【小学生向けに解説】水が氷になるのはどうして?温度・分子・状態変化ぜんぶわかる超やさしい百科

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おもしろ雑学

はじめての理科でも安心して読めるように、水が氷になる理由(凝固)氷・水・水蒸気の三つのすがた(状態)おうちでできる実験自由研究のまとめ方まで、写真がなくてもイメージできる言葉でくわしく解説します。

さらに、安全のポイント生活の知恵地球環境との関係Q&A用語辞典チェックリストも完備。これ1本で“水と氷”の学びが丸ごとわかります。


  1. 1.水はなぜ冷やすと氷になる?――温度と分子の関係をやさしく
    1. 1-1.水ってどんな物質?
    2. 1-2.温度が変わると分子の動きがどう変わる?
    3. 1-3.氷になる瞬間(凝固)で何が起きる?
    4. 1-4.0℃でも凍らない?――過冷却(かれいきゃく)
  2. 2.状態変化をぜんぶ理解!――凝固・融解・蒸発・凝縮・昇華・析出
    1. 2-1.氷がとける(融解)
    2. 2-2.水が湯気になる(蒸発・沸騰)
    3. 2-3.空気中の水蒸気が水にもどる(凝縮)
    4. 2-4.氷が直接きえる/霜ができる(昇華・析出)
  3. 3.三つのすがたをくらべよう――見た目・性質・暮らしの例・実験のネタ
    1. 3-1.三態変化(さんたいへんか)の全体像
    2. 3-2.暮らしの中の三態変化コレクション
    3. 3-3.氷と雪のちがい
    4. 3-4.氷はどうして浮くの?
  4. 4.おうちでできる!観察・実験アイデア(安全ポイントつき)
    1. 4-1.温度でくらべる実験(基本)
    2. 4-2.過冷却に挑戦(発展)
    3. 4-3.氷の結晶を観察(アート×理科)
    4. 4-4.塩で氷がとける速さを調べる(生活の知恵)
    5. 4-5.「ジュースは水より早く凍る?」を検証(自由研究むけ)
    6. 4-6.結露(けつろ)観察とマップ作り
  5. 5.暮らし・地球・安全の知恵――氷と私たちのくらしはこうつながる
    1. 5-1.身近な“氷の知恵”ベスト5
    2. 5-2.自然のなかの氷(地球規模)
    3. 5-3.安全メモ(必ず読もう)
  6. 6.三態変化 まるわかり表(保存版)
  7. 7.自由研究テンプレート(そのまま使える)
    1. 7-1.研究テーマの例
    2. 7-2.記録ノートの型
    3. 7-3.グラフの選び方
  8. 8.よくある勘違いをスッキリ!
  9. 9.Q&A(もっと知りたい!)
  10. 10.用語ミニ辞典(小学生むけ)
  11. 11.チェックリスト(学びが身につく!)
  12. 12.まとめ

1.水はなぜ冷やすと氷になる?――温度と分子の関係をやさしく

1-1.水ってどんな物質?

水はH₂Oという物質で、目に見えないほど小さな「水の分子」がたくさん集まってできています。川・雨・海・雪・雲・ジュース・お風呂・汗・涙、そして体の中(血液や細胞)にも水があります。水は地球の表面の約7割をおおい、私たちの体の半分以上も水でできています。

1-2.温度が変わると分子の動きがどう変わる?

  • 温かいほど分子は元気に動き回る(ぶつかり合い、すき間が広がる)
  • 冷たいほど分子はゆっくりになり、近づいてならびやすくなる
  • 分子どうしは引き合う力をもち、温度が下がるときちんと整列しやすくなる

たとえ:みんなが校庭で自由に走り回る=あたたかい水。合図で手をつないでまっすぐ整列=。ならび方が変わると、うごき方も変わります。

1-3.氷になる瞬間(凝固)で何が起きる?

水を0℃より下に冷やすと、分子はおたがいに引き合って規則正しく並び、すべらない固い形(結晶)になります。これが氷。氷の結晶は基本的に六角形(ろっかっけい)の骨組みで、雪の結晶も同じ仲間です。ならぶときに少しすき間ができるので、氷は水より体積がふくらみ軽くなって浮くのです。

1-4.0℃でも凍らない?――過冷却(かれいきゃく)

とても静かに冷やすと、0℃でも結晶の「作りはじめ(核)」ができず、液体のままのことがあります。ここに衝撃を与えたり、氷のかけらを入れたりすると、一気にシャッ!と凍ります。これが過冷却です。


2.状態変化をぜんぶ理解!――凝固・融解・蒸発・凝縮・昇華・析出

2-1.氷がとける(融解)

氷に熱が加わると分子が再び動き出し、固体→液体へ。コップの氷がとけて水が増えるのは融解です。氷を溶かすには、まわりから熱(エネルギー)をもらう必要があります。

2-2.水が湯気になる(蒸発・沸騰)

水が温められると、表面の分子が飛び出して気体(=水蒸気)になります。これが蒸発。100℃になるとブクブク泡が出る**沸騰(ふっとう)**になり、はげしく気体に変わります。洗濯物が乾くのも蒸発が進むからです。

2-3.空気中の水蒸気が水にもどる(凝縮)

冷たいコップの外側につく水滴は、空気中の水蒸気が冷やされて液体にもどる凝縮です。冬の窓のくもり、やかんのフタの水滴も同じ仕組み。

2-4.氷が直接きえる/霜ができる(昇華・析出)

冷凍庫の氷がだんだん小さくなるのは、氷が固体→気体へ直接変わる昇華。逆に、空気中の水蒸気が液体にならずいきなり**氷(霜)になるのは析出(せきしゅつ)**です。

ポイント:氷・水・水蒸気は中身は同じ水。変わるのは温度分子のならび・動きだけ!


3.三つのすがたをくらべよう――見た目・性質・暮らしの例・実験のネタ

3-1.三態変化(さんたいへんか)の全体像

  • 固体(氷):形が決まっている/冷たい/流れない/押すと硬い
  • 液体(水):形が自由に変わる/さらさら流れる/入れ物の形になる
  • 気体(水蒸気):目に見えない/広がる/湿度として感じる

3-2.暮らしの中の三態変化コレクション

  • :冷凍庫の氷、池のこおり、かき氷、アイス、氷砂糖
  • :水道水、雨、川や海、お風呂、スポーツドリンク、体の中の血液
  • 水蒸気:やかんの湯気、霧、雲、加湿器、湯気で見えたドラマのオープニング(想像しやすい例)

3-3.氷と雪のちがい

どちらも固体の水ですが、雪は空気中でできた小さな結晶がふわっと集まったもの。氷は水がまとまって凍った板や塊。結晶の大きさ・空気のふくみ方で見た目や手ざわりが変わります。雪の結晶は六角形で、同じ形は二つとないと言われています。

3-4.氷はどうして浮くの?

氷の六角形の骨組みにはすき間があるため、同じ重さでも体積が大きい密度が小さい水に浮くのです。これにより、冬でも池の水は下のほうで液体のまま残り、魚たちが生きのびられるのです。


4.おうちでできる!観察・実験アイデア(安全ポイントつき)

ぜったいに守る:火・熱湯・ガラス容器・ナイフ・ドライアイスは必ず大人と一緒に。こぼれてもOKな場所で行い、手や机をぬらしてもよい準備を。

4-1.温度でくらべる実験(基本)

1)同じ量の水を2つのコップに入れ、片方は冷蔵、もう片方は冷凍へ。

  • 0℃に達する時間凍るまでの時間を温度計とタイマーで記録。
    2)水・砂糖水・食塩水を同条件で冷やし、凍り始める温度を比較(氷点降下を体感)。

4-2.過冷却に挑戦(発展)

ペットボトルの水を静かに0℃付近まで冷やし、テーブルにコツンと置いたり、氷のかけらを入れたりして一気に凍るようすを観察。必ずトレーの上で安全に。

4-3.氷の結晶を観察(アート×理科)

薄く広げて凍らせた色つきの氷虫めがねで観察。六角形の枝分かれ、気泡、溶けはじめの角から崩れる様子をスケッチ。光を当てて虹色が見えるかもチェック。

4-4.塩で氷がとける速さを調べる(生活の知恵)

同じ大きさの氷に食塩/砂糖/何もなしをふりかけ、溶け終わる時間をくらべる。道路の凍結防止、アイスクリーム作りの理屈がわかる。

4-5.「ジュースは水より早く凍る?」を検証(自由研究むけ)

水・100%ジュース・炭酸飲料を同条件で冷凍。凍り始める時刻完全に凍るまでを測る。砂糖や炭酸の有無が氷点にどう影響するかを考察しよう。

4-6.結露(けつろ)観察とマップ作り

冷えたコップ、ペットボトル、金属スプーン、プラスチックなど材質違いで結露の量を比較。どれがいちばん水滴が多い? できた水滴の大きさの変化も写真で記録。

自由研究のコツ:条件(量・温度・時間・容器・置き場所)をそろえる/写真・表・グラフで見える化/結果だけでなく**なぜ?**を自分の言葉で書く/失敗も立派なデータ


5.暮らし・地球・安全の知恵――氷と私たちのくらしはこうつながる

5-1.身近な“氷の知恵”ベスト5

1)ジュースをすぐ冷やす:氷+少量の水+塩で温度がグンと下がる(氷点降下)。
2)お弁当を守る:保冷剤は溶けるときに周りの熱をうばい続けるので、ゆっくり冷たさが長持ち。
3)霜取りのなぞ:冷凍庫の霜は析出。こまめに取りのぞくと電気代が節約できる。
4)洗濯物の乾き:風通しと広げ方で蒸発が進み、早く乾く。
5)アイスはなぜとけてベタベタ?:融解で水分が出るので、カップで受けると掃除が楽。

5-2.自然のなかの氷(地球規模)

  • 極地の氷床:南極・北極の大きな氷は、昔の空気や気温の情報をとじこめた地球の記録帳
  • 氷河:山の雪がかたまり、とてもゆっくり流れる大きな氷の川。地形をけずってU字谷を作る。
  • 海氷:海の水が凍った氷。溶け方は生き物のすみか海の温度にも影響。

5-3.安全メモ(必ず読もう)

  • 氷の上はのらない:池や川の氷は厚さや流れで急に割れることがある。
  • ガラス容器の急冷・急加熱はNG:割れてけがの原因。耐熱を使い、急な温度変化をさける。
  • ドライアイスは大人と:素手でさわらない。密閉容器に入れない(爆発の危険)。

6.三態変化 まるわかり表(保存版)

すがたなまえ温度のめやす特徴暮らしの例
固体0℃以下形がある/冷たい/流れない冷凍庫の氷・池の氷・かき氷・雪
液体0~100℃流れる/形が自由水道水・雨・川・お風呂・ジュース
気体水蒸気100℃以上*目に見えない/広がる湯気・霧・雲・加湿器
固体→液体融解氷がとける熱をうけて液体にコップの氷がとける
液体→気体蒸発/沸騰水が気体に温度や風で進む洗濯物が乾く・やかんの湯気
気体→液体凝縮湿気→水滴冷やされて液体にコップの結露・窓のくもり
固体→気体昇華氷が直接きえる低温・乾燥で進む冷凍庫の氷が小さくなる
気体→固体析出霜ができる液体にならず固体に冬の草や窓の霜

圧力で変わります。やかんの*「白い湯気」は微小な水滴で、本当の水蒸気は無色透明**です。


7.自由研究テンプレート(そのまま使える)

7-1.研究テーマの例

  • 「食塩の量で氷のとけ方はどう変わるか」
  • 「ジュースは水より早く凍るのか」
  • 「材質で結露の量に差はあるか」
  • 「過冷却水はどんなきっかけで凍るか」

7-2.記録ノートの型

1)目的:何を知りたい? 予想は?
2)方法:用意したもの/条件(量・温度・時間)/手順
3)結果:写真・表・グラフ・気づきメモ
4)考察:なぜそうなった? 予想とくらべてどう?
5)まとめ:わかったこと・次に試したいこと
6)安全:気をつけた点/失敗したらどうする?

7-3.グラフの選び方

  • 時間のちがい→折れ線グラフ
  • 量のちがい→棒グラフ
  • 割合→円グラフ

8.よくある勘違いをスッキリ!

  • 「氷は冷たさの“もと”」→×:氷そのものが冷たいのではなく、とけるときに周りの熱をうばうから冷たく感じます。
  • 「湯気=水蒸気」→△:白く見える湯気は水滴。水蒸気そのものは透明。
  • 「雪はふわふわだから水と違う物質」→×:どちらもH₂O。形(結晶)と空気の入り方がちがうだけ。

9.Q&A(もっと知りたい!)

Q1.0℃なのに凍らないことがあるのは?
A.過冷却です。静かに冷やすと結晶の作り始め(核)ができず、0℃でも液体のまま。衝撃や不純物で一気に凍ります。

Q2.塩をかけるとなぜ氷が早くとける?
A.氷点降下。塩がとけると水の性質が変わり、凍り始める温度が下がるため、今の温度では「溶けやすい」状態になります。

Q3.氷はどうして水に浮くの?
**A.六角形の結晶にすき間ができ、体積がふくらむ→密度が小さくなるため。氷山の多くは水面下にかくれているけれど、全体としては水より軽いので浮かびます。

Q4.湯気はなぜ白く見えるの?
A.本当の水蒸気は無色。 白いもやは、冷えて細かな水滴になったものが光を散らすから。

Q5.気圧が変わると沸騰の温度は変わるの?
A.変わります。 高い山では気圧が低く、100℃より低い温度で沸騰します。

Q6.冷凍庫で作る氷が白くにごるのは?
A.空気の泡や不純物が結晶の間に入るから。ゆっくり凍らせたり、一度沸かして空気をぬいた水を使うと、透きとおりやすいです。


10.用語ミニ辞典(小学生むけ)

  • 分子(ぶんし):ものを作る、とても小さなつぶ。水の分子はH₂O
  • 結晶(けっしょう):分子がきれいに並んだ固体の形。氷や雪の六角形が代表。
  • 凝固(ぎょうこ):液体が冷えて固体になること。水→氷。
  • 融解(ゆうかい):固体が熱で液体にもどること。氷→水。
  • 蒸発(じょうはつ):液体の表面から分子が飛び出して気体になること。
  • 沸騰(ふっとう):液体の中でも気体がぶくぶく生まれる状態。
  • 凝縮(ぎょうしゅく):気体が冷えて液体にもどること。結露(けつろ)
  • 昇華(しょうか):固体が液体にならずに直接気体になること。
  • 析出(せきしゅつ):気体が液体にならずに固体になること(霜)。
  • 氷点降下(ひょうてんこうか):塩などがとけると凍る温度が下がる現象。

11.チェックリスト(学びが身につく!)

  • 氷・水・水蒸気のちがいを説明できる
  • 融解・凝固・蒸発・凝縮・昇華・析出を言葉で説明できる
  • 結露ができる理由を身近な例で話せる
  • 「氷が浮く理由」を友だちに教えられる
  • 自由研究の目的・方法・結果・考察を書ける
  • 実験の安全ポイントを守れる

12.まとめ

水が氷になるのは、温度が下がって分子が規則正しく並ぶから。 氷・水・水蒸気は同じ水でも、温度と分子の動き方によって性質が変わります。家の冷凍庫、コップの結露、外の霜や雲――身近なところで三態変化は毎日おこっています。

観察・実験・記録をくり返すと、自由研究でも大きな差がつきます。今日から温度・時間・見た目をメモする習慣をはじめて、自然のふしぎを自分の言葉で発見しよう!

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