素材の好みだけで決めると失敗しやすくなります。次の順番で考えると、自分に合うタイプを選びやすくなります。
| 判断基準 | 確認すること | 優先するタイプ |
|---|---|---|
| 路面 | 凍結・圧雪・新雪・シャーベット | 凍結なら金属、街中なら非金属 |
| 使用頻度 | 年1回か、毎冬使うか | 少ないなら布製、多いなら非金属・金属 |
| 車のすき間 | フェンダー内・足回りとの距離 | 狭い車は布製・薄型非金属 |
| 装着時間 | 寒い屋外で作業できるか | 慣れない人は非金属・布製 |
| 保管場所 | 車に常備できるか | 省スペースなら布製 |
まず走る道で決める
最初に見るべきなのは、どんな道を走るかです。雪が降っても市街地中心で、除雪された道を短距離走る程度なら、非金属チェーンが現実的です。静かで扱いやすく、家族で乗る車にも向いています。
一方、スキー場、温泉地、山道、急坂の多い地域へ行くなら、金属チェーンの安心感は大きくなります。とくに早朝の凍結路や、除雪が追いつかない道では、突破力を優先したい場面があります。
普段は雪が少ない地域で、年に1回あるかないかの降雪や旅行の保険なら、布製チェーンでも候補になります。ただし、布製だけで長い雪道を走る前提にするのは慎重に考えてください。
使用頻度で決める
たまにしか使わない人は、装着のしやすさと保管のしやすさを優先してください。重い金属チェーンを買っても、実際の雪の日に装着できなければ意味がありません。
毎冬使う人は、耐久性と走行安定性を重視します。市街地や郊外の積雪路が中心なら非金属、山道や凍結路が多いなら金属という分け方が基本です。
安全を優先する人は、「一番強そうなもの」ではなく、「自分が確実に装着でき、車に適合し、走る路面に合っているもの」を選んでください。
車のクリアランスで決める
クリアランスとは、タイヤと車体・足回り部品とのすき間のことです。チェーンを巻くとタイヤまわりが厚くなるため、すき間が少ない車では干渉する可能性があります。
とくに注意したいのは、車高が低い車、低偏平タイヤ、輸入車、スポーツグレード、タイヤサイズを変更している車です。見た目では大丈夫そうでも、ハンドルを切ったときや走行中のたわみで当たることがあります。
購入前には、タイヤ側面のサイズ表記だけでなく、車両の取扱説明書でチェーン装着可否を確認してください。車種によっては、装着できるチェーンの種類や装着位置が指定されています。
駆動方式で装着輪を確認する
チェーンは、基本的に駆動輪に装着します。FF車なら前輪、FR車なら後輪が基本です。ただし、4WDやAWDでは車種ごとに指定が異なる場合があります。
4WDだからチェーン不要、と考えるのは危険です。4WDは発進しやすい一方で、止まる力が特別に強くなるわけではありません。下り坂や凍結路では、車重の重さが不利になることもあります。
4WD車や特殊な駆動方式の車は、必ず取扱説明書を確認してください。自己判断で前後を決めると、車両制御や足回りに影響する可能性があります。
スタッドレスとの違いとチェーン規制の注意点
スノーチェーンを考えるとき、スタッドレスタイヤとの関係も理解しておく必要があります。どちらか一方だけで十分な場面もあれば、併用が必要な場面もあります。
スタッドレスがあってもチェーンが必要な場面
スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路での走行に向いた冬用タイヤです。日常的な冬道では大きな助けになります。
ただし、スタッドレスは万能ではありません。硬く凍った坂道、深い積雪、急な登り坂、立ち往生しやすい区間では、チェーンが必要になることがあります。国土交通省も、チェーン規制時にはスタッドレスタイヤ装着車であってもタイヤチェーン未装着では通行できないと案内しています。
つまり、「スタッドレスを履いているからチェーンはいらない」とは言い切れません。冬に高速道路や山道を走る人は、行き先の道路情報とチェーン規制を確認しておくことが大切です。
冬用タイヤ規制とチェーン規制は違う
混同しやすいのが、冬用タイヤ規制とチェーン規制です。
冬用タイヤ規制では、スタッドレスタイヤなどの冬用タイヤで走行できる場合があります。一方、チェーン規制では、スタッドレスタイヤを装着していてもタイヤチェーンが必要になります。JAFも、高速道路の冬用タイヤ規制・チェーン規制に関して、金属タイプやウレタン・ゴムなどの非金属タイプは通行に対応しやすい一方、布製カバーについては道路管理者の判断を確認する必要がある旨を案内しています。
旅行や帰省で雪道を走る場合は、「冬用タイヤ規制なのか」「チェーン規制なのか」を分けて確認しましょう。
チェーンを付けても速度は控えめにする
日本自動車タイヤ協会は、タイヤチェーン使用時の注意として、積雪・凍結していない道路でチェーンを装着したまま走行すると、タイヤ、チェーン、車両を損傷したり、スリップするおそれがあると案内しています。また、走行速度についても金属チェーンと非金属チェーンで目安を示しています。
製品ごとに指定速度は異なりますが、チェーン装着時は「ゆっくり走る」が基本です。速度を出すための道具ではなく、低速で安全に進むための補助具と考えてください。
装着前に確認すること
スノーチェーンは、買って積んでおくだけでは不十分です。雪が降ってから初めて箱を開けると、サイズ違い、向きの迷い、部品不足に気づくことがあります。
購入前に見るチェックリスト
購入前には、次の項目を確認してください。
| 確認項目 | 見る場所 | 注意点 |
|---|---|---|
| タイヤサイズ | タイヤ側面 | 前後サイズ違いの車に注意 |
| 適合表 | チェーンメーカー情報 | 同じ車種でも年式で違う場合あり |
| 装着可否 | 車両取扱説明書 | 4WD・低偏平タイヤは要確認 |
| 装着輪 | 車両取扱説明書 | FF・FR・4WDで変わる |
| 収納場所 | トランク・車内 | 雪の日にすぐ出せる位置に置く |
タイヤサイズは、たとえば「205/55R16」のように表記されています。この数字が同じでも、車種によって装着可否が変わることがあります。チェーンメーカーの適合表と、車の取扱説明書の両方を見るのが安全です。
自宅で一度装着してみる
スノーチェーンは、必ず雪が降る前に一度装着してみてください。実際にやってみると、説明書では分かりにくい向き、ロックの位置、締め方、手を入れるスペースが分かります。
自宅でできることは、現地でやらないほうが安全です。雪道の路肩は寒く、暗く、足元が滑りやすく、後続車もいます。そこで初めて練習するのは危険です。
装着練習をしたら、左右や内外の向きが分かるように、収納袋やチェーン本体に目印を付けておくと便利です。ただし、製品を傷める方法で加工しないようにしてください。
一緒に積んでおきたいもの
チェーン本体だけでは、現地作業で困ることがあります。冬に雪道を走るなら、次のものも一緒に用意しておくと安心です。
- 防水または耐寒手袋
- ひざをつくためのマット
- ヘッドライトまたは懐中電灯
- 反射ベスト
- タオルやウエス
- 小さな雪かきブラシ
- 停止表示板や発炎筒
とくに夜間や高速道路付近では、自分の存在を周囲に知らせることが重要です。作業そのものより、作業場所の安全確保を優先してください。
装着後の走り方とやってはいけない例
スノーチェーンは、装着した瞬間に普段通り走れる道具ではありません。装着後の走り方を間違えると、チェーン切れ、車体損傷、スリップにつながります。
装着後は少し走って再確認する
チェーンを装着したら、数十メートルほどゆっくり走り、安全な場所で緩みや偏りを確認します。製品によっては再締めが必要です。
最初にしっかり締めたつもりでも、タイヤになじむことで緩みが出ることがあります。緩んだまま走ると、フェンダー内や足回りに当たったり、チェーンが外れたりする危険があります。
金属製タイヤチェーンについては、国民生活センターも緩みや速度超過によるチェーン切れ、事故につながるおそれに注意を促しています。
急操作は避ける
チェーン装着時は、急発進、急ブレーキ、急ハンドルを避けます。チェーンが雪や氷をつかんでいても、車の重さや路面状況によっては滑ります。
とくにカーブでは、手前で十分に速度を落とし、曲がっている途中で強くブレーキを踏まないようにします。下り坂では、いつもより早めに減速し、車間距離を長く取ってください。
乾いた路面を長く走らない
雪がなくなった道路でチェーンを付けたまま走ると、チェーン、タイヤ、車両に負担がかかります。布製チェーンは摩耗が進みやすく、金属チェーンは振動や車体への影響が大きくなります。
積雪や凍結がなくなったら、安全な場所で外すのが基本です。面倒だからとそのまま走り続けるのは、結果的に高い修理費につながることがあります。
よくある失敗と避け方
スノーチェーン選びと使用で多い失敗は、買う前、装着時、走行中の3段階に分けられます。
失敗1:タイヤサイズだけ見て買う
タイヤサイズが合っていても、車両側でチェーン装着が制限されている場合があります。とくにタイヤと車体のすき間が少ない車では、走行中に干渉することがあります。
避けるには、タイヤサイズ、チェーンメーカーの適合表、車両取扱説明書の3つを確認します。どれか1つだけでは不十分です。
失敗2:安さだけで選ぶ
安いチェーンがすべて悪いわけではありません。ただし、装着しにくい、説明書が分かりにくい、耐久性が低い、適合情報が不十分といった製品を選ぶと、雪の日に使えない可能性があります。
費用を抑えたい人は、価格だけでなく「自分で装着できるか」「使う路面に合うか」「収納できるか」を基準にしてください。
失敗3:片側だけ装着する
チェーンは基本的に、同じ軸の左右2輪に装着します。片側だけに付けると、制動や操舵のバランスが崩れて危険です。
「少しだけだから片側でいい」と考えるのは避けてください。左右差は雪道では大きな不安定要素になります。
失敗4:チェーンを付けるタイミングが遅い
立ち往生してからチェーンを装着するのは、非常に難しくなります。タイヤが雪に埋まり、作業スペースもなく、後続車への危険も増えます。
国土交通省は、降雪時には立ち往生する前に早めのチェーン装着を心がけること、冬用タイヤやチェーンにも性能限界があることを案内しています。
早めに安全な場所で装着する判断が、結果的に一番の時短になります。
ケース別判断|自分ならどれを選ぶ?
ここからは、使い方別におすすめの考え方を整理します。すべての人に同じ答えはありません。自分の生活パターンに近いものを選んでください。
雪が少ない地域で、年に1回使うかどうかの場合
この場合は、布製チェーンか簡易装着タイプの非金属チェーンが候補です。重視するのは、携行性と装着のしやすさです。
ただし、山道や凍結した坂を長く走る予定があるなら、布製だけでは不安が残ります。旅行先の道路状況を見て、必要なら非金属や金属も検討してください。
毎冬、通勤や買い物で雪道を走る場合
市街地や郊外の積雪路を毎冬走るなら、非金属チェーンが使いやすい選択肢です。振動や音が比較的少なく、短距離の実用に向いています。
毎日使う人は、装着の速さだけでなく、耐久性と再装着のしやすさも見ましょう。収納袋から出しやすいか、濡れたあとに乾かしやすいかも、意外と大切です。
スキー場や峠道へ行く場合
スキー場、峠道、標高の高い温泉地へ行くなら、金属チェーンを候補に入れてください。急坂や凍結路では、金属の食い込みが安心材料になります。
ただし、金属チェーンは振動が大きく、装着にも慣れが必要です。出発前に必ず練習し、現地では早めに装着する判断をしてください。
車高が低い車、タイヤまわりが狭い車の場合
この場合は、布製チェーンや薄型の非金属チェーンが候補になります。ただし、必ず車両の取扱説明書と製品の適合情報を確認してください。
「薄そうだから大丈夫」と見た目で判断するのは危険です。ハンドルを切ったときや段差を越えたときに干渉することがあります。
家族で帰省や旅行をする場合
家族を乗せる車では、装着しやすさと安全性のバランスが大切です。雪道に慣れていない人が運転するなら、非金属チェーンが扱いやすい候補になります。
子どもや高齢者を乗せる場合は、現地で長時間待たせないことも大切です。装着練習をしておく、早めに装着する、道路情報を見て無理なら予定を変える。この判断を後回しにしないでください。
保管・管理・見直し
スノーチェーンは、使ったあとと保管状態で寿命が変わります。次の冬に使おうとしたら錆びていた、破れていた、部品が足りないという失敗は珍しくありません。
使用後は洗って乾かす
雪道には融雪剤がまかれていることがあります。融雪剤は金属のサビや劣化の原因になります。
使用後は、金属チェーンなら水で汚れや塩分を落とし、よく乾かしてから保管します。非金属や布製も、泥や雪を落とし、完全に乾かしてから収納してください。濡れたまま袋に入れると、におい、カビ、劣化の原因になります。
車に積む場所を決める
雪の日に使うものは、すぐ取り出せる場所に置くことが大切です。トランクの奥深くに入れて、その上に荷物を積んでしまうと、必要なときに出せません。
冬の間は、チェーン、手袋、ライト、マットをひとまとめにしておくと便利です。帰省や旅行で荷物が多いときほど、チェーンを最後に積むか、取り出しやすい位置に置いてください。
シーズン前に点検する
冬が近づいたら、チェーンを一度出して状態を確認します。
金属チェーンならサビ、曲がり、切れ、ロック部品の動きを確認します。非金属ならひび割れ、ベルトの劣化、ピンや金具の破損を見ます。布製なら破れ、摩耗、縫い目のほつれを確認してください。
使う直前に気づくと、代わりを買う時間がありません。シーズン前の点検は、冬の準備として一度だけでもやっておく価値があります。
FAQ|スノーチェーンでよくある疑問
Q1. スタッドレスタイヤがあればスノーチェーンは不要ですか?
不要とは言い切れません。市街地の通常の雪道ならスタッドレスタイヤで対応できる場面もありますが、急坂、凍結路、深い積雪、チェーン規制区間ではチェーンが必要になることがあります。冬に高速道路や山道を走る人は、スタッドレスとは別にチェーンを備えておくと安心です。
Q2. 金属チェーンと非金属チェーンはどちらが安全ですか?
安全性は路面と使い方で変わります。凍結した急坂や山道では金属チェーンが有利な場面があります。一方、市街地の積雪路では非金属チェーンのほうが振動が少なく扱いやすいことがあります。どちらもサイズ適合、正しい装着、低速走行を守らなければ危険です。
Q3. 布製チェーンだけで雪道旅行に行けますか?
短距離の緊急用や急な積雪への備えとしては便利ですが、長い山道や凍結した急坂を走る前提なら慎重に考えてください。布製は軽くて装着しやすい反面、乾いた路面や長距離走行で傷みやすい傾向があります。旅行先の道路状況によっては、非金属や金属チェーンも検討しましょう。
Q4. スノーチェーンは前輪と後輪のどちらに付けますか?
基本は駆動輪です。FF車は前輪、FR車は後輪が一般的です。ただし、4WDやAWDでは車種によって指定が異なることがあります。必ず車両の取扱説明書を確認してください。左右どちらか1輪だけに装着するのは、車の挙動が不安定になり危険です。
Q5. チェーンを付けたまま乾いた道を走ってもいいですか?
基本的には避けてください。雪や氷がない路面をチェーン装着のまま走ると、チェーン、タイヤ、車体に負担がかかります。布製は摩耗しやすく、金属は振動や損傷の原因になります。積雪・凍結がなくなったら、安全な場所で早めに外しましょう。
Q6. 初心者でも装着しやすいのはどれですか?
初心者には、装着手順が分かりやすい非金属チェーンか布製チェーンが候補になります。ただし、どのタイプでも初回は迷います。雪の日に初めて使うのではなく、自宅で一度装着しておきましょう。手袋をした状態で作業できるかまで確認しておくと、現地で慌てにくくなります。
結局どうすればよいか
スノーチェーン選びで迷ったら、まず「どの雪道を走るのか」から決めてください。急坂や凍結路、峠道、スキー場周辺を走るなら金属チェーン。市街地や郊外の積雪路を毎冬走るなら非金属チェーン。雪が少ない地域で、急な降雪や旅行の保険として積むなら布製チェーンが現実的です。
最小解は、自分の車に装着できるチェーンを1セット用意し、冬前に一度装着練習をしておくことです。どれほど性能が高いチェーンでも、雪の日に装着できなければ役に立ちません。タイヤサイズ、適合表、車両取扱説明書の3つを確認し、装着輪も間違えないようにしてください。
後回しにしてよいのは、必要以上に高価なモデルや、自分の使い方に合わない本格装備です。年に1回の携行用なら、軽くて積みやすいものを選ぶほうが実用的です。反対に、雪山へ何度も行く人は、携行性より突破力と耐久性を優先してください。
今すぐやることは3つです。タイヤサイズを確認する、取扱説明書でチェーン装着可否を見る、使う場面を「街中」「山道」「緊急用」のどれかに分けることです。この3つが決まれば、選ぶ種類はかなり絞れます。
安全上、無理をしない境界線も決めておきましょう。吹雪、視界不良、急な凍結、チェーンを付けても進めない状況では、運転を続けること自体を見直してください。チェーンは冬道の助けになりますが、天候や路面を無視して進むための道具ではありません。迷ったら、早めに装着し、速度を落とし、危ないと感じたら引き返す。この判断がいちばん大切です。
まとめ
スノーチェーンは、金属、非金属、布製のどれが一番というより、使う場面で選ぶものです。金属は凍結路や急坂に強く、非金属は市街地の積雪路で扱いやすく、布製は携行用や緊急用として便利です。
ただし、どのタイプでも車に適合していなければ使えません。購入前にはタイヤサイズ、適合表、車両取扱説明書を確認しましょう。買ったあとは、自宅で一度装着練習をしておくことが、雪の日の安全に直結します。
チェーンを付けても、急発進・急ブレーキ・急ハンドルは避ける必要があります。雪道では「装備を過信しない」ことも大切な安全対策です。


